令和の戦士

福猫

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第7話

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「倫太郎が良樹をむりやり身体を重ねたって本当ですか?」

「本当です」

渉がそう答えると隼平の顔が怖い顔になった。

その姿を見て渉は笑みを浮かべ隼平の耳元で囁いた。

「倫太郎に良樹を取られたくないなら倫太郎の命を奪うしかない」

「倫太郎の命を奪う…」

「倫太郎の命を奪えば良樹はお前のものだ」

「倫太郎の命を奪えば良樹は俺のもの」

「そうだ、倫太郎の命を奪えば良樹はお前のものになる」

「…倫太郎の命を…奪う…」

口にしその時、渉の魔力によって隼平の心は渉のものになった。

「隼平、これで倫太郎の命を奪え」

そう言って渉が小さな黒い剣を差し出すと隼平は黒い剣を受け取り口を開いた。

「必ず倫太郎の命を奪います」

そう言って隼平がズボンのポケットに入れようとしたその時、屋上のドアが開きあやねが現れた。

「仕事もしないで何してるんですか」

「ゴメン、今行く」

そう言って隼平がドアに近づき階段をおりていくとあやねは渉に目線を向け口を開いた。

「話し中にすみませんでした」

「話しは終わってたから大丈夫ですよ」

渉がそう答えるとあやねはお辞儀をしドアを閉め階段をおりていった。

屋上に1人になった渉は眼鏡を外し地面に手を向けると魔方陣を出現させた。

「ここにいる人間がこの魔方陣に入れば俺の仲間になる」

そう言って渉はその場から消えた。

ー特別部屋ー

「いつまでも休んでないでオーナーの仕事しないとな」

そう言って良樹がベッドから離れると猫の白猫がベッドから口を開いた。

「今日だけは休んだ方が良いんじゃないのか」

「心配してくれてありがとう、俺は大丈夫だから」

「具合が悪くなったらすぐ俺に言えよ」

「わかった」

「……」

「シロはこの部屋にいて良いから」

「わかった」

猫の白猫が返事をすると良樹は特別部屋を離れオーナー室に向かい仕事を始めた。

ー受付ー

受付スタッフの仕事をしていた隼平は突然、仕事を止め隣のスタッフに声をかけた。

「用事を思い出したから仕事終了する」

「オーナーに言ったのか」

「言ってない、お前から言っといて」

「自分でっていない」

「どうしたんですか?」

「あやねちゃん」

「……」

スタッフから隼平が仕事終了したことを知ったあやねは怒った顔でその場を離れスタッフが口を開いた。

「あとでオーナーに言わないとな」

「すみません」

「いらっしゃいませ」

スタッフは受付の仕事を始めた。

その頃、隼平は倫太郎がいる総合病院に向かって歩いていた。

その隼平をあやねは築かれないようについていった。
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