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第7章 呪われた血筋
閑話:呪われた血筋
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憎い。
腹立たしい。
恨めしい。
人間によく似た姿で平和を享受する同朋たちの、なんと気色悪いことか。
なぜ貴様らは我らが人間にされた仕打ちを忘れられるのだ。
忘れるなど許さぬ。
許さぬのだ、永遠に。
この世界は紛い物。
偽善に塗れた人間と獣人が仲良しごっこをするための、身勝手な神々の箱庭。
許すな。
決して許すな。
滅びよ。
全部壊して、消してしまえ。
◇◆◇
城を崩壊させてから何日が過ぎたのか。
もはや処刑の日を待つだけの身には時間など何の意味もないが、最初は護送用の馬車向けの檻に大人数が詰め込まれているような状態だったというのに、城の地下牢が使えると判明して移動させられてからは悪くない環境が与えられていた。
同じ檻には妻だったらしい女と、私の息子だったらしい男児たち。……こどもとは指一本触れていない女からも産まれるものだったらしい。
(……くだらん)
もうどうでもいい。
本懐が潰えたいま、いつまでもこんなところで無駄に恨み辛みを吐き出す気はなかった。
隣の檻には隣国の。
更に隣には、やはり隣の隣国の要人たち……そういう檻が9か所。
その奥には空の檻が続き、最奥のいくつかには獄鬼憑きの連中が収監されいていた。あの日の雨ですっかり弱った連中は、獄鬼除けとかいう魔道具の向こうで小さく、丸くなっている。
情けない。
私の望み通りに世界を壊してやるとあんなにも堂々と言い放っていたのは何だったのか。
マーヘ大陸は終わりだ。
(……そうか、終わったんだ)
千年を経てようやくこの悍ましい血に終止符が打てるのだと思えば、決して悪くない。
ずっと憎み続けて来た。
こんなにもすべてが恨めしいなら光の道など通って来なければ良かったのだと己の祖先をも恨んで、世界を壊すことだけを考えて。
金級ダンジョンから「花火」という魔道具の設計図が見つかった時、これは使えると思った。
手始めに平和ボケしているプラーントゥ大陸を木っ端みじんにし。
海を制する能力を持ったオセアン大陸を手中に収め。
似通った傾向にあるインセクツ大陸を味方に出来れば、あのギァリック大陸だって崩壊させられるはずだった。
結局はすべて徒労に終わったが。
(主神も、その伴侶とやらも、忌々しい……)
忌々しいが、それももう終わりだ。
全部。
(……全部終わった)
終わったのだ。
カンヨンの王は、以降、何も語らなかった。
代わりに余計なことまでボロボロ喋る獄鬼がたくさんいたから王の罪は確かなものとなり、その他大勢の罪人と共に処刑された。
人が獄鬼に協力して他大陸を侵略するなどという大事件を起こしたにも関わらず、その最期はあまりにもあっけなかった。
◇◆◇
読んでいただきありがとうございます。短いですが今日はこれで。鬱になりそうだったので大部分カットしてしまいました。ごめんなさい。
明日から第8章です。糖度が上がります。
よろしくお願いいたします。
腹立たしい。
恨めしい。
人間によく似た姿で平和を享受する同朋たちの、なんと気色悪いことか。
なぜ貴様らは我らが人間にされた仕打ちを忘れられるのだ。
忘れるなど許さぬ。
許さぬのだ、永遠に。
この世界は紛い物。
偽善に塗れた人間と獣人が仲良しごっこをするための、身勝手な神々の箱庭。
許すな。
決して許すな。
滅びよ。
全部壊して、消してしまえ。
◇◆◇
城を崩壊させてから何日が過ぎたのか。
もはや処刑の日を待つだけの身には時間など何の意味もないが、最初は護送用の馬車向けの檻に大人数が詰め込まれているような状態だったというのに、城の地下牢が使えると判明して移動させられてからは悪くない環境が与えられていた。
同じ檻には妻だったらしい女と、私の息子だったらしい男児たち。……こどもとは指一本触れていない女からも産まれるものだったらしい。
(……くだらん)
もうどうでもいい。
本懐が潰えたいま、いつまでもこんなところで無駄に恨み辛みを吐き出す気はなかった。
隣の檻には隣国の。
更に隣には、やはり隣の隣国の要人たち……そういう檻が9か所。
その奥には空の檻が続き、最奥のいくつかには獄鬼憑きの連中が収監されいていた。あの日の雨ですっかり弱った連中は、獄鬼除けとかいう魔道具の向こうで小さく、丸くなっている。
情けない。
私の望み通りに世界を壊してやるとあんなにも堂々と言い放っていたのは何だったのか。
マーヘ大陸は終わりだ。
(……そうか、終わったんだ)
千年を経てようやくこの悍ましい血に終止符が打てるのだと思えば、決して悪くない。
ずっと憎み続けて来た。
こんなにもすべてが恨めしいなら光の道など通って来なければ良かったのだと己の祖先をも恨んで、世界を壊すことだけを考えて。
金級ダンジョンから「花火」という魔道具の設計図が見つかった時、これは使えると思った。
手始めに平和ボケしているプラーントゥ大陸を木っ端みじんにし。
海を制する能力を持ったオセアン大陸を手中に収め。
似通った傾向にあるインセクツ大陸を味方に出来れば、あのギァリック大陸だって崩壊させられるはずだった。
結局はすべて徒労に終わったが。
(主神も、その伴侶とやらも、忌々しい……)
忌々しいが、それももう終わりだ。
全部。
(……全部終わった)
終わったのだ。
カンヨンの王は、以降、何も語らなかった。
代わりに余計なことまでボロボロ喋る獄鬼がたくさんいたから王の罪は確かなものとなり、その他大勢の罪人と共に処刑された。
人が獄鬼に協力して他大陸を侵略するなどという大事件を起こしたにも関わらず、その最期はあまりにもあっけなかった。
◇◆◇
読んでいただきありがとうございます。短いですが今日はこれで。鬱になりそうだったので大部分カットしてしまいました。ごめんなさい。
明日から第8章です。糖度が上がります。
よろしくお願いいたします。
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