宇宙警察

福猫

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第4話

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ー祐二の家ー

翔太朗をお姫様抱っこしたまま部屋の中に現れた祐二はベッドに近づき仰向けで寝かせた。

「翔太朗…」

目から1粒の涙が翔太朗の頬に落ち翔太朗は目を覚ました。

「祐二」

「翔太朗!」

「俺は大丈夫だから泣かないで」

手を伸ばし祐二の涙を拭いながら翔太朗が口にすると祐二が口を開いた。

「翔太朗の仲間を呼んでくるから待ってて」

「全裸姿でいくきか」

「あ!」

祐二はタンスから足首まで長いフード付きの服を取り出し着た。

そして祐二が部屋を出ようとしたその時、翔太朗が口を開いた。

「アリサという女性の警察を探して」

「わかった」

フードを被り祐二が部屋を出ていくと翔太朗はゆっくり目を閉じた。

その頃、アリサは人間達を化け物やエイリアンから救いながら翔太朗を探していた。

「翔太朗、どこにいるのよ」

街を歩き続け30分後、アリサは祐二に出会った。

「アリサさんですか?」

「そうですが、あなたは?」

「翔太朗を助けてください」

「翔太朗に何があったの?」

「胸に弾が当たって…」

涙を流しながら祐二が口にするとアリサが口を開いた。

「翔太朗の元に案内して」

「こっちです」

祐二はアリサを連れて自分の家に向かった。

その頃、翔太朗は肩の怪我と胸の怪我のせいで息が弱まりかけていた。

1時間後、家に着いた祐二はアリサを連れて部屋に向かい中に入った。

アリサはベッドに近づき声をかけた。

「翔太朗、私の声が聞こえる?」

翔太朗の手を握りながらアリサが声をかけると弱まった息で翔太朗はゆっくり目を開いた。

「翔太朗!」

「アリサ…」

「今、弾を取って手当てをするから」

「あぁ…」

再び翔太朗が目を閉じるとアリサは祐二に向かって口を開いた。

「今から肩と胸の弾を取るから血を止めるタオルと包帯を持ってきて」

「わかりました」

祐二は部屋を出ていきその後、タオルと包帯を持って祐二は現れベッドに置いた。

「ありがとう」

「……」

邪魔をしてはいけないそう思った祐二が離れようとしたその時、アリサが口を開いた。

「今から弾を取るから翔太朗が動かないように身体をおさえてて」

「俺が?」

「1人じゃできないから早く」

「わかりました」

祐二が翔太朗の身体をおさえるとアリサは肩に手を当て弾を取り出した。

その瞬間、翔太朗が苦しみだし祐二は身体をおさえた。

アリサは肩にタオルを当て血を止めその後、タオルを外すと手を当て治療を始めた。

「魔法が使えるのか」

「宇宙警察は皆、魔法が使えるわよ」

肩に包帯を巻きながら口にするとアリサは胸の弾を取り出し治療し胸に包帯を巻いた。

無事に治療を終えたアリサと祐二はベッドから離れアリサが声をかけた。

「私はパトロールをしないといけないから翔太朗のこと頼むわね」

「なぜ俺に?」

「翔太朗を治療しながら感じたの翔太朗が怪我をしたのはあなたを守ったからだからあなたに翔太朗を任せる」

「……」

笑顔で部屋を出ていくアリサを見つめると祐二はベッドに近づきフードをずらし翔太朗の顔を見つめた。
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