猫島

福猫

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第6話

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ブルーは唇を離しブラックとダークとペシミとスティックの気配を感じた。

「家の前にブラック、ダーク、ペシミ、スティックが居る」

「1人で行く気じゃないですよね」

背を向けているブルーに身体を起こしながら梓が声をかけると背を向けたままブルーが口を開いた。

「言ったでしょう、あなたを守ると」

「……」

梓はブルーに近づき振り向かせ口を開いた。

「俺も戦います」

「梓」

「まわりの人達に迷惑かけられないから戦える空間を作ります」

口にした後、梓は金と銀の力を使って寝室に金と銀の空間を作った。

「ブルーさん、中に入ってください」

「わかった」

返事をするとブルーは金と銀の空間の中に入った。

梓はブラックとダークとペシミとスティックが追えるように金と銀の気を送りその後、空間の中に入った。

それから暫くしてブラックとダークとペシミとスティックが寝室に現れた。

「誰も居ない」

「ブラック、あの空間、何だろ」

口にしながらペシミは空間に近づいた。

「気をつけろよ」

「あぁ」

ダークの言葉に返事をしペシミは警戒しながら空間を覗いた。

その時、ペシミは空間の中に吸い込まれた。

「ペシミ!」

「ペシミ!」

「兄貴!」

ブラックとダークとスティックは空間の中に入っていった。

その後、ブラックとダークとスティックは広い草原に出て目の前で立っているペシミに目線を向けた。

「ペシミ、無事か」

ブラックが声をかけるとペシミが口を開いた。

「ブラック、ダーク、スティック、姿がないが梓の気を感じる、どこから攻撃してくるかわからない皆、気をつけろ」

「……」

「……」

「……」

警戒しながらペシミが口にするとブラックとダークとスティックも警戒し始めた。

「居るのはわかってる出て来い」

ペシミが大きな声で声をかけると梓が姿を消した。

「……」

無言で金と銀の杖を出現させ掴むと梓は杖をペシミに向け口を開いた。

「あなた達にようはありません、麻美をここに呼んでください」

「ここに呼ばなくてもあなたが麻美の元に行ったらどうだ」

「麻美の元に行ったら麻美に力を奪われる」

「麻美をここに呼びたかったら俺達の命を奪うしかないな」

「その方が良いみたいですね」

口にした後、梓は杖に力を込め先端から金と銀の玉を出現させそのままペシミに向かって放った。

ペシミは手から結界を出現させ金と銀の玉を防ぎそのまま梓に向かって行き手の攻撃と杖の攻撃の戦いが始まった。

「兄貴だけで大丈夫かな」

スティックが口にするとブラックとダークが口を開いた。

「お前も感じたか」

「お前も」

「ブラック?ダーク?」

スティックが見つめるとブラックが口を開いた。

「ダーク、スティックを連れて麻美を守れ」

「お前だけで大丈夫か?」

「心配か?」

「お前は大事な仲間だ、心配するに決まってるだろ」

「ありがとう…俺は大丈夫だ」

真剣な顔でブラックが見つめるとダークが口を開いた。

「わかった」

「……」

スティックを連れて姿を消すダークの姿を見送るとブラックが口を開いた。

「俺達も戦いを始めようか」

「……」

姿を見せるとブルーとブラックは見つめ合った。

「……」

「……」

見つめ合いながらブルーは青い杖を構えブラックは黒い杖を構えた。

「始めようか」

「……」

ブルーの言葉にブラックがニヤリと笑うとブルーとブラックの戦いが始まった。
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