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忙しくなる非常勤講師
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何とか、教諭達の授業を参考にしながら、資料に目を通して懸命に授業をしていく。そんな日を数日過ごしていると、三田教諭から言われた事がある。
「何事も経験。部活動も見学でいいから行きなさい」
そんな時間はない。授業の指導案さえできていないのだから。
「はい。時間がある時に行きます」
当日の放課後には、帰る時間を2時間以上過ぎてからの部活動見学。実際に中学で行っていたソフトテニス部を見学させてもらったが、ラケットも持っていない私はやる事がない。
部活動は、顧問は職員室で仕事。生徒は指示された通り自主的に練習。生徒の自主練習の中で、アドバイスをするべきなのだが、中学で齧った程度。部員の方がレベルが高かった。
次の日には、安田教諭から
「私の○○の授業を見に来なさい。勉強になるから」
「はい。分かりました」
授業の合間の空き時間が失われていく。その授業を見学させてもらったが、用意したプリントを読み上げている事が基本だった。
私の理想の授業、安田教員の理想の授業。それは正反対のもの。そう理解した。
とにかく授業準備で忙しい。そんな中、経験だから、と様々な事を言われて、立場が違うので断れずにいる。時間が惜しい時に。
ある日、1時間目から授業があったので、授業開始前の職員室で行われる申し送りに参加をした。様々な情報を共有しており、参加してみた価値はあったと十分に思えるだった。
「ここで何をしている?」
突然、安田教諭が私に声をかける。
「申し送りを聞いていました」
「職員室には来るな。準備室にいろ」
「え…?」
「職員室には入るな。準備室にいたらいいだろ」
安田教諭は私にそう言い、職員室から追い出された。意味が分からなかった。しかし、4月の半ばから私は職員室に立ち入り禁止となった訳だ。
職員室のデスクには、確かに私の名前が書いてある。しかし、入るな。と言われたら、もう入れない。
勿論、絶対に職員室だけでしか行えない業務もある。彼の目を盗み、こっそりと急いで仕事をする日々を一年間続けた。
それ以降、私は学校内で孤立させられ、授業以外は準備室に隔離されていたのだった。パソコンがあるから何とか指導案の作成などはできる。しかし、完全に孤立していた。
ある日、メイン教員として授業が終わった後、準備室にて安田教諭に声を掛けられる。
「先生は、電話の発明者を知っているかな?」
「いえ、分からないです」
いきなり聞かれて、咄嗟に答えた言葉だった・
私は安田教諭が座るデスクの前に立ち、話を聞いていく。
「それくらい分からないでどうするんだ。ベルと言う人が…」
長い話は始めり、私は立ったまま1時間は過ごしただろう。
区切りの良いところで、私は去ろうとした。
「君の担当しているクラス、うるさいよね」
そして、別の話が始まった。特にうるさいクラスを担当していたのではなく、休み時間は賑やかに話をしているだけだった。授業が始まるとしっかりと静かに話を聞ける姿勢が作れる生徒達。
「もっと厳しく指導した方が良いんじゃないの?」
ネチネチと始まった話。そして、私は全部で2時間は立ちっぱなしだったのではないだろうか。
まぁ、上司に当たる教諭が言うなら指示通りに指導はしていこうと思っているが、内心では納得できないものだった。
「何事も経験。部活動も見学でいいから行きなさい」
そんな時間はない。授業の指導案さえできていないのだから。
「はい。時間がある時に行きます」
当日の放課後には、帰る時間を2時間以上過ぎてからの部活動見学。実際に中学で行っていたソフトテニス部を見学させてもらったが、ラケットも持っていない私はやる事がない。
部活動は、顧問は職員室で仕事。生徒は指示された通り自主的に練習。生徒の自主練習の中で、アドバイスをするべきなのだが、中学で齧った程度。部員の方がレベルが高かった。
次の日には、安田教諭から
「私の○○の授業を見に来なさい。勉強になるから」
「はい。分かりました」
授業の合間の空き時間が失われていく。その授業を見学させてもらったが、用意したプリントを読み上げている事が基本だった。
私の理想の授業、安田教員の理想の授業。それは正反対のもの。そう理解した。
とにかく授業準備で忙しい。そんな中、経験だから、と様々な事を言われて、立場が違うので断れずにいる。時間が惜しい時に。
ある日、1時間目から授業があったので、授業開始前の職員室で行われる申し送りに参加をした。様々な情報を共有しており、参加してみた価値はあったと十分に思えるだった。
「ここで何をしている?」
突然、安田教諭が私に声をかける。
「申し送りを聞いていました」
「職員室には来るな。準備室にいろ」
「え…?」
「職員室には入るな。準備室にいたらいいだろ」
安田教諭は私にそう言い、職員室から追い出された。意味が分からなかった。しかし、4月の半ばから私は職員室に立ち入り禁止となった訳だ。
職員室のデスクには、確かに私の名前が書いてある。しかし、入るな。と言われたら、もう入れない。
勿論、絶対に職員室だけでしか行えない業務もある。彼の目を盗み、こっそりと急いで仕事をする日々を一年間続けた。
それ以降、私は学校内で孤立させられ、授業以外は準備室に隔離されていたのだった。パソコンがあるから何とか指導案の作成などはできる。しかし、完全に孤立していた。
ある日、メイン教員として授業が終わった後、準備室にて安田教諭に声を掛けられる。
「先生は、電話の発明者を知っているかな?」
「いえ、分からないです」
いきなり聞かれて、咄嗟に答えた言葉だった・
私は安田教諭が座るデスクの前に立ち、話を聞いていく。
「それくらい分からないでどうするんだ。ベルと言う人が…」
長い話は始めり、私は立ったまま1時間は過ごしただろう。
区切りの良いところで、私は去ろうとした。
「君の担当しているクラス、うるさいよね」
そして、別の話が始まった。特にうるさいクラスを担当していたのではなく、休み時間は賑やかに話をしているだけだった。授業が始まるとしっかりと静かに話を聞ける姿勢が作れる生徒達。
「もっと厳しく指導した方が良いんじゃないの?」
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まぁ、上司に当たる教諭が言うなら指示通りに指導はしていこうと思っているが、内心では納得できないものだった。
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