文字の大きさ
大
中
小
200 / 877
連載
パニック?⑥
「にゃあにぁあ」
「クゥンクゥン」
「クゥンクゥン」
ヒスイ、ルリ、クリスも来てペロペロもふもふ。かわいかあ、たまらん。
「迎えに来てくれたんね~」
もふもふ。
ルリとクリスは満足したのか、すぐにシュタインさんや山風の皆さんの元に。ヒスイは私にすり寄ったまま。あはははははん、そうね、お姉ちゃんがよかね。もふもふん。そこに、母の抱っこ紐から出た花が短い足で駆けよって来た。
「クゥンクゥンクゥン」
ぽちゃぽちゃお腹を出して、牛蒡みたいな尻尾をパタパタパタパタ。あはははははん、たまらん。
「花ちゃんただいまあ」
「花ちゃん」
私と晃太が人目も気にせず、もふもふん。
「テイマーさん、それは?」
置いてけぼりの金の虎の皆さん、あ、忘れてた。
「ああ、紹介しますね。まず、この子が花、小型犬です。ちょっと人見知りで」
「わんっわんっ」
びびりの花は、金の虎の皆さんを見て後ずさる。
「え? 小型犬? テイマーさん、爵位あるんですか?」
ファングさんが疑うように聞いてくる。小型犬は貴族しか飼育してないからね。この為の設定を。
「違いますよ。花は飼育放棄されたのを、私達が引き取ったんです」
「そうなのか。飼育放棄か、かわいそうな目に合ったんだな」
花を見るファングさんの目に同情が浮かぶ。当の花は後退り、吠える吠える。
「すみません、知らない人には吠えちゃって」
「いいや、あんなに小さいんだ、警戒するのは仕方ないさ」
分厚い肩をすくめるファングさん。その隣でアルスさんが興味深そうに見ている。
「後はこの子はヒスイ。ルージュの娘です。あそこにいる茶色の目の子がコハク、ルージュの息子です」
私が順番に説明する。
「ビアンカの娘が、青い目がルリ、片目が赤いのがクリス、で、一番大きいのが息子の元気です。元気はとにかくやんちゃで、人見知りしないし、飛びかかるので気を付けてください」
「ああ。アルブレンで噂を聞いたが、揃うと圧巻だな」
アルブレンか、あれからずいぶん大きくなったしね。豆柴サイズだったヒスイも、何倍も大きくなってるし。かわいかのよ。
「皆、挨拶ばしい」
なんとなく声をかけるが、人見知りのルリ、クリス、ヒスイは後退り。
金の虎の皆さん、触りたさそうだけど。特にアルスさんが。キラキラ青い目で、私に訴える。触っちゃだめ? みたいな。キラキラ。キラキラ。魔法にかかりそう。
「わんっ」
「にぁあ~」
私の声に答えたのは元気とコハク。
止める間もなく、ばぁっ、と来て飛びかかる。
「おわあっ」
飛びかかり先はガリストさん。リードを持っていた晃太が、引っ張られて「肩、肩」言ってる。
元気が後ろ足で立ち上がり、ペロペロ。コハクも後ろ足で立ち上がり、ペロペロ。
「あ、すみませんっ」
「い、いや、いや、いいんだ。はは、かわいいですな」
ガリストさんはごつい満面の笑みを浮かべる。わざわざ足を着いて、元気とコハクをもふもふ。なんだか、慣れてるけど。
「ガリストさん、犬か猫飼ってました?」
「ん? 昔な、子供の頃に大型犬を。こんなに柔らかい毛質ではなかったが、懐かしいな」
「へっへっ」
元気がペロペロするが、ガリストさんはごつい笑顔のまま舐められている。それから皆さん順番に撫で撫で。
「柔らかいんだな」
「本当だね、ふわふわしてる」
「まさか、クリムゾンジャガーに触れるなんて。なんて滑らかなのかしら」
「姉ちゃん、欲しい」
「おバカ、恐ろしい事言うんじゃないよ」
その間に山風の皆さんと挨拶した両親がやって来る。
「おかえり」
母が空の抱っこ紐のままでおかえり、してくれる。
「ただいま、わざわざ来てくれたん。あ、こちらね金の虎の皆さん。アルブレンで緑の巣の時にお世話になったんよ。皆さん、うちの両親です」
私が両親に、金の虎の皆さんを紹介。元気とコハクをもふっていた皆さんが、あわてて立ち上がる。
「皆さん、アルブレンでは娘達がお世話になりました」
父が挨拶し、両親が頭を下げる。
「いや、俺達の方が世話になったようなものです。お気になさらないでください」
ファングさんの口調が、両親を前に丁寧になる。
「お父さん、これから私達ギルドに行くけど、一緒に行く?」
「いや、帰るよ」
「なら、ビアンカ一緒に帰って」
『分かったのです』
そんな話をしていると、マアデン君とハジェル君が母に何か言って、ロッシュさんがげんこつ落としている。
なんやなんや。
どうやら今日のカレーやアップルパイが美味しかったと、母に報告したら、上機嫌になった母が2人にリクエストを聞いたそうだ。ちょっと調子に乗ってきたので、ロッシュさんがげんこつ落としたと。
「いいんですよ。まだ、育ち盛りなんですから」
母はニコニコだ。
「なんばリクエストしたと?」
頭を押さえるマアデン君とハジェル君に聞いてみる。
「あのハンバーグと、唐揚げと、たれのついた肉の挟まったサンドイッチ」
「ポトフも食べたいっす。後、大きな鍋で食べた白いスープのも食べたいっす。あ、ビアンカさんとルージュさんが来た日に食べた、たれのついた肉も食べたいっす」
「なんね、それくらいね。じゃあ、メニューにいれようかね」
「「やったぁ」」
素直や。
で、後ろでロッシュさんがげんこつを構える。
ぴぁ、と私の後ろに隠れるマアデン君とハジェル君。
「これくらい、いいじゃないですか。ロッシュさんも何かリクエストあったら言ってくださいね」
「はあ、ユイさんは優しいですね。でも、昼飯楽しみにしてます。俺は好き嫌いないですから」
「はい」
さて、そろそろギルドに行こうとすると、すすす、とアルスさんが母の元に。
「アップルパイ、食べたい」
「?」
すかさずファングさんとリィマさんが回収。事情を知らない母は、いきなり未成年が近付いて来て、すぐに回収されたのに驚いている。
帰って説明しなくては。
花を母の抱っこ紐に入れて、ビアンカと仔達は先にパーティーハウスに戻る。
ギルドに行き、晃太だけ倉庫に向かう。量が多いからね。リティアさんは残念お休みなので、後日お土産渡そう。
山風や金の虎の皆さんの分は買い取り窓口が対応。待っている間に、明日からどうするか相談。ノワールを連れて行くかどうかだ。ルージュ曰く、ノワールを含めたら20階まではなんとかなるそうだ。なんせ、重かしね。それから開始時間も1時間早く繰り上げることになった。今まで最高戦力だからね。余裕を持ってボス部屋に何回か臨めるから、時間を繰り上げようと言うことになった。話が終わると、山風と金の虎の査定が終了。いくらか聞いたらいけないから離れる。ロッシュさんもファングさんも目を見開いていたけどね。晃太も戻ってきた。
「皆さん。1日ありがとうございました。明日からもお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「こんなに割合のいい依頼はそうない。出来るだけのことはする」
リーダーさん達頼もしい。
とにかく初日終了だ。
挨拶して別れようとしたら、キラキラ。
ん? 目の前に、キラキラ青い目。
あら、さっきまでリィマさんの隣におらんやったかね?
ちらり、と覗く、赤い舌。
あらあ、今朝のデジャブ。
『ダメよ、ユイが困るわ』
ルージュがアルスさんのパーカーの裾を咥えて止めて、硬直した私をシュタインさんが後ろに引き寄せてくれた。
は、いかん。キラキラ魔法で、麻痺しとった。しかもシュタインさん病み上がりなのに。
「す、すみませんシュタインさん」
「いいえ。だけどあいつ懲りないですね」
「アルスーッ」
「あんたって子はーッ」
ファングさんとリィマさんが真っ青になって怒ってる。
「すまないテイマーさん。あいつは日頃あんなこと絶対しないやつなんだ。よっぽどあんたが気に入ったみたいだ」
あら、未成年に気に入られる三十路女。週刊誌のネタみたいになってきたよ。やだあ、目だけ、太い横線入って掲載されそうだよ。
「ちゃんと言い聞かせておくから」
「まあ、本人悪気がないようですけど。私もいくら未成年とはいえ、ペロリは勘弁してください。変な世界に片足突っ込みそうになるので」
冷静に返したが、内心、はあはあ、犯罪者みたいな息づかいをしている。
腑に落ちないアルスさんを引きずり、金の虎の皆さんはペコペコしながら撤退。嵐のように去っていった。
「シュタインさん、もう大丈夫みたいですよ」
「あ、ああ、そうですね」
よっぽど心配したのか、シュタインさんは金の虎の皆さんの姿が見えなくなるまで、肩を抱いてくれていた。ありがたい。
山風の皆さんとも挨拶して、パーティーハウスに。
「クゥンクゥンクゥンクゥーン」
「花ちゃんさっき会ったやない」
「花ちゃん」
お腹出して尻尾パタパタしながら歓迎してくれる花。あはははん、かわいかあ。
仔達の歓迎を受けながら、パーティーハウスに入る。
「ねえ、お父さん」
「ん?」
居間のソファーに座って、ルリとクリスを撫でている父が顔を上げる。
「今日来たの、シュタインさんの具合見るためやろ?」
わざわざ、冷蔵庫ダンジョン前で待っていたのは、そうじゃないかと思っていたからだ。
「ばれたね。心配やったけんね。軽度の貧血くらいや、冒険者としても活動可能レベルやな」
「そうね、良かった」
なら、明日それとなく伝えるかね。
なんだか、大したことしてないのに、どっと疲れた1日やったなあ。
キラキラ青い目の魔法、まあ、今までの中でも強烈やったなあ。
あれ? なんかもう一つあったような……………思い出さないってことは、大したことないって事やね、うん。
「クゥンクゥン」
「クゥンクゥン」
ヒスイ、ルリ、クリスも来てペロペロもふもふ。かわいかあ、たまらん。
「迎えに来てくれたんね~」
もふもふ。
ルリとクリスは満足したのか、すぐにシュタインさんや山風の皆さんの元に。ヒスイは私にすり寄ったまま。あはははははん、そうね、お姉ちゃんがよかね。もふもふん。そこに、母の抱っこ紐から出た花が短い足で駆けよって来た。
「クゥンクゥンクゥン」
ぽちゃぽちゃお腹を出して、牛蒡みたいな尻尾をパタパタパタパタ。あはははははん、たまらん。
「花ちゃんただいまあ」
「花ちゃん」
私と晃太が人目も気にせず、もふもふん。
「テイマーさん、それは?」
置いてけぼりの金の虎の皆さん、あ、忘れてた。
「ああ、紹介しますね。まず、この子が花、小型犬です。ちょっと人見知りで」
「わんっわんっ」
びびりの花は、金の虎の皆さんを見て後ずさる。
「え? 小型犬? テイマーさん、爵位あるんですか?」
ファングさんが疑うように聞いてくる。小型犬は貴族しか飼育してないからね。この為の設定を。
「違いますよ。花は飼育放棄されたのを、私達が引き取ったんです」
「そうなのか。飼育放棄か、かわいそうな目に合ったんだな」
花を見るファングさんの目に同情が浮かぶ。当の花は後退り、吠える吠える。
「すみません、知らない人には吠えちゃって」
「いいや、あんなに小さいんだ、警戒するのは仕方ないさ」
分厚い肩をすくめるファングさん。その隣でアルスさんが興味深そうに見ている。
「後はこの子はヒスイ。ルージュの娘です。あそこにいる茶色の目の子がコハク、ルージュの息子です」
私が順番に説明する。
「ビアンカの娘が、青い目がルリ、片目が赤いのがクリス、で、一番大きいのが息子の元気です。元気はとにかくやんちゃで、人見知りしないし、飛びかかるので気を付けてください」
「ああ。アルブレンで噂を聞いたが、揃うと圧巻だな」
アルブレンか、あれからずいぶん大きくなったしね。豆柴サイズだったヒスイも、何倍も大きくなってるし。かわいかのよ。
「皆、挨拶ばしい」
なんとなく声をかけるが、人見知りのルリ、クリス、ヒスイは後退り。
金の虎の皆さん、触りたさそうだけど。特にアルスさんが。キラキラ青い目で、私に訴える。触っちゃだめ? みたいな。キラキラ。キラキラ。魔法にかかりそう。
「わんっ」
「にぁあ~」
私の声に答えたのは元気とコハク。
止める間もなく、ばぁっ、と来て飛びかかる。
「おわあっ」
飛びかかり先はガリストさん。リードを持っていた晃太が、引っ張られて「肩、肩」言ってる。
元気が後ろ足で立ち上がり、ペロペロ。コハクも後ろ足で立ち上がり、ペロペロ。
「あ、すみませんっ」
「い、いや、いや、いいんだ。はは、かわいいですな」
ガリストさんはごつい満面の笑みを浮かべる。わざわざ足を着いて、元気とコハクをもふもふ。なんだか、慣れてるけど。
「ガリストさん、犬か猫飼ってました?」
「ん? 昔な、子供の頃に大型犬を。こんなに柔らかい毛質ではなかったが、懐かしいな」
「へっへっ」
元気がペロペロするが、ガリストさんはごつい笑顔のまま舐められている。それから皆さん順番に撫で撫で。
「柔らかいんだな」
「本当だね、ふわふわしてる」
「まさか、クリムゾンジャガーに触れるなんて。なんて滑らかなのかしら」
「姉ちゃん、欲しい」
「おバカ、恐ろしい事言うんじゃないよ」
その間に山風の皆さんと挨拶した両親がやって来る。
「おかえり」
母が空の抱っこ紐のままでおかえり、してくれる。
「ただいま、わざわざ来てくれたん。あ、こちらね金の虎の皆さん。アルブレンで緑の巣の時にお世話になったんよ。皆さん、うちの両親です」
私が両親に、金の虎の皆さんを紹介。元気とコハクをもふっていた皆さんが、あわてて立ち上がる。
「皆さん、アルブレンでは娘達がお世話になりました」
父が挨拶し、両親が頭を下げる。
「いや、俺達の方が世話になったようなものです。お気になさらないでください」
ファングさんの口調が、両親を前に丁寧になる。
「お父さん、これから私達ギルドに行くけど、一緒に行く?」
「いや、帰るよ」
「なら、ビアンカ一緒に帰って」
『分かったのです』
そんな話をしていると、マアデン君とハジェル君が母に何か言って、ロッシュさんがげんこつ落としている。
なんやなんや。
どうやら今日のカレーやアップルパイが美味しかったと、母に報告したら、上機嫌になった母が2人にリクエストを聞いたそうだ。ちょっと調子に乗ってきたので、ロッシュさんがげんこつ落としたと。
「いいんですよ。まだ、育ち盛りなんですから」
母はニコニコだ。
「なんばリクエストしたと?」
頭を押さえるマアデン君とハジェル君に聞いてみる。
「あのハンバーグと、唐揚げと、たれのついた肉の挟まったサンドイッチ」
「ポトフも食べたいっす。後、大きな鍋で食べた白いスープのも食べたいっす。あ、ビアンカさんとルージュさんが来た日に食べた、たれのついた肉も食べたいっす」
「なんね、それくらいね。じゃあ、メニューにいれようかね」
「「やったぁ」」
素直や。
で、後ろでロッシュさんがげんこつを構える。
ぴぁ、と私の後ろに隠れるマアデン君とハジェル君。
「これくらい、いいじゃないですか。ロッシュさんも何かリクエストあったら言ってくださいね」
「はあ、ユイさんは優しいですね。でも、昼飯楽しみにしてます。俺は好き嫌いないですから」
「はい」
さて、そろそろギルドに行こうとすると、すすす、とアルスさんが母の元に。
「アップルパイ、食べたい」
「?」
すかさずファングさんとリィマさんが回収。事情を知らない母は、いきなり未成年が近付いて来て、すぐに回収されたのに驚いている。
帰って説明しなくては。
花を母の抱っこ紐に入れて、ビアンカと仔達は先にパーティーハウスに戻る。
ギルドに行き、晃太だけ倉庫に向かう。量が多いからね。リティアさんは残念お休みなので、後日お土産渡そう。
山風や金の虎の皆さんの分は買い取り窓口が対応。待っている間に、明日からどうするか相談。ノワールを連れて行くかどうかだ。ルージュ曰く、ノワールを含めたら20階まではなんとかなるそうだ。なんせ、重かしね。それから開始時間も1時間早く繰り上げることになった。今まで最高戦力だからね。余裕を持ってボス部屋に何回か臨めるから、時間を繰り上げようと言うことになった。話が終わると、山風と金の虎の査定が終了。いくらか聞いたらいけないから離れる。ロッシュさんもファングさんも目を見開いていたけどね。晃太も戻ってきた。
「皆さん。1日ありがとうございました。明日からもお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「こんなに割合のいい依頼はそうない。出来るだけのことはする」
リーダーさん達頼もしい。
とにかく初日終了だ。
挨拶して別れようとしたら、キラキラ。
ん? 目の前に、キラキラ青い目。
あら、さっきまでリィマさんの隣におらんやったかね?
ちらり、と覗く、赤い舌。
あらあ、今朝のデジャブ。
『ダメよ、ユイが困るわ』
ルージュがアルスさんのパーカーの裾を咥えて止めて、硬直した私をシュタインさんが後ろに引き寄せてくれた。
は、いかん。キラキラ魔法で、麻痺しとった。しかもシュタインさん病み上がりなのに。
「す、すみませんシュタインさん」
「いいえ。だけどあいつ懲りないですね」
「アルスーッ」
「あんたって子はーッ」
ファングさんとリィマさんが真っ青になって怒ってる。
「すまないテイマーさん。あいつは日頃あんなこと絶対しないやつなんだ。よっぽどあんたが気に入ったみたいだ」
あら、未成年に気に入られる三十路女。週刊誌のネタみたいになってきたよ。やだあ、目だけ、太い横線入って掲載されそうだよ。
「ちゃんと言い聞かせておくから」
「まあ、本人悪気がないようですけど。私もいくら未成年とはいえ、ペロリは勘弁してください。変な世界に片足突っ込みそうになるので」
冷静に返したが、内心、はあはあ、犯罪者みたいな息づかいをしている。
腑に落ちないアルスさんを引きずり、金の虎の皆さんはペコペコしながら撤退。嵐のように去っていった。
「シュタインさん、もう大丈夫みたいですよ」
「あ、ああ、そうですね」
よっぽど心配したのか、シュタインさんは金の虎の皆さんの姿が見えなくなるまで、肩を抱いてくれていた。ありがたい。
山風の皆さんとも挨拶して、パーティーハウスに。
「クゥンクゥンクゥンクゥーン」
「花ちゃんさっき会ったやない」
「花ちゃん」
お腹出して尻尾パタパタしながら歓迎してくれる花。あはははん、かわいかあ。
仔達の歓迎を受けながら、パーティーハウスに入る。
「ねえ、お父さん」
「ん?」
居間のソファーに座って、ルリとクリスを撫でている父が顔を上げる。
「今日来たの、シュタインさんの具合見るためやろ?」
わざわざ、冷蔵庫ダンジョン前で待っていたのは、そうじゃないかと思っていたからだ。
「ばれたね。心配やったけんね。軽度の貧血くらいや、冒険者としても活動可能レベルやな」
「そうね、良かった」
なら、明日それとなく伝えるかね。
なんだか、大したことしてないのに、どっと疲れた1日やったなあ。
キラキラ青い目の魔法、まあ、今までの中でも強烈やったなあ。
あれ? なんかもう一つあったような……………思い出さないってことは、大したことないって事やね、うん。
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
妹を踏みにじった奴らに、復讐の花束を
楠ノ木雫 妹を傷つけたやつは誰だ。
隣国に嫁いだこの国の王女であり双子の妹でもあるクラリスが2年後に亡き人となって帰ってきた。死因すら伝えられず嫁ぎ先の墓にも入れてもらえずに隣国の使者が連れてきた。
この事実に信じられずにいると、クラリスが帰ってくる半年前に戻っていた。
一体隣国でクラリスの身に何があったのか。
絶対に、もうクラリスのあんな姿を見たくない。堅く決意し使節団の使者として隣国に乗りこむ事になった。
※一話で過激なシーンがあります。
【第1回新エンタメ小説大賞】にエントリー中です。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!