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28 鳥
しおりを挟む夜も更けていき、会話が尽きることは無いが、2人と1匹の声は段々と静かになって行く。
「マルセリーノさん、本当に有り難うございました」
「せやから礼は未だ早い言うてるやろ。何回言わすねん」
「でも・・・。」
「あのな。でもも、鴨も、芋も、あるかい!」
しょぼくれている清田の横で、美咲は目を潤ませてぺペンギンを見つめている。
それに応えるようにしてマルセリーノが静かに話し始める。
「お前は確かに過去の嫌なものを捨て去った。然も生活するのに大切な仕事まで辞めてゼロから始めようとしてる。これからは生きて行くための糧を得て行かなあかん。潔し、と言いたいところやねんけど、大変でもある。勿論、お前が覚悟の上やった、言うことは理会できてるけど、家族を養う言う意味での環境は更に悪くなったと思うで。せやけどお前は確かに破壊と再生を選んだ、いうことは間違いない。ええか、焦るな。キケロいう人が言うた言葉がある、始まりは、どんなものでも小さい、そやねんで。はじめの一歩はこれからの人生の中でどんだけ小さい一歩やと思う? せやけど、そのはじめの一歩はこれからの人生で一番大きい一歩になるやろうと思うで。兎に角、そんなもんでは?とか思わんと、やりたい!と思えることから頑張ってみや」
「はい、でも好きなことから始めるのは経済的に無理なこともあるでしょ?」
「せやから、とか、でも、とかを辞めろ、言うてるやろ。これも昔の人の言葉やねんけど、シルスいう人がこんなこと言うてる。変更することができない計画は悪い計画である、てな。ええねんで、せやしええねん、やってみや、やってから、あかん、思たら新しいもんを探しに行けや」
「はい、何度も頑張って、納得いくような仕事に就けるように挑戦していきます」
「ちゃうねん、頑張るな、とは言いたくないねんけどな」
「はい・・・。」
「お前、挑戦する、言うたやろ? 挑戦の意味? 教えたろか?」
「はい」
「お前、鳥を抱いたことあるか? 多分無いと思うけどな」
「・・・・・・・・・。」
「こら! 何近づいて来とんねん! 向こう行け! このアホボケカス!」
「鳥・・・。」
「アホか、このボケ! 空を飛ぶ鳥の事を言うとんのじゃ! 二度とワイに近づくな! この脳足りんが!」
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