かき氷にゃんこ

福猫

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第5話

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「私は氷翠、シロタマさん、よろしくね」

「どうして俺の名を知ってるんですか?」

シロタマが問いかけると氷翠は背を向けソファーに近づき座った。

「座りながら話をしましょう」

「……」

少し警戒のシロタマはソファーに近づき向かい合って座った。

「私は悪者じゃないから警戒しなくても大丈夫よ」

「聞きたいことがあります」

「何かしら」

「火山幸央のこと知っていますか?」

「知ってるわよ」

「俺の前から幸央は居なくなりました、俺は幸央を探し続けて倒れた、そして俺は氷の国にやって来た…俺はここを出て幸央を探さなくてはいけない、氷翠さん、俺を東京の街に帰してください」

「……」

氷翠はソファーから立ち上がり「シロタマさん、ついて来て」と言ってシロタマを部屋に連れて行った。

部屋の中に入ると氷翠はシロタマをじっと見つめた。

「何でしょうか?」

「あなたが探してる幸央のことなんだけど」

「幸央の居場所を知ってるのなら教えてください」

「探しても見つからないわよ」

「見つからない?それはどういうことですか?」

「幸央は死んでるの」

「え!」

突然の氷翠の言葉にシロタマは驚きそのまま言葉を失った。

「私と幸央は幼馴染なの」

「……」

「突然、幸央が私の前に現れてあなたに伝えてくれって、もし俺を探して白猫のシロタマが現れたら俺のことは忘れて新しい主を見つけて幸せになれと…」

「幸央が…」

大好きな主、幸央はもう居ないシロタマはうつ向きながら涙を流した。

その姿を見て氷翠は声をかけず部屋を出た。

その後、氷翠は家を離れ行き交うかき氷にゃんこ達の前に姿を現した。

かき氷にゃんこ達と偶然、街に来ていたかき氷にゃんこ、メロンとかき氷にゃんこ、コーヒーとかき氷にゃんこ、ハワイアンブルーは立ち止まり氷翠を見つめた。

「私は氷の国を作った氷翠です、今まで姿を見せずゴメンなさい」

かき氷にゃんこ達を見つめながら氷翠はかき氷にゃんこ、ハワイアンブルーと目が合った。

氷翠はかき氷にゃんこ、ハワイアンブルーに近づき「いちごに会いたいんだけど家の場所わかるかしら」と口にするとかき氷にゃんこ、ハワイアンブルーが「わかるよ、ついてきな」と言って走り出し氷翠も走り出しかき氷にゃんこ、ハワイアンブルーについて行った。

その頃、かき氷にゃんこ、いちごはソファーに座りながら居なくなったシロタマのことを心配していた。

「シロタマの奴、どこに行ったんだろ」

「いちご」

「……」

声が聞こえかき氷にゃんこ、いちごがソファーから立ち上がったその時、かき氷にゃんこ、ハワイアンブルーと氷翠が現れた。

「ハワイアン!氷翠さん!」

かき氷にゃんこ、いちごが驚いた顔で見つめるとかき氷にゃんこ、ハワイアンブルーがその場から離れて行った。

「シロタマのことで話があるの」

「……」

氷翠とかき氷にゃんこ、いちごは立ったまま見つめ合った。
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