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連載
後編 2
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それから――魔獣の必要そうな部分だけ手に入れ、ここに来た目的も果たしたことだしそろそろ家に帰ろうということになり、僕達はまた馬に乗って来た道を戻っている。
空が暗くなってくると、地面の近くを蛍のような虫が飛んでいてとても綺麗な光景だった。
先ほどの戦闘は凄かったねとリーフェちゃんに言えば、お父さんと二人でよく里の近くに出没する魔獣を倒しているらしく、あれくらいの魔獣なら一人でも簡単に倒せると笑いながら言っていて……もしもギルドの昇級試験を受けたなら簡単にAランク冒険者になれそうだなと思ってしまった。
二人でいろんな話をしていると、直ぐに家に着く。
ただいまと言いながら家に入れば、ユーリィーネさんが「お帰りなさい」と笑顔で迎えてくれる。
「ねぇねぇお母さん! ケント君ってすっごく料理が上手なんだよ!」
「まぁ、そうなの?」
「『暁』で食事の担当もしてます」
僕はそう言うと、もしも台所をお借りしてもいいなら本日の夕食を自分が作ってもいいかと聞けば、ユーリィーネさんは快く貸してくれたのだった。
僕の中でエルフは菜食主義的なイメージがあったんだけど、フェリスさんと一緒に生活していると間違ったイメージを持っていたんだと気付いたよね。
フェリスさんに以前エルフは何を食べていて苦手なものがあるのか聞いたら、人間とほぼ同じものを食べれるし、苦手なものはそれぞれで違うと教えてもらった。
ただ、主にエルフの里ではお肉よりは淡泊な魚や野菜の方が手軽に手に入るので、そちらが主流の食事となっているんだって。
「うちの家族も私同様、お肉は大好物よ!」と教えてもらっていたから、今回はお肉料理をメインにしようかなと思う。
ちなみに、エルフの里にも日本米と同じようなお米があって、基本的にはそのまま炊いて食べるんじゃなくて米粉にしてパンを作るんだって。
「それじゃあ、料理にとりかかりましょうか!」
「は~い!」
「ケント君の作る料理、楽しみだわ」
台所に立った僕は、『魔角豚のバラ肉と大根のこっくり煮』『鶏肉つくねの塩レモンダレ』『マッシュポテトグラタン』を作ることにした。
どんなものを作るのかと興味津々なユーリィーネさんとリーフェちゃんに、お手伝いをしながら作るところも見たいと言われたので、お手伝いをお願いすることにした。
今回はお肉料理を作るのでお米を炊くことにしたんだけど、炊いて食べるのは初めてだという二人にパン以外も美味しいし、お肉料理にすっごく合うんですよと力説しておいた。
まずはリーフェちゃんにじゃがいもを切ってもらい、水にさらして水分を切ってから鍋でゆがいてもらう。
ユーリィーネさんには玉ねぎのみじん切りと、大根を二センチ幅の半月切りにしてもらい、まずは大根を煮る作業から。
大根の高さの半分まで水を加えて蓋をし、強めの中火にして竹串を刺してすっと通るまで煮て、水が減ったら元の高さまで水を足してくださいとお願いしておいた。
ユーリィーネさんは料理が得意な主婦ということなので、僕がいちいち口を出さなくても上手に対処してくれるので安心だ。
次にリーフェちゃんに柔らかくなるまで煮たじゃがいもの水気を切り、じゃがいもを潰して裏ごしし、塩と胡椒とバター、ミルクを入れて混ぜてもらう。
ミートソースを作ろうと思ったんだけど、ユーリィーネさんの手作りミートソースの作り置きがあるとのことだったので、それを使わせてもらうことに。
容器にマッシュポテトを入れてからミートソースをかけ、その上にたっぷりのチーズをのせてもらってからリーフェちゃんにオーブンで焼いてもらう。
「うわぁ、食べるのがたのしみ!」
オーブンの前でワクワクしながらそう言うリーフェちゃんに笑いながら、僕は玉ねぎをみじん切りにした後にまな板にのせた鶏肉を包丁でトントン叩いてミンチにしていく。
ボウルにミンチにしたお肉と玉ねぎを入れ、料理酒と塩とおろし生姜、片栗粉を入れて粘り気が出るまでまぜまぜ……
食べやすい大きさに分けて丸めて『たね』をつくり、熱したフライパンで焼いていく。
「ケント君、そろそろ大根もいい感じよ」
たねを焼いていると、隣で大根を煮ていたユーリィーネさんがそう教えてくれたので、一度お湯を捨ててから用意していた魔角豚のお肉を入れてもらい、だし汁と醤油、みりん、砂糖の合わせ調味料を注いでもらう。
ちなみにこの世界には醤油もみりんもなかったんだけど、とあるダンジョンに咲いている魔草の花の蜜が正に『醤油』と『みりん』の味で……調べたら毒もないし日本にある醤油とみりんとそれほどかわらない味だったので、こちらの世界の人に料理を教える時はこの魔草の蜜を使用している。
「……ケント君、すごくいい匂いですね」
「これは醤油の甘い匂いですね」
「しょうゆ?」
ユーリィーネさんがこてんと首を傾げるので、魔草の花の蜜だと説明すれば驚かれた。
「このまま煮詰めて煮汁がなくなって照りが出てきたら完成です。凄く美味しいので楽しみにしててください」
「えぇ、楽しみにしているわ!」
にこにこしながらお鍋の中を覗いているユーリィーネさん。
「ケント君! 焼けたよ」
「ありがとう。それじゃあリーフェちゃん、火傷しないようにオーブンから取り出してくれる?」
「任せて!」
両手にミトンを嵌めてオーブンの蓋を開けているのを見つつ、焼けたつくねをフライパンから取り出して、お皿に盛り付けように敷かれたレタスの上に並べていく。
小さなボウルに刻んだ長ネギと塩とレモン汁、ごま油に似た『ココ油』、鶏がらスープの素に似た『ダルシュープの粉』を入れて混ぜ合わせ――つくねの上にかければ完成でっす。
それから少ししてユーリィーネさんにお願いしていた『魔角豚のバラ肉と大根のこっくり煮』も作り終えたので、お皿に盛りつけてフェリスさんとキルシスさんが待つ部屋へと料理を持って向かったのだった。
「美味しそうな匂い! お腹空いた~」
「お待たせしました。それじゃあ、食べましょうか」
お腹を撫でながらそう言うフェリスさんに笑いながら、お皿に盛られたごはんを置いていく。
「お父さん、パンの代わりにごはんを食べるんだって!」とキルシスさんに説明しながら、リーフェちゃんはまずは塩レモンだれがかかったつくねにフォークを刺し、パクリと食べる。
「ん~っ、おいしいっ! うわっ、この味ごはんがすすむ!」
「でっしょ~! ごはんが美味しいってケント君が作る料理で私も初めて知ったんだから」
「本当ね、美味しいわ」
「……うむ」
三人のお口にあったようで本当に良かったと、僕は胸をなでおろしたのであった。
それから僕はキルシスさんと一緒にエルフの里の人達に合わせてもらったり、一緒に釣りをしたり、時間が空いた時はリーフェちゃんに魔法薬の調合を教えてあげたりもしていた。
里の中の観光もすっごく楽しくて、気付けばもう家に帰る日になっていた。
本当に時間が経つのって早い……
「それじゃあ、そろそろ帰るわね」
「今までお世話になりました。楽しかったです」
「こちらこそ楽しかったわ。また来てね」
「絶対また来てね!」
「元気でな」
別れを惜しみながらも手を振る三人と別れてルーイズさんと合流すれば、巨大なギルドのマスターという重責から解放されて実家で久々にゆっくりと出来たらしく、ルーイズさんの肌艶は格段に良くなっていたのだった。
それから、楽しかったエルフの里に行ってから半年が過ぎた頃――
今日は珍しく暁のメンバー全員がなにも依頼を入れておらず、家でゆっくりと過ごしていた。
お昼ご飯を食べて皆が居間に集まり、お茶を飲みながらまったりとしていたところ……玄関からコンコンコンという音が聞こえてきた。
滅多に誰かが家に訪ねてくることもないし、来るとすればデレル君やクリスティアナちゃん達くらいだ。
ただし、いつも来るメンバーはコンコン叩いてから直ぐに家の中に入ってくるので、彼らでもないことが分かる。
いったい誰かな? と思いながら「はいはい、今行きますよ~」と玄関を開けると、思いもよらない人物が立っていた。
「ケント君、久しぶり!」
「り、リーフェちゃん!?」
僕の前にいるのは、フェリスさんの妹であるリーフェちゃんだ。
里にいるはずのリーフェちゃんがどうしてここに? と驚いていると、どうしたどうした? と皆が玄関に集まって来た。
「え、リーフェ? どうしてあんたがここにいるの!?」
フェリスさんも聞いていなかったようで、かなり驚いていた。
リーフェちゃんはふふふと笑うと、懐から「じゃじゃ~ん!」と言いながらカードを取り出す。
何のカードかと思えば、それは『Aランク冒険者』としてのカードだった。
「実はお姉ちゃんとケント君が帰った後に、ルーイズお兄ちゃんにお願いしてギルドに登録してもらって昇級試験を受けてたの!」
「え、リーフェちゃん……半年ちょっとでAランク昇級試験までを合格しちゃったの?」
「うん! 思ったより簡単だったよ」
ニコニコしながらそう言うリーフェちゃんに僕は驚くことしか出来なかったんだけど、後ろでラグラーさんが
「……さすが戦闘民族、末恐ろしいぜ」と呟いていた。
リーフェちゃんは僕の隣に立ったフェリスさんを見詰め、「お姉ちゃん、私も『暁』に入りたい!」と言う。
「……リーフェ、母さんと父さんは里を出るのを反対したんじゃないの? それに『暁』は仲の良いだけの集まりじゃなくて、それぞれが――」
「お母さんとお父さんは「行っておいで」って言ってくれたよ? それにねお姉ちゃん、この前上級ダンジョンに行ってたくさん魔獣を倒したら、お金をいっぱいもらっちゃった」
「リーフェちゃ~ん、『暁』へようこそ~♪」
フェリスさんは両手を合わせ、ニコニコ顔で家の中に招き入れる。
ラグラーさんが「変わり身早っ!」と突っ込んでいたのには「うっさいわよ!」と言い返していた。
そんな二人のやり取りを笑いながら、リーフェちゃんが僕に手を差し出し「これからよろしくね、ケント君」と笑う。
その手を握りながら、「よろしく、リーフェちゃん」と言って歓迎した。
こうして、まさかまさかのリーフェちゃんが『暁』へと加入したのだった。
空が暗くなってくると、地面の近くを蛍のような虫が飛んでいてとても綺麗な光景だった。
先ほどの戦闘は凄かったねとリーフェちゃんに言えば、お父さんと二人でよく里の近くに出没する魔獣を倒しているらしく、あれくらいの魔獣なら一人でも簡単に倒せると笑いながら言っていて……もしもギルドの昇級試験を受けたなら簡単にAランク冒険者になれそうだなと思ってしまった。
二人でいろんな話をしていると、直ぐに家に着く。
ただいまと言いながら家に入れば、ユーリィーネさんが「お帰りなさい」と笑顔で迎えてくれる。
「ねぇねぇお母さん! ケント君ってすっごく料理が上手なんだよ!」
「まぁ、そうなの?」
「『暁』で食事の担当もしてます」
僕はそう言うと、もしも台所をお借りしてもいいなら本日の夕食を自分が作ってもいいかと聞けば、ユーリィーネさんは快く貸してくれたのだった。
僕の中でエルフは菜食主義的なイメージがあったんだけど、フェリスさんと一緒に生活していると間違ったイメージを持っていたんだと気付いたよね。
フェリスさんに以前エルフは何を食べていて苦手なものがあるのか聞いたら、人間とほぼ同じものを食べれるし、苦手なものはそれぞれで違うと教えてもらった。
ただ、主にエルフの里ではお肉よりは淡泊な魚や野菜の方が手軽に手に入るので、そちらが主流の食事となっているんだって。
「うちの家族も私同様、お肉は大好物よ!」と教えてもらっていたから、今回はお肉料理をメインにしようかなと思う。
ちなみに、エルフの里にも日本米と同じようなお米があって、基本的にはそのまま炊いて食べるんじゃなくて米粉にしてパンを作るんだって。
「それじゃあ、料理にとりかかりましょうか!」
「は~い!」
「ケント君の作る料理、楽しみだわ」
台所に立った僕は、『魔角豚のバラ肉と大根のこっくり煮』『鶏肉つくねの塩レモンダレ』『マッシュポテトグラタン』を作ることにした。
どんなものを作るのかと興味津々なユーリィーネさんとリーフェちゃんに、お手伝いをしながら作るところも見たいと言われたので、お手伝いをお願いすることにした。
今回はお肉料理を作るのでお米を炊くことにしたんだけど、炊いて食べるのは初めてだという二人にパン以外も美味しいし、お肉料理にすっごく合うんですよと力説しておいた。
まずはリーフェちゃんにじゃがいもを切ってもらい、水にさらして水分を切ってから鍋でゆがいてもらう。
ユーリィーネさんには玉ねぎのみじん切りと、大根を二センチ幅の半月切りにしてもらい、まずは大根を煮る作業から。
大根の高さの半分まで水を加えて蓋をし、強めの中火にして竹串を刺してすっと通るまで煮て、水が減ったら元の高さまで水を足してくださいとお願いしておいた。
ユーリィーネさんは料理が得意な主婦ということなので、僕がいちいち口を出さなくても上手に対処してくれるので安心だ。
次にリーフェちゃんに柔らかくなるまで煮たじゃがいもの水気を切り、じゃがいもを潰して裏ごしし、塩と胡椒とバター、ミルクを入れて混ぜてもらう。
ミートソースを作ろうと思ったんだけど、ユーリィーネさんの手作りミートソースの作り置きがあるとのことだったので、それを使わせてもらうことに。
容器にマッシュポテトを入れてからミートソースをかけ、その上にたっぷりのチーズをのせてもらってからリーフェちゃんにオーブンで焼いてもらう。
「うわぁ、食べるのがたのしみ!」
オーブンの前でワクワクしながらそう言うリーフェちゃんに笑いながら、僕は玉ねぎをみじん切りにした後にまな板にのせた鶏肉を包丁でトントン叩いてミンチにしていく。
ボウルにミンチにしたお肉と玉ねぎを入れ、料理酒と塩とおろし生姜、片栗粉を入れて粘り気が出るまでまぜまぜ……
食べやすい大きさに分けて丸めて『たね』をつくり、熱したフライパンで焼いていく。
「ケント君、そろそろ大根もいい感じよ」
たねを焼いていると、隣で大根を煮ていたユーリィーネさんがそう教えてくれたので、一度お湯を捨ててから用意していた魔角豚のお肉を入れてもらい、だし汁と醤油、みりん、砂糖の合わせ調味料を注いでもらう。
ちなみにこの世界には醤油もみりんもなかったんだけど、とあるダンジョンに咲いている魔草の花の蜜が正に『醤油』と『みりん』の味で……調べたら毒もないし日本にある醤油とみりんとそれほどかわらない味だったので、こちらの世界の人に料理を教える時はこの魔草の蜜を使用している。
「……ケント君、すごくいい匂いですね」
「これは醤油の甘い匂いですね」
「しょうゆ?」
ユーリィーネさんがこてんと首を傾げるので、魔草の花の蜜だと説明すれば驚かれた。
「このまま煮詰めて煮汁がなくなって照りが出てきたら完成です。凄く美味しいので楽しみにしててください」
「えぇ、楽しみにしているわ!」
にこにこしながらお鍋の中を覗いているユーリィーネさん。
「ケント君! 焼けたよ」
「ありがとう。それじゃあリーフェちゃん、火傷しないようにオーブンから取り出してくれる?」
「任せて!」
両手にミトンを嵌めてオーブンの蓋を開けているのを見つつ、焼けたつくねをフライパンから取り出して、お皿に盛り付けように敷かれたレタスの上に並べていく。
小さなボウルに刻んだ長ネギと塩とレモン汁、ごま油に似た『ココ油』、鶏がらスープの素に似た『ダルシュープの粉』を入れて混ぜ合わせ――つくねの上にかければ完成でっす。
それから少ししてユーリィーネさんにお願いしていた『魔角豚のバラ肉と大根のこっくり煮』も作り終えたので、お皿に盛りつけてフェリスさんとキルシスさんが待つ部屋へと料理を持って向かったのだった。
「美味しそうな匂い! お腹空いた~」
「お待たせしました。それじゃあ、食べましょうか」
お腹を撫でながらそう言うフェリスさんに笑いながら、お皿に盛られたごはんを置いていく。
「お父さん、パンの代わりにごはんを食べるんだって!」とキルシスさんに説明しながら、リーフェちゃんはまずは塩レモンだれがかかったつくねにフォークを刺し、パクリと食べる。
「ん~っ、おいしいっ! うわっ、この味ごはんがすすむ!」
「でっしょ~! ごはんが美味しいってケント君が作る料理で私も初めて知ったんだから」
「本当ね、美味しいわ」
「……うむ」
三人のお口にあったようで本当に良かったと、僕は胸をなでおろしたのであった。
それから僕はキルシスさんと一緒にエルフの里の人達に合わせてもらったり、一緒に釣りをしたり、時間が空いた時はリーフェちゃんに魔法薬の調合を教えてあげたりもしていた。
里の中の観光もすっごく楽しくて、気付けばもう家に帰る日になっていた。
本当に時間が経つのって早い……
「それじゃあ、そろそろ帰るわね」
「今までお世話になりました。楽しかったです」
「こちらこそ楽しかったわ。また来てね」
「絶対また来てね!」
「元気でな」
別れを惜しみながらも手を振る三人と別れてルーイズさんと合流すれば、巨大なギルドのマスターという重責から解放されて実家で久々にゆっくりと出来たらしく、ルーイズさんの肌艶は格段に良くなっていたのだった。
それから、楽しかったエルフの里に行ってから半年が過ぎた頃――
今日は珍しく暁のメンバー全員がなにも依頼を入れておらず、家でゆっくりと過ごしていた。
お昼ご飯を食べて皆が居間に集まり、お茶を飲みながらまったりとしていたところ……玄関からコンコンコンという音が聞こえてきた。
滅多に誰かが家に訪ねてくることもないし、来るとすればデレル君やクリスティアナちゃん達くらいだ。
ただし、いつも来るメンバーはコンコン叩いてから直ぐに家の中に入ってくるので、彼らでもないことが分かる。
いったい誰かな? と思いながら「はいはい、今行きますよ~」と玄関を開けると、思いもよらない人物が立っていた。
「ケント君、久しぶり!」
「り、リーフェちゃん!?」
僕の前にいるのは、フェリスさんの妹であるリーフェちゃんだ。
里にいるはずのリーフェちゃんがどうしてここに? と驚いていると、どうしたどうした? と皆が玄関に集まって来た。
「え、リーフェ? どうしてあんたがここにいるの!?」
フェリスさんも聞いていなかったようで、かなり驚いていた。
リーフェちゃんはふふふと笑うと、懐から「じゃじゃ~ん!」と言いながらカードを取り出す。
何のカードかと思えば、それは『Aランク冒険者』としてのカードだった。
「実はお姉ちゃんとケント君が帰った後に、ルーイズお兄ちゃんにお願いしてギルドに登録してもらって昇級試験を受けてたの!」
「え、リーフェちゃん……半年ちょっとでAランク昇級試験までを合格しちゃったの?」
「うん! 思ったより簡単だったよ」
ニコニコしながらそう言うリーフェちゃんに僕は驚くことしか出来なかったんだけど、後ろでラグラーさんが
「……さすが戦闘民族、末恐ろしいぜ」と呟いていた。
リーフェちゃんは僕の隣に立ったフェリスさんを見詰め、「お姉ちゃん、私も『暁』に入りたい!」と言う。
「……リーフェ、母さんと父さんは里を出るのを反対したんじゃないの? それに『暁』は仲の良いだけの集まりじゃなくて、それぞれが――」
「お母さんとお父さんは「行っておいで」って言ってくれたよ? それにねお姉ちゃん、この前上級ダンジョンに行ってたくさん魔獣を倒したら、お金をいっぱいもらっちゃった」
「リーフェちゃ~ん、『暁』へようこそ~♪」
フェリスさんは両手を合わせ、ニコニコ顔で家の中に招き入れる。
ラグラーさんが「変わり身早っ!」と突っ込んでいたのには「うっさいわよ!」と言い返していた。
そんな二人のやり取りを笑いながら、リーフェちゃんが僕に手を差し出し「これからよろしくね、ケント君」と笑う。
その手を握りながら、「よろしく、リーフェちゃん」と言って歓迎した。
こうして、まさかまさかのリーフェちゃんが『暁』へと加入したのだった。
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そう言われると確かに大根って万能食材かも。
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更新有り難うございます。
いわゆる【カナッペ】とか言うヤツですかね?
(または【Rッツ(商品名)】)
さすがyanaさん、カナッペでございます(●´ω`●)
Rッツではなかったんですが、他メーカーのクラッカーが家にちょうどあったので登場しました。
ネットでカナッペの画像を見てたらすごくお腹が空きましたよね……
更新有り難うございます。
ユーリィーネ「……17歳です♪」
他エルフ「おいおい……」
他エルフの総ツッコミがありそうですね(๑¯∇¯๑)