ペンギン仕掛けの目覚まし時計 6

織風 羊

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20 日本史

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 「このネギとシラスの組み合わせ、やっぱ最高やな」

 風呂上がりの湯気を纏った一人と一匹が今夜も飲んでいる。

「美咲ちゃんの手料理はいつも最高です」

 と美咲の手作りコロッケを食べながら清田はビールを飲んでいる。

「お前、やっと美咲ちゃんの愛情が分かって来たんちゃう?」

「いえ、忘れていたものを取り戻しただけです」

「偉い! お前、そういうことが言えるようになったか? 偉い!」

「そんなことないですよ」

「そんなことあるで、生きるいうことはな、忘れなあかんもんと忘れたらあかんもんとが混在しながら続いてるねん」

「なんか今夜はマルセリーノさんの言うことが良く分かります」

「それはお前が成長してきた証拠みたいなもんや、この短期間で偉いやないかい」

「褒めないでくださいよ」

「いやいや偉いで」

「ありがとうございます」

「よしよし。ほなら、忘れなあかんもん、って何やろ?」

「それは嫌な過去とか、思い出したくもないものじゃないですか?」

「せや! よし! ほなら聞くけどや、嫌なって、過去だけか?」

「そうですね、確かに嫌なことって毎日のように現実に起こってますね」

「そこや。そこやねん。ほんならよ、その毎日の現実の嫌なことって忘れなあかんもんちゃう?」

「はい、そう思います」

「よっしゃ、第一関門突破や」

「ありがとうございます」

「美咲ちゃんのずっと続いてる愛情も、やっとお前は気づくことが出来た。それは何よりもお前が忘れてた愛情を思い出せたからや。せやな?」

「はい、申し訳ないことをしていたと思っています」

「かまへん。機会を見つけて美咲ちゃんに話したらええねん」

「はい、いつか、そうしたいです」

「うん、今は、それで宜しい」

「はい」

 マルセリーノはシングルモルトに嘴をつけ、一息つくと喋り出した。

「お前が少しは成長したお祝いに、この国の話ししたろか?」

「急にどうしたんですか?」

「ワイって、唐突に喋り出すの得意やない?」

「そういえば、そうでした」

「なぁ、この国の始まりって知ってる?」

「えーっと、邪馬台国とか縄文時代とか、日出る国のことですか?」

「ま、そんなところやねんけどな。ワイらの星では、この星の調査の結果な、ちょっと紡がれてる歴史と違いがあることが分かってんねん」

「どう言うところがですか?」

「ま、簡単に言うたら歴史って人間が書いていくもんやから、証拠を見つけて繋いでいくしかあらへんやろ? それどころか遠い昔やったら書いた人が既に事実に反することを書いてるかもしらん。いや、もっと言うたら現在起こってる事実も書き換えられていくかもしらへんし、更に言うたらお前らが知ってる今の情報も既に工作されて伝えられてるかもしらんやろ」

「何か難しくなって来ましたね」

「そうか? ま、常に事実いうもんは心の目でしか分からんもんや」

「そう言う噂的なものは聞いたことがあります」

  更にマルセリーノは続ける。
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