チートなタブレットを持って快適異世界生活

ちびすけ

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今日もお騒がせな幼馴染がやってきた

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 今日はとてもいい天気だ。
 寒くも暑くもないちょうどいい気温だし、外に出て散歩をしたらとても気分がいいだろうな~。
 自分専用のふかふかな椅子に座りながら、お茶を飲みつつそう思っていたんだけど……

 ガタガタガタガタガタッ!

 僕の目の前で腕を組みながら超高速で貧乏ゆすりをする幼馴染がいるせいで、まったりと過ごせる貴重な昼休憩の時間が潰れそうである。
 今までの経験上、邪険に対応しようものなら散々な目に合わせられるのは分かっているので、にっこり笑いながら優し~い口調で対応していきたいと思う。

「フェリス、君がそんなに心配しなくても、クルゥ君やケント君にいろいろと手を打ったんだろ? だから大丈夫だよ」
「はぁ~⁉ どんなに手を尽くしても心配になるのはしょうがないでしょう!」

 優しい口調でも怒られた。
 理不尽だ! と思ってもそんなことは口が裂けても言えない。
 フェリスはふぅっと溜息を吐くと、テーブルの上に置いてある僕のお菓子を摘まむと口に放り込む。

「ラグラーやケルヴィンやグレイシスならまだしも、子供な二人が面倒な特殊ダンジョンに当たるなんて……」
「そうは言っても、昇級試験のダンジョンはランダムで決まる仕組みなんだからしょうがないでしょ。確かに、通常のダンジョンよりも若干難しいとはいえ、最終的に討伐する魔獣とかの強弱はたいした変わりはないよ。ただ、どう立ち回って戦うのか、今までよりも頭を使わなきゃならないってだけで」

 僕はそう言いながらも、『暁』のメンバーの少年二人が当たったダンジョンはギルド内でも『アタリ』と言われているダンジョンで、他のダンジョンにいる魔獣を討伐するのとは違い、精霊系やアンテッド系のものが多く存在するので討伐がより難しいと言える。
 まぁそんなことはフェリスには言わんけど。

「分かってるけど、心配なのよぉ~。こんな繊細で優しさに溢れる私の気持ち、なぁ~んでルーイズは分っからないかなぁ?」
「…………」

 ルーイズーー僕は、突っ込みどころ満載なフェリスの言葉にいろいろ言いたかったんだけど、懸命に口を閉じた。
 伊達に長く幼馴染をしていない。
 ここで何か言おうものなら、倍になってかえってくるのは分かっている。

「あのさ、フェリス。君が僕の仕事部屋でそう言う風にお菓子やジュースを食べたり飲んだりしながら心配してても意味がないでしょ? それだったら、家に戻って仲間が帰って来た時に美味しい料理を作って待っててあげちゃ……ダメだった!」

 フェリスのとんでも料理の数々を知っている僕は慌てて、それだけは勧めちゃいかん! と首を振る。
 親切心でそんなことを言ったが最後、昇級試験を終えて疲れて帰って来た『暁』のメンバー全員が、フェリスの料理を食べてご臨終してしまう!
 僕が無意識にそう言ってしまえば、にっこり笑うフェリスに頭を殴られた。
 ギルドマスターである僕にも見えない腕の振りに、拳を避ける暇がなかった。

「いたたたっ! 殴るなんて酷いよフェリス~」
「酷いのはあんたでしょうが! 私の心を込めた手料理を貶すなんて!」

 いやいや、君の手料理を食べた僕が何度空へ旅立ったおばあちゃんと出会ったことか!
 料理じゃなくて、もはや凶器だよ。
 食材を使ってどうやったらあんな料理が出来上がるのか意味が分からない。
 何度か作っているところを隣で見たことがあるけど、料理の手順はちゃんとしてて問題はなかったんだよね。

 それなのに、途中からどうやってあんな物騒なものが出来上がるのか意味が分かんない。

 フェリスの手には呪いがかけられてるんじゃなかろうか?
 そんなことを思いつつ、人差し指を振って空中に魔法陣を展開して、そこからお酒とおつまみが入った籠を呼び出す。

「試験は始まったばかりなんだ。今から心配のし過ぎじゃ疲れちゃうよ。パーティリーダーなら彼らを信じてどっしり構えて待っててあげればいいんだよ」

 僕はそう言って、高級なお酒やおつまみが入った籠をフェリスに手渡し、「はよ帰ってくれ」と遠回しに言ってみる。

「こっ、これって幻のお酒、『トゥトゥルットゥー』に『ラルミネ』、『フェイゼロ』じゃない! いいの、もらっても?」
「もちろんだとも~。冷たくして飲んでもよし、温めて飲んでもよしな高級酒だよ。これに合うおつまみも入れておいたから、お家に帰ってゆっくり飲んで」
「うわぁ~、楽しみ! それじゃあ、さっそく帰って飲まなくちゃ!」
「気を付けてね~」

 一気に静かになった室内にふぅっと溜息を吐く。

「あの様子なら……三日後にまた来るな」

 少年二人が無事に戻って来るまでは、あんな状態がしばらく続くのは目に見えている。
 遠い目をしながら家にあとどのくらいフェリスが好きそうなお酒が残っているのか思い出していると、「マスター、今よろしいでしょうか?」と声をかけられた。
 どうやら、僕の休憩はあっという間に終了したようである。

 さてさて、午後のお仕事も頑張りましょうかね。
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