188 / 206
魔法学校編
5-67
しおりを挟む
「じゃあじゃあ、ラールルの学生時代の話が聞きたい! 歴史の資料を漁ってもそれは載ってないから!」
「そ、そうじゃな……」
それは聞いてみたい、と他の皆もガウディロの質問に同調した。キラキラとした四対の目がワシを射抜くが、どうしたものかとワシは内心頭を悩ませる。
何せ碌なエピソードが無いからだ。人目が気になってこの小屋に半引きこもりよろしく閉じこもっていたのだからな。
「ええと、そうじゃな……。何が聞きたい?」
「はい!」
「はいユーリさん!」
挙手したユーリを指名すると、興味津々な表情で聞いてきた。
「ラールル研究棟爆破伝説について聞きたい! 研究棟に入る学年以上の人達の間で語り継がれているらしくて!」
「なんじゃその酷い伝説は!! ……あ、いや、確かに研究棟を爆破したことはあったような……なかったよ……いや、あったな。それのことか?」
随分と酷い伝説が語り継がれているようだ。そんな汚名を着せられるだなんて冤罪だ、と一瞬憤慨しかけたが、よくよく思い出せばそんなこともあったような、と淡い記憶が蘇る。
「ラールルは防御魔法で守られている研究棟を魔法でぶっ壊した、としか語り継がれてなくて。他にも色々あったけど真実味を帯びているのはそれくらいで……ね。」
ユーリの情報に、ワシ以外の一同が背中に宇宙を背負う。防御魔法を壊す魔法って、何……?と。
「いや、あれは弁明するなら、防御魔法が脆かっただけなのじゃ! ワシが作った魔法が暴走したのはワシの落ち度だが、初めて作った魔法がまさか暴発するなんて誰も思わないのじゃ!」
何せ初めて作った魔法は、たびたび出てくる『鍵魔法』なのだ。まさか鍵をするだけの魔法が爆発するなんて夢にも思わないだろうに!
そう言い訳がましくペラペラと喋り続けたが、皆ボーッと意識を遥か彼方に飛ばしていたためあまり意味がなかったのは余談だ。
「レタアさん、当時の防御魔法ってそんなにレベルが低かったの?」
「うむ! その一件からしばらくして、防御魔法をワシが新たに作ったからな! 数倍は良くなっているはずじゃ!」
ここでもう一つ余談。レタアが作った防御魔法は高精度過ぎて対応する呪文が作れず、レタア……ラールル自らが掛けた魔法しか機能していない。
今現在巷で使われているのは、ラールルがぶっ壊した防御魔法のままなのだ。しかしその事実を知る者はここにはいないし、確認のしようがない。
「学生で……魔法の作成……?」
「ボウギョマホウ、モロイ……?」
ガウディロは非現実的すぎる話に頭を痛め、グリタリアは防御魔法を壊すイメージが持てずカタコトで単語を発し、ニイナは頭にハテナを浮かべ考えることを放棄したようだった。
一方、質問主のユーリは新たな情報を仕入れられたとホクホク顔だ。それも尾鰭がついた噂ではなく、本人から齎された事実だったから。
それからしばらくの間、ラールルの珍事件話は続いた。
ユーリは一人だけ楽しそうにし、他の皆は非現実的な情報を捌くしかできていなかったようだった。
「そ、そうじゃな……」
それは聞いてみたい、と他の皆もガウディロの質問に同調した。キラキラとした四対の目がワシを射抜くが、どうしたものかとワシは内心頭を悩ませる。
何せ碌なエピソードが無いからだ。人目が気になってこの小屋に半引きこもりよろしく閉じこもっていたのだからな。
「ええと、そうじゃな……。何が聞きたい?」
「はい!」
「はいユーリさん!」
挙手したユーリを指名すると、興味津々な表情で聞いてきた。
「ラールル研究棟爆破伝説について聞きたい! 研究棟に入る学年以上の人達の間で語り継がれているらしくて!」
「なんじゃその酷い伝説は!! ……あ、いや、確かに研究棟を爆破したことはあったような……なかったよ……いや、あったな。それのことか?」
随分と酷い伝説が語り継がれているようだ。そんな汚名を着せられるだなんて冤罪だ、と一瞬憤慨しかけたが、よくよく思い出せばそんなこともあったような、と淡い記憶が蘇る。
「ラールルは防御魔法で守られている研究棟を魔法でぶっ壊した、としか語り継がれてなくて。他にも色々あったけど真実味を帯びているのはそれくらいで……ね。」
ユーリの情報に、ワシ以外の一同が背中に宇宙を背負う。防御魔法を壊す魔法って、何……?と。
「いや、あれは弁明するなら、防御魔法が脆かっただけなのじゃ! ワシが作った魔法が暴走したのはワシの落ち度だが、初めて作った魔法がまさか暴発するなんて誰も思わないのじゃ!」
何せ初めて作った魔法は、たびたび出てくる『鍵魔法』なのだ。まさか鍵をするだけの魔法が爆発するなんて夢にも思わないだろうに!
そう言い訳がましくペラペラと喋り続けたが、皆ボーッと意識を遥か彼方に飛ばしていたためあまり意味がなかったのは余談だ。
「レタアさん、当時の防御魔法ってそんなにレベルが低かったの?」
「うむ! その一件からしばらくして、防御魔法をワシが新たに作ったからな! 数倍は良くなっているはずじゃ!」
ここでもう一つ余談。レタアが作った防御魔法は高精度過ぎて対応する呪文が作れず、レタア……ラールル自らが掛けた魔法しか機能していない。
今現在巷で使われているのは、ラールルがぶっ壊した防御魔法のままなのだ。しかしその事実を知る者はここにはいないし、確認のしようがない。
「学生で……魔法の作成……?」
「ボウギョマホウ、モロイ……?」
ガウディロは非現実的すぎる話に頭を痛め、グリタリアは防御魔法を壊すイメージが持てずカタコトで単語を発し、ニイナは頭にハテナを浮かべ考えることを放棄したようだった。
一方、質問主のユーリは新たな情報を仕入れられたとホクホク顔だ。それも尾鰭がついた噂ではなく、本人から齎された事実だったから。
それからしばらくの間、ラールルの珍事件話は続いた。
ユーリは一人だけ楽しそうにし、他の皆は非現実的な情報を捌くしかできていなかったようだった。
0
あなたにおすすめの小説
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる