魂選塔

中釡 あゆむ

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予想外

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「会いたいならすぐに会えますよ」


楽しそうな声音が耳に届いた。チルギが怪しく笑い、さあ戻りなさい、と告げる。


私はぜんまいが切れたおもちゃのように、動けなかった。


彼を殺した犯人を探そうと思った。それももう、なくなるのだろうか?


「……メロルちゃん……大丈夫、ですか?」


その時、視界に接近したソヨカの顔が映った。私は咄嗟に後ずさり、しかし彼女が私を引っ張って魂たちの後ろへ下がった。


「ごめん……ありがとう……」
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