もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
77 / 876
連載

治験始動⑨

 ドラゴンステーキを食べた翌日から、ビアンカとルージュのリクエストがあり冷蔵庫ダンジョンへ。ギルドに孤児院の件で、水曜日には行かなくてはいけないので、火曜日の昼過ぎにはダンジョンを出る条件を付けた。
 20階までスキップ。
 相変わらず、ちゅどん、どかん。
『終わったのです』
 とことこ出てくるビアンカ。
 軍手をしてドロップ品を拾う。目玉が相変わらず、直視するのが嫌だけど、これで回復する人がいるなら、なんでもない、はず。うん、嫌なものは嫌。
 最後に出てきた宝箱をルージュがチェック。
『大丈夫よ』
「ありがと、では」
 これだけはワクワク。
 お馴染みビロードの箱。開けると懐中時計が並ぶ。五百円サイズの小さな懐中時計が5個、シルバーの表面には様々な花の彫刻、同じ柄はない。それと私の掌に収まるサイズのペアの懐中時計。こちらは草木の彫刻。
「よし、もう夕方やけん、21階に行こうか」
「そうやな」
 既に本日初日で4回ちゅどん、どかんしてるからね。
 21階に移動して、セーフティゾーンで元気達を遊ばせて、ルームに入る。
 夕御飯は私はさくら庵の西京焼き定食、晃太は天丼だ。ビアンカとルージュは天丼5人前、松太郎のラーメン2人前。デザートには前日頼んだ銀の槌の桃と杏仁のホールケーキだ。お乳も済んで、いただきます。
『肉ではないのですね。でも、これはこれで美味しいのです』
『本当ね、あ、エビだわッ』
 好評で何より。
 明日の準備もして、と。よし明日はカレーにしよう。私はディレックスで買い物をし、お米を仕込んで、野菜の下拵えして休んだ。

 次の日。
 朝御飯はジョイップのモーニングにした。神棚にもモーニングを並べて、タンブラーにオレンジジュースとストレートティーを入れて、準備よし。
「神様、今日もお見守りください」
 晃太とお祈り。目を開けると綺麗になくなっていた。お祈り中はビアンカとルージュは、静かに待っている。
 朝御飯後片づけて、いざ、ボス部屋に。
 ちゅどん、どかん。
 転がるドロップ品を拾う。しれっとモッツァレラ食べているけど、まあ、よか、たくさんあるしね。
 今回の宝箱は長方形だなと思ったら、なんと布だった。シルク地で細かい花模様があり、まるで白無垢やウェディングドレスとかの生地だ。うわあ、綺麗。何メートルかわからないけど、あまりさわって汚れたらいけないので、晃太のアイテムボックスに入れる。なんだか、ちょっと憧れるなあ。
 ボス部屋復活を待ちながら、ルームでカレーを作る。我が家のチキンカレーだ。お米もバッチリ。トンカツでも揚げられたらいいけど、油、ちょっと怖いしね。ゆで卵で我慢してもらおう。
 そんなこんなで、火曜日の昼過ぎ、冷蔵庫ダンジョンを出る。ギルドに寄ろうかな、どうしようかな、と思いながら歩いているとすっ飛んで来ました。リティアさんとタージェルさんが。
 出来るだけドロップ品を出す。リストも出す。貝柱やお肉、チーズの一部を引き取る。後は果物だ。心配だったけど、あの地面から取り出した果樹は、ちゃんと実っていた。ダンジョンの不思議だね。
「これは、素晴らしいですな」
 タージェルさんが、シルク地の布を見て、感嘆の声を上げる。
「ありがとうございますミズサワ様。これだけのドロップ品を回して頂いて。後ですね、パーティーハウスですが、どうされます?」
 そろそろ1ヶ月だ。明日相談しようと思っていたし、ちょうどいい。これは家族会議で決まっていた。孤児院と薬の件がどうなるか決まるまでは、マーファに滞在が決定していた。ビアンカとルージュは異論はないと。これから暑さが厳しいから、仔達を移動させたくないと。特に体が一番小さなヒスイが、心配なようだ。ルームやパーティーハウスならエアコンあるしね。
「延長するかどうかですか? 次に借り手がないなら、延長したいのですが」
「はい。借り手は今はおりませんので大丈夫ですよ」
「なら、1か月延長を」
「畏まりました」
 手続きして、やっとパーティーハウスに戻った。

 次の日。
「ユイさん。おはようございます」
「おはようございます」
 本日はシュタインさんとラーヴさんだ。
 赤い旗がはためくギルドに。わあ、大行列だ。
 いそいそとギルドに入る。倉庫で残りのドロップ品を出す。
 今日は蜂蜜や糸の買い取りもある。時間がかかると思うから、帰って貰おうかと思ったけど、仕事ですからと、シュタインさんとラーヴさんはドアで待機してくれた。
 ビアンカとルージュは慣れたもので、思い思いに横になってる。
「今日は時間かかるよ」
『分かったのです』
『大丈夫よ。ふわあ』
 あくびするルージュ。凄か牙。
 女性職員さんが、お茶を出してくれた。
 リティアさんがやって来た。
「まず、ミズサワ様。孤児院の件からでよろしいですか? 今ドロップ品の査定合計をしておりますので。本来なら職人ギルドのものが対応すべきなのですが、生憎手が離せず申し訳ございません」
「いいえ、大丈夫です」
 色々持ち込んだしね。今からも蜂蜜とか出すし。
「孤児院ですが、大工工房の選出は決まりました。ただ、建て替えとなると3つの大工工房共同となり、額も跳ね上がります。改修工事の場合は、5000万ですね。建て替えとなれば取り壊し、材料や人件費がかかり、最低5億8000万になります。あれだけの建物になりますので」
 だよね。小さな小学校みたいな建物だったし。でも足りる。今回のダンジョンのドロップ品や、今日の買い取りでかなりの額になるし。ドラゴンの額が凄かし。有り金持ってきましたよ。
「もし、建て替えになった場合。子供達を一時的に別で預からなくてはなりません」
「あ、それがありましたね」
 孤児総数80名。すっかり抜けてた。
「半分の孤児は教会でなんとか寝泊まりできますが。残り40名がですね」
「ですよね」
 どうしたものかな? 宿を借り上げるとか?
「そこでミズサワ様。もし建て替え費をミズサワ様がすべて負担して下さるなら、残りの孤児達を引き受けてくれ、果樹の世話をするものも手配すると仰る方がいます」
「え、どちら様?」
 そんないい人いるの?
「ダストン・ハルスフォン伯爵様です」
「はい? ハルスフォン伯爵様って。まさか、セザール様の」
「そうです。お父様です。今回の件で、ハルスフォン家でも出来るだけのことをさせてほしいとの事で。実はダストン様がその件とドラゴンの報酬の件でギルドにいらっしゃっています」
感想 851

あなたにおすすめの小説

「三番以下を取りなさい」と五年言われ続けたので、公開試験で本気を出しました

歩人
ファンタジー
王立魔法学院、入学時首席のリュシエンヌは、婚約者レイナルト公爵令息から五年間「女は三番以下を取れ」と命じられてきた。学院の序列は国家序列の縮図。レイナルトは常に一位に居続けた。婚約披露を控えた十九歳の春、レイナルトが新しい婚約者を連れて告げる。「お前では並び立てぬ。学力も身分も、足りなすぎる」——リュシエンヌは微笑んで、その翌日の年次公開試験で、五年封じてきた本気を出した。国王臨席の場で、史上最高点。魔法局長官が教授陣に命じる。「過去五年間の彼女の実測点と、もし本気で受けていたら出せた推計点を、公表したまえ」。教授陣は震える手で数字を並べた。レイナルトの「首席」は、全て彼女が譲った場所だった。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

夫の不倫相手に「妻の座を譲れ」と言われたので、譲る代わりに全部置いていきます 〜行き先は老舗旅館。追いかけてきても、もう遅いです〜 

なつめ
恋愛
夫の愛人に「妻の座を譲れ」と言い渡された主人公は、怒鳴り返すこともしがみつくこともせず、ただ静かに頷いた。 家のこと、食事のこと、社交のこと、義実家のこと、会社の裏方のこと。 誰も価値を知らなかった“妻の座”の中身を、そっくりそのまま置いて家を出る。 向かった先は、かつて傷ついた自分を受け入れてくれた老舗旅館。 再建に奔走する若旦那とともに働く中で、主人公は初めて「役に立つから愛される」のではなく、「あなた自身がいてほしい」と言われる温かさを知っていく。 一方、主人公を軽んじた元夫の家では、生活も体裁も仕事もじわじわと崩壊を始める。 これは、何も持たずに出ていったはずの女が、自分の人生を取り戻し、最後には新しい恋と居場所を手に入れる再生の物語。

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです

珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。 その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。 それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。

夫が私にそっくりな下の娘ばかりをかわいがるのですけど!

山科ひさき
恋愛
「子供達をお願い」 そう言い残して、私はこの世を去った。愛する夫が子供達に私の分も愛情を注いでくれると信じていたから、不安はなかった。けれど死後の世界から見ている夫は下の娘ばかりをかわいがり、上の娘をないがしろにしている。許せない。そんな時、私に不思議な声が呼びかけてきて……。

「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」と追放された令嬢——王宮の食器が一枚も焼けなくなった

歩人
ファンタジー
「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」——王宮御用達の食器を焼く伯爵令嬢エルザは、婚約者の第二王子に手の荒れを嗤われて追放された。十二歳から十年間、王宮の全ての食器を手ずから焼いてきた。彼女の食器は特殊な土と焼成技術で魔力を通し、毒に触れると色が変わる。料理の温度も保つ。追放から三ヶ月後、晩餐会で新しい食器を使ったところ、毒が検知されず隣国の大使が倒れた。外交問題に発展する中、第二王子が「食器くらい誰でも焼ける」と窯に立った結果、出来上がったのは歪んだ灰色の皿だった。

元の世界に帰らせていただきます!

にゃみ3
恋愛
淡い夢物語のように、望む全てが叶うとは限らない。 そう分かっていたとしても、私は敵ばかりの世界で妬まれ、嫌われ、疎まれることに、耐えられなかったの。 「ごめんね、バイバイ……」 限界なので、元いた世界に帰らせていただきます。 ・・・ 数話で完結します、ハピエン!

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※