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スキルアップ⑧
晃太が支援魔法を発動する。
フォリアさん、コーレンさん、エルバちゃんには無属性の物理攻撃力、防御力をアップ。セーシャさんには火・土魔法力のアップ、ブルーメさんには火・風・水魔法力をアップ。更に晃太自身に無属性のスピードアップ。私にはビアンカとルージュがついてくれるからなし。いざとなったら、ビアンカとルージュの出番だ。
確認してから、フォリアさんが金属製の扉を押し開ける。
まずはブルーメさんが、風魔法を放ち、次に盾を構えたセーシャさんが突入する。残りのメンバーが続く。私と晃太、ビアンカとルージュもだ。
黒い牛が3匹。更に大型の牛が1匹。
1匹はすでに、ブルーメさんの風魔法で膝をついている。
素早く『ルベル・アケル』が展開する。足をついた牛に、フォリアさんとセーシャさんがそれぞれの武器で仕留める。次にブルーメさんが立て続けに風魔法を放ち、ズバズバと切り裂き、動きを止めた所をコーレンさんエルバちゃんが仕留める。
「ダウンッ、ダウンッ」
その間に晃太は回り込みながら、支援魔法、デバフ効果の魔法を連発。明らかにスピードが落ちた所に、フォリアさんの剣が首を跳ねる。
残ったのは、最後の大型の牛。
セーシャさんが盾を構え、そこに大型の牛が突撃する。
「ガブウッ」
だが、大型の牛は、セーシャさんを押し込める事が出来ずに、弾かれて後ろに傾げる。
「はッ」
赤く染まったセーシャさんの斧が、大型の牛の首に命中。骨の折れる音と共に、大型の牛が消える。
あっという間だ。
そして転がる乳製品とお肉。
さすがDランク冒険者パーティーだね。
「皆さんすごいです、お疲れ様です」
「いやいやいや、普通はもっと苦戦するんですよ」
「そうだよ。ハイブラックバッファローを一撃なんて、私の武器とレベルじゃ無理なんだよ。それに本来なら、盾であれを弾き返すことなんて無理なんだよ」
「すごいです、まるで、鎌鼬みたいな威力でした」
「本当、まさか私とエルバだけで止めをさせるなんて思わなかったわ」
「私、初めて仕留めたッ」
皆さん一斉に口々に感想を述べる。
「支援って凄いですね。コウタさん、わざわざ依頼してスキルアップしなくても十分ですよ」
と、フォリアさんが振り返ると、疲れた顔の晃太が苦笑い。
「晃太、大丈夫ね?」
「ちょっとガス欠。休んでよか?」
どうやら、魔力をかなり使ったようだ。
「よかよ、皆さん、私達セーフティにいますので」
「ごめんなさい、気がつかなくて。ブルーメ、エルバ、ついていって」
「大丈夫です。ビアンカとルージュがいるので、あ、ルージュ宝箱出てきたら罠のチェックだけしちゃらんね?」
『いいわよ』
私は晃太とビアンカとボス部屋を出る。
並んでいる冒険者パーティーに、会釈して、セーフティゾーンに移動。
ビアンカが寝転がり、晃太がよりかかる。私はお茶を出して晃太に飲ませる。
「休んどき」
「ん、わいはいいけん、姉ちゃん並んで、次の順番まで時間かかろうけん」
「分かった、ビアンカ頼むね」
『任せるのです』
私は再び列に並ぶ。
しばらくしてフォリアさん達が出てきた。
私のすぐ前の冒険者パーティーが素通りしていく。
「ユイさん、コウタさんは?」
フォリアさんが心配そうに聞いてくる。
「休んでいます。じきによくなりますよ。皆さんは?」
「ケガもありませんから」
私と一緒にフォリアさんとセーシャさんが並び、晃太の側にブルーメさん、コーレンさん、エルバちゃんがつく。
「まさかこんなに効果があるなんて思いませんでした」
フォリアさんが話し出す。
本来なら『ルベル・アケル』でこのボス部屋に挑むなら、ほぼ総力戦になると。ハイブラックバッファローがいなければ、また話が違うが。いつもなら、15階のボス部屋に1日1回に挑戦するのが限界。うちのビアンカとルージュが、復活したらすぐにちゅどん、どかんは非常識なんだね。理由は魔力や体力の回復に時間がかかるからだ。普通は1時間に1割くらいしか回復しないからね。
「でも、コウタさんの支援の腕は確かだね。惜しいね、是非ともうちのパーティーに入って欲しいくらいだよ」
かっかっかっ、と笑うセーシャさん。こら、とフォリアさんが嗜める。
晃太の支援は、日本でのゲームのステータスを参照にしていたなんて言えない。
「そうなんですか」
誤魔化す私に、セーシャさんが肩をすくめる。何か言いたそうだけど。
だけど、その理由は分からず。
それから、話をしながら時間が過ぎる。スカイランの軍隊ダンジョンやモノコのスライムダンジョン話で盛り上がる。一応女子の会話なのに、ダンジョンで盛り上がる。
『ルベル・アケル』は軍隊ダンジョンには、まだ挑んだことがないそうだ。
「モノコはユリアレーナの東南にある街でね。マーファよりは小さいが、シーラとの国境の街だから賑わっているんだよ」
シーラ。確かスカイランのお酒屋さんで聞いたな。
「私はそこの出身でね。ドワーフの国だよ。もちろん人族とかの種族もたくさんいるんだけどね」
シーラはドワーフの王様が統治している王国で、ユリアレーナとも友好関係を築いているそうだ。シーラは優良な鉱山もいくつも保有している。そしてワインやウイスキー等のお酒の生産地。ドワーフは種族的に職人気質が多く、優秀な鍛冶師、職人、薬師を輩出している。あのダワーさんもシーラ出身だそうだ、なら、ダワーさんもドワーフかな。
「シーラにもダンジョンあるんだよ。この冷蔵庫ダンジョンと似たようなダンジョンもあるけど、もっと難易度の高い試練のダンジョンがあるんだよ」
「試練、ですか」
やめて、後ろにいるルージュの鼻息が荒い。
「昔ね、王族が必ず挑むダンジョンでね。試練のダンジョンなんて大層な名前がついているんだよ。でも、難易度は、高いよ。罠が他のダンジョンに比べて多いし、出てくる魔物も上位魔物。最下層付近には竜種も出るからね」
ひーっ、ルージュの鼻息がーっ。セーフティゾーンのビアンカの尻尾が煙を上げる勢いでバタバタしてる。近くにいたブルーメさん達がドン引きしてる。
『ユイ』
「何ねルージュさん。さっきから鼻息かかってるんですがね」
『ダンジョン聞いてッ、ダンジョンッ』
鼻息が荒いルージュが、私に迫る。もう、かわいかねえ。だけど、フォリアさんとセーシャさんは引いている。まあ、でっかいジャガーが鼻息荒く迫って来ていたら引くわな。私はルージュの声が聞こえるから平気だけど。
『聞いて、ユイ、聞いて』
「あのね、今は晃太のスキルアップが先たい。それにこんな寒い時期に移動はせんよ」
『分かっているわ、暖かくなってからね。だから、聞いて、聞いて』
ごろにゃん、ゴロゴロにゃーん。
くっ、ルージュのごろにゃん、久しぶりやねん。かわいかあっ。人目があるが私は我慢出来ずに、もふん、と抱きつく。あああぁぁぁぁぁ、ルージュの毛並みはビアンカと違うけど、それでも最高級やねん。
「もう、仕方なかねえ」
私はルージュの毛並みを堪能して、ドン引きしているフォリアさんとセーシャさんに向き合う。
「そのシーラのダンジョンって、どこにあります?」
「あ、ああ、シーラの首都から北にあるよ。ここからなら、ユリアレーナは首都を経由、モノコを抜けて、シーラに入国。それからシーラの首都までそうだね。魔法馬なら3ヶ月かかるかね? それから試練のダンジョンまでは3日の距離だよ」
うちには爆走するノワールがいるからもっと短時間でいけるかな。
「ありがとうございます」
「ふふ、ユイさん達ならあっという間に踏破しそうですね」
綺麗に笑うセーシャさん。
ゴロゴロと私の足に頭をのせて甘えてくるルージュを撫でながら私も笑う。まあルージュは『ダンジョンダンジョン』言っているけどね。
「そうそう、シーラはワインやウイスキーの産地だけど、ビネガーも有名なんだよ。ミズサワさんの母さんは料理上手だから、きっと役立つよ」
「ビネガーですか。いいですね」
お酢の事だよね。うーん、酢豚。よかなあ、酢豚。あ、手羽先の酢煮込みなんて美味しいし。
「ぜひ、手に入れます」
『ダンジョンダンジョン』
フォリアさん、コーレンさん、エルバちゃんには無属性の物理攻撃力、防御力をアップ。セーシャさんには火・土魔法力のアップ、ブルーメさんには火・風・水魔法力をアップ。更に晃太自身に無属性のスピードアップ。私にはビアンカとルージュがついてくれるからなし。いざとなったら、ビアンカとルージュの出番だ。
確認してから、フォリアさんが金属製の扉を押し開ける。
まずはブルーメさんが、風魔法を放ち、次に盾を構えたセーシャさんが突入する。残りのメンバーが続く。私と晃太、ビアンカとルージュもだ。
黒い牛が3匹。更に大型の牛が1匹。
1匹はすでに、ブルーメさんの風魔法で膝をついている。
素早く『ルベル・アケル』が展開する。足をついた牛に、フォリアさんとセーシャさんがそれぞれの武器で仕留める。次にブルーメさんが立て続けに風魔法を放ち、ズバズバと切り裂き、動きを止めた所をコーレンさんエルバちゃんが仕留める。
「ダウンッ、ダウンッ」
その間に晃太は回り込みながら、支援魔法、デバフ効果の魔法を連発。明らかにスピードが落ちた所に、フォリアさんの剣が首を跳ねる。
残ったのは、最後の大型の牛。
セーシャさんが盾を構え、そこに大型の牛が突撃する。
「ガブウッ」
だが、大型の牛は、セーシャさんを押し込める事が出来ずに、弾かれて後ろに傾げる。
「はッ」
赤く染まったセーシャさんの斧が、大型の牛の首に命中。骨の折れる音と共に、大型の牛が消える。
あっという間だ。
そして転がる乳製品とお肉。
さすがDランク冒険者パーティーだね。
「皆さんすごいです、お疲れ様です」
「いやいやいや、普通はもっと苦戦するんですよ」
「そうだよ。ハイブラックバッファローを一撃なんて、私の武器とレベルじゃ無理なんだよ。それに本来なら、盾であれを弾き返すことなんて無理なんだよ」
「すごいです、まるで、鎌鼬みたいな威力でした」
「本当、まさか私とエルバだけで止めをさせるなんて思わなかったわ」
「私、初めて仕留めたッ」
皆さん一斉に口々に感想を述べる。
「支援って凄いですね。コウタさん、わざわざ依頼してスキルアップしなくても十分ですよ」
と、フォリアさんが振り返ると、疲れた顔の晃太が苦笑い。
「晃太、大丈夫ね?」
「ちょっとガス欠。休んでよか?」
どうやら、魔力をかなり使ったようだ。
「よかよ、皆さん、私達セーフティにいますので」
「ごめんなさい、気がつかなくて。ブルーメ、エルバ、ついていって」
「大丈夫です。ビアンカとルージュがいるので、あ、ルージュ宝箱出てきたら罠のチェックだけしちゃらんね?」
『いいわよ』
私は晃太とビアンカとボス部屋を出る。
並んでいる冒険者パーティーに、会釈して、セーフティゾーンに移動。
ビアンカが寝転がり、晃太がよりかかる。私はお茶を出して晃太に飲ませる。
「休んどき」
「ん、わいはいいけん、姉ちゃん並んで、次の順番まで時間かかろうけん」
「分かった、ビアンカ頼むね」
『任せるのです』
私は再び列に並ぶ。
しばらくしてフォリアさん達が出てきた。
私のすぐ前の冒険者パーティーが素通りしていく。
「ユイさん、コウタさんは?」
フォリアさんが心配そうに聞いてくる。
「休んでいます。じきによくなりますよ。皆さんは?」
「ケガもありませんから」
私と一緒にフォリアさんとセーシャさんが並び、晃太の側にブルーメさん、コーレンさん、エルバちゃんがつく。
「まさかこんなに効果があるなんて思いませんでした」
フォリアさんが話し出す。
本来なら『ルベル・アケル』でこのボス部屋に挑むなら、ほぼ総力戦になると。ハイブラックバッファローがいなければ、また話が違うが。いつもなら、15階のボス部屋に1日1回に挑戦するのが限界。うちのビアンカとルージュが、復活したらすぐにちゅどん、どかんは非常識なんだね。理由は魔力や体力の回復に時間がかかるからだ。普通は1時間に1割くらいしか回復しないからね。
「でも、コウタさんの支援の腕は確かだね。惜しいね、是非ともうちのパーティーに入って欲しいくらいだよ」
かっかっかっ、と笑うセーシャさん。こら、とフォリアさんが嗜める。
晃太の支援は、日本でのゲームのステータスを参照にしていたなんて言えない。
「そうなんですか」
誤魔化す私に、セーシャさんが肩をすくめる。何か言いたそうだけど。
だけど、その理由は分からず。
それから、話をしながら時間が過ぎる。スカイランの軍隊ダンジョンやモノコのスライムダンジョン話で盛り上がる。一応女子の会話なのに、ダンジョンで盛り上がる。
『ルベル・アケル』は軍隊ダンジョンには、まだ挑んだことがないそうだ。
「モノコはユリアレーナの東南にある街でね。マーファよりは小さいが、シーラとの国境の街だから賑わっているんだよ」
シーラ。確かスカイランのお酒屋さんで聞いたな。
「私はそこの出身でね。ドワーフの国だよ。もちろん人族とかの種族もたくさんいるんだけどね」
シーラはドワーフの王様が統治している王国で、ユリアレーナとも友好関係を築いているそうだ。シーラは優良な鉱山もいくつも保有している。そしてワインやウイスキー等のお酒の生産地。ドワーフは種族的に職人気質が多く、優秀な鍛冶師、職人、薬師を輩出している。あのダワーさんもシーラ出身だそうだ、なら、ダワーさんもドワーフかな。
「シーラにもダンジョンあるんだよ。この冷蔵庫ダンジョンと似たようなダンジョンもあるけど、もっと難易度の高い試練のダンジョンがあるんだよ」
「試練、ですか」
やめて、後ろにいるルージュの鼻息が荒い。
「昔ね、王族が必ず挑むダンジョンでね。試練のダンジョンなんて大層な名前がついているんだよ。でも、難易度は、高いよ。罠が他のダンジョンに比べて多いし、出てくる魔物も上位魔物。最下層付近には竜種も出るからね」
ひーっ、ルージュの鼻息がーっ。セーフティゾーンのビアンカの尻尾が煙を上げる勢いでバタバタしてる。近くにいたブルーメさん達がドン引きしてる。
『ユイ』
「何ねルージュさん。さっきから鼻息かかってるんですがね」
『ダンジョン聞いてッ、ダンジョンッ』
鼻息が荒いルージュが、私に迫る。もう、かわいかねえ。だけど、フォリアさんとセーシャさんは引いている。まあ、でっかいジャガーが鼻息荒く迫って来ていたら引くわな。私はルージュの声が聞こえるから平気だけど。
『聞いて、ユイ、聞いて』
「あのね、今は晃太のスキルアップが先たい。それにこんな寒い時期に移動はせんよ」
『分かっているわ、暖かくなってからね。だから、聞いて、聞いて』
ごろにゃん、ゴロゴロにゃーん。
くっ、ルージュのごろにゃん、久しぶりやねん。かわいかあっ。人目があるが私は我慢出来ずに、もふん、と抱きつく。あああぁぁぁぁぁ、ルージュの毛並みはビアンカと違うけど、それでも最高級やねん。
「もう、仕方なかねえ」
私はルージュの毛並みを堪能して、ドン引きしているフォリアさんとセーシャさんに向き合う。
「そのシーラのダンジョンって、どこにあります?」
「あ、ああ、シーラの首都から北にあるよ。ここからなら、ユリアレーナは首都を経由、モノコを抜けて、シーラに入国。それからシーラの首都までそうだね。魔法馬なら3ヶ月かかるかね? それから試練のダンジョンまでは3日の距離だよ」
うちには爆走するノワールがいるからもっと短時間でいけるかな。
「ありがとうございます」
「ふふ、ユイさん達ならあっという間に踏破しそうですね」
綺麗に笑うセーシャさん。
ゴロゴロと私の足に頭をのせて甘えてくるルージュを撫でながら私も笑う。まあルージュは『ダンジョンダンジョン』言っているけどね。
「そうそう、シーラはワインやウイスキーの産地だけど、ビネガーも有名なんだよ。ミズサワさんの母さんは料理上手だから、きっと役立つよ」
「ビネガーですか。いいですね」
お酢の事だよね。うーん、酢豚。よかなあ、酢豚。あ、手羽先の酢煮込みなんて美味しいし。
「ぜひ、手に入れます」
『ダンジョンダンジョン』
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