魂選塔

中釡 あゆむ

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再会

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ミルビーが振り向いて答えた。濃い赤黒さで染まった顔は、まるで血を被ったよう。笑っているらしかった。彼は前を向いて歩き始める。


あたしはもう動けないと思っていたのに、ようやく同じような意見の人に出会えた気がして慌ててついていった。彼が救いになっていくようだった。


「人を罰するのは、いつだって人だ」


「じゃああんたはチルギが何だって言うの?」


「神はいた。いたのに、信じないなんておかしいと言いたいの? 逆に言えばボクらの周りに当たり前のようにいた人だってボクは信じてなかった。ボクの全てを捧げて信じるなんか出来なかった。いるから信じるなんかおかしいんだよ、神なんか無能だ、ボクがどんなに困ったって助けてはくれない。この状況をどうにかするのはボクしかいない。神は他人と対して変わらない」


大きくて長い背中を見つめながら、ああ確かに、とあたしは思った。彼の言葉がすんなりと入ってきていた。


誰も助けてくれなかった。私を信じなさいと言っていたユウカは暴力を振るって、怖いくらいにあたしに言い聞かせていた。あたししか、あの時の現状は変えられなかったのに。
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