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その12、その幼馴染、エロの塊だった。

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目が覚めると、自分がベッドに拘束されていた。

誕生日に貰ったばかりの体操服と拘束具をつけた状態で。

しかも、しかもだ。周りにはカメラが4台。...デジャブってきた。勇士ーっ!!



勇士の部屋だというのはすぐに気付き、いつの間に俺は瞬間移動のスキルが身についたのかと本気で考えてた。

かちゃりと扉が開き勇士が部屋に入ってきた。

手には4箱のティッシュの箱があった。それ、どうすんだろう。

目が覚めた俺に気付いた勇士が



「やっと起きたよ、啓太。...おはよっ」



傍にあったテーブルに箱を置きながら俺の傍に近付き、ちゅっとキスをされて俺も素直にキスに応じる。

ゆっくりとしたキスのひと時が終わり、唇が離れた後に「...いつ、ここに来たのか覚えてない...」と告げると勇士が嬉しそうに笑ってる。あ、作戦、成功って思ってる。



「...で、なんで俺、こんな風になってんの?トイレ行きたいんだけど」



起きたばかりだからな、当然だ。



「あ、そうね、それが終わったら、準備が整うから始めるからねー☆」



え?



「...始めるって、何を?」



何を言ってるんだっていう勇士の顔をされたけど、いまいち、理解ができない。



「え?いつもとは違う環境でエッチ、誕生日編ですよ、啓太さん」



ちょっと、待て。俺は今、目覚めたばかりだ。

拘束具を外された俺は勇士の手でトイレに連れていかれ、彼の手で再び部屋に戻ってきた。

そして、赤色のリボンを渡される。



「...?」



勇士は自分の首元を指さし、



「ここに結んで?」



...言われて勇士の意図に気付き、頬に熱がたまる。ちょうちょ結びをしてやると嬉しそうに笑みを浮かべる勇士。



「それでは改めて、啓太、お誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。

 あと、俺の事を好きになってくれてありがとう。俺のわがままをいつも聞いてくれてありがとう」



俺の歳で、こんなにストレートに気持ちを伝えて貰えている人ってどれぐらいいるんだろう。すげー嬉しい。



「...ありがとう。俺も、一番今までで嬉しい誕生日にしてくれた勇士にありがとうってお返し」



照れるけど、嬉しい。こんな幸せがあるんだなって初めて知った。

だから、勇士に抱き着こうとした。



かちゃん、かちゃん。

...へ?

俺は頭の上で金属のぶつかる音がしてそちらに視線を向けた。

―!

さりげなく勇士の手によって俺は両手をあげた状態になって拘束されていた。

片手ずつにひっかける場所があってお互いをひっかけると拘束しあえるという代物だ。

しかも、ご丁寧に傷つかないように柔らかい素材でできている。引っ張って見るけど、頑丈だ。

両方向からベッドの角で長いチェーンが伸びている。いや、これって、本格的?



「...ベッドからのやつは、こえーから外して?」



怖気づいた俺に勇士も気づき、あっさりと「OK」と言ってくれた。外していた勇士の手が止まった。



「どうした?」



やっぱりガッカリさせたかな?一応、俺に使うつもりだったんだろうからな。真剣な眼差しにドキリと胸がなる。



「...もっと啓太が嫌がると思ってた。だから、ベッドだけって言われて、ちょっと嬉しい...」



ふふって笑みを溢す勇士に、自分が無意識に彼を受け入れているのだと気づく。





「...あと、拘束すると、体操服が脱がせにくい...(真剣)」





...俺のドキッとしたトキメキを返せーっ!!

そうだろうな、考えたらすぐにわかることだ。でも、勇士はまだ、悩んでいる。

その表情が、すげーまじめだ。

このふとした瞬間に見せるこいつの顔が、自分より大人になっていくスピードが速くなっているようでドキッとする。

...やっぱり、こういう顔をする勇士も、好きだなぁ。



「...ふん、どっちを取るべきか。手錠...体操服...うーん。」



くっだらねーっ!!けど、俺としての気持ちも伝えておこう。



「...手錠は別に、今日じゃなくてもいいんじゃね。俺、勇士のこと触りたいし。」



俺の一言で「うん」って素直に受け取る勇士。俺に甘いのを自覚してるかな。



で、拘束されていた両手は外され、足も自由になり、不自由さはなにもない。

ただ...



「...これ。俺がいつもムラムラを抑えるのが必死な恰好」



靴下を履き、体操服を着せられた俺はなぜか両手をあげた状態で立っている。



「...手を下ろしたいんだけど...」



「...待って。このアングルだけ、写メに撮らせて!(必死)」



スマホを持ち、俺の腰の辺りの低さまで勇士が下がり、見上げるようにカメラのレンズを向ける。

手をあげた瞬間に見えるチラリと姿を現わす脇腹がいいらしい。マニアックすぎだろう。

何枚か撮り終えて満足気味の勇士は、スマホを離れた場所に置き、俺を見た。





「...啓太は俺のこういう恰好を見て、なにか思ったりする?」



こういう恰好って、体操服?

カァっと顔に熱が集まり、プイっと顔を反らしてしまった。



「...そんなこと、思ってても言えねーだろ?」



ガシッと肩を掴まれ、目の前の勇士を見たら、超真面目な視線。

え...え?



「...言って。どういう所?後ろ姿?走っている所?」



色々と言ってくるけど、正解はどれもない。



「...変態って思われるから、言わない。」



「お願い、言って?思ったりしないって。あ、啓太も男の子なんだって思うだろ?」



勇士の言葉に促され俺は仕方がなく答えた。



「...体操服の上を脱ぐ瞬間」



「啓太のエッチ」



―!!

ぜってーに言われると思ったから言わないようにしてたのに、答えたらこんなことを言う勇士...ちょっと嫌。

シュンと気落ちする俺を見て、勇士が慌て始めた。

うん、自分でもわかってる。勇士が揶揄っているだけだって。

でもね、自分でもそれを我慢していてるけど、思っている言葉だから余計にぐっとくるというか...。



「いいよ、俺、変だから。

 他の奴のを見てもどうもないのに、勇士が服を脱いだりするときはじっと見ちゃうんだ。



 腕とか腹筋とか、いつも傍で見てると、色々と思い出して...」



言い訳を言っているつもりが、頭の中の考えを暴露してた。

自分の言っている内容に気が付いた俺に、勇士は嬉しそうに笑ってる。



「...マジで?



 俺、すげー嬉しい。

 だって、クラスが離れた時は、離れて嫌だなって思った。

 けど、同じクラスで一緒に着替えてたら、超ヤバかった。

 ぜってーに、他の奴に啓太の身体が見えないようにカーテンとかで隠してやってから俺が着替えることをしなくちゃいけなかったんだよ?

 まぁ、今でも、不意に服で汗を拭いたりして腹が見えた時は、俺、下半身を抑えてるもん。

 プルプル我慢してたら気づかれてこの前、他の奴に笑われた。



「彼氏見て、勃つのを我慢してんじゃねーよ」って。」



...マジで?もう、俺、勇士のクラスに行けない...。



「...でも、こうやって服を着てみた啓太を見て思った。



 服は関係ねーなって。啓太が着たら全部、俺の興奮材料ね」



キラキラとした笑顔でこんな俺が喜ぶ言葉を平気で言ってくる勇士。やっぱり俺も勇士が好きだな。



「勇士、大好き」



どっきゅーんっ!!って、心臓が撃ち抜かれた勇士が心の中で吐血してるのが見えた。









後日、真剣な顔をした勇士に打ち明けられた言葉に俺は、ただ赤面するしかなかった。



「...水着は絶対にマズイって思ったから体操服にしたのに...。

 結局、バースデーエッチの時の啓太が頭に浮かんできて、俺、しばらく体育の時間が拷問だ。



 まじで、キツイ。」



確かに、俺が体育が終わったあたりとか、勇士の体育が終わった後って、すげー疲れた勇士をよくみるなと思っていた。



えっ、あれって...もう...ばっかぁ...。ただし、嫌じゃない。
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