ゴーストキャット

福猫

文字の大きさ
上 下
10 / 10

最終話

しおりを挟む
━マタタビ畑━

「俺に話があるって何かな」

「俺と黒猫をゴーストキャットにしてください」

マタタビ畑の主、タビの問いに人間姿の白猫がそう答えるとタビは驚いた。

「せっかく人間になれたのに何でゴーストに」

「俺は黒猫に恋してた今でも黒猫に恋してる」

「……」

「黒猫の恋が実るなら諦めたけど恋が実らないなら…」

「わかった、白猫の願いを叶えよう」

口にした後、マタタビ畑の主、タビは左右の手を広げ念じた。

すると人間姿の黒猫と神様が姿を現した。

「タビ、お前か」

「ココ、暫く黙ってて」

マタタビ畑の主、タビが神様のココに向かって口にすると人間姿の白猫が黒猫に近づき口を開いた。

「黒猫、人間になれたけどゴーストキャットに戻らないか?」

「白猫、正気か?」

「俺は正気だ」

「俺はゴーストに戻りたくない」

進士への思いから人間姿の黒猫がそう答えると人間姿の白猫が口を開いた。

「片思いの恋をするより黒猫を思ってる者と恋をしないか」

「俺を思ってる者って誰だよ」

「……」

人間姿の白猫が真剣な顔で見つめると人間姿の黒猫が口を開いた。

「俺を思ってる者ってまさか…白猫…」

「正解」

「……」

「ゴーストキャットとして一緒に居ないか?…俺のこと嫌いか」

「嫌いじゃない」

「嫌いじゃないけど恋愛対象としてみていない」

「…ゴメン…」

「それでも俺は黒猫と一緒に居たい」

「白猫…」

「黒猫、俺は黒猫が好きだ」

告白をし顔を近づけると人間姿の白猫は人間姿の黒猫の唇に唇を重ねた。

その後、人間姿の白猫が唇を離すと人間姿の黒猫の口から驚きの言葉が発せられた。

「白猫のキス嫌じゃなかった、これって恋かな」

「恋だよ」

再び人間姿の白猫が人間姿の黒猫の唇に唇を重ねるとマタタビ畑の主、タビが人間姿のままで白猫と黒猫をゴーストキャットにした。

「白猫、ゴーストキャットにしたよ」

「……」

唇を離し人間姿の白猫は自分の姿に驚きマタタビ畑の主、タビに目を向けた。

「人間…」

「人間だけどゴーストキャットだよ」

「俺の願いを叶えてくれてありがとうございます」

マタタビ畑の主、タビに向かってお礼を言うと人間姿の白猫は人間姿の黒猫の手を掴みながら走り出しマタタビ畑から消えていった。

「お幸せに」

「タビ、良いのか?」

「白猫の願いだから…それよりココ」

「何だよ」

「せっかくマタタビ畑に来たんだ俺の相手をしてくれよ」

「わかった、相手をしてやる」

そう言って神様のココはマタタビ畑の主、タビを押し倒しマタタビ畑で身体を重ねた。

━凛斗の自宅、寝室━

ベッドで身体を重ねた進士と凛斗は気まずい空気になっていた。

「……」

全裸姿でベッドから離れ脱いだ私服を進士が着始めると凛斗もベッドから離れ進士を抱きしめた。

「凛斗…」

「進士は俺に恋してるそう思って良いんだよな」

「俺は凛斗に恋してる」

「明日、学校で会おうな」

「あぁ」

凛斗から離れ振り返ると進士は凛斗の唇に唇を重ねその後、自宅に帰っていった。

━マタタビ畑━

マタタビ畑で身体を重ねた神様のココは行く前にマタタビ畑の主、タビに向かって質問をした。

「また、来て良いか?」

「お前の心を癒してやるからいつでもマタタビ畑に来い」

「……」

笑みを浮かべマタタビ畑の主、タビの元に近づくと神様のココは唇を重ねその後、ゴーストキャットが居る国に帰っていった。

━1年後━

マタタビ畑の主、タビと神様のココの力でゴーストキャット達の恋愛が開始された。

「好きだよ」

「俺も好きだよ」

ゴーストキャットと人間の恋愛が始まる。

        完結
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...