もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

文字の大きさ
226 / 876
連載

デート?④

 デートなんて言われてドキドキしたけど、なんてことない、グーテオークションに一緒に行きませんか? だった。
 今回のグーテオークションには、私達が冷蔵庫ダンジョンで、調査の時に手に入れた物が多数並ぶそうで、目玉はあの二億もしたダイヤモンドだ。
 お断りする理由もないし、ちょっと興味あるし、私は二つ返事で了承した。
「では、明日、メイドを寄越します」
「メイド?」
「はい。グーテオークションにはドレスコードがありますから。こちらから言い出したので、すべて準備させて頂きます」
 な、なんや、やな予感。
「それにこれは貴女の御披露目も兼ねてます」
「はい?」
「私が貴女の後見人だとはまだ知られていませんからね。ユリアレーナの国内でも、知らない者がほとんどです。国から貴族達には手を出さないように通達は言っていますがね。一般人は知りませんし、特に他国は知り得ませんから。貴女に手を出せば、私が後ろにいると、理解してもらうためです」
 なんかすごい事になってる。てか、サエキ様、そんなにすごか人なの?
 今回私がサエキ様に連れられていると噂になれば、自ずとサエキ様が後見人だからという理由が簡単に根付くそうだ。そうなんだ。
「各国の要人も招かれています。中には貴女が首都にいる間に下心から、近付く者もいるはず」
「アルティーナの大使のように?」
「そうです。ああ、あの大使は解任されましたよ、その日にね。今は大使館で軟禁されています。次の交易船で家族共々送還されます」
「そうですか」
 もう、興味ないけどね。
「おそらく数日以内に貴女に謝罪があると思います」
「うーん、あんまり、接触したくないのですが」
「ならば、私の名前を出して断ればいい。もしくは私を通すようにと」
「いいんですか?」
「その為の後見人です。私は貴女方がこの国で過ごしやすくする役割がありますからね」
「ありがとうございます」
「では。明日、準備できた頃に伺います。ああ、昼の食事は抜いた方がいいですよ」
「はい」
 そう言ってサエキ様は帰っていった。
 なんやろ、なんかご馳走でるのかね?

「ぐええぇぇぇぇ」
 私は情けない悲鳴、いや、うめき声をあげる。
 昼の食事は抜いた方がいいですよってこれのこと。コルセットだ。ぐええぇぇぇぇ、苦しい。
 サエキ様が派遣したメイドさん達に、ギリギリとコルセットを締められる。ひーひー。
「では、こちらにお召し替えを」
 と、メイドAさんが出したのは、ピンクのぶりぶりドレス。やめて、私、いくつやと? 絶対に無理。なんやねん、そのフリフリリボンは?
「では、こちらは?」
 と、メイドBさんが出したのは、黄金色のドレス。やめて、どこの成金やねん、演歌歌手やねん。顔がどこにあるかわからんごとなる。
「では、こちらは?」
 と、メイドCさんが出したのは、紫のドレス。まともに見えるが、ち、ち、ち、派手な装飾が凄まじい。繊細な金のチェーンや薔薇の刺繍が素晴らしいこと。私の顔だと浮きます。
「こちらは?」
 最後に、一番ベテランそうなメイドDさんが出したのは、真珠色のシンプルなドレス。
「これにします」
 選択の余地なし。
 私は真珠色のドレスを着せてもらう。腹がコルセットで動かせない、前に体が倒せない。不便やあ。
 てきぱきと準備されて、最後にアクセサリーを出される。
「サエキ様からです」
 ビロードの箱の中には、ダイヤモンドのネックレスとピアス。うわあ、キラキラ。
「お母様の形見だと」
「お借りできません。自分のありますから」
 私は出番がないだろと思っていた、真珠のネックレスとピアスをアイテムボックスから出して見せる。ベテランメイドDさんはちらっと見ただけで、オッケー出してくれた。
 髪も上げて、なんとか形になったかな。はあ、苦しい、見た目キレイだけど、着るのがこんなに大変だなんて知らなかった。だけど、ちょっと嬉しいかな、三十路でも、こんな綺麗なドレス着れたから。
「すみません、少し一人になりたいのですが」
「はい、畏まりました」
 メイドさん達は片付けて、部屋を出ていく。ドアが閉まるのを確認。私はルームをそっと開けて入る。よいしょっと。
「あら、いいんやない? さすがにあのピンクはなかね」
 ルームの窓から見ていた母が笑顔だ。せっかくだからね、母に見てもらった。こういった機会はもうないだろうから。母が慣れない手付きでスマホで写真を撮る。仕事でいない父に見せるためだ。ちなみに花は、ダイニングキッチンのケージの中だ、せっかくのドレスだから、汚れたり、小さかけど爪があるから引っ掻いたらたいへんだからね。
「じゃあ、行ってくる」
「気を付けるんよ。サエキ様によろしく伝えてね」
「分かった」
 よいしょっと。
 私はルームを出てから、部屋を出る。
 部屋の近くで待機していたメイドさんに手を引かれて、ゲストハウスの居間に。
「はあ、馬子にも衣装やな」
「張り倒すよあんた」
「物理的によう入ったな」
「本当に張り倒すよ、もう、コルセットたい」
「ああ、なるほど」
 おのれ、好き勝手言いよってからに。
「ユイさん、綺麗だよ」
「エマちゃんありがとう」
 鷹の目の皆さん、誉めてくれるが、ああ、気を使わせてしまって申し訳ない。
『ねえね、ゆいねえね』
 ヒスイを始め仔達が来るが、ごめんね、いつもならウェルカムなんだけど、この格好では無理。借り物だからね。特に危険な元気とコハクはリードを着けて、ビアンカとルージュが咥えている。
 準備して待つと程なくしてサエキ様が、迎えに来てくれた。
 行くのは、私とビアンカとルージュのみ。ビアンカとルージュは鷹の目の皆さんが、念入りにブラッシングしてくれてある。バンダナもバッチリアイロンかけてある。
「準備出来たようですね。お似合いですよ」
「ありがとうございます」
 サエキ様の社交辞令が痛い。ぴしっとしたスーツのサエキ様、格好いいこと。
「行ってきます。晃太、ホークさん、後はお願いします」
「ん」
「はい、ユイさん」
 出る時に、ルージュが魔法のカーテンを広げる。いざとなれば、ルームに逃げ込めばいい。
 足元見えないから怖いが、なんとか馬車に乗り込んだ。
感想 851

あなたにおすすめの小説

「三番以下を取りなさい」と五年言われ続けたので、公開試験で本気を出しました

歩人
ファンタジー
王立魔法学院、入学時首席のリュシエンヌは、婚約者レイナルト公爵令息から五年間「女は三番以下を取れ」と命じられてきた。学院の序列は国家序列の縮図。レイナルトは常に一位に居続けた。婚約披露を控えた十九歳の春、レイナルトが新しい婚約者を連れて告げる。「お前では並び立てぬ。学力も身分も、足りなすぎる」——リュシエンヌは微笑んで、その翌日の年次公開試験で、五年封じてきた本気を出した。国王臨席の場で、史上最高点。魔法局長官が教授陣に命じる。「過去五年間の彼女の実測点と、もし本気で受けていたら出せた推計点を、公表したまえ」。教授陣は震える手で数字を並べた。レイナルトの「首席」は、全て彼女が譲った場所だった。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

夫の不倫相手に「妻の座を譲れ」と言われたので、譲る代わりに全部置いていきます 〜行き先は老舗旅館。追いかけてきても、もう遅いです〜 

なつめ
恋愛
夫の愛人に「妻の座を譲れ」と言い渡された主人公は、怒鳴り返すこともしがみつくこともせず、ただ静かに頷いた。 家のこと、食事のこと、社交のこと、義実家のこと、会社の裏方のこと。 誰も価値を知らなかった“妻の座”の中身を、そっくりそのまま置いて家を出る。 向かった先は、かつて傷ついた自分を受け入れてくれた老舗旅館。 再建に奔走する若旦那とともに働く中で、主人公は初めて「役に立つから愛される」のではなく、「あなた自身がいてほしい」と言われる温かさを知っていく。 一方、主人公を軽んじた元夫の家では、生活も体裁も仕事もじわじわと崩壊を始める。 これは、何も持たずに出ていったはずの女が、自分の人生を取り戻し、最後には新しい恋と居場所を手に入れる再生の物語。

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです

珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。 その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。 それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。

夫が私にそっくりな下の娘ばかりをかわいがるのですけど!

山科ひさき
恋愛
「子供達をお願い」 そう言い残して、私はこの世を去った。愛する夫が子供達に私の分も愛情を注いでくれると信じていたから、不安はなかった。けれど死後の世界から見ている夫は下の娘ばかりをかわいがり、上の娘をないがしろにしている。許せない。そんな時、私に不思議な声が呼びかけてきて……。

「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」と追放された令嬢——王宮の食器が一枚も焼けなくなった

歩人
ファンタジー
「お前の泥だらけの手で触るな、気持ち悪い」——王宮御用達の食器を焼く伯爵令嬢エルザは、婚約者の第二王子に手の荒れを嗤われて追放された。十二歳から十年間、王宮の全ての食器を手ずから焼いてきた。彼女の食器は特殊な土と焼成技術で魔力を通し、毒に触れると色が変わる。料理の温度も保つ。追放から三ヶ月後、晩餐会で新しい食器を使ったところ、毒が検知されず隣国の大使が倒れた。外交問題に発展する中、第二王子が「食器くらい誰でも焼ける」と窯に立った結果、出来上がったのは歪んだ灰色の皿だった。

元の世界に帰らせていただきます!

にゃみ3
恋愛
淡い夢物語のように、望む全てが叶うとは限らない。 そう分かっていたとしても、私は敵ばかりの世界で妬まれ、嫌われ、疎まれることに、耐えられなかったの。 「ごめんね、バイバイ……」 限界なので、元いた世界に帰らせていただきます。 ・・・ 数話で完結します、ハピエン!

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※