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三人の真実
一
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腕を床に置いて上がり、急いで扉を閉めた。閉める直前に見えたぬいぐるみのタワー。崩れていったが、彼らは止まることなく、ヒロタのところに、と叫んでいた。馬のぬいぐるみが走っていったのを最後に、私は扉を閉めた。
ムロル……。ドアノブに手を離しても茶色い扉から目が離せなかった。頭に浮かぶのはピンクのくまのぬいぐるみ。
どうして、あのくまは私の名前を知っているのだろう。その疑問を、今この時まで当たり前のように感じなかった。初めからいたような、ずっと知っていたような……。
それから、あの子とは誰のことなのか。思い立って帽子を取って目の前に持ってきてみるがやはり分からない。
「でも私の知ってる誰か……なんだよね」
もっと思い出を買えばよかった。今になって後悔してしまう。
気持ちを切り替えるために頭を振って顔を上げ、部屋の中を見回した。思ったよりも狭くて、棚の中に何十ものぬいぐるみがある。ベッドの上にもたくさんぬいぐるみが並んでいた。床にもいくつか転がっている。
ムロル……。ドアノブに手を離しても茶色い扉から目が離せなかった。頭に浮かぶのはピンクのくまのぬいぐるみ。
どうして、あのくまは私の名前を知っているのだろう。その疑問を、今この時まで当たり前のように感じなかった。初めからいたような、ずっと知っていたような……。
それから、あの子とは誰のことなのか。思い立って帽子を取って目の前に持ってきてみるがやはり分からない。
「でも私の知ってる誰か……なんだよね」
もっと思い出を買えばよかった。今になって後悔してしまう。
気持ちを切り替えるために頭を振って顔を上げ、部屋の中を見回した。思ったよりも狭くて、棚の中に何十ものぬいぐるみがある。ベッドの上にもたくさんぬいぐるみが並んでいた。床にもいくつか転がっている。
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