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第8章 金級ダンジョン攻略
閑話:ダンジョン近くの町で(3) side:バルドル*
クルトと繋がった温かくも潤ったその場所を更なる熱で追い上げた。
早く俺の匂いだけしか香らないようにしたくて激しく穿つ。
最愛の、我慢しようとして抑えきれていない喘ぎも良いが、何とか理性を保とうとして快楽から逃げようとする歪んだ顔も、必死にこっち側に留まろうとするようにシーツを鷲掴む柔い手も、堪らなく愛しい。
「ぁ……イっ……――!」
「っ……」
急な締め付けに慌てて動きを止めた。
種族特有の事情があって「気持ち良くなること」への忌避感をいまだ拭いきれないクルトだから、快楽を素直に受け入れられるようになるまでは毎回それなりの時間が必要だ。
こんな序盤で最初の一発目を使いたくない。
けど、はやく俺の匂いで満たしたい。
俺だけのクルトにしたい。
反応を見ながら律動を再開する。
弱いところなら既に把握済みだ。
攻めて、攻めて、退いて、攻めて。
駆け引きじゃないが相手の理性を試すように繰り返す。
そうしている内にだんだんクルトの喘ぎに甘さが滲んでくるのを確認して、俺も中で達した。途端にクルトから余計な匂いが薄らいで気にならなくなった。
「ふっ……」
これで、やっと俺のだ。
俺だけの最愛の人。
「バル……」
伸ばされた腕を迎えにいくと抱き締められた。
入ったままの俺も深いところで締め付けられる。
「……バル、怒ってる……?」
「怒ってはいない。おまえから俺以外の匂いがするから、……少しイラッとしただけだ」
「ああ……ごめん」
答える代わりにキスした。
謝らせたいわけじゃない。
イヌ科の悪癖というか、匂いに敏感なのがイヌ科の愛情は重いと言われる所以なわけで、他の種と番うと決めた以上は俺が許容しないといけないし、理解しないといけないことだ。
婚姻の儀を受けて正式に番えば、もしかしたらもう少し自信が付くのかもしれないがこんな形で言い出したくはないし。
「ん……っ」
「……苦しくないか?」
「平気……ふ……ぁっ」
「好きだ」
「ぁ……んっ。好き、俺も……っ」
耳に口づけ、頬に触れ、首筋をなぞる。
鎖骨。
脇。
胸の尖り。
俺の手が移動する都度、体を強張らせて吐息を震わせる。
怖いのに。
それでもこうして触れさせてくれる健気さを、愛情を、俺は守らないとならない。
「好き……」
好きだよ。
おまえだけだ。
ありったけの想いを込めて抱き締めた。
一度中に出したことで安心を得た後はクルトを気持ちよくさせるために尽くす。
声が漏れないよう閉ざしがちな口をキスでこじ開け、全身を丁寧に愛撫する。その間ずっと繋がったままでいるとさすがに焦れて来るのかクルトの方からねだるような動作が見え始める。俺たちの本番はそれからだ。
快楽に翻弄されて潤んだ目で「意地悪」と睨まれたら、それだけで達しそうになるくらい俺も余裕など無いが「気持ちいい」が長く続くほどクルトが乱れるんだ。いくらでも耐えられる。
数時間掛けて蕩けるほど愛し合い、大半はクルトが意識を飛ばして終わる。
今日もそのパターンだった。
浅かった呼吸がだんだんと落ち着いていくのを確かめながら、俺自身も呼吸を整えてベッドを降りた。
シャワー室から湯とタオルを運んで、クルトの体を拭くためだ。……そういえば雌体に変わって残念なことが一つだけあったな。中に出したものを掻き出すときの反応を見られなくなった。
あれ、可愛かったんだが……なんて想像したらまた昂りそうになる。
慌ててシャツを羽織らせ、布団を掛けて、シャワー室に駆け込んだ。
頭を冷やせ俺。
◇◆◇
翌朝8時半――。
レンが調薬してくれるあれこれのおかげでダンジョン内でもコトに及べるわけだが、休みの日まで世話になることは無い。本人が「大丈夫」と言うなら多少の筋肉痛と違和感を余韻として楽しめるのも休日の良いところだと思う。
「まぁでも無理はするな」
「うん」
俺の部屋で身支度を整えてテントのリビングダイニングに転移すると、途端に美味しそうなスープの匂いと楽し気な僧侶たちの声がした。
「さすがダンジョンに近いだけありますね、庭でも薬草が採れるなんて」
「金級ダンジョンだけあって薬草の品質も良いし嬉しくなります。あ、その素材は使いますか?」
「ううん、まだ初級も失敗するんだもの。私には必要ないからどうぞ」
「じゃあ遠慮なく頂きます」
しかも食卓の一つに多種多様な植物が積み上がっていた。
どっから持って来たんだ……って、庭か。
「おまえたち二人で外に出たのか?」
「え。あ、クルトさん、バルドルさん、おはようございます!」
声を掛けたらようやくこっちに気付いたレンが笑顔になる。
「おはよう」
「はよ」
「おはようございます」
ヒユナも朝からご機嫌だ。
「朝ごはん食べますか? 今日はコーンスープと、トースト、ポテトサラダ、ソーセージ。卵料理はお好みで」
「ああ、もらうけど……昼頃に来るんだと思ってた」
「俺が休みでも主神様はお休みじゃないですから。家事が終わったら寂しくなっちゃったんで、こっちで皆のご飯作ろうかな、と」
「その時たまたま私がキッチンをお借りしてて、お庭散歩しようって話に」
レンとヒユナが交互に言う。
「そっか。あ、卵料理は俺も手伝う。バルは何にする? スクランブルエッグ? 目玉焼き?」
「あー……目玉焼きで」
「ん」
レンとクルトがキッチンに移動し、ヒユナは嬉々として薬草の仕分け中。
自分はどうしたものかと考えていたら「あ、レンだ!」ってウーガが転移して来た。その後に誰も続かないのは昨夜は酒のおかげで一人で寝れたからだろうか。
「朝飯があるー! 俺も食べるっ、目玉焼きがいい!」
一気に騒がしくなるリビングダイニング。
今日も賑やかな一日になりそうだ。
早く俺の匂いだけしか香らないようにしたくて激しく穿つ。
最愛の、我慢しようとして抑えきれていない喘ぎも良いが、何とか理性を保とうとして快楽から逃げようとする歪んだ顔も、必死にこっち側に留まろうとするようにシーツを鷲掴む柔い手も、堪らなく愛しい。
「ぁ……イっ……――!」
「っ……」
急な締め付けに慌てて動きを止めた。
種族特有の事情があって「気持ち良くなること」への忌避感をいまだ拭いきれないクルトだから、快楽を素直に受け入れられるようになるまでは毎回それなりの時間が必要だ。
こんな序盤で最初の一発目を使いたくない。
けど、はやく俺の匂いで満たしたい。
俺だけのクルトにしたい。
反応を見ながら律動を再開する。
弱いところなら既に把握済みだ。
攻めて、攻めて、退いて、攻めて。
駆け引きじゃないが相手の理性を試すように繰り返す。
そうしている内にだんだんクルトの喘ぎに甘さが滲んでくるのを確認して、俺も中で達した。途端にクルトから余計な匂いが薄らいで気にならなくなった。
「ふっ……」
これで、やっと俺のだ。
俺だけの最愛の人。
「バル……」
伸ばされた腕を迎えにいくと抱き締められた。
入ったままの俺も深いところで締め付けられる。
「……バル、怒ってる……?」
「怒ってはいない。おまえから俺以外の匂いがするから、……少しイラッとしただけだ」
「ああ……ごめん」
答える代わりにキスした。
謝らせたいわけじゃない。
イヌ科の悪癖というか、匂いに敏感なのがイヌ科の愛情は重いと言われる所以なわけで、他の種と番うと決めた以上は俺が許容しないといけないし、理解しないといけないことだ。
婚姻の儀を受けて正式に番えば、もしかしたらもう少し自信が付くのかもしれないがこんな形で言い出したくはないし。
「ん……っ」
「……苦しくないか?」
「平気……ふ……ぁっ」
「好きだ」
「ぁ……んっ。好き、俺も……っ」
耳に口づけ、頬に触れ、首筋をなぞる。
鎖骨。
脇。
胸の尖り。
俺の手が移動する都度、体を強張らせて吐息を震わせる。
怖いのに。
それでもこうして触れさせてくれる健気さを、愛情を、俺は守らないとならない。
「好き……」
好きだよ。
おまえだけだ。
ありったけの想いを込めて抱き締めた。
一度中に出したことで安心を得た後はクルトを気持ちよくさせるために尽くす。
声が漏れないよう閉ざしがちな口をキスでこじ開け、全身を丁寧に愛撫する。その間ずっと繋がったままでいるとさすがに焦れて来るのかクルトの方からねだるような動作が見え始める。俺たちの本番はそれからだ。
快楽に翻弄されて潤んだ目で「意地悪」と睨まれたら、それだけで達しそうになるくらい俺も余裕など無いが「気持ちいい」が長く続くほどクルトが乱れるんだ。いくらでも耐えられる。
数時間掛けて蕩けるほど愛し合い、大半はクルトが意識を飛ばして終わる。
今日もそのパターンだった。
浅かった呼吸がだんだんと落ち着いていくのを確かめながら、俺自身も呼吸を整えてベッドを降りた。
シャワー室から湯とタオルを運んで、クルトの体を拭くためだ。……そういえば雌体に変わって残念なことが一つだけあったな。中に出したものを掻き出すときの反応を見られなくなった。
あれ、可愛かったんだが……なんて想像したらまた昂りそうになる。
慌ててシャツを羽織らせ、布団を掛けて、シャワー室に駆け込んだ。
頭を冷やせ俺。
◇◆◇
翌朝8時半――。
レンが調薬してくれるあれこれのおかげでダンジョン内でもコトに及べるわけだが、休みの日まで世話になることは無い。本人が「大丈夫」と言うなら多少の筋肉痛と違和感を余韻として楽しめるのも休日の良いところだと思う。
「まぁでも無理はするな」
「うん」
俺の部屋で身支度を整えてテントのリビングダイニングに転移すると、途端に美味しそうなスープの匂いと楽し気な僧侶たちの声がした。
「さすがダンジョンに近いだけありますね、庭でも薬草が採れるなんて」
「金級ダンジョンだけあって薬草の品質も良いし嬉しくなります。あ、その素材は使いますか?」
「ううん、まだ初級も失敗するんだもの。私には必要ないからどうぞ」
「じゃあ遠慮なく頂きます」
しかも食卓の一つに多種多様な植物が積み上がっていた。
どっから持って来たんだ……って、庭か。
「おまえたち二人で外に出たのか?」
「え。あ、クルトさん、バルドルさん、おはようございます!」
声を掛けたらようやくこっちに気付いたレンが笑顔になる。
「おはよう」
「はよ」
「おはようございます」
ヒユナも朝からご機嫌だ。
「朝ごはん食べますか? 今日はコーンスープと、トースト、ポテトサラダ、ソーセージ。卵料理はお好みで」
「ああ、もらうけど……昼頃に来るんだと思ってた」
「俺が休みでも主神様はお休みじゃないですから。家事が終わったら寂しくなっちゃったんで、こっちで皆のご飯作ろうかな、と」
「その時たまたま私がキッチンをお借りしてて、お庭散歩しようって話に」
レンとヒユナが交互に言う。
「そっか。あ、卵料理は俺も手伝う。バルは何にする? スクランブルエッグ? 目玉焼き?」
「あー……目玉焼きで」
「ん」
レンとクルトがキッチンに移動し、ヒユナは嬉々として薬草の仕分け中。
自分はどうしたものかと考えていたら「あ、レンだ!」ってウーガが転移して来た。その後に誰も続かないのは昨夜は酒のおかげで一人で寝れたからだろうか。
「朝飯があるー! 俺も食べるっ、目玉焼きがいい!」
一気に騒がしくなるリビングダイニング。
今日も賑やかな一日になりそうだ。
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