実優の陰謀

福猫

文字の大きさ
6 / 7

第6話

しおりを挟む
「……」

リンは目を覚まし手を握りながら見つめる薫を見つめた。

「薫さん…」

「……」

リンと薫は見つめ合い薫が口を開いた。

「ゴメンなさい」

薫はリンの手を握りながら涙を流した。

リンは身体を起こし握られていない手で薫の涙を拭い口を開いた。

「薫さん、元の薫さんに戻ったんですか?」

「カールさんにキスをした直後、正気に戻りました…そして俺は驚きました」

「驚いたって何に?」

「宇宙警察達と宇宙警察本部が滅びてました」

「え…」

リンは驚いた。

薫はリンの手から手を離し正座をしそのままお辞儀をしながら口を開いた。

「俺が宇宙警察達とカールさんと宇宙警察本部を滅ぼしました…ゴメンなさい…」

「薫さん」

「謝って許されることじゃないことはわかってます…だからリンさん、俺の命を奪ってください」

「……」

リンは正座をしながらお辞儀をする薫の身体を起こし抱きしめた。

「……」

「……」

薫は驚きリンはギュっと抱きしめながら口を開いた。

「薫さんは実優に操られていただけ、薫さんは悪くない」

「……」

リンの言葉に薫は涙を流した。

その後、薫とリンは見つめ合った。

「薫さんのせいじゃないから泣かないで」

リンは手で薫の涙を拭い顔を見つめそのまま顔を近づけ唇を重ねた。

その後、リンは唇を離し薫を見つめた。

薫が口を開いた。

「俺が実優を油断させておくからリンさん、実優を逮捕してください」

「油断させるって、バレたら命を奪われてしまうかも」

「大丈夫」

微笑むと薫はリンの前から姿を消した。

リンは立ち上がり立ち尽くした。

その時、背後から大勢の声が聞こえた。

「リン」

「リン」

「……」

リンは振り返り宇宙警察達とユキアとルーと白猫のルルとカールとヒカルの姿に驚いた。

「どうして!…皆、死んだんじゃ…」

「……」

ユキアは近づき口を開いた。

「俺達は確かに死んだが生き返った」

「どうして…」

「たぶんだが松岡薫さんが正気に戻ったから」

「それじゃ、宇宙警察本部も」

「たぶん戻ってる」

口にした後、ユキアはリンを見つめ頷いた。

ー城の中ー

実優は部屋の中で立ち尽くしながら険しい顔をした。

「実優」

薫が姿を現した。

実優は背を向けたまま口を開いた。

「薫、全裸になってベッドに仰向けで寝れ」

「……」

「どうした」

「わかった」

薫が服を脱ごうとしたその時、実優が薫の手首を掴んだ。

薫はビクッとした。

「……」

「……」

実優は薫をベッドに倒し覆い被さりながら口を開いた。

「正気に戻っているな」

「何、言って…俺は…」

言いかけた薫は実優に手で首を絞められた。

「ううう…」

薫は苦しんだ。

「……」

実優は薫の首を絞め続けた。

その時、実優は背中に拳銃を突きつけられ薫の首から手を離し薫は気を失った。

「リン」

「外に出ようか」

「……」

リンに拳銃を突きつけられながら実優はリンと共に外に出た。

そして実優は宇宙警察達とユキアとルーとカールとヒカルに驚いた。

「お前ら生き返ったのか」

「薫さんが正気に戻ったから俺達は生き返った」

ユキアが口にすると実優は一瞬でリンの背後に立ち手をリンに向け魔法で突き飛ばした。

ユキアはリンを抱き止めた。

実優は魔法の杖を掴みその杖をユキア達に向けながら口を開いた。

「宇宙警察達と俺の戦い、始めようか」

「実優、今度こそお前を逮捕する」

ユキアとリンとルーとカールとヒカルと宇宙警察達は拳銃を構えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

冷遇妃マリアベルの監視報告書

Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。 第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。 そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。 王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。 (小説家になろう様にも投稿しています)

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

一番でなくとも

Rj
恋愛
婚約者が恋に落ちたのは親友だった。一番大切な存在になれない私。それでも私は幸せになる。 全九話。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

二年間の花嫁

柴田はつみ
恋愛
名門公爵家との政略結婚――それは、彼にとっても、私にとっても期間限定の約束だった。 公爵アランにはすでに将来を誓い合った女性がいる。私はただ、その日までの“仮の妻”でしかない。 二年後、契約が終われば彼の元を去らなければならないと分かっていた。 それでも構わなかった。 たとえ短い時間でも、ずっと想い続けてきた彼のそばにいられるなら――。 けれど、私の知らないところで、アランは密かに策略を巡らせていた。 この結婚は、ただの義務でも慈悲でもない。 彼にとっても、私を手放すつもりなど初めからなかったのだ。 やがて二人の距離は少しずつ近づき、契約という鎖が、甘く熱い絆へと変わっていく。 期限が迫る中、真実の愛がすべてを覆す。 ――これは、嘘から始まった恋が、永遠へと変わる物語。

処理中です...