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連載
隠れて護衛①
な「にゃあん、にゃあん~」
「おやまあ、ますますべっぴんさんになったねえ」
「みゃあぁ、みゃあぁ~」
「おうおう、お前さんは男前だなあ、よしよし」
ヒスイとコハクが、魚の屋台夫婦に上機嫌にもふもふされてる。コハクの声が最近低音気味だけど、かわいか。猫派の夫婦にすり寄るヒスイとコハク。
「くんくんっ」
元気が割り込んでいく。ちょいちょい、超大型犬の元気が、ぐいぐいいくのはやめて。尻尾ぷりぷり。く、お尻がかわいかっ。
夫婦は驚いていたけど笑顔だ。
「あらまあ、坊やも可愛いねえ」
「おお、よしよし」
もふもふ、もふもふ、もふもふん。
「ありがとうございます」
ヒスイ達を撫でてもらって、私は夫婦にご挨拶する。今日、首都から出発するからね。ルリとクリスはビアンカにぴったり張り付いてる。
「いいえ、いつもたくさん買ってもらって、こちらがありがとうございます。また、いつでも首都に来てくださいね」
おかみさんが笑顔で答えてくれる。
「はい、必ず寄らせていただきます」
ここの屋台の魚はみんな立派だし、脂が乗ってたしね。
いつも丁寧に捌いてくれる旦那さんにも挨拶して、買い物を、済ませてマルシェを後にした。
オスヴァルトさんを始めに赤騎士団の人達、そして船長さんまで見送りに来てくれてた。
「オスヴァルトさん、お世話になりました。ありがとうございました。サエキ様にもよろしくお伝えください」
「はい、必ずお伝えします。ミズサワ殿、道中お気をつけて」
オスヴァルトさんが一礼すると、後ろの赤騎士団の皆さんも一礼、カッコいい。
「テイマーさん、どうかお気をつけてください」
「わざわざありがとうございます船長さん」
「いいえ、テイマーさんのお陰でずいぶん稼がせてもらいましたからね。因みに雪が降るくらいに寒い時期には、最高級のゴールドツナなんか獲れちゃうですー」
きゅるん。いや、あの、ごつい船長さんのきゅるん、はちょっと…………。
「ゴールドなあ、気になるなあ」
『でも、軍隊ダンジョンのワイバーンも食べたいのです』
『そうねえ、悩むわねえ』
晃太とビアンカ、ルージュが頭を寄せ合い悩んでる。ホークさんはノワールに馬車を繋ぎ、チュアンさん達は仔達を馬車に乗せる。元気が捕まらない。ガチに走ってる。今回はゆっくり帰るから、元気はビアンカと並走することになった。
「やめて、軍隊ダンジョンって言いよったやん」
私が言うと、うーん、と晃太が船長さんに聞く。
「ゴールドツナっていつ頃から獲れます?」
「年明けから約2ヶ月間ですな」
「なら、年末にスカイランを出れば間に合わん?」
「どんだけハードスケジュールやねん」
マーファ帰って、スカイラン行って、軍隊ダンジョン行って、年明け合わせて首都って。やすみなしやん。
『ユイ、ゴールドツナ食べてみたいのです』
『食べたいわ』
本物のきゅるん、が来た。
「あのね、そんな時期に首都に来たら雪に降られたらマーファに帰れんやん。そんなに長く首都に滞在できんよ。何処に住むとね?」
もう。ノワールだってそんな寒い時期はいややろうもん。
「テイマーさん、ギルドのパーティーハウスを押さえておきますよ」
「ミズサワ殿、あのゲストハウスを確保しておきますよ」
船長さんにオスヴァルトさんまでっ。
晃太はいけるんやない? みたいな顔だ。
もう。
「晃太、ちょっとおいで」
「なんな?」
「来んね」
私は晃太を連れて、少し離れる。ビアンカとルージュもすりすり付いてくる。
「あんたさ、目的忘れとらんね?」
「はあ? 何?」
「スキルアップたいっ」
「『『あ』』」
晃太とビアンカ、ルージュの声が見事に重なる。忘れったね。
そう、晃太の支援魔法が順調に上がっている。
理由は色々ある。日帰りダンジョンもあったけど、ルリ、クリス、ヒスイの属性魔法覚醒と、鷹の目の皆さんが加わったのが大きい。晃太が持つ属性は全属性。火、水、土、風、光、闇、無。これらを満遍なく数多く色んな効果を持たせて支援することで、スキルアップに繋がる。
現在、ルリが水、クリスが火、ヒスイが風、コハクが土。ホークさんが風、チュアンさんが土と闇、マデリーンさんは火と水と光。まだ無属性を覚醒させていない、ミゲル君、テオ君、エマちゃん、私には無属性の支援をしている。そして先日、元気が風と土属性まで覚醒させたため、かなり効率的だと。
次の支援魔法のスキルランクまで、このまま順調なら、来年の春先と父が鑑定した。それまでは地道にダンジョンだね、なんて話したばっかりなのに。
「食欲に負けてもう。私だってノワールに乗るために、体幹鍛えとるんよ」
そう、ノワールの乗馬訓練は毎回ハラハラドキドキだ。いろんな意味で。最初はね、ドキドキだけだったけど、容赦ない現実が。
パカパカ、くらいの速度なら問題はない。だけど、パカラッパカラッとなると問題発生。私がバランスを崩してしまうのだ。どうしたらそこまで崩れるのか、私自身わからない。ホークさんが片手にしっかり支えてくれるのに、私はバウンドして、何度後頭部をホークさんの顎にぶつけたことか。ホークさんは大丈夫って言ってるけど、当たった時に「ヴッ」とか言われたらさすがに申し訳ない。
それに、このままでは割れてしまう。ホークさんの顎が2つに。そして私の頭蓋骨が陥没しそうや。ヘルメットかぶったら、ガンガン音が耳を直撃して、耐えられないし。
結局考え考え、私は体幹を鍛えることに。バランスが悪いんやろう。毎日鷹の目の皆さんに混じって、ストレッチやらなんやらしてますよ。筋肉痛ですよ。
例の『彼女さん』に会いに行くには、魔の森の奥、魔境を目指さなくてはならない。ノワールのパカパカスピードなら、おそらく半年はかかる。魔の森の奥は、よく天候が変わるそうだから、進めない日だってあるから、それを踏まえての日数を考えてだ。なので冬とかに魔の森は進みたくない、雪とかで足元わからないと怖いから、春先までに晃太の支援魔法のスキルアップを目指している。帰りは途中の洞窟の壁にサブ・ドアを登録すれば、さくっと帰れるから心配はしてないけどね。そんなに時間をかけたくない、そうなればパカラッパカラッスピードなんだよね。
私のバランスはいいとして。
それからノワールの装備品を揃える必要がある。いくらビアンカとルージュがいてもね、念には念を入れよだ。すね当てとかね。重さや防御力を考えたら、ワイバーンの革が最良と言われた。軍隊ダンジョンで必要な量の革やマジックアイテムを確保したら、マーファの職人ギルドにお願いしないといけない。時間を考えたら、スカイランから帰って来るのが、年末年始になる。それから首都になると、寒いからいやや。雪なんて降ったら、流石に走るノワールがかわいそうや。
「それに首都に来たら、スキルアップの為の戦闘はいつするんよ? 春先の予定やなくなるやろうもん」
「ま、まあ、そうやなあ」
『そうだったのです』
『すっかり忘れていたわ』
「今回は諦めり、ゴールドは再来年ね」
「うー」
『仕方ないのですう』
『仕方ないわね』
はい、決定。
「ゴールドの時期には来れませんので、御気遣いなく」
「そんなーっ」
船長さん、心の声が、駄々漏れー。
「じゃ、じゃあ、ブラックツナの時期にっ」
「あー、多分、来年は首都には来ないかと」
予定ではカルーラ経由して、魔境に向かうから。
「そんなーっ」
駄々漏れー。そしてやめて、この時期に獲れるなになにはですねー、みたい宣伝せんで。ビアンカとルージュの前で、よく怖くないね。あ、尻尾で、ぽーんと弾かれている。しゅたっ、と再び立ち上がる船長さん。たくましい。
「ミズサワ殿、どちらかに?」
オスヴァルトさんが聞いてくる。
「予定では、カルーラに」
「ああ、大討伐に?」
「いえ、(ビアンカとルージュの)知り合いに会いに、ほほほ」
誤魔化す。
まさか、魔物に会いに行くのに、魔境行きますなんて言えない。
「では、お世話になりました」
もう一度挨拶して、私は馬車に乗り込む。馭者台にはホークさんと晃太が乗る。
ノワールがゆっくり出発。
船長さんが、最後まで必死に「お待ちしてまーすっ」と叫んでたよ。
「おやまあ、ますますべっぴんさんになったねえ」
「みゃあぁ、みゃあぁ~」
「おうおう、お前さんは男前だなあ、よしよし」
ヒスイとコハクが、魚の屋台夫婦に上機嫌にもふもふされてる。コハクの声が最近低音気味だけど、かわいか。猫派の夫婦にすり寄るヒスイとコハク。
「くんくんっ」
元気が割り込んでいく。ちょいちょい、超大型犬の元気が、ぐいぐいいくのはやめて。尻尾ぷりぷり。く、お尻がかわいかっ。
夫婦は驚いていたけど笑顔だ。
「あらまあ、坊やも可愛いねえ」
「おお、よしよし」
もふもふ、もふもふ、もふもふん。
「ありがとうございます」
ヒスイ達を撫でてもらって、私は夫婦にご挨拶する。今日、首都から出発するからね。ルリとクリスはビアンカにぴったり張り付いてる。
「いいえ、いつもたくさん買ってもらって、こちらがありがとうございます。また、いつでも首都に来てくださいね」
おかみさんが笑顔で答えてくれる。
「はい、必ず寄らせていただきます」
ここの屋台の魚はみんな立派だし、脂が乗ってたしね。
いつも丁寧に捌いてくれる旦那さんにも挨拶して、買い物を、済ませてマルシェを後にした。
オスヴァルトさんを始めに赤騎士団の人達、そして船長さんまで見送りに来てくれてた。
「オスヴァルトさん、お世話になりました。ありがとうございました。サエキ様にもよろしくお伝えください」
「はい、必ずお伝えします。ミズサワ殿、道中お気をつけて」
オスヴァルトさんが一礼すると、後ろの赤騎士団の皆さんも一礼、カッコいい。
「テイマーさん、どうかお気をつけてください」
「わざわざありがとうございます船長さん」
「いいえ、テイマーさんのお陰でずいぶん稼がせてもらいましたからね。因みに雪が降るくらいに寒い時期には、最高級のゴールドツナなんか獲れちゃうですー」
きゅるん。いや、あの、ごつい船長さんのきゅるん、はちょっと…………。
「ゴールドなあ、気になるなあ」
『でも、軍隊ダンジョンのワイバーンも食べたいのです』
『そうねえ、悩むわねえ』
晃太とビアンカ、ルージュが頭を寄せ合い悩んでる。ホークさんはノワールに馬車を繋ぎ、チュアンさん達は仔達を馬車に乗せる。元気が捕まらない。ガチに走ってる。今回はゆっくり帰るから、元気はビアンカと並走することになった。
「やめて、軍隊ダンジョンって言いよったやん」
私が言うと、うーん、と晃太が船長さんに聞く。
「ゴールドツナっていつ頃から獲れます?」
「年明けから約2ヶ月間ですな」
「なら、年末にスカイランを出れば間に合わん?」
「どんだけハードスケジュールやねん」
マーファ帰って、スカイラン行って、軍隊ダンジョン行って、年明け合わせて首都って。やすみなしやん。
『ユイ、ゴールドツナ食べてみたいのです』
『食べたいわ』
本物のきゅるん、が来た。
「あのね、そんな時期に首都に来たら雪に降られたらマーファに帰れんやん。そんなに長く首都に滞在できんよ。何処に住むとね?」
もう。ノワールだってそんな寒い時期はいややろうもん。
「テイマーさん、ギルドのパーティーハウスを押さえておきますよ」
「ミズサワ殿、あのゲストハウスを確保しておきますよ」
船長さんにオスヴァルトさんまでっ。
晃太はいけるんやない? みたいな顔だ。
もう。
「晃太、ちょっとおいで」
「なんな?」
「来んね」
私は晃太を連れて、少し離れる。ビアンカとルージュもすりすり付いてくる。
「あんたさ、目的忘れとらんね?」
「はあ? 何?」
「スキルアップたいっ」
「『『あ』』」
晃太とビアンカ、ルージュの声が見事に重なる。忘れったね。
そう、晃太の支援魔法が順調に上がっている。
理由は色々ある。日帰りダンジョンもあったけど、ルリ、クリス、ヒスイの属性魔法覚醒と、鷹の目の皆さんが加わったのが大きい。晃太が持つ属性は全属性。火、水、土、風、光、闇、無。これらを満遍なく数多く色んな効果を持たせて支援することで、スキルアップに繋がる。
現在、ルリが水、クリスが火、ヒスイが風、コハクが土。ホークさんが風、チュアンさんが土と闇、マデリーンさんは火と水と光。まだ無属性を覚醒させていない、ミゲル君、テオ君、エマちゃん、私には無属性の支援をしている。そして先日、元気が風と土属性まで覚醒させたため、かなり効率的だと。
次の支援魔法のスキルランクまで、このまま順調なら、来年の春先と父が鑑定した。それまでは地道にダンジョンだね、なんて話したばっかりなのに。
「食欲に負けてもう。私だってノワールに乗るために、体幹鍛えとるんよ」
そう、ノワールの乗馬訓練は毎回ハラハラドキドキだ。いろんな意味で。最初はね、ドキドキだけだったけど、容赦ない現実が。
パカパカ、くらいの速度なら問題はない。だけど、パカラッパカラッとなると問題発生。私がバランスを崩してしまうのだ。どうしたらそこまで崩れるのか、私自身わからない。ホークさんが片手にしっかり支えてくれるのに、私はバウンドして、何度後頭部をホークさんの顎にぶつけたことか。ホークさんは大丈夫って言ってるけど、当たった時に「ヴッ」とか言われたらさすがに申し訳ない。
それに、このままでは割れてしまう。ホークさんの顎が2つに。そして私の頭蓋骨が陥没しそうや。ヘルメットかぶったら、ガンガン音が耳を直撃して、耐えられないし。
結局考え考え、私は体幹を鍛えることに。バランスが悪いんやろう。毎日鷹の目の皆さんに混じって、ストレッチやらなんやらしてますよ。筋肉痛ですよ。
例の『彼女さん』に会いに行くには、魔の森の奥、魔境を目指さなくてはならない。ノワールのパカパカスピードなら、おそらく半年はかかる。魔の森の奥は、よく天候が変わるそうだから、進めない日だってあるから、それを踏まえての日数を考えてだ。なので冬とかに魔の森は進みたくない、雪とかで足元わからないと怖いから、春先までに晃太の支援魔法のスキルアップを目指している。帰りは途中の洞窟の壁にサブ・ドアを登録すれば、さくっと帰れるから心配はしてないけどね。そんなに時間をかけたくない、そうなればパカラッパカラッスピードなんだよね。
私のバランスはいいとして。
それからノワールの装備品を揃える必要がある。いくらビアンカとルージュがいてもね、念には念を入れよだ。すね当てとかね。重さや防御力を考えたら、ワイバーンの革が最良と言われた。軍隊ダンジョンで必要な量の革やマジックアイテムを確保したら、マーファの職人ギルドにお願いしないといけない。時間を考えたら、スカイランから帰って来るのが、年末年始になる。それから首都になると、寒いからいやや。雪なんて降ったら、流石に走るノワールがかわいそうや。
「それに首都に来たら、スキルアップの為の戦闘はいつするんよ? 春先の予定やなくなるやろうもん」
「ま、まあ、そうやなあ」
『そうだったのです』
『すっかり忘れていたわ』
「今回は諦めり、ゴールドは再来年ね」
「うー」
『仕方ないのですう』
『仕方ないわね』
はい、決定。
「ゴールドの時期には来れませんので、御気遣いなく」
「そんなーっ」
船長さん、心の声が、駄々漏れー。
「じゃ、じゃあ、ブラックツナの時期にっ」
「あー、多分、来年は首都には来ないかと」
予定ではカルーラ経由して、魔境に向かうから。
「そんなーっ」
駄々漏れー。そしてやめて、この時期に獲れるなになにはですねー、みたい宣伝せんで。ビアンカとルージュの前で、よく怖くないね。あ、尻尾で、ぽーんと弾かれている。しゅたっ、と再び立ち上がる船長さん。たくましい。
「ミズサワ殿、どちらかに?」
オスヴァルトさんが聞いてくる。
「予定では、カルーラに」
「ああ、大討伐に?」
「いえ、(ビアンカとルージュの)知り合いに会いに、ほほほ」
誤魔化す。
まさか、魔物に会いに行くのに、魔境行きますなんて言えない。
「では、お世話になりました」
もう一度挨拶して、私は馬車に乗り込む。馭者台にはホークさんと晃太が乗る。
ノワールがゆっくり出発。
船長さんが、最後まで必死に「お待ちしてまーすっ」と叫んでたよ。
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