55 / 876
連載
すべきこと④
朝早いけど、ドアをノックするとパーカーさんが飛び出してきた。
「朝早く、すみません」
「いいえ、いいえ、どうぞミズサワさん」
シュタインさんとハジェル君には帰ってもらった。ビアンカいるし、他のパーティーハウスの御用聞きがあるしね。時間かかるかもしれないし。
「本当に大丈夫ですか?」
「はい、もしかしたら晃太がここに来るかもしれないので、そちらをお願いします」
「では、一度パーティーハウスに戻ります」
「はい。お願いします」
ビアンカに庭に回ってもらい、私はパーカーさんに案内されて、子供部屋に。あれからダイアナちゃんはもう一度目が覚めて、ゼリーを少し食べたみたい。
「家内は今休んでいます。息子達は店です」
パーカーさんのお店、今、忙しいみたいだ。フィナさんは仕事を持ち帰ってしていると。
「パーカーさん、熱冷ましの薬が出来ましたので、まずこれから試したいと思いますが、よろしいですか?」
「熱が下がれば助かりますか?」
「いいえ、一時的に熱が下がるだけです。何日も発熱しているなら、一度解熱させてあげて、栄養が入るなら入れないと」
問題はダイアナちゃんが起きるかどうかだ。
「私、ちょっとダイアナちゃんの側にいますから。パーカーさん、休んでください」
「しかし……」
「さあ、さあ、朝御飯食べてください」
私はベッド横の椅子に座る。
『ユイ、どう?』
窓からビアンカが顔を出す。
「そうやね」
私はダイアナちゃんのおでこの冷却材を交換。
ただ、冷たかったのか、ダイアナちゃんが目を覚ます。
「おはようダイアナちゃん」
「…………ジャガーのお姉ちゃん」
「そうよ。今日はね、ウルフがいるよ」
『フォレストガーディアンウルフなのです』
「はいはい。ダイアナちゃん、触ってみる? ビアンカ、ちょっと寄って」
ビアンカが顔を寄せる。ダイアナちゃんの目が輝いている。手を伸ばし、おっかなびっくり触る。
「ふわふわ」
「でしょう? さて、ダイアナちゃんお熱下がらないね。お薬持って来たのよ」
私が緑っぽい色の丸薬を出す。
「ちょっと苦いから、これで飲もうかね。色が黒いけど、甘い豆を煮込んであるからね」
チョコ味の子供用内服ゼリーを熱冷ましに被せる。
「はい、ダイアナちゃん、あーん」
ビアンカの毛並みを撫でていたダイアナちゃん。
ビアンカがダイアナちゃんの頬を、鼻面で軽く押して、私の方に向かせる。ナイスタイミング。
「はい、あーん」
「あーん」
ぱくり、ごくん。弾みで飲んだ感じだけど、よか。飲めたしむせてないし。
「あ、甘ーい」
「そう? もう少し食べる?」
「うん」
2口食べ終了。水分も少し。後は次に起きた時でいいや。
しばらくダイアナちゃんはビアンカを撫でて眠った。
第二段階かな。
「ビアンカ、ありがとう」
『これくらい、いいのです』
フィナさんが起きてきた。パーカーさんと子供部屋にそっと入ってくる。窓のビアンカにビックリしている。
内服した件を説明する。
少し安心した顔だが、根本的な解決ではない。
ダイアナちゃんはこんこんと寝ている。
どうしよう? 一旦帰ろうかな? 晃太が抗生剤を持って来てくれるはずだけど。
「ミズサワさん、お茶を」
フィナさんが動くので、私は立ち上がり止める。
「あ、お構い無く。弟がもう一つ薬を持って来るんです。それを内服確認したらお暇しますので」
私はフィナさんを座らせる。
「フィナさん、少し眠れました?」
「はい。息子達が寝ろって言ってくれたので」
「私はお庭のビアンカの側にいますので、何かあれば声をかけてください」
長々と子供部屋に居座れないから、適当に言って庭に出る。居間に勧められたけどね。
ビアンカのブラッシングしながら過ごす。
2時間程経った頃。フィナさんは結局、お茶を淹れてくれた。ありがたく頂く。それからダイアナちゃんの側で、せっせと針を動かしている。
『コウタ達が来たのです』
「そうね。抗生剤出来たんやね」
私は腰を上げる。
「フィナさん、もう一つの薬が来ましたよ」
私の声にパッと顔を上げるフィナさん。
「本当ですか?」
「はい、もうすぐ来ますから。ダイアナちゃんは来てから起こしましょう」
「はい」
しばらく待つと、元気が庭に入り込んできた。不法侵入だって。
「クンクンッ」
まっしぐらにお乳だ。
「す、すみません、勝手に入って」
「構いませんよ、あ、玄関に行きますので」
晃太の声、こら、ルリ、クリス。あ、入って来ました2匹共。まっすぐお乳だ。晃太は家の中ではなく、庭に来た。
「姉ちゃん、出来たよ薬。親父曰く、1日朝晩1錠ずつって」
「そうね、ありがとう」
渡されたのは黒っぽい錠剤。解熱剤と変わらない大きさ。
さて、どうやってダイアナちゃん起こそうかな?
フィナさんに断って子供部屋に入る。うーん、どうしよう?
「にゃあ、にゃあ」
「ん? ヒスイ、どうしたね? 抱っこね?」
抱き上げる。ん、なんで家の中に?
「あ、コハクまでッ、す、すみませんッ」
「いえいえ、ダイアナは犬も猫も大好きで、ついつい」
フィナさんは足元ですりすりしているコハクを撫でている。
て、ことは。
『狭いのです』
『そうね流石に狭いわ』
ルージュまで庭にいる。
クンクン、にゃあにゃあ。
大合唱だ。
で、案の定ダイアナちゃんが起きた。
「ごめんね、うるさかったね」
謝るが、ダイアナの目は、抱っこされているヒスイにロックオンされている。
「触る?」
「うん」
私はベッドの近くに移動。おずおずダイアナちゃんがヒスイを撫でる。
「すべすべ、かわいい、目が宝石みたい」
「でしょう?」
「にゃあにゃあ」
「ちょっとごめんねダイアナちゃん、触るね」
ぺたりと触る。うん、先ほどより体温下がっているけど、まだ熱ある。
「ダイアナちゃん、新しいお薬来たから、飲もうかね」
私は膝のヒスイを下ろし、アイテムボックスからチョコ味のゼリーを出すと、さあ大変。
匂いを嗅ぎ付けたヒスイとコハクが飛びかかり、庭でお乳タイムの元気にルリにクリスまで、窓に向かってジャンプし始めた。
「これはあんたたちのやないったい。まだ、お乳やろうもんっ」
万歳の状態でゼリーの安全確保。
『やめるのです』
『そうよ、ダメよ』
ビアンカとルージュが注意するも、止まらない。庭にいた元気はビアンカが抑え、ルリは晃太が抱え、クリスはルージュが鼻先で誘導。だが、子供部屋のコハクとヒスイはどうしようもない。
「フィナさん、パスッ」
おろおろしていたフィナさんに器をパス。
「この黒っぽい錠剤をゼリーで包むようにして飲ませてください。はい、ダイアナちゃん、あーん」
私はコハクとヒスイが飛びかからないように、しっかり腕で抱きよせる。
「にゃあにゃあ」
「みゃあみゃあ」
「あ、はい、ダイアナ、あーん」
「あーん」
呆気に取られたダイアナちゃんは、勢いに負け、ぱくり、ごっくん。
「すみませんフィナさん、騒がしくなって、私達これでお暇しますので」
病人がいるのに、すみません。
「まだ、触りたい」
抗生剤を飲んだダイアナちゃんのリクエストあり。
どうしようか、フィナさんと相談。ちょっとだけ、ということに。フィナさんは寝たままのダイアナちゃんが、自分から訴えたから、なんとか叶えてあげたいみたいだ。触っている間に抗生剤の説明をする。ヒスイとコハクをダイアナちゃんが撫でている。日頃からブラッシングして、ペット用のウェットペーパーで拭いていて良かった。
「この黒っぽい錠剤を朝と晩に1錠内服させてください。まず、3日分置いておきますので。おそらくお腹が緩くなる可能性があります。この黒っぽいゼリーは内服に使ってください、おでこの冷たいのも新しいのです」
「何か食べてはいけないものはありませんか?」
「特にありません。出来れば消化のいいものを。もし、冷たいものでも本人がどうしても欲しがるなら少しくらい構いません。食べれないよりましです。明日も様子を見に来ますので」
「ああ、ありがとうございます。ミズサワさん、ありがとうございます」
内服して少し様子を見たが、大丈夫みたいだ。
「お姉ちゃん、また、明日来てくれる?」
「うん、来るからね。ちゃんとお薬飲んでね」
念のため、内服後様子を見たが大丈夫みたいだ。私はダイアナちゃんのおでこをそっと撫でる。
よくなりますように。
何かあった時の為に、パーティーハウスの場所を教えて私達はパーカーさんの家を後にした。
第三段階だ。
「朝早く、すみません」
「いいえ、いいえ、どうぞミズサワさん」
シュタインさんとハジェル君には帰ってもらった。ビアンカいるし、他のパーティーハウスの御用聞きがあるしね。時間かかるかもしれないし。
「本当に大丈夫ですか?」
「はい、もしかしたら晃太がここに来るかもしれないので、そちらをお願いします」
「では、一度パーティーハウスに戻ります」
「はい。お願いします」
ビアンカに庭に回ってもらい、私はパーカーさんに案内されて、子供部屋に。あれからダイアナちゃんはもう一度目が覚めて、ゼリーを少し食べたみたい。
「家内は今休んでいます。息子達は店です」
パーカーさんのお店、今、忙しいみたいだ。フィナさんは仕事を持ち帰ってしていると。
「パーカーさん、熱冷ましの薬が出来ましたので、まずこれから試したいと思いますが、よろしいですか?」
「熱が下がれば助かりますか?」
「いいえ、一時的に熱が下がるだけです。何日も発熱しているなら、一度解熱させてあげて、栄養が入るなら入れないと」
問題はダイアナちゃんが起きるかどうかだ。
「私、ちょっとダイアナちゃんの側にいますから。パーカーさん、休んでください」
「しかし……」
「さあ、さあ、朝御飯食べてください」
私はベッド横の椅子に座る。
『ユイ、どう?』
窓からビアンカが顔を出す。
「そうやね」
私はダイアナちゃんのおでこの冷却材を交換。
ただ、冷たかったのか、ダイアナちゃんが目を覚ます。
「おはようダイアナちゃん」
「…………ジャガーのお姉ちゃん」
「そうよ。今日はね、ウルフがいるよ」
『フォレストガーディアンウルフなのです』
「はいはい。ダイアナちゃん、触ってみる? ビアンカ、ちょっと寄って」
ビアンカが顔を寄せる。ダイアナちゃんの目が輝いている。手を伸ばし、おっかなびっくり触る。
「ふわふわ」
「でしょう? さて、ダイアナちゃんお熱下がらないね。お薬持って来たのよ」
私が緑っぽい色の丸薬を出す。
「ちょっと苦いから、これで飲もうかね。色が黒いけど、甘い豆を煮込んであるからね」
チョコ味の子供用内服ゼリーを熱冷ましに被せる。
「はい、ダイアナちゃん、あーん」
ビアンカの毛並みを撫でていたダイアナちゃん。
ビアンカがダイアナちゃんの頬を、鼻面で軽く押して、私の方に向かせる。ナイスタイミング。
「はい、あーん」
「あーん」
ぱくり、ごくん。弾みで飲んだ感じだけど、よか。飲めたしむせてないし。
「あ、甘ーい」
「そう? もう少し食べる?」
「うん」
2口食べ終了。水分も少し。後は次に起きた時でいいや。
しばらくダイアナちゃんはビアンカを撫でて眠った。
第二段階かな。
「ビアンカ、ありがとう」
『これくらい、いいのです』
フィナさんが起きてきた。パーカーさんと子供部屋にそっと入ってくる。窓のビアンカにビックリしている。
内服した件を説明する。
少し安心した顔だが、根本的な解決ではない。
ダイアナちゃんはこんこんと寝ている。
どうしよう? 一旦帰ろうかな? 晃太が抗生剤を持って来てくれるはずだけど。
「ミズサワさん、お茶を」
フィナさんが動くので、私は立ち上がり止める。
「あ、お構い無く。弟がもう一つ薬を持って来るんです。それを内服確認したらお暇しますので」
私はフィナさんを座らせる。
「フィナさん、少し眠れました?」
「はい。息子達が寝ろって言ってくれたので」
「私はお庭のビアンカの側にいますので、何かあれば声をかけてください」
長々と子供部屋に居座れないから、適当に言って庭に出る。居間に勧められたけどね。
ビアンカのブラッシングしながら過ごす。
2時間程経った頃。フィナさんは結局、お茶を淹れてくれた。ありがたく頂く。それからダイアナちゃんの側で、せっせと針を動かしている。
『コウタ達が来たのです』
「そうね。抗生剤出来たんやね」
私は腰を上げる。
「フィナさん、もう一つの薬が来ましたよ」
私の声にパッと顔を上げるフィナさん。
「本当ですか?」
「はい、もうすぐ来ますから。ダイアナちゃんは来てから起こしましょう」
「はい」
しばらく待つと、元気が庭に入り込んできた。不法侵入だって。
「クンクンッ」
まっしぐらにお乳だ。
「す、すみません、勝手に入って」
「構いませんよ、あ、玄関に行きますので」
晃太の声、こら、ルリ、クリス。あ、入って来ました2匹共。まっすぐお乳だ。晃太は家の中ではなく、庭に来た。
「姉ちゃん、出来たよ薬。親父曰く、1日朝晩1錠ずつって」
「そうね、ありがとう」
渡されたのは黒っぽい錠剤。解熱剤と変わらない大きさ。
さて、どうやってダイアナちゃん起こそうかな?
フィナさんに断って子供部屋に入る。うーん、どうしよう?
「にゃあ、にゃあ」
「ん? ヒスイ、どうしたね? 抱っこね?」
抱き上げる。ん、なんで家の中に?
「あ、コハクまでッ、す、すみませんッ」
「いえいえ、ダイアナは犬も猫も大好きで、ついつい」
フィナさんは足元ですりすりしているコハクを撫でている。
て、ことは。
『狭いのです』
『そうね流石に狭いわ』
ルージュまで庭にいる。
クンクン、にゃあにゃあ。
大合唱だ。
で、案の定ダイアナちゃんが起きた。
「ごめんね、うるさかったね」
謝るが、ダイアナの目は、抱っこされているヒスイにロックオンされている。
「触る?」
「うん」
私はベッドの近くに移動。おずおずダイアナちゃんがヒスイを撫でる。
「すべすべ、かわいい、目が宝石みたい」
「でしょう?」
「にゃあにゃあ」
「ちょっとごめんねダイアナちゃん、触るね」
ぺたりと触る。うん、先ほどより体温下がっているけど、まだ熱ある。
「ダイアナちゃん、新しいお薬来たから、飲もうかね」
私は膝のヒスイを下ろし、アイテムボックスからチョコ味のゼリーを出すと、さあ大変。
匂いを嗅ぎ付けたヒスイとコハクが飛びかかり、庭でお乳タイムの元気にルリにクリスまで、窓に向かってジャンプし始めた。
「これはあんたたちのやないったい。まだ、お乳やろうもんっ」
万歳の状態でゼリーの安全確保。
『やめるのです』
『そうよ、ダメよ』
ビアンカとルージュが注意するも、止まらない。庭にいた元気はビアンカが抑え、ルリは晃太が抱え、クリスはルージュが鼻先で誘導。だが、子供部屋のコハクとヒスイはどうしようもない。
「フィナさん、パスッ」
おろおろしていたフィナさんに器をパス。
「この黒っぽい錠剤をゼリーで包むようにして飲ませてください。はい、ダイアナちゃん、あーん」
私はコハクとヒスイが飛びかからないように、しっかり腕で抱きよせる。
「にゃあにゃあ」
「みゃあみゃあ」
「あ、はい、ダイアナ、あーん」
「あーん」
呆気に取られたダイアナちゃんは、勢いに負け、ぱくり、ごっくん。
「すみませんフィナさん、騒がしくなって、私達これでお暇しますので」
病人がいるのに、すみません。
「まだ、触りたい」
抗生剤を飲んだダイアナちゃんのリクエストあり。
どうしようか、フィナさんと相談。ちょっとだけ、ということに。フィナさんは寝たままのダイアナちゃんが、自分から訴えたから、なんとか叶えてあげたいみたいだ。触っている間に抗生剤の説明をする。ヒスイとコハクをダイアナちゃんが撫でている。日頃からブラッシングして、ペット用のウェットペーパーで拭いていて良かった。
「この黒っぽい錠剤を朝と晩に1錠内服させてください。まず、3日分置いておきますので。おそらくお腹が緩くなる可能性があります。この黒っぽいゼリーは内服に使ってください、おでこの冷たいのも新しいのです」
「何か食べてはいけないものはありませんか?」
「特にありません。出来れば消化のいいものを。もし、冷たいものでも本人がどうしても欲しがるなら少しくらい構いません。食べれないよりましです。明日も様子を見に来ますので」
「ああ、ありがとうございます。ミズサワさん、ありがとうございます」
内服して少し様子を見たが、大丈夫みたいだ。
「お姉ちゃん、また、明日来てくれる?」
「うん、来るからね。ちゃんとお薬飲んでね」
念のため、内服後様子を見たが大丈夫みたいだ。私はダイアナちゃんのおでこをそっと撫でる。
よくなりますように。
何かあった時の為に、パーティーハウスの場所を教えて私達はパーカーさんの家を後にした。
第三段階だ。
あなたにおすすめの小説
「三番以下を取りなさい」と五年言われ続けたので、公開試験で本気を出しました
歩人
ファンタジー
王立魔法学院、入学時首席のリュシエンヌは、婚約者レイナルト公爵令息から五年間「女は三番以下を取れ」と命じられてきた。学院の序列は国家序列の縮図。レイナルトは常に一位に居続けた。婚約披露を控えた十九歳の春、レイナルトが新しい婚約者を連れて告げる。「お前では並び立てぬ。学力も身分も、足りなすぎる」——リュシエンヌは微笑んで、その翌日の年次公開試験で、五年封じてきた本気を出した。国王臨席の場で、史上最高点。魔法局長官が教授陣に命じる。「過去五年間の彼女の実測点と、もし本気で受けていたら出せた推計点を、公表したまえ」。教授陣は震える手で数字を並べた。レイナルトの「首席」は、全て彼女が譲った場所だった。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
夫の不倫相手に「妻の座を譲れ」と言われたので、譲る代わりに全部置いていきます 〜行き先は老舗旅館。追いかけてきても、もう遅いです〜
なつめ
恋愛
夫の愛人に「妻の座を譲れ」と言い渡された主人公は、怒鳴り返すこともしがみつくこともせず、ただ静かに頷いた。
家のこと、食事のこと、社交のこと、義実家のこと、会社の裏方のこと。 誰も価値を知らなかった“妻の座”の中身を、そっくりそのまま置いて家を出る。
向かった先は、かつて傷ついた自分を受け入れてくれた老舗旅館。 再建に奔走する若旦那とともに働く中で、主人公は初めて「役に立つから愛される」のではなく、「あなた自身がいてほしい」と言われる温かさを知っていく。
一方、主人公を軽んじた元夫の家では、生活も体裁も仕事もじわじわと崩壊を始める。 これは、何も持たずに出ていったはずの女が、自分の人生を取り戻し、最後には新しい恋と居場所を手に入れる再生の物語。
見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです
珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。
その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。
それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。
夫が私にそっくりな下の娘ばかりをかわいがるのですけど!
山科ひさき
恋愛
「子供達をお願い」 そう言い残して、私はこの世を去った。愛する夫が子供達に私の分も愛情を注いでくれると信じていたから、不安はなかった。けれど死後の世界から見ている夫は下の娘ばかりをかわいがり、上の娘をないがしろにしている。許せない。そんな時、私に不思議な声が呼びかけてきて……。
「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」と追放された令嬢——王宮の食器が一枚も焼けなくなった
歩人
ファンタジー
「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」——王宮御用達の食器を焼く伯爵令嬢エルザは、婚約者の第二王子に手の荒れを嗤われて追放された。十二歳から十年間、王宮の全ての食器を手ずから焼いてきた。彼女の食器は特殊な土と焼成技術で魔力を通し、毒に触れると色が変わる。料理の温度も保つ。追放から三ヶ月後、晩餐会で新しい食器を使ったところ、毒が検知されず隣国の大使が倒れた。外交問題に発展する中、第二王子が「食器くらい誰でも焼ける」と窯に立った結果、出来上がったのは歪んだ灰色の皿だった。
元の世界に帰らせていただきます!
にゃみ3
恋愛
淡い夢物語のように、望む全てが叶うとは限らない。
そう分かっていたとしても、私は敵ばかりの世界で妬まれ、嫌われ、疎まれることに、耐えられなかったの。
「ごめんね、バイバイ……」
限界なので、元いた世界に帰らせていただきます。
・・・
数話で完結します、ハピエン!
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※