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連載
討伐依頼②
次の日。
「「「「ぴー」」」」
ダイニングキッチンから4台の炊飯器が鳴る。
うん、いい匂いがする。貝柱のいい匂い。
『ユイ、朝なのです』
『起きてユイ』
「はいはい、ふわあ………」
ビアンカとルージュに鼻面を押し付けられて、覚醒する。まず、清掃をタップ。歯磨き、洗顔を済ますと、母が起きてくる。昨日、母はルームで就寝していた。
「おはよう」
「おはよう、ユイ、お湯沸かして。後、玉子焼き作っといて」
「はいはい」
母に言われて私はヤカンを火にかけ、冷蔵庫から玉子を出して、作業に入る。こちらに来てから料理する機会が増えて、玉子焼きくらいなら出来るようになった。ただし、必ず最初は不恰好な玉子焼きだけど。ビアンカとルージュの分も焼こう。焼き始めると母が合流して、炊飯器を確認。
「うん、いい感じやね」
『いい匂いなのです』
『早く食べたいわ』
そわそわしながらお座りしているビアンカとルージュ。もう、かわいかねえ。
「ちょっと待ちいね」
母が味噌汁と父のお弁当の準備をする。
本日は貝柱の炊き込み御飯を多めに入れて、ピーマンとちくわの炒め物、私の焼いた玉子焼き、彩りにはプチトマトを入れる。それから貝柱炊き込み御飯でおにぎりの作成を始める。神様用だ。玉子焼きの一番綺麗に焼けた物を皿に並べる。
「ユイ、お父さんば呼んできて」
「分かった。ビアンカ、ルージュ、晃太ば」
『分かったのです』
『任せて』
ベロベロベロ。
2人の容赦ない攻撃に、晃太は悲鳴を上げて覚醒する。
サブ・ドアを開けるとすでに父は起きていて、出勤スタイルで待っていた。
「ご飯よ」
「ん」
父がルームに入ると丁度花が起きてきて、お尻を低くして、ゴボウの様な尻尾を振りながら駆け寄って来た。かわいかあ。毎朝これだけど、飽きない、全然飽きない。毎回かわいかあ。
「おお、よしよし」
父も口を尖らせて撫でる。
これは晃太とそっくりなんだよね。
十分父が花を撫で、晃太の洗顔が済み、神様に朝のご挨拶だ。
「神様、今日もお見守りください」
お祈り。目を開けると貝柱炊き込み御飯のおにぎり、私の玉子焼きがなくなっている。
母は少し長めにお祈りしていた。
それから、我々の朝御飯だ。花のご飯、ノワールの野菜、オッケー。
ビアンカとルージュにはてんこ盛りの貝柱炊き込み御飯に、私の玉子焼き。
重かあ。
5合だもんねえ。
「どうぞー」
『がふがふっ、これいくらでも入るのですッ』
『昨日のも美味しかったけど、これの方が好きだわッ』
ビアンカとルージュの食い付きに、母が嬉しそうだ。
さて、私達も頂きます。
まずは貝柱の炊き込みご飯を、ぱくり。
おお、貝柱の味わいが深いし、香ばしい香りが広がる。うわあ、美味しい。
「うん、うまかなあ」
晃太もバクバク食べてる。作った母は満足そう、父は黙々と食べてる。いつもなら朝御飯のご飯は、一杯しか食べないけど、これはおかわりだなあ。
『もう、ないのです』
『足りないわ』
「5合よ、もうないん?」
まあ、いいかあ。
私はおかわりをよそう。
合計20合炊いたけど、綺麗に捌けた。父のお弁当、私と晃太のお弁当、母のお昼のおにぎりを確保してて良かった。朝は少食の母までおかわりしていた。
朝御飯後、両親と花はサブ・ドアの向こう、マーファに戻る。
「ビアンカ、ルージュ、お願いね」
『大丈夫なのです』
『任せて、ユイとコウタは私達が守るわ』
母がビアンカとルージュをしきりに撫でてお願いして、サブ・ドアの向こうに。
「さて、片付けて、行こうかね」
「ん、わい、風呂と部屋掃除する」
すでに洗濯機は回っている。晃太と手分けして、掃除を済ませる。私は朝御飯の食器やお釜を洗い、洗濯物を中庭に干す。その間に、お乳タイムが終了する。
「さて、今日は元気達はルームね。晃太、頼むね」
「ん」
厩舎でノワールが、嘶いている。
『ノワール、ダメなのです』
『我慢しなさい』
「どうしたね?」
『自分も行きたいって言っているのです』
「そうね、ノワール、ダメよ」
「ブヒヒン…………」
しょぼん、としているノワール。可哀想だが、目立つからねえ。
私はビアンカとルージュがルームを出る。不安そうにルリとクリス、ヒスイが追いすがって来て、後ろ髪引かれる。
出ると、ルージュが小さな魔法のカーテンを私をかけてくれる。
『これで、ある程度の気配や音を消せるわ』
「ありがとうルージュ」
魔の森を進むと、急に森が途切れる。
川だ。
川まで5メートルほどの崖だ。幅もそれくらい。
どうやって渡るん?
『ユイ、あそこなのです』
ビアンカが示した先には、縄の橋がある。
うわあ、嫌だあ。
『オルクはあそこを使って渡っているのです』
『ユイ、どうする? 私達なら、飛び越えられるけど?』
『私の背中に乗るのですか?』
「橋ば渡るよ」
私の判断は正しかった。
ビアンカとルージュは助走して、軽く飛び越える。
うん、振り落とされるわ。助からんわ。
私は軍手を着けて、橋を渡る。揺れて怖かあ。
橋を渡り、更に進む。
途中で、ビアンカとルージュが森に向かって魔法を使っている。ちら、と木の隙間から見えたけど、オルクが倒れてる。見ないようにしよう。でも、こうやって警戒兵がいるのなら、本当に知恵があるんだなあ。怖かあ。
それが何度かあり、少し早め、昼前に到着する。
高台の場所から覗くと、居るわ、オルクがわじゃわじゃ。
ビアンカとルージュが巣をチェック。
『地下に洞穴があるようなのです』
『そうね、それに厄介なオルクもいるわ』
「え? 大丈夫な?」
『殲滅させるには、小細工が必要なのです』
『そうね。喉が乾いたわ、とにかく、軽くお昼にしましょう。警戒兵が戻って来ないと分かると向こうは警戒するわ』
「はいはい」
私はルームを開ける。
従魔の足拭きタップ。
中庭で遊んでいた仔達が集まってくる。うふふ、かわいかあ、もふもふん。
「姉ちゃん、大丈夫そうな?」
「まあ、なんとかなるかね、まず、ご飯や」
ビアンカとルージュにはたっぷりのリンゴジュース、cafe&sandwich蒼空のミックスサンドイッチ、チーズチキンカツサンドイッチ、白身魚のフライサンドイッチをたらふく食べてる。軽くって言ってたのに、おかわり攻撃来ました。
『『げふう』』
「本当に大丈夫な?」
晃太が心配している。
『大丈夫なのです、ルージュ、小細工するのです』
『そうね、逃げ道を塞がないと』
「ブヒヒンッ、ブヒヒンッ」
作成会議に入ったビアンカとルージュ。おまかせしよう。
私と晃太はお弁当を食べた。
「「「「ぴー」」」」
ダイニングキッチンから4台の炊飯器が鳴る。
うん、いい匂いがする。貝柱のいい匂い。
『ユイ、朝なのです』
『起きてユイ』
「はいはい、ふわあ………」
ビアンカとルージュに鼻面を押し付けられて、覚醒する。まず、清掃をタップ。歯磨き、洗顔を済ますと、母が起きてくる。昨日、母はルームで就寝していた。
「おはよう」
「おはよう、ユイ、お湯沸かして。後、玉子焼き作っといて」
「はいはい」
母に言われて私はヤカンを火にかけ、冷蔵庫から玉子を出して、作業に入る。こちらに来てから料理する機会が増えて、玉子焼きくらいなら出来るようになった。ただし、必ず最初は不恰好な玉子焼きだけど。ビアンカとルージュの分も焼こう。焼き始めると母が合流して、炊飯器を確認。
「うん、いい感じやね」
『いい匂いなのです』
『早く食べたいわ』
そわそわしながらお座りしているビアンカとルージュ。もう、かわいかねえ。
「ちょっと待ちいね」
母が味噌汁と父のお弁当の準備をする。
本日は貝柱の炊き込み御飯を多めに入れて、ピーマンとちくわの炒め物、私の焼いた玉子焼き、彩りにはプチトマトを入れる。それから貝柱炊き込み御飯でおにぎりの作成を始める。神様用だ。玉子焼きの一番綺麗に焼けた物を皿に並べる。
「ユイ、お父さんば呼んできて」
「分かった。ビアンカ、ルージュ、晃太ば」
『分かったのです』
『任せて』
ベロベロベロ。
2人の容赦ない攻撃に、晃太は悲鳴を上げて覚醒する。
サブ・ドアを開けるとすでに父は起きていて、出勤スタイルで待っていた。
「ご飯よ」
「ん」
父がルームに入ると丁度花が起きてきて、お尻を低くして、ゴボウの様な尻尾を振りながら駆け寄って来た。かわいかあ。毎朝これだけど、飽きない、全然飽きない。毎回かわいかあ。
「おお、よしよし」
父も口を尖らせて撫でる。
これは晃太とそっくりなんだよね。
十分父が花を撫で、晃太の洗顔が済み、神様に朝のご挨拶だ。
「神様、今日もお見守りください」
お祈り。目を開けると貝柱炊き込み御飯のおにぎり、私の玉子焼きがなくなっている。
母は少し長めにお祈りしていた。
それから、我々の朝御飯だ。花のご飯、ノワールの野菜、オッケー。
ビアンカとルージュにはてんこ盛りの貝柱炊き込み御飯に、私の玉子焼き。
重かあ。
5合だもんねえ。
「どうぞー」
『がふがふっ、これいくらでも入るのですッ』
『昨日のも美味しかったけど、これの方が好きだわッ』
ビアンカとルージュの食い付きに、母が嬉しそうだ。
さて、私達も頂きます。
まずは貝柱の炊き込みご飯を、ぱくり。
おお、貝柱の味わいが深いし、香ばしい香りが広がる。うわあ、美味しい。
「うん、うまかなあ」
晃太もバクバク食べてる。作った母は満足そう、父は黙々と食べてる。いつもなら朝御飯のご飯は、一杯しか食べないけど、これはおかわりだなあ。
『もう、ないのです』
『足りないわ』
「5合よ、もうないん?」
まあ、いいかあ。
私はおかわりをよそう。
合計20合炊いたけど、綺麗に捌けた。父のお弁当、私と晃太のお弁当、母のお昼のおにぎりを確保してて良かった。朝は少食の母までおかわりしていた。
朝御飯後、両親と花はサブ・ドアの向こう、マーファに戻る。
「ビアンカ、ルージュ、お願いね」
『大丈夫なのです』
『任せて、ユイとコウタは私達が守るわ』
母がビアンカとルージュをしきりに撫でてお願いして、サブ・ドアの向こうに。
「さて、片付けて、行こうかね」
「ん、わい、風呂と部屋掃除する」
すでに洗濯機は回っている。晃太と手分けして、掃除を済ませる。私は朝御飯の食器やお釜を洗い、洗濯物を中庭に干す。その間に、お乳タイムが終了する。
「さて、今日は元気達はルームね。晃太、頼むね」
「ん」
厩舎でノワールが、嘶いている。
『ノワール、ダメなのです』
『我慢しなさい』
「どうしたね?」
『自分も行きたいって言っているのです』
「そうね、ノワール、ダメよ」
「ブヒヒン…………」
しょぼん、としているノワール。可哀想だが、目立つからねえ。
私はビアンカとルージュがルームを出る。不安そうにルリとクリス、ヒスイが追いすがって来て、後ろ髪引かれる。
出ると、ルージュが小さな魔法のカーテンを私をかけてくれる。
『これで、ある程度の気配や音を消せるわ』
「ありがとうルージュ」
魔の森を進むと、急に森が途切れる。
川だ。
川まで5メートルほどの崖だ。幅もそれくらい。
どうやって渡るん?
『ユイ、あそこなのです』
ビアンカが示した先には、縄の橋がある。
うわあ、嫌だあ。
『オルクはあそこを使って渡っているのです』
『ユイ、どうする? 私達なら、飛び越えられるけど?』
『私の背中に乗るのですか?』
「橋ば渡るよ」
私の判断は正しかった。
ビアンカとルージュは助走して、軽く飛び越える。
うん、振り落とされるわ。助からんわ。
私は軍手を着けて、橋を渡る。揺れて怖かあ。
橋を渡り、更に進む。
途中で、ビアンカとルージュが森に向かって魔法を使っている。ちら、と木の隙間から見えたけど、オルクが倒れてる。見ないようにしよう。でも、こうやって警戒兵がいるのなら、本当に知恵があるんだなあ。怖かあ。
それが何度かあり、少し早め、昼前に到着する。
高台の場所から覗くと、居るわ、オルクがわじゃわじゃ。
ビアンカとルージュが巣をチェック。
『地下に洞穴があるようなのです』
『そうね、それに厄介なオルクもいるわ』
「え? 大丈夫な?」
『殲滅させるには、小細工が必要なのです』
『そうね。喉が乾いたわ、とにかく、軽くお昼にしましょう。警戒兵が戻って来ないと分かると向こうは警戒するわ』
「はいはい」
私はルームを開ける。
従魔の足拭きタップ。
中庭で遊んでいた仔達が集まってくる。うふふ、かわいかあ、もふもふん。
「姉ちゃん、大丈夫そうな?」
「まあ、なんとかなるかね、まず、ご飯や」
ビアンカとルージュにはたっぷりのリンゴジュース、cafe&sandwich蒼空のミックスサンドイッチ、チーズチキンカツサンドイッチ、白身魚のフライサンドイッチをたらふく食べてる。軽くって言ってたのに、おかわり攻撃来ました。
『『げふう』』
「本当に大丈夫な?」
晃太が心配している。
『大丈夫なのです、ルージュ、小細工するのです』
『そうね、逃げ道を塞がないと』
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※小説家になろう様にも投稿しています※