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閉幕
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「んー、マズイかしらね?」
ミラが腕組みしながらルシウス対一成の試合を見ている。
「何がマズイんだ?」
「あの2人が使ってる机ね、この大会のためにアタシが特別に作ったヤツなんだけど、今年もルシウスちゃんの圧勝かと思って、瞬間的な耐久度に重点を置いて作ったのよ。」
「……かれこれアイツら10分以上はああしているが?」
「だからね、マズイのよ。」
「チェーンスモーク3回目成功……!!」
「それする度涙目になりながら死にかけてますけど、成功してるんですか?」
俺は常にタバコを切らさないようにしないと全開を出せないのに、ルシウスはなんのブーストも無くずっと全開を維持している。
こいつの魔力はマジでどうなってんだ。
「お前の底が見えねぇな……。」
「そちらこそ、チェーンスモークが成功し続ける限り全力を出し続けられるのは脅威ですね……。」
ずっと同じ力で押し続けあっていると、いつの間にやら互いの力を認め合うようになっていた。
だが正直次のチェーンスモークが成功する気がしない。
胃の中にタバコの煙が割と入ってしまって、吐きそうです。
「……ん?」
俺とルシウスは同時に異変に気付いた。
ミシッという音が下から聞こえた気がしたのだ。
「……今のは、気のせいですか?」
「2人とも聞こえてるなら、気のせいじゃねぇだろ……。」
話しているうちにまたミシミシッと音が鳴る。
目線をルシウスから下の机の足に移すと、4本の机の足が弧を描くように曲がっていた。
「お、おいルシウス。なんかすげぇ机が曲がってるんだが?」
「……私もさっき確認しました。このまま続けると多分……。」
ミシミシという音が止まらなくなっていく。
そろそろ机が壊れるだろう。
だが、俺とルシウスが考えることは一緒だった。
「どうせ壊れるのなら、」
「最後に全力で!!」
合図を送った訳では無い。
ただ俺もルシウスも最後まで勝ちたかったのだ。
タバコの残りも少ない。
この世界に来て意外と俺は負けず嫌いなのだと実感した。
「うぉぉおお!!」
「でぇぇええい!!」
2人の限界を超えた120パーセントの力がぶつかり合った時、設置してあった全ての結界が弾け飛び、それと同時に机が粉々に砕け散って、俺とルシウスは勢いのまま地面へ叩きつけられた。
「前代未聞!!アームレスリング大会開催から初めての出来事!!ルールブックにも記載がありますが、机の破損による勝負の決着は……ドローです!!」
一瞬意識が飛んでいた。
目が覚めた時最初に俺は、思いっきりむせる。
アナウンスの声で目覚めた俺とルシウスは互いに見つめ合いながら腕相撲の時とは逆の組み方で手を組んだ。
「最高の試合でした。まさかこの短時間でここまで強くなっておられるとは。」
「流石に強かったな。良い力試しになったよ。」
俺とルシウス両名の優勝にて、第60回アームレスリング大会は幕を閉じた。
「男ってなんでこう暑苦しいのかしらね?」
「でも、私も楽しかったですよ。もぐもぐ。」
「そりゃ出店全制覇してたら楽しかったでしょうね……。」
ミラが腕組みしながらルシウス対一成の試合を見ている。
「何がマズイんだ?」
「あの2人が使ってる机ね、この大会のためにアタシが特別に作ったヤツなんだけど、今年もルシウスちゃんの圧勝かと思って、瞬間的な耐久度に重点を置いて作ったのよ。」
「……かれこれアイツら10分以上はああしているが?」
「だからね、マズイのよ。」
「チェーンスモーク3回目成功……!!」
「それする度涙目になりながら死にかけてますけど、成功してるんですか?」
俺は常にタバコを切らさないようにしないと全開を出せないのに、ルシウスはなんのブーストも無くずっと全開を維持している。
こいつの魔力はマジでどうなってんだ。
「お前の底が見えねぇな……。」
「そちらこそ、チェーンスモークが成功し続ける限り全力を出し続けられるのは脅威ですね……。」
ずっと同じ力で押し続けあっていると、いつの間にやら互いの力を認め合うようになっていた。
だが正直次のチェーンスモークが成功する気がしない。
胃の中にタバコの煙が割と入ってしまって、吐きそうです。
「……ん?」
俺とルシウスは同時に異変に気付いた。
ミシッという音が下から聞こえた気がしたのだ。
「……今のは、気のせいですか?」
「2人とも聞こえてるなら、気のせいじゃねぇだろ……。」
話しているうちにまたミシミシッと音が鳴る。
目線をルシウスから下の机の足に移すと、4本の机の足が弧を描くように曲がっていた。
「お、おいルシウス。なんかすげぇ机が曲がってるんだが?」
「……私もさっき確認しました。このまま続けると多分……。」
ミシミシという音が止まらなくなっていく。
そろそろ机が壊れるだろう。
だが、俺とルシウスが考えることは一緒だった。
「どうせ壊れるのなら、」
「最後に全力で!!」
合図を送った訳では無い。
ただ俺もルシウスも最後まで勝ちたかったのだ。
タバコの残りも少ない。
この世界に来て意外と俺は負けず嫌いなのだと実感した。
「うぉぉおお!!」
「でぇぇええい!!」
2人の限界を超えた120パーセントの力がぶつかり合った時、設置してあった全ての結界が弾け飛び、それと同時に机が粉々に砕け散って、俺とルシウスは勢いのまま地面へ叩きつけられた。
「前代未聞!!アームレスリング大会開催から初めての出来事!!ルールブックにも記載がありますが、机の破損による勝負の決着は……ドローです!!」
一瞬意識が飛んでいた。
目が覚めた時最初に俺は、思いっきりむせる。
アナウンスの声で目覚めた俺とルシウスは互いに見つめ合いながら腕相撲の時とは逆の組み方で手を組んだ。
「最高の試合でした。まさかこの短時間でここまで強くなっておられるとは。」
「流石に強かったな。良い力試しになったよ。」
俺とルシウス両名の優勝にて、第60回アームレスリング大会は幕を閉じた。
「男ってなんでこう暑苦しいのかしらね?」
「でも、私も楽しかったですよ。もぐもぐ。」
「そりゃ出店全制覇してたら楽しかったでしょうね……。」
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