令和の戦士

福猫

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第10話

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「このホテルは俺のものになった」

「何、言ってんだ、このホテルは俺が経営しているホテルだお前のホテルなわけないだろ」

渉の言葉に良樹がそう答えると渉は魔方陣から少し離れ指を鳴らした。

その時、魔方陣から男性スタッフや女性スタッフ達が現れた。

良樹とあやねは驚いた。

その頃、シロは人間の姿で屋上のドアを開こうともがいていた。

「何で開かないんだ」

口にする頃、良樹とあやねは驚き続けた。

「お兄ちゃん」

「襲ってきたら手加減せず戦え」

「そんなのできない」

「今のスタッフ達はあいつの仲間だ」

「……」

「手加減せず戦え良いな」

「わかった」

あやねが返事をしたその時、渉の合図で男性スタッフと女性スタッフ達は魔方陣から離れ襲いかかった。

良樹とあやねは離れ良樹は男性スタッフ達と戦いあやねは女性スタッフ達と戦い始めた。

「お兄ちゃんは手加減せず戦えって言ってたけど、やっぱり戦えないよ」

口にしながらあやねは女性スタッフ達の攻撃を避け続けた。

「あやね、戦わないとやられるぞ」

男性スタッフ達と戦いながら良樹が口にするとあやねが叫んだ。

「無理ー」

叫びながらあやねの力が爆発すると女性スタッフ達は気絶し倒れた。

その光景を見ながら渉は機嫌が悪くなり男性スタッフ達を襲いに行かせた。

「あやね!」

良樹が叫ぶとあやねは力を爆発させたまま男性スタッフ達を気絶させ倒れさせた。

「……」

力の爆発が静まるとあやねは倒れかけ良樹に抱き止められた。

「大丈夫か?」

「大丈夫」

良樹から少しあやねが離れると渉が口を開いた。

「お前の力を甘く見ているとやられてしまうかもな」

「……」

あやねを守ろうと良樹があやねの前に立ち険しい顔で見つめると渉が口を開いた。

「良樹、俺の元に来い」

「誰がお前の元に行くか」

そう言って良樹が白い剣を構えると渉が口を開いた。

「妹がどうなっても良いのか」

「……」

目線を渉からあやねに向けたその時、魔方陣から黒い鎖が現れ良樹の足首に巻きつき引っ張ると良樹は倒れ手から白い剣が離れた。

その後、鎖は良樹の身体に巻きつき魔方陣に引っ張った。

「お兄ちゃん!」

慌ててあやねは良樹の手首を左右の手で掴み自分の方に引っ張った。

「あやね、逃げろ」

「お兄ちゃんを渡さない」

「あやねの力じゃ無理だ」

「お兄ちゃんの手を絶対に離さない」

少しずつ鎖に引っ張られながらあやねは踏ん張った。

「お兄ちゃんは…渡さない…」

踏ん張るあやねの背後に渉が現れると良樹が叫んだ。

「あやねー」

「……」

後ろに振り向いたその時、あやねは渉に手で攻撃され良樹の手を離し倒れた。

「あやねー」

叫びながら良樹は鎖に引きずられ魔方陣の中に消えた。

屋上のドアを開こうともがきながら人間の白猫が「どうした良樹、あやね」と声をかけると渉は指を鳴らしドアを開いた。

「良樹!あやね!」

人間の白猫が現れると渉が口を開いた。

「お嬢さんの手当てをしてやれ」

そう言って渉が背を向けると人間の白猫が口を開いた。

「良樹はどうした」

「貰った」

そう言って歩きだし魔方陣の中に立つと振り向き口を開いた。

「令和の戦士と白水晶は貰った」

そう言って渉は人間の白猫に笑みを浮かべながら魔方陣の中に消えていき魔方陣も消えた。

「あああー」

渉に良樹と白水晶を奪われ人間の白猫は叫んだ。
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