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序章
番外編1 四つの制服
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三つ子の息子である笙真が誘拐されたのは、一週間後に胡蝶学院小等部の入学式を控えた冬が戻ってきたみたいに寒い日だった。
長男である公泰は風で寝込み、次男笙真と三男侑大は従弟である池波聡介くんと最後のスノボ―教室へ行っていた。
普段なら仲のよい二人はスノボ―教室で仲違いをしたようで、間に入る公泰が不在だったこともあり、侑大は一緒に帰りたくないのだろう。当時の運転手だった渡辺に普段ならつかない嘘をついた。
笙真は池波家の車に乗って帰ったと。
仲の良い従弟の家に泊まるのだろうと確認の電話をしたのは、夕飯を食べ終え九時を過ぎたころだった。
私は今でも忘れない。
日常が崩れ落ちる瞬間を。
そこから夫である真澄が警察に電話するのはとても早かった。
眠れない夜を過ごし、状況を理解し普段よりも大人しい公泰と嘘をついてしまった侑大のためにも気丈に振る舞わなければと、顔を洗って気合を入れた瞬間だった。
笙真の身代金を要求する電話が鳴ったのだ。
犯人はとある口座に三千万円振り込むように電話してきた。
私たちは警察の言うとおりに口座にお金を振り込み、警察が早く笙真を見つけてくれることを願った。
しかし、犯人は捕まることなく、口座からお金は消えていた。
犯人は振り込め詐欺と同じ方法で身代金を引き出したようで、振り子を逮捕しても笙真を誘拐した犯人にはたどりつくことはできなかった。
笙真が誘拐されて毎月12日に犯人から笙真の写真が送られるようになった。
12日付の新聞と映る笙真の写真だけが、私たちに希望をつなげていた。
写真が送られてくるたびに写真の中の笙真の目が徐々に光を失って、まるで死んでいるかのようにうつろになっていくのを私たちはただ見ているしかできなかった。
そんな写真でも笙真の無事を知らせるただ一つの希望で、私たちにとっての蜘蛛の糸のような細い細い希望の綱だった。
だから、私たちは早く犯人に笙真を私たちのもとに返してほしくて言われるがままお金を振り込んだ。
警察が犯人を捕まえるよりも、私たちは犯人が笙真を返してくれるようにといつも願っていた。
捜査に全力を尽くしていますとしか、答えない警察に不信感をもっていたのだ。
笙真が誘拐され半年以上がたち、私たちは犯人はもしかしたら、もしかしたら笙真を私たちに返す気がないのかもしれないと考えるようになっていた。
夫も口には出さなかったが、何となく私と同じことを考えているのだということが分かった。
笙真のことで頭が一杯で、公泰が徐々に無表情になっていたことも、侑大のわがままが手につかなくなっていることも私たち夫婦には気が付く余裕がなかった。
あの日、警察からの電話を受け取った時も、ただの定期報告だと思っていた。
「最善を尽くしているのですが、笙真くんはまだ見つかりません。犯人も逮捕されていません」と、いつも通り言われるだけだと思っていた。
しかし、その日の電話は笙真が保護されたとことを告げる電話だった。
急いで警察に告げられた病室へ向かった私たちが目にしたのは、気を失ったガリガリに痩せた子供を抱きしめる笙真の姿だった。
笙真は命綱ようにギュッときつくその子を抱きしめていた。
私たちはためらうことなく、その子も一緒に笙真をきつく、きつく抱きしめた。
久しぶりに感じる笙真のぬくもりは、冷え切った心には熱すぎて自然と涙がこぼれていた。
笙真から腕の中の子供が「紫音」という名前ということと、笙真の命の恩人であることが分かった。
最初、私たちはその子供も笙真と同じどこかの家庭から誘拐された子供だと思っていた。
まさか、実の母親から虐待され育った子供だとは思ってもいなかった。
その子の母親はいつになっても病院に現れず、病院は虐待として警察、児童相談所に通報したとおしゃべりな師長が話してくれた。
その師長は紫音さんの体には治療を受けたと思われない古い骨折の跡や、火傷、痣などがあると聞いてもいないのに教えてくれた。さらに無戸籍者だとも。
眠る紫音さんの側を離れたがらない息子を宥めすかし、プライバシーが守られた特別室へと引き離す。
マスコミが病院にまで押しかけ、病院の中にもマスコミがいるかもしれないと笙真を半ば監禁するようにして特別室から出さなかった。
紫音さんも特別室に移動させたがったが、紫音さんに関するなんの制限も持たない私たちには無理だった。
師長さんから紫音さんが目を覚ましたことを聞いた私たちは紫音さんの病室を訪れた。
そこには笙真以上に傷つきながらも、強い女の子がいた。
泣いてしまった私たちに困ったような表情を浮かべるその子は戸惑ったように私の手を握りしめた。
その瞬間に、私はその子の母親になったのかもしれない。
その子を守りたいと強く願う私がいて、夫のほうも同じように感じていることが分かった。
息子の命の恩人というだけでなく、紫音という一人の女の子を私たちはどうしようもないほど愛してしまったのだ。
血のつながらない子供をわが子の様に愛せるとは思ってもいなかった私たち夫婦は、少し動揺していたのも事実だ。
磐井家に連れてこられた紫音は最初、玄関から動くことができないようだった。
キッズカウンセラーから受けたアドバイスを思い出す。
紫音が置かれていた状況と私たちの家庭環境はかなり違うため、せかさずゆっくり紫音が慣れるようにとのことだった。
おずおずと靴を脱ぎ、磐井家に足を踏み入れた紫音さんはとても勇敢だった。
紫音さんが家に来たことで一番良かったことは、笙真にとってだったと思う。
笙真は夜が来るたびに、暗闇が訪れるたびに脅え寝ることを拒否していた。私たち夫婦が寄り添っても笙真はただ小さく縮こまり、体を震わせていた。
この時ほど無力な自分を嫌だと思ったことはなかった。
誘拐犯の手から笙真を取り戻せば、笙真を守り安心させてやれると思っていたのに、笙真は私たちが側にいても怯え眠れぬ夜を過ごす。
そんな笙真が言ったのだ。
「紫音と一緒にいたい」と。
それからは磐井が持つ力を駆使した。
弁護士を何人も雇い、政治家などにも相談し、ようやく里子として紫音をうちで引き取ることができた。
紫音さんが来た夜、紫音さんが落ち着いたことを確認した私たちは笙真の部屋を訪れた。
しかし、笙真の姿はなく私たちはパニックを起こしたように笙真を探した。使用人たちにも命じ、屋敷中をひっくり返したように探させたのだ。
使用人の一人が紫音さんの部屋で眠る笙真の姿を発見するのが、あと少し遅ければ私たちは警察に連絡していたことだろう。
笙真はまるで紫音さんがぬいぐるみのようにギュッと抱き着いて寝ていた。
私たちはすやすやと眠る笙真の頬を撫でる。撫でられてもピクリとも動かないほど笙真はぐっすり眠っていた。
私たちはその姿をいつまでも見つめていた。
紫音さんは笙真だけでなく残りの二人の息子たちのも良い影響を与えてくれた。
無表情だった公泰は紫音さんと話すことで少しずつ表情を取り戻し、すっかりわがままになってしまった侑大を厳しくしつける様子は小さな母親のようで見ていておかしかった。
紫音さんがいなかったら、私たち磐井家はどなっていただろうか。
想像がつかない。
私はハンガーにかけられ並べられた四つの胡蝶学院の制服を眺めながら、昔のことを思い出していた。
あとは、紫音さんが私たち夫婦を「お父さま」「お母さま」と呼んでくれたら完璧なのだ。
長男である公泰は風で寝込み、次男笙真と三男侑大は従弟である池波聡介くんと最後のスノボ―教室へ行っていた。
普段なら仲のよい二人はスノボ―教室で仲違いをしたようで、間に入る公泰が不在だったこともあり、侑大は一緒に帰りたくないのだろう。当時の運転手だった渡辺に普段ならつかない嘘をついた。
笙真は池波家の車に乗って帰ったと。
仲の良い従弟の家に泊まるのだろうと確認の電話をしたのは、夕飯を食べ終え九時を過ぎたころだった。
私は今でも忘れない。
日常が崩れ落ちる瞬間を。
そこから夫である真澄が警察に電話するのはとても早かった。
眠れない夜を過ごし、状況を理解し普段よりも大人しい公泰と嘘をついてしまった侑大のためにも気丈に振る舞わなければと、顔を洗って気合を入れた瞬間だった。
笙真の身代金を要求する電話が鳴ったのだ。
犯人はとある口座に三千万円振り込むように電話してきた。
私たちは警察の言うとおりに口座にお金を振り込み、警察が早く笙真を見つけてくれることを願った。
しかし、犯人は捕まることなく、口座からお金は消えていた。
犯人は振り込め詐欺と同じ方法で身代金を引き出したようで、振り子を逮捕しても笙真を誘拐した犯人にはたどりつくことはできなかった。
笙真が誘拐されて毎月12日に犯人から笙真の写真が送られるようになった。
12日付の新聞と映る笙真の写真だけが、私たちに希望をつなげていた。
写真が送られてくるたびに写真の中の笙真の目が徐々に光を失って、まるで死んでいるかのようにうつろになっていくのを私たちはただ見ているしかできなかった。
そんな写真でも笙真の無事を知らせるただ一つの希望で、私たちにとっての蜘蛛の糸のような細い細い希望の綱だった。
だから、私たちは早く犯人に笙真を私たちのもとに返してほしくて言われるがままお金を振り込んだ。
警察が犯人を捕まえるよりも、私たちは犯人が笙真を返してくれるようにといつも願っていた。
捜査に全力を尽くしていますとしか、答えない警察に不信感をもっていたのだ。
笙真が誘拐され半年以上がたち、私たちは犯人はもしかしたら、もしかしたら笙真を私たちに返す気がないのかもしれないと考えるようになっていた。
夫も口には出さなかったが、何となく私と同じことを考えているのだということが分かった。
笙真のことで頭が一杯で、公泰が徐々に無表情になっていたことも、侑大のわがままが手につかなくなっていることも私たち夫婦には気が付く余裕がなかった。
あの日、警察からの電話を受け取った時も、ただの定期報告だと思っていた。
「最善を尽くしているのですが、笙真くんはまだ見つかりません。犯人も逮捕されていません」と、いつも通り言われるだけだと思っていた。
しかし、その日の電話は笙真が保護されたとことを告げる電話だった。
急いで警察に告げられた病室へ向かった私たちが目にしたのは、気を失ったガリガリに痩せた子供を抱きしめる笙真の姿だった。
笙真は命綱ようにギュッときつくその子を抱きしめていた。
私たちはためらうことなく、その子も一緒に笙真をきつく、きつく抱きしめた。
久しぶりに感じる笙真のぬくもりは、冷え切った心には熱すぎて自然と涙がこぼれていた。
笙真から腕の中の子供が「紫音」という名前ということと、笙真の命の恩人であることが分かった。
最初、私たちはその子供も笙真と同じどこかの家庭から誘拐された子供だと思っていた。
まさか、実の母親から虐待され育った子供だとは思ってもいなかった。
その子の母親はいつになっても病院に現れず、病院は虐待として警察、児童相談所に通報したとおしゃべりな師長が話してくれた。
その師長は紫音さんの体には治療を受けたと思われない古い骨折の跡や、火傷、痣などがあると聞いてもいないのに教えてくれた。さらに無戸籍者だとも。
眠る紫音さんの側を離れたがらない息子を宥めすかし、プライバシーが守られた特別室へと引き離す。
マスコミが病院にまで押しかけ、病院の中にもマスコミがいるかもしれないと笙真を半ば監禁するようにして特別室から出さなかった。
紫音さんも特別室に移動させたがったが、紫音さんに関するなんの制限も持たない私たちには無理だった。
師長さんから紫音さんが目を覚ましたことを聞いた私たちは紫音さんの病室を訪れた。
そこには笙真以上に傷つきながらも、強い女の子がいた。
泣いてしまった私たちに困ったような表情を浮かべるその子は戸惑ったように私の手を握りしめた。
その瞬間に、私はその子の母親になったのかもしれない。
その子を守りたいと強く願う私がいて、夫のほうも同じように感じていることが分かった。
息子の命の恩人というだけでなく、紫音という一人の女の子を私たちはどうしようもないほど愛してしまったのだ。
血のつながらない子供をわが子の様に愛せるとは思ってもいなかった私たち夫婦は、少し動揺していたのも事実だ。
磐井家に連れてこられた紫音は最初、玄関から動くことができないようだった。
キッズカウンセラーから受けたアドバイスを思い出す。
紫音が置かれていた状況と私たちの家庭環境はかなり違うため、せかさずゆっくり紫音が慣れるようにとのことだった。
おずおずと靴を脱ぎ、磐井家に足を踏み入れた紫音さんはとても勇敢だった。
紫音さんが家に来たことで一番良かったことは、笙真にとってだったと思う。
笙真は夜が来るたびに、暗闇が訪れるたびに脅え寝ることを拒否していた。私たち夫婦が寄り添っても笙真はただ小さく縮こまり、体を震わせていた。
この時ほど無力な自分を嫌だと思ったことはなかった。
誘拐犯の手から笙真を取り戻せば、笙真を守り安心させてやれると思っていたのに、笙真は私たちが側にいても怯え眠れぬ夜を過ごす。
そんな笙真が言ったのだ。
「紫音と一緒にいたい」と。
それからは磐井が持つ力を駆使した。
弁護士を何人も雇い、政治家などにも相談し、ようやく里子として紫音をうちで引き取ることができた。
紫音さんが来た夜、紫音さんが落ち着いたことを確認した私たちは笙真の部屋を訪れた。
しかし、笙真の姿はなく私たちはパニックを起こしたように笙真を探した。使用人たちにも命じ、屋敷中をひっくり返したように探させたのだ。
使用人の一人が紫音さんの部屋で眠る笙真の姿を発見するのが、あと少し遅ければ私たちは警察に連絡していたことだろう。
笙真はまるで紫音さんがぬいぐるみのようにギュッと抱き着いて寝ていた。
私たちはすやすやと眠る笙真の頬を撫でる。撫でられてもピクリとも動かないほど笙真はぐっすり眠っていた。
私たちはその姿をいつまでも見つめていた。
紫音さんは笙真だけでなく残りの二人の息子たちのも良い影響を与えてくれた。
無表情だった公泰は紫音さんと話すことで少しずつ表情を取り戻し、すっかりわがままになってしまった侑大を厳しくしつける様子は小さな母親のようで見ていておかしかった。
紫音さんがいなかったら、私たち磐井家はどなっていただろうか。
想像がつかない。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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