文字の大きさ
大
中
小
269 / 877
連載
再び、首都へ①
いよいよ再び首都に出発。ちょっと暑さが和らぎ、朝と夕方が過ごしやすい。
前の日に、ダワーさんと面会。小児用の抗生剤と解熱剤、書類を受け取る。
「向こうの薬師ギルドには連絡はついております。そのまま孤児院に渡してください。書類には抗生剤と解熱剤の説明や注意事項が書かれています。何かあれば向こうの薬師ギルドが対応してくれます」
「ありがとうございます」
「お気をつけて」
次にタージェルさんから秋のグーテオークションに寄贈する品々を受け取り、それのリストも。
「こちらの手紙を商人ギルドに渡して頂ければすぐに分かるようになってます」
「はい、ありがとうございます」
私はタージェルさんとリストと品々を確認する。よし、大丈夫やね。
リティアさんも来ていくつか書類を出す。これは晃太への依頼だ。首都までの搬送。なんせ時間停止のサイズ不明のアイテムボックス持ちだからね。
晃太がリストと書類をチェックする。
「はい、分かりました、どこに渡せば?」
「冒険者ギルドです。こちらの木札を渡していただければすぐに分かりますので」
「はい」
よし、準備完了かな。
いざ、首都に出発。
フィナさんに連れられて、ダイアナちゃんが見送りに来てくれた。
「お姉ちゃんっ」
あはははん、嬉しい、お姉ちゃん。ダイアナちゃんは水色の襟のセーラー服だ。かわいか。
きゅう、と抱きついてきたので、きゅう、と抱き締める。
「どうしておうちに来てくれないの?」
ぷー、とダイアナちゃんがふくれる。かわいか。フィナさんが、こら。
「ごめんね。今度、お土産持ってくるけんね」
「うんっ」
「これダイアナ離れなさい。ミズサワさん、お気をつけて」
フィナさんが、ダイアナちゃんを引き離す。ダイアナちゃんはビアンカとルージュに突撃しそうな感じだ。結構おてんばさんだからね。
母と花、ダイアナちゃんとフィナさん。そして警備の人に見送られてマーファを出発。
ノワールは絶好調に爆走。
本来は1か月かかるのに、10日で走破する。途中で宿泊したのはトッパのみ、目的は温泉ね。美肌効果や、打ち身や捻挫とかにも効くらしい。どっぷり浸かりました。
そして約2ヶ月ぶりの首都。今回は少し余裕がある。なんせ前回は鷹の目の皆さんが心配だったし、中毒症になるわでゆっくり出来なかった。観光出来るかな? グーテオークションまで10日あるし。
「秋の鮪はなんやろうや?」
『たくさん獲るのです』
『あの木の箱、船だったわね、あれに乗るのね』
「そやな、鮪、鮪」
『カツがいいのです』
『私は生でもカツでもいいわ』
「わんわんっ」
「みゃーっ」
『るりもたべるゅ~』
『くりつゅもたべるゅの~』
『ねえね~、ヒスイも~』
「はいはい」
晃太とビアンカ、ルージュ、仔達の心弾むトークが続く。
観光できるかね?
首都に入るために並ぶと、すぐに来ました赤騎士団。今回もオスヴァルトさんが出迎えてくれた。なんだか、申し訳ない。ペコペコしながら、どうぞどうぞされて列を抜けて前に進む。
「ありがとうございますオスヴァルトさん」
「いいえ。まずはギルドに到着報告で宜しいですか? 前と同じゲストハウスをご準備しております」
「何から何までありがとうございます」
オスヴァルトさん率いる赤騎士団のおかげで、トラブルなくギルドに到着。到着報告をつつがなく終えて、晃太は搬送品を出すため別室に。赤騎士団の1人とルージュとチュアンさんとマデリーンさんが付いていく。また船に乗りたい件を伝えると直ぐに手配してくれた。明明後日だ。
次に私は商人ギルドの窓口に。寄贈品を出すためだ。私も別室に案内される。オスヴァルトさんとホークさん、エマちゃんが付いてきてくれた。ヒスイもにゃんにゃん言いながら付いてきたので、連れていく。だってかわいかもん。残りはロビーでまってもらう。
綺麗で品のよい応接室に通され、私はタージェルさんから預かったリストや宝飾品をテーブルに出す。対応してくれたお年の男性ギルド職員さん、ラズノーさんは手袋を着けてチェック。てきぱきとリストと照合。
無言ですべてチェックして、やっと口を開く。
「素晴らしい品々ですね。流石噂のテイマー様。これだけの品々を寄贈されるとは。本当に宜しいのですか? みな、上質、かなりの額になりますよ。特にこのピンクダイヤモンドは」
「特に問題はありません。子供達の為になれば」
「そうでございますか。野暮な事をお聞きしました。ではすべて預からせて頂きます。ないとは思いますが、もし買い手がなければ返却されますが、その時は我が商人ギルドが買い取らせて頂きます。こちらの木札をオークションが終わるまでお持ちください」
「はい」
挨拶して、応接室を出る。
ロビーで少し待つと、晃太が戻って来た。
「無事に終わったね?」
「ん」
よしよし。
「あのオスヴァルトさん、教会に寄っても構いませんか?」
「宜しいですよ」
きっと悪人面さんが、薬を待っているはず。
教会に行くとすぐに悪人面さんが対応してくれた。
「こちらが抗生剤で、こっちが解熱剤です。これは説明書になるので、必ず目を通してください」
「ありがとうございます、ありがとうございます」
悪人面さんはぼろぼろの手で薬と書類を抱き締める。
「これで子供達が救えます、ありがとうございます」
「すべてマーファの薬師ギルドの皆さんのおかげですから」
なんて話していると、ビアンカとルージュの注意が飛ぶ。
『ユイ、魔力の高い雌が来るのです』
『敵意なし、かなりの歳ね』
ビアンカとルージュが鼻先で示した先に、姿を現したのは、かなり高齢女性。杖を突き、若いシスターさんに付き添われている。
誰やろ? 雰囲気的に偉い人かね? 付き添ってくれたオスヴァルトさんも一礼してるし。
悪人面さんが、何か言いたそうに口を開くが、高齢女性がそっと手で制する。
高齢女性は私の前でお辞儀。私もお辞儀。
「初めましてテイマー様。私はこの教会の責任者をしております、ディナールでございます。先日は多額の寄付を頂き、そしてこの度の治験に関してもご尽力頂き感謝の言葉もありません」
すごく丁寧で優しい話し方。
「お礼を申し上げなくてはならなかったのに、遅くなり申し訳ありません」
「いえ、わざわざありがとうございます。薬に関してはマーファの薬師ギルドの皆さんの尽力ですし」
高齢女性は優しいおばあちゃんみたいな笑顔を浮かべる。
『この雌、かなりの魔力保持者なのです』
『そうね。他の人型に比べたらかなり多いわ』
やめて、鼻息荒く、近付いていかんで。若いシスターさんが卒倒しそうやん。元気達を外で待たせて良かった、びっくりして転けたら大事だし。
高齢女性はビアンカとルージュの鼻息に怯むことなく、微笑んだまま挨拶して、戻っていった。案外肝っ玉据わってそう。
「今の方は?」
ただの責任者とは思えないけど。
オスヴァルトさんと悪人面さんが顔を見合わせる。
「あの方は始祖教の枢機卿ですよ」
「枢機卿?」
聞いたことある、宗教で偉い人よね。
「ミズサワ殿は、宗派は?」
オスヴァルトさんが確認のように聞いてくる。
「宗派ですか? 特にありませんが、始祖神様も時空神様も雨の女神様も信じています。闘神様も魔法の三柱神様も他の神様も信じています」
だってお会いしてますもん。
最近。全然お返事がない。あの緑の巣以来まったく返事がない。きっとお忙しいんだろうけど。
そういえば、こちらの宗派ってよく分からん。
だが、私の答えにほっとした表情を浮かべる2人。
「私はマーファに来るまで田舎暮らしだったので、よく分からないんです。あ、ホークさん、後で教えてください」
「はい、ユイさん」
悪人面さんに挨拶して、教会を出る。
赤騎士団の誘導で北区のゲストハウスに。
明日はマルシェに向かうと告げると、ブエルさんがまた来てくれるように手配してくれた。
後、今回もメイドさんや食事はお断りした。
オスヴァルトさん、赤騎士団を見送り、私達はゲストハウスに入った。
前の日に、ダワーさんと面会。小児用の抗生剤と解熱剤、書類を受け取る。
「向こうの薬師ギルドには連絡はついております。そのまま孤児院に渡してください。書類には抗生剤と解熱剤の説明や注意事項が書かれています。何かあれば向こうの薬師ギルドが対応してくれます」
「ありがとうございます」
「お気をつけて」
次にタージェルさんから秋のグーテオークションに寄贈する品々を受け取り、それのリストも。
「こちらの手紙を商人ギルドに渡して頂ければすぐに分かるようになってます」
「はい、ありがとうございます」
私はタージェルさんとリストと品々を確認する。よし、大丈夫やね。
リティアさんも来ていくつか書類を出す。これは晃太への依頼だ。首都までの搬送。なんせ時間停止のサイズ不明のアイテムボックス持ちだからね。
晃太がリストと書類をチェックする。
「はい、分かりました、どこに渡せば?」
「冒険者ギルドです。こちらの木札を渡していただければすぐに分かりますので」
「はい」
よし、準備完了かな。
いざ、首都に出発。
フィナさんに連れられて、ダイアナちゃんが見送りに来てくれた。
「お姉ちゃんっ」
あはははん、嬉しい、お姉ちゃん。ダイアナちゃんは水色の襟のセーラー服だ。かわいか。
きゅう、と抱きついてきたので、きゅう、と抱き締める。
「どうしておうちに来てくれないの?」
ぷー、とダイアナちゃんがふくれる。かわいか。フィナさんが、こら。
「ごめんね。今度、お土産持ってくるけんね」
「うんっ」
「これダイアナ離れなさい。ミズサワさん、お気をつけて」
フィナさんが、ダイアナちゃんを引き離す。ダイアナちゃんはビアンカとルージュに突撃しそうな感じだ。結構おてんばさんだからね。
母と花、ダイアナちゃんとフィナさん。そして警備の人に見送られてマーファを出発。
ノワールは絶好調に爆走。
本来は1か月かかるのに、10日で走破する。途中で宿泊したのはトッパのみ、目的は温泉ね。美肌効果や、打ち身や捻挫とかにも効くらしい。どっぷり浸かりました。
そして約2ヶ月ぶりの首都。今回は少し余裕がある。なんせ前回は鷹の目の皆さんが心配だったし、中毒症になるわでゆっくり出来なかった。観光出来るかな? グーテオークションまで10日あるし。
「秋の鮪はなんやろうや?」
『たくさん獲るのです』
『あの木の箱、船だったわね、あれに乗るのね』
「そやな、鮪、鮪」
『カツがいいのです』
『私は生でもカツでもいいわ』
「わんわんっ」
「みゃーっ」
『るりもたべるゅ~』
『くりつゅもたべるゅの~』
『ねえね~、ヒスイも~』
「はいはい」
晃太とビアンカ、ルージュ、仔達の心弾むトークが続く。
観光できるかね?
首都に入るために並ぶと、すぐに来ました赤騎士団。今回もオスヴァルトさんが出迎えてくれた。なんだか、申し訳ない。ペコペコしながら、どうぞどうぞされて列を抜けて前に進む。
「ありがとうございますオスヴァルトさん」
「いいえ。まずはギルドに到着報告で宜しいですか? 前と同じゲストハウスをご準備しております」
「何から何までありがとうございます」
オスヴァルトさん率いる赤騎士団のおかげで、トラブルなくギルドに到着。到着報告をつつがなく終えて、晃太は搬送品を出すため別室に。赤騎士団の1人とルージュとチュアンさんとマデリーンさんが付いていく。また船に乗りたい件を伝えると直ぐに手配してくれた。明明後日だ。
次に私は商人ギルドの窓口に。寄贈品を出すためだ。私も別室に案内される。オスヴァルトさんとホークさん、エマちゃんが付いてきてくれた。ヒスイもにゃんにゃん言いながら付いてきたので、連れていく。だってかわいかもん。残りはロビーでまってもらう。
綺麗で品のよい応接室に通され、私はタージェルさんから預かったリストや宝飾品をテーブルに出す。対応してくれたお年の男性ギルド職員さん、ラズノーさんは手袋を着けてチェック。てきぱきとリストと照合。
無言ですべてチェックして、やっと口を開く。
「素晴らしい品々ですね。流石噂のテイマー様。これだけの品々を寄贈されるとは。本当に宜しいのですか? みな、上質、かなりの額になりますよ。特にこのピンクダイヤモンドは」
「特に問題はありません。子供達の為になれば」
「そうでございますか。野暮な事をお聞きしました。ではすべて預からせて頂きます。ないとは思いますが、もし買い手がなければ返却されますが、その時は我が商人ギルドが買い取らせて頂きます。こちらの木札をオークションが終わるまでお持ちください」
「はい」
挨拶して、応接室を出る。
ロビーで少し待つと、晃太が戻って来た。
「無事に終わったね?」
「ん」
よしよし。
「あのオスヴァルトさん、教会に寄っても構いませんか?」
「宜しいですよ」
きっと悪人面さんが、薬を待っているはず。
教会に行くとすぐに悪人面さんが対応してくれた。
「こちらが抗生剤で、こっちが解熱剤です。これは説明書になるので、必ず目を通してください」
「ありがとうございます、ありがとうございます」
悪人面さんはぼろぼろの手で薬と書類を抱き締める。
「これで子供達が救えます、ありがとうございます」
「すべてマーファの薬師ギルドの皆さんのおかげですから」
なんて話していると、ビアンカとルージュの注意が飛ぶ。
『ユイ、魔力の高い雌が来るのです』
『敵意なし、かなりの歳ね』
ビアンカとルージュが鼻先で示した先に、姿を現したのは、かなり高齢女性。杖を突き、若いシスターさんに付き添われている。
誰やろ? 雰囲気的に偉い人かね? 付き添ってくれたオスヴァルトさんも一礼してるし。
悪人面さんが、何か言いたそうに口を開くが、高齢女性がそっと手で制する。
高齢女性は私の前でお辞儀。私もお辞儀。
「初めましてテイマー様。私はこの教会の責任者をしております、ディナールでございます。先日は多額の寄付を頂き、そしてこの度の治験に関してもご尽力頂き感謝の言葉もありません」
すごく丁寧で優しい話し方。
「お礼を申し上げなくてはならなかったのに、遅くなり申し訳ありません」
「いえ、わざわざありがとうございます。薬に関してはマーファの薬師ギルドの皆さんの尽力ですし」
高齢女性は優しいおばあちゃんみたいな笑顔を浮かべる。
『この雌、かなりの魔力保持者なのです』
『そうね。他の人型に比べたらかなり多いわ』
やめて、鼻息荒く、近付いていかんで。若いシスターさんが卒倒しそうやん。元気達を外で待たせて良かった、びっくりして転けたら大事だし。
高齢女性はビアンカとルージュの鼻息に怯むことなく、微笑んだまま挨拶して、戻っていった。案外肝っ玉据わってそう。
「今の方は?」
ただの責任者とは思えないけど。
オスヴァルトさんと悪人面さんが顔を見合わせる。
「あの方は始祖教の枢機卿ですよ」
「枢機卿?」
聞いたことある、宗教で偉い人よね。
「ミズサワ殿は、宗派は?」
オスヴァルトさんが確認のように聞いてくる。
「宗派ですか? 特にありませんが、始祖神様も時空神様も雨の女神様も信じています。闘神様も魔法の三柱神様も他の神様も信じています」
だってお会いしてますもん。
最近。全然お返事がない。あの緑の巣以来まったく返事がない。きっとお忙しいんだろうけど。
そういえば、こちらの宗派ってよく分からん。
だが、私の答えにほっとした表情を浮かべる2人。
「私はマーファに来るまで田舎暮らしだったので、よく分からないんです。あ、ホークさん、後で教えてください」
「はい、ユイさん」
悪人面さんに挨拶して、教会を出る。
赤騎士団の誘導で北区のゲストハウスに。
明日はマルシェに向かうと告げると、ブエルさんがまた来てくれるように手配してくれた。
後、今回もメイドさんや食事はお断りした。
オスヴァルトさん、赤騎士団を見送り、私達はゲストハウスに入った。
感想 854
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます 〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯
鳳凰院暁月刃夜婚約破棄されたので、王都の端で小さな香水店を開きます
〜「匂いしか分からない無能令嬢」と捨てられましたが、実は人の嘘と運命を嗅ぎ分ける王国唯一の調香師でした〜
☆あらすじ☆
王太子から婚約破棄され、家族にも見捨てられた公爵令嬢リリアーナ。
妹をいじめた悪女。
匂いしか分からない無能令嬢。
王妃にふさわしくない女。
夜会場でそう笑われた彼女は、すべてを失った――はずだった。
けれどリリアーナの嗅覚は、ただ香りを嗅ぎ分けるだけのものではない。
人の嘘。
隠された悪意。
病の兆し。
呪いの残り香。
そして、運命の匂いまで嗅ぎ分ける、王国唯一の異能だった。
公爵家を出たリリアーナは、亡き祖母が残した王都の端の小さな香水店「夜明けの瓶」を開く。
最初は誰にも見向きされない店だった。
けれど、眠れない少女を救い、毒を盛られた貴婦人を助け、夫婦の嘘をほどいていくうちに、店は王都中の秘密が集まる場所になっていく。
そんな彼女の前に現れたのは、冷血公爵と恐れられる辺境公爵ヴァルト。
彼は王宮由来の呪いに蝕まれていた。
リリアーナは彼の呪いを解くため、契約婚約を結ぶことになる。
不器用すぎる公爵に守られ、時に振り回されながら、彼女は王宮に隠された大きな嘘へと近づいていく。
なぜ王太子は婚約破棄を急いだのか。
なぜ妹は姉を憎み続けるのか。
なぜ王宮には、焦げた薔薇の匂いが漂っているのか。
無能と捨てられた令嬢は、もう誰かの言いなりにはならない。
「私は、私の鼻で生きていきます」
香水店から始まる、婚約破棄令嬢の逆転恋愛ファンタジー。
ざまぁあり、契約婚約あり、冷血公爵の不器用な溺愛あり。
最後には、彼女を捨てた者たちが気づくことになる。
本当に失ってはいけなかったのは、彼女だったのだと。
王妃教育を辞退したら「困る」と国王陛下が直接迎えに来ました ~婚約破棄された私に、王太子ではなく国王陛下が求婚してきます〜
由香【全一話完結】
王太子の心変わりによって婚約を破棄された侯爵令嬢リリアーナ。
十年以上受け続けた王妃教育も辞退し、ようやく自由になれると思っていた。
ところが数日後、侯爵家を訪れたのは国王陛下本人。
「王妃教育を辞退されると困る。私の妃になってほしい」
努力を踏みにじった王太子はすべてを失い、選ばれたのは誠実に生きてきた彼女だった。
これは、年上国王に溺愛されながら、世界一幸せな王妃になるまでの逆転ラブストーリー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
聖女って無給で無休なんですか?じゃあやらないです
こじまき異世界に聖女として召喚されたイラストレーターのチヒロ。しかし聖女には給料も休みもないことを知って「じゃあやらないです」と聖女就任を断る。
「国と人を救う崇高な仕事には、私どもからの感謝を捧げよう」
「心底いらないです」
異世界でまで、やりがい搾取されてたまるかよ。
※小説家になろうにも投稿しています
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
五年も笑わなかった辺境伯の娘が、追放された保育係の令嬢の前で初めて笑った
歩人(あゆと)侯爵令嬢クラリスは、五年間、兄夫婦の公爵家で三人の御子の保育を任されてきた。表向きは「下女扱い」だったが、彼女の保育記録には毎日の歌・手作りの絵札・夜泣きの記録が綿密に綴られていた。「育児など侍女の手伝い。本物の貴族のすることではないわ」兄嫁の侮辱に、クラリスは保育記録帳を置いて去る。訪ねた先は、妻を亡くした辺境伯ロタールの屋敷だった。彼の娘リーリャは六歳、母を亡くして以来、誰の前でも笑わなかった。「五年、御子さま方を見続けたあなたなら、リーリャの心も読めるだろうか」ロタールの不器用な依頼に、クラリスは静かに頷く。春が来る頃、リーリャは初めて声を上げて笑った。クラリスの隣で、ロタールも気づくと微笑んでいた——五年ぶりに。
【完結済】ワザと醜い令嬢をしていた令嬢一家華麗に亡命する
satomi醜く自らに魔法をかけてケルリール王国王太子と婚約をしていた侯爵家令嬢のアメリア=キートウェル。フェルナン=ケルリール王太子から醜いという理由で婚約破棄を言い渡されました。
もう王太子は能無しですし、ケルリール王国から一家で亡命してしまう事にしちゃいます!
【完結】妹は庶子、文句があるか? 常識なんてぶっ飛ばせ!
青空一夏(ざまぁ×癒し×溺愛)
庶子として公爵家に引き取られたアメリアは、
王立学園で冷たい視線に晒されながらも、ほんの少しの希望を胸に通っていた。
――だが、彼女はまだ知らなかった。
「庶子」の立場が、どれほど理不尽な扱いを受けるものかを。
心が折れかけたそのとき。
彼女を迎えに現れたのは、兄――オルディアーク公爵、レオニルだった。
「大丈夫。……次は、俺が一緒に通うから」
妹を守るためなら、学園にだって入る!
冷酷なはずの公爵閣下は、妹にだけとことん甘くて最強です。
※兄が妹を溺愛するお話しです。
※ざまぁはありますが、それがメインではありません。
※某サイトコンテスト用なので、いつもと少し雰囲気が違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。