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序章
脱出
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母親は翌日の日も暮れることに起きだし、私を押し入れから出すこともなく出かける準備を始める。
私は何日もご飯を食べていなかった。
昨日の帰り、母親は鞄一つで帰ってきたため、この後母親が出かけても食事にありつくことができそうもない。
私は無駄だと思ったが、押し入れの扉を叩き母親を呼ぶ。
「…お母さん?」
「うるさいッ!話しかけるんじゃないよ!」
押し入れの隙間から母親が鼻歌を歌いながら髪を整えている様子がぼんやりと見えた。
これから出かけるに違いない。
死にそうなほどお腹が空いていたが、これで笙真くんを助けることができるのだと自分に言い聞かせる。空腹よりも笙真くんの命が優先だ。
私は母親が出かけるまで、少しでも暖を取ろうと体育座りをして、体を丸める。きっといっぱい走らないといけないだろうから。
窓の外が暗くなり、気温も一気に下がっていく。
玄関のドアが開く音が聞こえ、母親のピンヒールの足音がカツカツと鉄筋の階段を降りてゆく。
笙真くんを、公泰の過去を変えるには今、動くしかないのだ。
私はいつものうように押し入れの扉をガタガタ揺らして、つっかえ棒になっている箒を倒す。
パタンという箒が倒れる音が聞こえ、私は押し入れから出ることができた。
早く、早く笙真くんを助けないと。
私は汚れものでいっぱいの台所を通り、木製の扉の前にたどり着く。
そう、ここからがいつも問題なのだ。
私はいつもこの玄関のカギを開けることができず、このアパートから、母親から逃げ出すことができないのだ。
でも、今日は違う。
私がここで笙真くんを助けないと、せっかく過去にタイムスリップした意味がないではないか。
これが夢でもいい。夢の中くらいかっこいい私でいたい!
手に伝わる取っ手の金属は冷たく、思わず握る手が離れる。まるで静電気を感じたかのように、私は取っ手から手を離した。
その冷たさを、重たさを感じてしまったからか、私は再び取っ手に触ることがなかなかできない。
なんで?
笙真くんを助けたいんでしょ?そんなに、母親に言われたことが怖いの?
――ここから逃げ出したら、もっとひどい目に合わせてやるから。
いつもそうだった。母親に言われたこの言葉が怖くて、私はこのアパートを出ることができなかったのだ。
ぶるぶる震える手を伸ばすが、いつもその手は宙で止まってしまうのだ。
ぎゅっと目を瞑った私に、公泰の声が聞こえた。
――逃げるから怖いんだよ。逃げると怖いものをもっと怖く想像するだろう?だから、戦った方が怖くないんだ。そこがお前の悪い癖だな。いつも、怖くなると逃げ出して、蓋をして見えなくするんだから。その蓋の中身を悪いように想像して、怖がって…。案外、蓋を開けたらそこは空っぽかもしれないよ。
…きっと公泰の言うとおりだ。
ぎゅっと力一杯こぶしを握り締め、私は玄関の扉の鍵を解除した。
カチャン―という音は私を母親の呪縛から解放されたことを祝う、鐘の音に聞こえた。
私は玄関の扉を開け、そっと外の世界を覗く。
今にも雪が降りそうな冬の空があまりにまぶしくて、私はぎゅっと目を瞑る。
自由の匂いがした。
私は靴を持っていないので、裸足のまま外に出る。ザラザラしたコンクリートの感触が痛かったが、そんなことにいちいち気にしている余裕は私にはなかった。
近所の人に助けを求めようと階段を降りようとしたとき、ふと、私が刺されたときのことを思い出してしまった。
あの時、誰も私を助けようとはしなかった。
誰が事件に巻き込まれたいと思うだろう。
もし、もし助けてくれる人を探している時間に誘拐犯が戻ってきて笙真君を殺してしまったらどうしよう。
私の足は無意識に階段から離れていく。
笙真君を助けるのが先だ。
私は急ぐように隣の笙真くんが閉じ込められている部屋の玄関まで歩く。
もしも、もしも中にあの男がいたらどうしよう?
私がピアノを弾くとあの男は静かにするようにと壁を叩く。そのことを思い出した私は、ピアノを弾いて男がアパートにいるか確認することにした。
家に戻るのはとても怖かったが、一度自由になったと感じたからか、もうその部屋は私にとっての監獄ではなかった。
ピアノを乱暴に叩き、不協和音を奏でる。
母親が見たら間違いなく発狂するであろう強さで鍵盤をたたく。
しばらく弾いても隣の壁は静かなままだった。
私は急いで隣の部屋に行き、玄関の扉が開いていないか確認するが、誘拐してきた子供を閉じ込めているだけあってカギはきちんと掛けられていた。
どうしようと辺りを見渡すと、私の目線と同じ高さのところにある台所の窓が目に入った。
そして、その近くには赤い消火器。
私は消火器を投げつけ、台所の窓を割る。
窓ガラスがギザギザになっていたが、どれも消火器を使って平らにする。
それでも手に切り傷ができたが、なんとか私は窓をよじ登り部屋に侵入することができた。
隣の部屋も母親の部屋と同じく、ゴミで溢れていた。違いといえば新聞が乱雑に置かれていることだった。
笙真君が監禁されている押し入れの両開きの扉の片方には大きな南京錠が欠けられていて、もう反対の扉はたくさんの釘で開かないようにされていた。
「笙真君?」
「本当に助けに来てくれたの?」
笙真君が生きていたことにほっとする。
「今、出してあげるからね」
「気を付けてね。無理しないでね」
「大丈夫!」
南京錠のこじ開け方は昔の悪友に教わったことがあった。金槌かレンチ二本あれば南京錠は簡単に開けることができるのだ。
くぎを打つために使用した金槌が絶対あるはずだ。
くぎが散在しているところを重点的に探す。すると、さびた金槌がやはり無造作に放置されていた。
悪友に教わったやり方で、南京錠に金槌を打つ。何度か試すうちにカギが外れる。
南京錠を放り投げ、私はドキドキする心臓の音おききながら押し入れの扉をゆっくりと明けた。
押し入れの中には、誘拐の報道を知らせるテレビで見たよりも痩せて肩まで伸びた髪の笙真くんが座っていた。
「本当に、助けてくれるとは思わなかった」
私はその言葉にニコリと笑う。
「ずっと笙真くんを助けたいと思ってたから」
不思議そうに首を傾げる笙真くんは私の全身に視線を向け、顔を歪めて今にも泣きだしそうな顔になる。
「君、怪我してるよ」
「うん。でも、痛くないから平気」
「…ありがとう」
笙真君は小さな涙を流しながらお礼を囁く。
「お礼は、本当にここを脱出してからにしよう」
私たちは自然と手をつなぐ。笙真くんにぎゅっと握られ、怪我をしているため痛みを感じたが私も笙真くんと同じくらい力強く笙真くんの手を握り返す。
笙真君が玄関の扉の取っ手に手をかけた時だった。
階段を上がる足音が聞こえた。
母親が履いて出かけたピンヒールの音ではなく、重たいブーツの音だ。
このボロアパートに住んでいるのは二世帯だけ、つまり母親でないのなら誘拐犯ということだ。
「待って!犯人が戻ってきたみたい」
「どうしよう」
笙真君は少しパニックになったように全身が震えている。
アパートの室内を見渡しても隠れる場所はないし、隠れてもすぐに見つかってしまう。
私は台所にあった包丁を手にする。
子どもの私が刃物を持ったところで、大の大人に脅しになるとは思わないがないよりはましだと思ったのだ。
手に握った刃物は私が思ったよりも何倍も重たく感じた。
私は何日もご飯を食べていなかった。
昨日の帰り、母親は鞄一つで帰ってきたため、この後母親が出かけても食事にありつくことができそうもない。
私は無駄だと思ったが、押し入れの扉を叩き母親を呼ぶ。
「…お母さん?」
「うるさいッ!話しかけるんじゃないよ!」
押し入れの隙間から母親が鼻歌を歌いながら髪を整えている様子がぼんやりと見えた。
これから出かけるに違いない。
死にそうなほどお腹が空いていたが、これで笙真くんを助けることができるのだと自分に言い聞かせる。空腹よりも笙真くんの命が優先だ。
私は母親が出かけるまで、少しでも暖を取ろうと体育座りをして、体を丸める。きっといっぱい走らないといけないだろうから。
窓の外が暗くなり、気温も一気に下がっていく。
玄関のドアが開く音が聞こえ、母親のピンヒールの足音がカツカツと鉄筋の階段を降りてゆく。
笙真くんを、公泰の過去を変えるには今、動くしかないのだ。
私はいつものうように押し入れの扉をガタガタ揺らして、つっかえ棒になっている箒を倒す。
パタンという箒が倒れる音が聞こえ、私は押し入れから出ることができた。
早く、早く笙真くんを助けないと。
私は汚れものでいっぱいの台所を通り、木製の扉の前にたどり着く。
そう、ここからがいつも問題なのだ。
私はいつもこの玄関のカギを開けることができず、このアパートから、母親から逃げ出すことができないのだ。
でも、今日は違う。
私がここで笙真くんを助けないと、せっかく過去にタイムスリップした意味がないではないか。
これが夢でもいい。夢の中くらいかっこいい私でいたい!
手に伝わる取っ手の金属は冷たく、思わず握る手が離れる。まるで静電気を感じたかのように、私は取っ手から手を離した。
その冷たさを、重たさを感じてしまったからか、私は再び取っ手に触ることがなかなかできない。
なんで?
笙真くんを助けたいんでしょ?そんなに、母親に言われたことが怖いの?
――ここから逃げ出したら、もっとひどい目に合わせてやるから。
いつもそうだった。母親に言われたこの言葉が怖くて、私はこのアパートを出ることができなかったのだ。
ぶるぶる震える手を伸ばすが、いつもその手は宙で止まってしまうのだ。
ぎゅっと目を瞑った私に、公泰の声が聞こえた。
――逃げるから怖いんだよ。逃げると怖いものをもっと怖く想像するだろう?だから、戦った方が怖くないんだ。そこがお前の悪い癖だな。いつも、怖くなると逃げ出して、蓋をして見えなくするんだから。その蓋の中身を悪いように想像して、怖がって…。案外、蓋を開けたらそこは空っぽかもしれないよ。
…きっと公泰の言うとおりだ。
ぎゅっと力一杯こぶしを握り締め、私は玄関の扉の鍵を解除した。
カチャン―という音は私を母親の呪縛から解放されたことを祝う、鐘の音に聞こえた。
私は玄関の扉を開け、そっと外の世界を覗く。
今にも雪が降りそうな冬の空があまりにまぶしくて、私はぎゅっと目を瞑る。
自由の匂いがした。
私は靴を持っていないので、裸足のまま外に出る。ザラザラしたコンクリートの感触が痛かったが、そんなことにいちいち気にしている余裕は私にはなかった。
近所の人に助けを求めようと階段を降りようとしたとき、ふと、私が刺されたときのことを思い出してしまった。
あの時、誰も私を助けようとはしなかった。
誰が事件に巻き込まれたいと思うだろう。
もし、もし助けてくれる人を探している時間に誘拐犯が戻ってきて笙真君を殺してしまったらどうしよう。
私の足は無意識に階段から離れていく。
笙真君を助けるのが先だ。
私は急ぐように隣の笙真くんが閉じ込められている部屋の玄関まで歩く。
もしも、もしも中にあの男がいたらどうしよう?
私がピアノを弾くとあの男は静かにするようにと壁を叩く。そのことを思い出した私は、ピアノを弾いて男がアパートにいるか確認することにした。
家に戻るのはとても怖かったが、一度自由になったと感じたからか、もうその部屋は私にとっての監獄ではなかった。
ピアノを乱暴に叩き、不協和音を奏でる。
母親が見たら間違いなく発狂するであろう強さで鍵盤をたたく。
しばらく弾いても隣の壁は静かなままだった。
私は急いで隣の部屋に行き、玄関の扉が開いていないか確認するが、誘拐してきた子供を閉じ込めているだけあってカギはきちんと掛けられていた。
どうしようと辺りを見渡すと、私の目線と同じ高さのところにある台所の窓が目に入った。
そして、その近くには赤い消火器。
私は消火器を投げつけ、台所の窓を割る。
窓ガラスがギザギザになっていたが、どれも消火器を使って平らにする。
それでも手に切り傷ができたが、なんとか私は窓をよじ登り部屋に侵入することができた。
隣の部屋も母親の部屋と同じく、ゴミで溢れていた。違いといえば新聞が乱雑に置かれていることだった。
笙真君が監禁されている押し入れの両開きの扉の片方には大きな南京錠が欠けられていて、もう反対の扉はたくさんの釘で開かないようにされていた。
「笙真君?」
「本当に助けに来てくれたの?」
笙真君が生きていたことにほっとする。
「今、出してあげるからね」
「気を付けてね。無理しないでね」
「大丈夫!」
南京錠のこじ開け方は昔の悪友に教わったことがあった。金槌かレンチ二本あれば南京錠は簡単に開けることができるのだ。
くぎを打つために使用した金槌が絶対あるはずだ。
くぎが散在しているところを重点的に探す。すると、さびた金槌がやはり無造作に放置されていた。
悪友に教わったやり方で、南京錠に金槌を打つ。何度か試すうちにカギが外れる。
南京錠を放り投げ、私はドキドキする心臓の音おききながら押し入れの扉をゆっくりと明けた。
押し入れの中には、誘拐の報道を知らせるテレビで見たよりも痩せて肩まで伸びた髪の笙真くんが座っていた。
「本当に、助けてくれるとは思わなかった」
私はその言葉にニコリと笑う。
「ずっと笙真くんを助けたいと思ってたから」
不思議そうに首を傾げる笙真くんは私の全身に視線を向け、顔を歪めて今にも泣きだしそうな顔になる。
「君、怪我してるよ」
「うん。でも、痛くないから平気」
「…ありがとう」
笙真君は小さな涙を流しながらお礼を囁く。
「お礼は、本当にここを脱出してからにしよう」
私たちは自然と手をつなぐ。笙真くんにぎゅっと握られ、怪我をしているため痛みを感じたが私も笙真くんと同じくらい力強く笙真くんの手を握り返す。
笙真君が玄関の扉の取っ手に手をかけた時だった。
階段を上がる足音が聞こえた。
母親が履いて出かけたピンヒールの音ではなく、重たいブーツの音だ。
このボロアパートに住んでいるのは二世帯だけ、つまり母親でないのなら誘拐犯ということだ。
「待って!犯人が戻ってきたみたい」
「どうしよう」
笙真君は少しパニックになったように全身が震えている。
アパートの室内を見渡しても隠れる場所はないし、隠れてもすぐに見つかってしまう。
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