猫島

福猫

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第8話

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金と銀の空間が消え寝室が現れた。

ペシミは梓の身体を支えながらベッドに仰向けで寝かせた。

「大丈夫ですよね」

美奈に向かってペシミが口にすると美奈はベッドに近づき梓の手首に触れた。

その後、美奈はペシミに向かって口を開いた。

「彼は大丈夫、力を使いすぎて倒れただけだから休めば目を覚ますでしょう」

「良かった」

「……」

梓を見るペシミの優しい顔を見て麻美は美奈に声をかけた。

「話がある、来て」

「皆、梓さんをお願いね」

麻美と美奈は寝室を離れ玄関に向かった。

「話って何?」

「皆に人気があった美奈が許せなかった、私だって美奈と同じ力なのに皆は美奈を…」

口にした後、麻美が涙を流すと美奈は麻美を抱きしめ口を開いた。

「誤解するなんて、麻美のバカ」

「誤解?」

「……」

美奈は麻美から離れ口を開いた。

「私だけじゃなく皆、麻美の力も期待してたのよ」

「嘘よ」

「嘘じゃありません」

ホワイトとブルーとイエローとライトブラウンとグレーが現れ近づいた。

「皆、美奈様と麻美様の力があれば猫島は大きな猫島になると思っていました」

「麻美の誤解で猫島は滅びた」

口にしながらブラックが現れ玄関に近づいた。

美奈は麻美の手に触れながら口を開いた。

「梓さんのお陰で新しく猫島は生まれた、麻美、力を合わせて猫達と猫島を守りましょう」

「私がしたこと許せるの?」

「忘れた」

「美奈」

「麻美…」

「梓さんが目を覚ましました」

寝室からダークが声をかけると美奈と麻美とブラックとホワイトとブルーとイエローとライトブラウンとグレーは寝室に戻った。

「倒れてしまってすみません」

身体を起こしながら梓が口にすると美奈と麻美は梓に近づき口を開いた。

「梓さんは謝らないで」

「そうよ」

口にした後、美奈と麻美は見つめ合い頷いた。

そして美奈が口を開いた。

「麻美と心と心で会話して一致したんだけど、梓さん」

「はい」

「猫島の主になってくれないかしら」

「え…」

驚いた顔で梓が見つめると麻美が口を開いた。

「梓さんが主になってくれれば猫島は平和になる」

「猫島は美奈さんと麻美さんとホワイトさんとブルーさんとイエローさんとライトブラウンさんとグレーさんとブラックさんとダークさんとペシミさんスティックさんの国です、そんな大事な国の主に俺がなるなんてあり得ない」

「……」

梓の言葉に麻美は皆に向かって口を開いた。

「梓さんが主になるの賛成の人」

麻美が口にした後、ホワイトとブルーとイエローとライトブラウンとグレーとブラックとダークとペシミとスティックは同時に口を開いた。

「梓が猫島の主、俺達は賛成です」

「……」

思いがけない告白に梓は嬉し涙を流した。

5分後、梓が住む家に異変が起きた。

梓はベッドから離れ驚きながら口を開いた。

「俺が住む家が猫島になった」

口にした後、梓が住む家は広い草原になり金と銀の大きな家が建った。
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