ゴールドの生まれ変わり

福猫

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第3話

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レドとダークは無言で光と頼正の身体の中に水晶玉と黒針水晶を送り込みその後、姿を消した。

「……」

「……」

光と頼正は不思議そうな顔で見つめ合った。

その時、光と頼正はレドとダークの記憶を思い出した

「俺は水晶玉を守っていたレドの生まれ変わり」

「俺は黒針水晶を守っていたダークの生まれ変わり、そしてダークはゴールドを愛していた」

会話を終えると光はオーナー室を出ていき頼正は窓に近づき外を見つめた。

グリーンモルダバイトの記憶を思い出した一馬とダークの記憶を思い出した頼正とレドの記憶を思い出した光のバトルが始まる。

ー翌日ー

一馬と雅人は出会うことなく一馬は車で雅人は歩いて仕事場に向かった。

ーホストクラブー

一馬はオーナー室で席に着きながらパソコンで仕事をしていた。

その時、コンコンとドアをノックする音がした。

「どうぞ」

一馬が声をかけるとドアが開き光が現れ中に入りドアを閉めた。

「今、良いですか?」

「何だ」

手を止め一馬が席を着きながら見つめると光は一馬に近づいた。

「光が眼鏡をかけるなんて珍しいな」

「水晶玉を守っていたレドの記憶を思い出しました」

そう口にすると光は眼鏡を外し白い瞳を一馬に見せた。

「俺もグリーンモルダバイトの記憶を思い出した」

口にした後、一馬は目を閉じその後、目を開くと緑の瞳を見せた。

「頼正さんもダークの記憶を思い出しました」

「そうか」

「仕事に戻ります」

お辞儀をすると光はオーナー室を出ていった。

一馬はスマホを掴み話があると頼正にメールを送った。

その後、一馬は席を立ち窓から外を見つめた。

その時、スマホが鳴った。

一馬はメールを開き読んだ。

「俺も話があるから今から行く」

一馬はスマホを机の上に置きソファーに座った。

1時間後、頼正がオーナー室に現れた。

「店は良いのか?」

「仕事が終わってからでも良かったんだが俺も話があったから」

ドアを閉め頼正は向かい合ってソファーに座った。

「店は松下に任せてあるから大丈夫だ」

「光から聞いた、記憶を思い出したんだって」

「ダークの記憶を思い出した、お前は?」

「俺もグリーンモルダバイトの記憶を思い出した」

「俺達が石を守っていた者達の生まれ変わりだとわな…驚きだよ」

「そうだな」

「……」

頼正はソファーから立ち上がりドアに近づくと振り返り口を開いた。

「一馬、俺達の仲は悪くならないよな」

「俺達は友だ」

「休みの日、酒でも飲もうぜ」

「あぁ」

「じゃあな」

一馬と微笑み合うと頼正はドアを開きオーナー室を出た。

その後、頼正は駐車場に向かい運転席に乗り込むとスマホで松下に電話をかけた。

5秒後、松下が電話に出ると頼正が口を開いた。

「松下、店に戻らないからよろしく」

通話を切ると頼正はスマホをポケットの中に入れその後、車を動かし駐車場から離れた。

ー薬局店ー

雅人が商品を棚に並べていると1人の男性が近づいてきた。

「大西雅人さんですか?」

「そうですが」

「あなたに話があると車で待ってるんですが」

「今は仕事中なのですみません」

「すぐすみますから」

「わかりました」

雅人は男性と共に薬局店を離れ車に近づき乗り込むとその後、雅人は薬局店から姿を消した。

仕事をしていた一馬は店の店長から雅人がいなくなったと連絡を受けた。

「雅人が急にいなくなった」

一馬は急いで駐車場に向かい運転席に乗り込み車を動かし家に向かった。

その頃、雅人は倉庫の中の中央に置いてあるベッドに寝かされていた。

「何だこれ」

10人の中の1人の男が雅人の首に身につけている金針水晶のネックレスを外すと緑の髪に緑の瞳の女性が現れた。

男は金針水晶のネックレスをベッドに置き近づいてくる女性を見つめた。

「ご苦労様、皆で使って」

「ありがとうございます」

女性から100万円を受け取った10人の男は嬉しそうな顔で倉庫から離れていった。

女性はベッドに近づき眠る雅人を見つめた。

ー家の中のリビングー

「雅人、どこにいるんだ」

ソファーに座りながら一馬は頭を抱えた。
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