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1 introduction 私は悪役令嬢!! ここは恋愛アドベンチャーゲームの中!?

公爵家のささやかなお茶会

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 サロンに入った瞬間、女性達のお喋りがピタッとおさまる。

「さ、サレズィオ様が、女性をエスコートなさるなんて」
「親しいお方?」

 そんなに珍しい事なのだろうか、女性客の視線が、一瞬私の全身像に、やがてその場の全員の視線が、サレズィオ様の腕に重ねられた私の手に集中する。

 給仕をしているメイドや侍従達まで、立場を忘れて直視していた。

 思春期の女学生なら慌てて手を振り解くところだろうけれど、この場でそんな事をすれば、サレズィオ様に恥をかかせる事になる。ジッと耐えるしかない。


「みなさま、こちらは、フォルタレーザ侯爵令嬢、リィナリッテ・フォン・エステルフェード嬢ですわ。
 以前から、私も、お兄様も親密に・・・・・・・していただいてますの」
「アナ、言い方。エルヴィス様との縁で、時折親しくしていただいてるだけだ」

 確かに、彼女の言い方では誤解を招きそう……

 招待状の文言といい、今の紹介の仕方といい、なぜかわざと複雑にしようとしているようにも思える。

 それが、ただ面白がっているだけなのか、多少の悪意があるのか、思惑も裏もない無意識の事なのか……


 大振りの花瓶が幾つも飾られ、薔薇、百合、ダリヤやカスミ草など、華やかな花がたくさん生けられている。

 それらの華やかさよりも主張してくる、きらびやかな花々貴婦人が大勢、こちらを見ていた。

 ──身内のみの小さなお茶会?


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