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神からの依頼⑩
オプションはよく考えることになった。くう、スーパー銭湯っ。
後片付けした後、さて、説明に入るかね。一応晃太が、ルームの設備説明はすませているけど。
両親と花はカルーラに戻っていった。説明前にもう一度エマちゃんの様子を見に行く。よく寝てた。
「さて、皆さん、いろいろ疑問に思うことがあると思います」
ずらっと床に座っている面々と向き合う。鷹の目の皆さんは私の後ろで待機。向き合う皆さんは神妙な顔だったり、興味津々だったり、逆に表情が読めなかったり。うーん、ガタイのいい方が膝を抱えて座ってる。なんだか、うん、なんだか。
こほん。
「説明にあたりまずお約束していただきたいのは、このスキルを秘匿してほしいんです」
頷いてはくれるが、自信無さそうな人もいる。
「私自身も詳しく分かっていませんが、この『ルーム』は現在私しか所有しておらず、他の人に操作不可能なことですので、勝手にルームから出られないし入れません。簡単に言うと特殊亜空間なので、生体が入れるんです」
うむうむ、と頷く。
「何か質問はありますか?」
なんとなく質疑応答。
「はい」
手を上げたのは、エドワルドさん。
「はい、どうぞ」
「貴女は異世界からの召喚者?」
ダイレクトーッ。
いや、早くないっ。聞かれるとしたら、後だと思ったのにっ。
「えっと、あの………………」
「別にそうだからと言って、貴女が我々の命の恩人であることはかわりないんですがね。ただ、いろいろ気になり過ぎまして。うちのひいお祖父様の事もありますから」
「あ」
唯一、佐伯ゆりさん達、日本から召喚された人達と面識がある人。長命な一族がいるから他にもいるかも知れないが、今、分かっているのはサエキ様だけ。そのサエキ様の血筋を引くエドワルドさんは見事な黒髪だ。オスヴァルドさんも黒髪だったけど、ややカーキ色が入っていた。エドワルドさんは正に漆黒の黒髪。
「えっと、どこら辺でそう思われました?」
「グーデオークションの後でひいお祖父様と面会した時に、なんとなく。貴女の話をしている時に、ひどく懐かしい目をされていましたから」
「そ、そうですか…………」
結構前から疑われていたのね。
「それからここにある見たことのない魔道具の数々。こちらで見たことないですからね」
「デスヨネ」
「それに今まで貴女達が誰にも見つからなかったと言う点。貴女のテイマー能力に、コウタ殿には桁外れのアイテムボックス。見つからなかったではなく、いままでいなかったと考えた方が自然かな、と」
「ハイ、ソウデス」
ルームをばらした時点で覚悟はしていた。
「皆さん、私はこちらに召喚された者です。佐伯ゆりさん、いやユリ・サエキさんと同じ国日本からの」
ああ、やっぱり、みたいな顔が半分と、そうなの? みたいな顔が並ぶ。
「このルーム内にあるものは全て私達がいた世界のものです。からくりは知りませんが、ルームにあるスキルの一種を使い手に入れました。だからといって、向こうには帰れません。もともと私達はごく一般的なサラリーマン家庭、勤め人の一家です。こちらに来てまだ2年過ぎたくらいですね」
ふむ、と考え込む数人。
「あの、ミズサワ殿」
フェリクスさんが挙手。
「はい、どうぞ」
「まさか、ディレナスの厄災の聖女と関係は?」
う、さすがなのか、情報通。Sランクともなれば、いろいろな情報持っているんだね。それに厄災の聖女の話しはこちらにも流れて来てるし。ちょっと考えたら分かるかな?
「私達はその『聖女召喚』に巻き込まれた形ですね」
いい迷惑だよ、まったく。
「ユイさん、そのうち、そのニホンに帰るんすか?」
ハジェル君がおずおずと聞いてくる。
「いや、帰れないし」
なんでそんな事聞くのかな? あ、ハジェル君が不安そうや。もしかしたら、迷惑ってのが顔に出て、不快な思いさせたかな。
「帰れないのは寂しいけど」
これは本当。だって日本には親戚や友達がいたんだから。よくしてくれた近所の人だっているし。
「もう仕方ないしね。こっちに来て、ビアンカやルージュや元気達が家族になってくれたし。悪かことばかりやないしね。鷹の目の皆さんも長く仕えてくれるって言ってくれてるし。新しい知り合いも増えたし、ハジェル君達とも知り合いになれたしね。こればまた引き離されると思うと、つらいかな」
「そうっすか」
ハジェル君がほっとした顔に。
それからも質疑応答したが、詳しい仕組みを私自身が分かっていないから程なくして終了。まともに返答出来ないし、あまり特殊スキルを聞くのは失礼に当たるからすんなり終わった。ただ、サブ・ドアには一様に驚かれたけど。一つは魔境に繋がっているからね。お母さんウルフや赤ちゃんウルフ達が心配で行ってみたが、皆変わり無さそうで良かった。父が新しく暖房器具を設置、私はミルクを飲ませる。赤ちゃん達はミルクくれる人と認識してくれたのか、ぽてぽて、と寄ってきてくれる。かわいか。
あと、異世界への扉は後で麦美ちゃんにでも行くことに。実際に行った方がね。いや、絶対興奮して、時間かかるから、異世界のメニューにしよう。後でね、後で。
後でね、はいいが、これからだ。
私達はここでルームを使って神様に報告するが、皆さんはどうするかだ。おそらく土石流の影響で、すんなり帰れるとは思えないけど。それから金の虎のフリンダさんが、どうも本調子ではないようだし。食事もスープしか飲んでおらず、熱はないようだが、先ほどから空いている母の部屋で休んでもらっている。
各リーダーさんと話し合い。
「皆さん、これからどうされます?」
私が聞くと、ファングさんが申し訳なさそうにいう。
「すまないテイマーさん。もう一晩泊めてもらえないだろうか? フリンダの調子が悪くて…………」
「構いませんよ。回復するまでいてもらって」
「本当に感謝します」
ファングさんが深々と頭を下げてくる。
「我々は戻るつもりですが、ユイさん達はどうされます?」
ロッシュさんが伺うように聞いてくる。
「あー、あの雨の原因を調べないと、ですね」
「うん? 確かミズサワ殿の口振りから分かっているのかと」
と、フェリクスさん。あ、私達の話し聞かれてた。でもはっきり分かってないし。
「確実に分かってないので」
誤魔化すが、フェリクスさんは首を傾げる。
「しかし、ミズサワ殿達だけでどうにかなるのですか? これだけの従魔がいて、撤退を選びましたよね?」
く、ケルンさん鋭い。
「離れたことで雨が止んだのなら、下手に刺激しない方がいいのでは? おそらくエリアボスクラスの従魔に反応した雨だったのでは?」
す、鋭かあっ。ご、誤魔化さんとっ。あははは、と誤魔化す。
「ユイさん?」
「テイマーさん?」
ロッシュさんとファングさんと、訝しげにみてくる。
「あー、えーっと………………」
ど、どうしよう。いい誤魔化しの言葉が浮かばん。晃太にちらりと視線を投げるも、肩をすくませてる。ばれてるやん、みたいな顔や。
しょうがない、一旦カルーラに撤退するように見せて、分からないように神様に報告して、雨をふらせた相手をどうすべきか聞こう。私達が手を出して、悪化したらどうしようもないしね。何より、厄災クラスのイシスとアレスが敵わないような相手だ、始祖神様が無理するような指示をするとは思えないし。そうしようかな。考えが纏まる。
『ユイッ、ユイッ』
慌てた様子のルージュが私の元に。
「どうしたん?」
『神様がいらしているわっ』
「えっ?」
私は慌ててダイニングキッチンに入る。
そこにはいつもの始祖神様と時空神様、雨の女神様。なんで? いま、私達以外にも色んな人がいるのに。ダイニングキッチンの前には、イシス、オシリス、アレス、ビアンカ、そこにルージュが加わり、床に頭が着くまで頭を下げる体勢になる。鷹の目の皆さんもいつものように膝を着いてる。
ど、どうしよう、報告が遅くなったから怒って、こちらにいらっしゃったのかな?
「あの、始祖神様、報告が遅くなってしまい…………」
「いいや、お嬢さん、思ったより事態が深刻そうじゃからな。きた迄だよ」
…………………………………………………………………え? どういう事?
後片付けした後、さて、説明に入るかね。一応晃太が、ルームの設備説明はすませているけど。
両親と花はカルーラに戻っていった。説明前にもう一度エマちゃんの様子を見に行く。よく寝てた。
「さて、皆さん、いろいろ疑問に思うことがあると思います」
ずらっと床に座っている面々と向き合う。鷹の目の皆さんは私の後ろで待機。向き合う皆さんは神妙な顔だったり、興味津々だったり、逆に表情が読めなかったり。うーん、ガタイのいい方が膝を抱えて座ってる。なんだか、うん、なんだか。
こほん。
「説明にあたりまずお約束していただきたいのは、このスキルを秘匿してほしいんです」
頷いてはくれるが、自信無さそうな人もいる。
「私自身も詳しく分かっていませんが、この『ルーム』は現在私しか所有しておらず、他の人に操作不可能なことですので、勝手にルームから出られないし入れません。簡単に言うと特殊亜空間なので、生体が入れるんです」
うむうむ、と頷く。
「何か質問はありますか?」
なんとなく質疑応答。
「はい」
手を上げたのは、エドワルドさん。
「はい、どうぞ」
「貴女は異世界からの召喚者?」
ダイレクトーッ。
いや、早くないっ。聞かれるとしたら、後だと思ったのにっ。
「えっと、あの………………」
「別にそうだからと言って、貴女が我々の命の恩人であることはかわりないんですがね。ただ、いろいろ気になり過ぎまして。うちのひいお祖父様の事もありますから」
「あ」
唯一、佐伯ゆりさん達、日本から召喚された人達と面識がある人。長命な一族がいるから他にもいるかも知れないが、今、分かっているのはサエキ様だけ。そのサエキ様の血筋を引くエドワルドさんは見事な黒髪だ。オスヴァルドさんも黒髪だったけど、ややカーキ色が入っていた。エドワルドさんは正に漆黒の黒髪。
「えっと、どこら辺でそう思われました?」
「グーデオークションの後でひいお祖父様と面会した時に、なんとなく。貴女の話をしている時に、ひどく懐かしい目をされていましたから」
「そ、そうですか…………」
結構前から疑われていたのね。
「それからここにある見たことのない魔道具の数々。こちらで見たことないですからね」
「デスヨネ」
「それに今まで貴女達が誰にも見つからなかったと言う点。貴女のテイマー能力に、コウタ殿には桁外れのアイテムボックス。見つからなかったではなく、いままでいなかったと考えた方が自然かな、と」
「ハイ、ソウデス」
ルームをばらした時点で覚悟はしていた。
「皆さん、私はこちらに召喚された者です。佐伯ゆりさん、いやユリ・サエキさんと同じ国日本からの」
ああ、やっぱり、みたいな顔が半分と、そうなの? みたいな顔が並ぶ。
「このルーム内にあるものは全て私達がいた世界のものです。からくりは知りませんが、ルームにあるスキルの一種を使い手に入れました。だからといって、向こうには帰れません。もともと私達はごく一般的なサラリーマン家庭、勤め人の一家です。こちらに来てまだ2年過ぎたくらいですね」
ふむ、と考え込む数人。
「あの、ミズサワ殿」
フェリクスさんが挙手。
「はい、どうぞ」
「まさか、ディレナスの厄災の聖女と関係は?」
う、さすがなのか、情報通。Sランクともなれば、いろいろな情報持っているんだね。それに厄災の聖女の話しはこちらにも流れて来てるし。ちょっと考えたら分かるかな?
「私達はその『聖女召喚』に巻き込まれた形ですね」
いい迷惑だよ、まったく。
「ユイさん、そのうち、そのニホンに帰るんすか?」
ハジェル君がおずおずと聞いてくる。
「いや、帰れないし」
なんでそんな事聞くのかな? あ、ハジェル君が不安そうや。もしかしたら、迷惑ってのが顔に出て、不快な思いさせたかな。
「帰れないのは寂しいけど」
これは本当。だって日本には親戚や友達がいたんだから。よくしてくれた近所の人だっているし。
「もう仕方ないしね。こっちに来て、ビアンカやルージュや元気達が家族になってくれたし。悪かことばかりやないしね。鷹の目の皆さんも長く仕えてくれるって言ってくれてるし。新しい知り合いも増えたし、ハジェル君達とも知り合いになれたしね。こればまた引き離されると思うと、つらいかな」
「そうっすか」
ハジェル君がほっとした顔に。
それからも質疑応答したが、詳しい仕組みを私自身が分かっていないから程なくして終了。まともに返答出来ないし、あまり特殊スキルを聞くのは失礼に当たるからすんなり終わった。ただ、サブ・ドアには一様に驚かれたけど。一つは魔境に繋がっているからね。お母さんウルフや赤ちゃんウルフ達が心配で行ってみたが、皆変わり無さそうで良かった。父が新しく暖房器具を設置、私はミルクを飲ませる。赤ちゃん達はミルクくれる人と認識してくれたのか、ぽてぽて、と寄ってきてくれる。かわいか。
あと、異世界への扉は後で麦美ちゃんにでも行くことに。実際に行った方がね。いや、絶対興奮して、時間かかるから、異世界のメニューにしよう。後でね、後で。
後でね、はいいが、これからだ。
私達はここでルームを使って神様に報告するが、皆さんはどうするかだ。おそらく土石流の影響で、すんなり帰れるとは思えないけど。それから金の虎のフリンダさんが、どうも本調子ではないようだし。食事もスープしか飲んでおらず、熱はないようだが、先ほどから空いている母の部屋で休んでもらっている。
各リーダーさんと話し合い。
「皆さん、これからどうされます?」
私が聞くと、ファングさんが申し訳なさそうにいう。
「すまないテイマーさん。もう一晩泊めてもらえないだろうか? フリンダの調子が悪くて…………」
「構いませんよ。回復するまでいてもらって」
「本当に感謝します」
ファングさんが深々と頭を下げてくる。
「我々は戻るつもりですが、ユイさん達はどうされます?」
ロッシュさんが伺うように聞いてくる。
「あー、あの雨の原因を調べないと、ですね」
「うん? 確かミズサワ殿の口振りから分かっているのかと」
と、フェリクスさん。あ、私達の話し聞かれてた。でもはっきり分かってないし。
「確実に分かってないので」
誤魔化すが、フェリクスさんは首を傾げる。
「しかし、ミズサワ殿達だけでどうにかなるのですか? これだけの従魔がいて、撤退を選びましたよね?」
く、ケルンさん鋭い。
「離れたことで雨が止んだのなら、下手に刺激しない方がいいのでは? おそらくエリアボスクラスの従魔に反応した雨だったのでは?」
す、鋭かあっ。ご、誤魔化さんとっ。あははは、と誤魔化す。
「ユイさん?」
「テイマーさん?」
ロッシュさんとファングさんと、訝しげにみてくる。
「あー、えーっと………………」
ど、どうしよう。いい誤魔化しの言葉が浮かばん。晃太にちらりと視線を投げるも、肩をすくませてる。ばれてるやん、みたいな顔や。
しょうがない、一旦カルーラに撤退するように見せて、分からないように神様に報告して、雨をふらせた相手をどうすべきか聞こう。私達が手を出して、悪化したらどうしようもないしね。何より、厄災クラスのイシスとアレスが敵わないような相手だ、始祖神様が無理するような指示をするとは思えないし。そうしようかな。考えが纏まる。
『ユイッ、ユイッ』
慌てた様子のルージュが私の元に。
「どうしたん?」
『神様がいらしているわっ』
「えっ?」
私は慌ててダイニングキッチンに入る。
そこにはいつもの始祖神様と時空神様、雨の女神様。なんで? いま、私達以外にも色んな人がいるのに。ダイニングキッチンの前には、イシス、オシリス、アレス、ビアンカ、そこにルージュが加わり、床に頭が着くまで頭を下げる体勢になる。鷹の目の皆さんもいつものように膝を着いてる。
ど、どうしよう、報告が遅くなったから怒って、こちらにいらっしゃったのかな?
「あの、始祖神様、報告が遅くなってしまい…………」
「いいや、お嬢さん、思ったより事態が深刻そうじゃからな。きた迄だよ」
…………………………………………………………………え? どういう事?
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