もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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騒がしい始まり㉔

 長らく更新が滞りまして、申し訳ありません。温かいコメントありがとうございます。



 時間通りにサミーラさん達がやって来て、支度をする。まあ、時間がかかるのは私なんだけどね。
 私はワンピースを着て、鏡台の前に座り、サミーラさんに髪を梳かれる。
「何か髪のお飾りはありませんか?」
 サミーラさんは、私の下ろした髪をふわっとする。
「今夜の動きもありますので、あまり人目を引くような、輝きを放つような大きなお飾りは避けなければなりませんが。せっかくの艷やかなミズサワ様の御髪。もったいのうございます。何かございませんか?」
 しっとりタイプのヘアクリームを塗っているからか、それでも褒められて、嬉しい。
 実は先程サミーラさん達が一旦引き上げた後に、リィマさんから髪飾り系はいらないのかい? って聞かれていた。
 リィマさんはほぼ毎日宝飾品や宝石の査定をしてくれている。今は暑いので回数は減ってはいるが、うちのバトルジャンキー達が涼しい時間帯にボス部屋に挑んでいる。現在サブ・ドアはルーティのダンジョンと、王冠山のダンジョンに繋がっている。ボス部屋にも挑んでいるが、フィールドにも宝箱があるので毎日何かしらゲットして意気揚々と帰ってきている。
 先程の騒ぎがなければ、こちらのギルドに宝石や宝飾品を卸す予定だったんだけど、丸まんまに残っている。当然結構いい額の宝飾品が揃っている。あまり派手なのは避けたほうがいいかもと、女性陣でいくつかチョイスしてくれていた。私が今日着る服や真珠のアクセサリーに合わせたような飾りだ。小さな緑色の宝石、ペリドットが配置された、U字型のコーム。小さな真珠が並んだコーム。翡翠の簪。葉っぱの飾りがついた銀のコーム。控えていたマデリーンさんが差し出し、サミーラさんがチェックする。
「ミズサワ様、こちらを使用しても?」
 サミーラさんはペリドットが並んだU字コーム。
「お願いします」
 私では一つに括るぐらいしかできないからね。お任せ。
 サミーラさんは手際よく、上下で髪を分けて三つ編みして、くるっとしてU字コームを差し込む。すごか、あっという間に出来上がる。どうやったんやろ? まったく分からない。流石、ザイーム殿下が派遣してくれたメイドさんやね。
「ありがとうございます」
 サミーラさんは綺麗なお辞儀で返してくれる。
 居間で合流。両親と晃太も支度が終わり、ホークさんもスーツ姿だ。後、テオ君も護衛として付いてきてくれる。最初はチュアンさんが行く予定だったのだけど、急な話でチュアンサイズのスーツが手に入れることが出来なかった。ミゲル君は先程の騒ぎもあったし、マデリーンさんも念のためにね。で、結局テオ君のスーツを、もへじ生活に買いに走った。うん、就活生みたいに見えてしまう。
「ユイさん、綺麗だよ」
「エマちゃんありがとう。お留守番お願いね」
「はいっ」
 ザイーム殿下が時期に迎えに来てくれる。
 行くのは私と晃太、両親。護衛でホークさん、ビアンカと壊滅作戦参加するルージュ。私と晃太とホークさんはザイーム殿下の馬車。両親はノワールが牽く馬車にテオ君と乗る。
 台所の奥でルームを明けっ放しにする。エアコンを確認する。よし。イシスやアレスがいるから、ここには侵入不可だ。
「イシス、アリス。大丈夫やと思うけど、アレスばみとってね。オシリスも頼むね」
『ウム、任セヨ』
「わふん」
「くうっ」
「サブ・ドアは開けとくけん、好きにダンジョン行っていいけど、必ず誰か残ってね」
 夕方になれば暑さがおさまるので、毎日サブ・ドアを通じてボス部屋に挑んでいる。今はエアコンの下で、仔達とゴロゴロしているアレスが活動し始めるはず。
 おそらくかなり遅くなるはず。金の虎の皆さんも協力体勢でいてくれると、大変ありがたい。リィマさんなんて、毎日宝飾品や宝石の査定作業してくれているのに。
「俺達は世話になってる立場だ。シーラまで同行させてもくれたし、これくらいさせてもらうさ」
 と、ファングさん。
「ま、私も嫌いな作業じゃないんだ。それにアルスが色々世話になってるからね」
 そう。アルスさんがよく母にあれが食べたい、これが食べたいと訴えている。一番はアップルパイなんだけどね。ただ、リィマさんの話だと、アルスさんは好き嫌いがあって、野菜を口にしない。だけど何故か母の料理は綺麗に平らげる。私が作ったカレーとかシチューは食べるが、野菜炒め的なものは手が伸びない。綺麗に肉だけ食べてることがある。異世界のメニューもものによるが、結構野菜を弾いて食べている事がある。何故か母の料理だと、野菜炒めだろうが、サラダだろうがアルスさんは平らげてしまう。
 何故なんだろう?
 リィマさん曰く、母の料理はアルスさんの中で、なんでも安心で美味しいと思っているみたい。母はそれを聞いて嬉しいのか、よくリクエストに応えている。嬉しそうなアルスさんの後ろで、ぶー、な顔してるエマちゃんとテオ君がいて、可愛かね、と思ったのはつい最近。
『ユイ、さっきの雄なのです』
『来たわよ』
 すう、と寝ていたビアンカとルージュが起き上がる。
「ザイーム殿下がお着きになられました」
 ヌーラさんが知らせてくれる。
「はい」
 私が腰を上げる。両親と晃太もソファから立ち上がる。
 さ、いよいよや。
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