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魔人ベリアル
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「剣聖ルシウスか!!時間をかけすぎた!!」
実際ルシウスが到着したのは戦闘が始まってから3分と経っていない。
俺が意図的に暴れ回って狼煙を上げたが、それにしてもかなり早かった。
「遅かったな。死ぬとこだったぞ。」
「お元気そうでなによりです。」
俺は膝をつきながら新しいタバコに火をつける。さっきのタバコは吹き飛んだ時の爆発で消し炭になっていた。
ひと吸いして力を回復したあと、ゆっくりと立ち上がって状況をルシウスに伝える。
「ソールが兵士に変装したやつに攫われた。逃げた方角は分かるが流石に詳細には分からん。俺が付いていながらすまなかった。」
「そちらは城の暗部とラックが追跡してくれているので大丈夫です。とりあえず奴らを撃退しますか。」
何だかんだルシウスと肩を並べて戦うのは初めてか。
2人で弱い方を狙って仕留め、もう片方を2対1で仕留めるのが定石だろうが、そう簡単でも無さそうだ。
「まだ生きてたか小僧。」
敵の男がルシウスの方を睨みつけながら話しかけている。知り合いか?
「……何故、貴方が?」
普段イケメンスマイルが抜けないルシウスの表情が一気に曇る。
それと同時に両手で剣を構え、完全な臨戦態勢に入った。
あまり良好な関係では無いようだ。
「知り合いなのか?」
「私の前任の元討伐隊隊長で、魔人と呼ばれた男です。名はベリアル。あの男相手によく生きていましたね。」
「見た瞬間から勝てると思わなかったからまともに戦ってねぇよ。」
「正解ですよ。元帝国最強の男ですからね。」
あっぶねぇ、やっぱりさっき全力で攻撃してたら危険だったかもな。
ベリアルは地面に突き刺さった棒を抜き、こちらに構えている。
相手としてもルシウスが加わったことで余裕は無くなったようだ。
もう一人の女は常に逃げることを意識しながらベリアルの後方で様子を見ているようだが、俺とルシウスが睨みを利かせ、下手な動きを見せるといつでも反応できるようにしていたため動けずにいた。
「これ以上他の隊長が増えたら面倒だ!!早く決着をつけるぞ!!」
「おいルシウス。ベリアルの方は任せていいか?」
ベリアルは多分今の俺では勝てない相手だ。なら俺はさっきまで互角程度の戦いができたこっちの女に相手を絞った方が良い。
「私もどちらかと言えばそっちの相手をしたかったんですが、致し方ありませんね。ただ、加勢はできないと思ってください。」
「おい女。こっちの戦いに手を出すなよ?巻き込まれたくなかったらな。」
双方戦う相手に異論は無いようだ。
俺はタバコの灰を落とし、もう一度咥えなおして女と向き合った。
「さっさと片付けよう。」
「ソールが待ってますからね。」
「面倒なことになった。」
「面白くなりそうだ!!」
実際ルシウスが到着したのは戦闘が始まってから3分と経っていない。
俺が意図的に暴れ回って狼煙を上げたが、それにしてもかなり早かった。
「遅かったな。死ぬとこだったぞ。」
「お元気そうでなによりです。」
俺は膝をつきながら新しいタバコに火をつける。さっきのタバコは吹き飛んだ時の爆発で消し炭になっていた。
ひと吸いして力を回復したあと、ゆっくりと立ち上がって状況をルシウスに伝える。
「ソールが兵士に変装したやつに攫われた。逃げた方角は分かるが流石に詳細には分からん。俺が付いていながらすまなかった。」
「そちらは城の暗部とラックが追跡してくれているので大丈夫です。とりあえず奴らを撃退しますか。」
何だかんだルシウスと肩を並べて戦うのは初めてか。
2人で弱い方を狙って仕留め、もう片方を2対1で仕留めるのが定石だろうが、そう簡単でも無さそうだ。
「まだ生きてたか小僧。」
敵の男がルシウスの方を睨みつけながら話しかけている。知り合いか?
「……何故、貴方が?」
普段イケメンスマイルが抜けないルシウスの表情が一気に曇る。
それと同時に両手で剣を構え、完全な臨戦態勢に入った。
あまり良好な関係では無いようだ。
「知り合いなのか?」
「私の前任の元討伐隊隊長で、魔人と呼ばれた男です。名はベリアル。あの男相手によく生きていましたね。」
「見た瞬間から勝てると思わなかったからまともに戦ってねぇよ。」
「正解ですよ。元帝国最強の男ですからね。」
あっぶねぇ、やっぱりさっき全力で攻撃してたら危険だったかもな。
ベリアルは地面に突き刺さった棒を抜き、こちらに構えている。
相手としてもルシウスが加わったことで余裕は無くなったようだ。
もう一人の女は常に逃げることを意識しながらベリアルの後方で様子を見ているようだが、俺とルシウスが睨みを利かせ、下手な動きを見せるといつでも反応できるようにしていたため動けずにいた。
「これ以上他の隊長が増えたら面倒だ!!早く決着をつけるぞ!!」
「おいルシウス。ベリアルの方は任せていいか?」
ベリアルは多分今の俺では勝てない相手だ。なら俺はさっきまで互角程度の戦いができたこっちの女に相手を絞った方が良い。
「私もどちらかと言えばそっちの相手をしたかったんですが、致し方ありませんね。ただ、加勢はできないと思ってください。」
「おい女。こっちの戦いに手を出すなよ?巻き込まれたくなかったらな。」
双方戦う相手に異論は無いようだ。
俺はタバコの灰を落とし、もう一度咥えなおして女と向き合った。
「さっさと片付けよう。」
「ソールが待ってますからね。」
「面倒なことになった。」
「面白くなりそうだ!!」
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