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同郷?⑤
エマちゃんの様子を見に行く。
その前に、テオ君が行ったみたいで、ドアから伺うと眠っていた。父が遠目から鑑定。まだ、38度あるみたい。寝てるから触らんどこう。水分はまだあるね。そうや、エマちゃんが好きなメーカーのオレンジジュース買ってこよう。
後、必要なのは、コテージに持ち込む飲み物かな。
『ねえね~、ひすい、お腹減った~』
メインルームに行くと、ヒスイがごろにゃんと来る。はいはい、かわいかね。かいかい。
さ、お昼ごはんやね。
異世界のメニューにしよ。町の洋食みつよしやね。
「わい、ネギゴマラーメン」
「合わせんね」
『私は油淋鶏なのです~』
『私はエビ~』
「合わせんね」
『ピザヲ所望スル』
「合わせんね」
ビアンカとルージュもすりすり来る、あたたた。
手分けして準備して、やっとうちらや。また、床に直に座って食べないといけないが、そうや、やじろ家具で手にいれよう。後でお買い物やな。
さあ、メニューどうしようかな……………よし、めんどくさい。
「はい、並んでくださーい」
と、整列の人みたいな感じで手を上げる。
おずおずと並ぶパーティー。どうやらランク順みたい、ラスチャーニエ、蒼の麓、金の虎、山風の順番や。
今日のランチメニューは、と。本来は5つあるけど、3つのみ、仕方ないレベルが足りんのよ。
本日の魚のムニエル、ステーキ、オムライスの3つだ。
「どうされます?」
「いいんですか?」
ケルンさんが伺うような視線だけど。
「はい。さ、選んでください、後ろで待ってますから」
「ありがとうございます」
ケルンさんとエドワルドさんは魚のムニエル、ヒェリさんとツヴァイクさんはステーキ。
「はい、次、どうぞ~」
蒼の麓だね。
「ミズサワ殿、何から何までありがとうございます」
「いえいえ、こちらも巻き込んだ感じですから。さ、何がいいですか?」
フェリクスさんとアンドレアスさんとヘルト君はステーキ、ドーラさんは魚のムニエル、エリアンさんとドロテアちゃんはオムライスにしている。
「ユイちゃんっ」
「はいはい~」
がっちりとファングさんとガリストさんに肩を掴まれたアルスさん。
「何がいいですか~」
「全部っ、ふごっ」
ガリストさんが塞いでいる。はいはい、痩せの大食いやもんね。あははと笑うファングさんはステーキ、リィマさんもだ。ガリストさんはオムライス。フリンダさんはまだ寝ている。アルスさんは全種類ね。パァァッ、と顔が輝く。かわいか。
はい、次。
「ユイさん。ありがとうございます」
山風の皆さん、ペコリ。
「さ、何がいいですか?」
ロッシュさんとシュタインさんはステーキ。ラーヴさんとマアデン君はオムライス。痩せの大食いハジェル君は全種類。ロッシュさんがげんこつ。
「まあまあ、いいやないですか。ここの料理は私の伯父のレストランメニューなんです。だから沢山食べてくれると、私も嬉しいんですよ」
「ユイさ~ん」
ハジェル君が嬉しそう。はいはい、どうぞ。
私はオムライス、晃太はステーキ、両親は魚のムニエル。ホークさんとミゲル君はステーキ、マデリーンさんは魚のムニエル、チュアンさんとテオ君はオムライスね。オニオングラタンスープも全員付けて、と。
「じゃあ、頂きます」
「「「「「頂きます」」」」」
従魔の部屋から視線が飛ぶが、無視。
ぱくり、うん、安定の美味しさ。
「「「「「あっついーッ」」」」」
オニオングラタンスープを真っ先に食べた面々が悲鳴をあげてる。うん、賑やか。
「この魚、臭みがなくていくらでも入りますね」
エドワルドさんが驚いた顔だ。私はどやっ。
「肉が柔らかい、何よりソースが薫り高いですね」
フェリクスさんがステーキ一口食べて高評価。私はどやっ。
「うんっ、この卵とライスがなんて旨いんだっ」
ガリストさんがオムライスをスプーンが止まらない。私はどやっ。
「皆さん、おかわりしてくださいね~」
「「「「「はーい」」」」」
で、食べた食べた。
「あの坊主どもの腹はどうなっておるのだ?」
種族的に大食漢ドワーフのツヴァイクさんが、アルスさんとハジェル君の前に積み重なった皿をみて、ドン引きしていた。
食後、まったりする。
お買い物リストを母が書いている。
そこに、各リーダーさんがやってきた。なんだか、神妙な顔だけど。
「どうしました?」
「あの、ミズサワ殿」
ケルンさんが代表するように言ってくる。
「我々は貴女にいくら支払えば宜しいですか?」
「え? 支払い?」
なんのこと?
「あ、ポーション代」
「あれは別ですよ」
と返すフェリクスさん。
「テイマーさん、あれだけのコテージの使用料とかですよ」
ファングさんが説明。
「それから食事ですよ。あれだけ頂いたのに。うちのハジェルなんて何人前食べたか」
ロッシュさんが追加説明。
「それに、カルーラに帰るまで、このルームを使わせて貰うのなら、相応の支払いをしなければ」
と、ケルンさん。うん、クッキーをリスみたいに頬張っていたのに、今はリーダーさんや。
あー、そうやなあ。
リストを書いていた母があまり受けとらんと、と言う。そうやなあ、ヤマタノオロチ騒動に巻き込んだ形だし。でも、建前上受け取らんと、皆さんの精神衛生上よくないかな。うーん、うーん、うーん。
よし、受け取るけど、全部寄付に回そう。
「10万で」
各パーティーね。数日分のコテージ使用料とご飯代でこんなもんかな。コテージだって、これだけの人数がルームに入ったから、特別オプションとして付いたからね。他のオプションやボーナスポイントもね。
「はい、分かりました。では、我がラスチャーニエから40万ですね」
「ミズサワ殿、申し訳ないのですが手元に60万ないので、カルーラに帰ってからで宜しいですか?」
「テイマーさん。すまない、俺もだ」
「ユイさん、俺もなんですが」
ん? ん? ん?
「ちょっと、ちょっと、皆さん何ば言いようんですか? 各パーティー10万ですよ」
「「「「はぁっ?」」」」
異口同音。
「安くないですか?」
「そうですよミズサワ殿、安すぎですよ」
「テイマーさん、フリンダに部屋を貸してもらって、うちのアルスがあれだけ食ってるんですよ」
「そうですよユイさん、安すぎですよ」
「えー」
そうなの? でも、ほら、色々ポイントついたし、特別オプションついたし、この騒動に巻き込んだし。
押し問答を繰り返す。
リーダーさん達引かない、安いを繰り返す。でもこれ以上はもらえない。ええぃっ。
「これ以上は受け取れませんっ。あんまり言うと、アレスのエリアボスでも気絶するような訓練に付き合ってもらいますっ」
「「「「10万で」」」」
効いた。
支払い問題解決。それぞれのリーダーさんから10万頂く。直ぐに寄付用の小銭入れに入れる。よし。
「なあ、姉ちゃん」
花を抱っこした晃太が小銭入れをお地蔵さんの前に置いている所に来た。
「ん?」
「なあ、ヤマタノオロチの目視方法はどうするん?」
「ああ、それね。ちゃんと考えとるよ」
ふふん、考えましたよ。
「オシリスの身体に縛り付けてもらって、上から見る」
どやっ。だってイシスは近付けないなら、飛べるオシリスに頼るしかなくない。で、ルームの窓越しに父に鑑定してもらう。
「バカやない? 無理やない」
「むっ」
「あの山、富士山より高いんよ。オシリスが一気に上昇したら、Gとかで、姉ちゃん意識飛ぶばい」
「あ、やっぱり」
そうやろうなって思っていたけど。
「でもなあ、それしかなくない? あの山、下から行けんとばい」
「そうやろうけどさ…………」
「ユイさん、何を言っているんですか? 俺がいるんですよ、そんな恐ろしいこと、させられませんよ。俺が抱えていきますから」
と、ホークさんまで。
「やけど、流石のホークさんでもオシリスに乗るのは無理やないですか?」
そもそも、オシリスが人を乗せるとは限らないし。
「それでも、ユイさんを縛り付けるよりは安全です」
「デスヨネ~」
やっぱり。
そんな会話に入って来たのは、フェリクスさんだ。
「失礼。彼の口振りからして、グリフォンに乗るようですが、オススメしませんよ」
「デスヨネ~」
「いや、俺なら乗れるはずです」
と、ホークさんが言い返す。
「君の騎乗能力の高さは昨日よく分かりましたが、その騎乗訓練が成されていないグリフォンに乗るのは自殺行為ですよ。地上と空中では訳が違う」
言われて、確かにそうやなって思う。ノワールは元々馬車を牽く魔法馬として、人と接して、身体に馬具を着ける毎日を送っていた。だけど、オシリスは違う。私達と出会うまで、人と接したことすらない。フェリクスさんは心配してくれているんやな。
「それでも『俺なら』乗れるはずです」
珍しいな、ホークさんがここまで言うなんて。
フェリクスさんは目を細める。
「そこまで言うなら何かしらの秘策でも? 君自身分かっていると思いますが、彼女に何かあればどうなるか自覚は?」
「あります。しかし、ユイさんをオシリスに縛り付けるより確実に飛べる」
「その根拠は?」
穏やかなイメージのあるフェリクスさんが、今までにないほど鋭い。う、怖か、これがSランクなのかな。
ホークさんは息を吸う。後ろで、チュアンさんとマデリーンさんが心配そうに見ている。
「俺には称号があります」
称号。私は行き遅れ。これは後発の称号だ。真面目に生きていたら、称号が覚醒する。例えば、ずっと剣士一筋なら、称号に剣士が覚醒すると、剣を使用した戦闘では自然ブーストがかかる。稀に、生まれつきある。有名なのは『聖女』や『神子』とかね。だけど、これはちゃんと訓練してないと、そのうち自然消滅するんだって。ほとんどが称号に気がつかずに人生を終える。
フェリクスさんが目を細める。う、怖か。騒ぎが聞こえたのか、荷物を運んでいた面々が、こちらを見ている。
それでも、ホークさんは怯まない。Sランク冒険者を前に、怯まなくてもいい称号なんやろうか? ホークさんが称号持ってるって知らなかった。なんや、寂しい。
「俺には称号があります、『天馬騎士(ペガサスナイト)』の称号が」
ファンタジーなの来た。
その前に、テオ君が行ったみたいで、ドアから伺うと眠っていた。父が遠目から鑑定。まだ、38度あるみたい。寝てるから触らんどこう。水分はまだあるね。そうや、エマちゃんが好きなメーカーのオレンジジュース買ってこよう。
後、必要なのは、コテージに持ち込む飲み物かな。
『ねえね~、ひすい、お腹減った~』
メインルームに行くと、ヒスイがごろにゃんと来る。はいはい、かわいかね。かいかい。
さ、お昼ごはんやね。
異世界のメニューにしよ。町の洋食みつよしやね。
「わい、ネギゴマラーメン」
「合わせんね」
『私は油淋鶏なのです~』
『私はエビ~』
「合わせんね」
『ピザヲ所望スル』
「合わせんね」
ビアンカとルージュもすりすり来る、あたたた。
手分けして準備して、やっとうちらや。また、床に直に座って食べないといけないが、そうや、やじろ家具で手にいれよう。後でお買い物やな。
さあ、メニューどうしようかな……………よし、めんどくさい。
「はい、並んでくださーい」
と、整列の人みたいな感じで手を上げる。
おずおずと並ぶパーティー。どうやらランク順みたい、ラスチャーニエ、蒼の麓、金の虎、山風の順番や。
今日のランチメニューは、と。本来は5つあるけど、3つのみ、仕方ないレベルが足りんのよ。
本日の魚のムニエル、ステーキ、オムライスの3つだ。
「どうされます?」
「いいんですか?」
ケルンさんが伺うような視線だけど。
「はい。さ、選んでください、後ろで待ってますから」
「ありがとうございます」
ケルンさんとエドワルドさんは魚のムニエル、ヒェリさんとツヴァイクさんはステーキ。
「はい、次、どうぞ~」
蒼の麓だね。
「ミズサワ殿、何から何までありがとうございます」
「いえいえ、こちらも巻き込んだ感じですから。さ、何がいいですか?」
フェリクスさんとアンドレアスさんとヘルト君はステーキ、ドーラさんは魚のムニエル、エリアンさんとドロテアちゃんはオムライスにしている。
「ユイちゃんっ」
「はいはい~」
がっちりとファングさんとガリストさんに肩を掴まれたアルスさん。
「何がいいですか~」
「全部っ、ふごっ」
ガリストさんが塞いでいる。はいはい、痩せの大食いやもんね。あははと笑うファングさんはステーキ、リィマさんもだ。ガリストさんはオムライス。フリンダさんはまだ寝ている。アルスさんは全種類ね。パァァッ、と顔が輝く。かわいか。
はい、次。
「ユイさん。ありがとうございます」
山風の皆さん、ペコリ。
「さ、何がいいですか?」
ロッシュさんとシュタインさんはステーキ。ラーヴさんとマアデン君はオムライス。痩せの大食いハジェル君は全種類。ロッシュさんがげんこつ。
「まあまあ、いいやないですか。ここの料理は私の伯父のレストランメニューなんです。だから沢山食べてくれると、私も嬉しいんですよ」
「ユイさ~ん」
ハジェル君が嬉しそう。はいはい、どうぞ。
私はオムライス、晃太はステーキ、両親は魚のムニエル。ホークさんとミゲル君はステーキ、マデリーンさんは魚のムニエル、チュアンさんとテオ君はオムライスね。オニオングラタンスープも全員付けて、と。
「じゃあ、頂きます」
「「「「「頂きます」」」」」
従魔の部屋から視線が飛ぶが、無視。
ぱくり、うん、安定の美味しさ。
「「「「「あっついーッ」」」」」
オニオングラタンスープを真っ先に食べた面々が悲鳴をあげてる。うん、賑やか。
「この魚、臭みがなくていくらでも入りますね」
エドワルドさんが驚いた顔だ。私はどやっ。
「肉が柔らかい、何よりソースが薫り高いですね」
フェリクスさんがステーキ一口食べて高評価。私はどやっ。
「うんっ、この卵とライスがなんて旨いんだっ」
ガリストさんがオムライスをスプーンが止まらない。私はどやっ。
「皆さん、おかわりしてくださいね~」
「「「「「はーい」」」」」
で、食べた食べた。
「あの坊主どもの腹はどうなっておるのだ?」
種族的に大食漢ドワーフのツヴァイクさんが、アルスさんとハジェル君の前に積み重なった皿をみて、ドン引きしていた。
食後、まったりする。
お買い物リストを母が書いている。
そこに、各リーダーさんがやってきた。なんだか、神妙な顔だけど。
「どうしました?」
「あの、ミズサワ殿」
ケルンさんが代表するように言ってくる。
「我々は貴女にいくら支払えば宜しいですか?」
「え? 支払い?」
なんのこと?
「あ、ポーション代」
「あれは別ですよ」
と返すフェリクスさん。
「テイマーさん、あれだけのコテージの使用料とかですよ」
ファングさんが説明。
「それから食事ですよ。あれだけ頂いたのに。うちのハジェルなんて何人前食べたか」
ロッシュさんが追加説明。
「それに、カルーラに帰るまで、このルームを使わせて貰うのなら、相応の支払いをしなければ」
と、ケルンさん。うん、クッキーをリスみたいに頬張っていたのに、今はリーダーさんや。
あー、そうやなあ。
リストを書いていた母があまり受けとらんと、と言う。そうやなあ、ヤマタノオロチ騒動に巻き込んだ形だし。でも、建前上受け取らんと、皆さんの精神衛生上よくないかな。うーん、うーん、うーん。
よし、受け取るけど、全部寄付に回そう。
「10万で」
各パーティーね。数日分のコテージ使用料とご飯代でこんなもんかな。コテージだって、これだけの人数がルームに入ったから、特別オプションとして付いたからね。他のオプションやボーナスポイントもね。
「はい、分かりました。では、我がラスチャーニエから40万ですね」
「ミズサワ殿、申し訳ないのですが手元に60万ないので、カルーラに帰ってからで宜しいですか?」
「テイマーさん。すまない、俺もだ」
「ユイさん、俺もなんですが」
ん? ん? ん?
「ちょっと、ちょっと、皆さん何ば言いようんですか? 各パーティー10万ですよ」
「「「「はぁっ?」」」」
異口同音。
「安くないですか?」
「そうですよミズサワ殿、安すぎですよ」
「テイマーさん、フリンダに部屋を貸してもらって、うちのアルスがあれだけ食ってるんですよ」
「そうですよユイさん、安すぎですよ」
「えー」
そうなの? でも、ほら、色々ポイントついたし、特別オプションついたし、この騒動に巻き込んだし。
押し問答を繰り返す。
リーダーさん達引かない、安いを繰り返す。でもこれ以上はもらえない。ええぃっ。
「これ以上は受け取れませんっ。あんまり言うと、アレスのエリアボスでも気絶するような訓練に付き合ってもらいますっ」
「「「「10万で」」」」
効いた。
支払い問題解決。それぞれのリーダーさんから10万頂く。直ぐに寄付用の小銭入れに入れる。よし。
「なあ、姉ちゃん」
花を抱っこした晃太が小銭入れをお地蔵さんの前に置いている所に来た。
「ん?」
「なあ、ヤマタノオロチの目視方法はどうするん?」
「ああ、それね。ちゃんと考えとるよ」
ふふん、考えましたよ。
「オシリスの身体に縛り付けてもらって、上から見る」
どやっ。だってイシスは近付けないなら、飛べるオシリスに頼るしかなくない。で、ルームの窓越しに父に鑑定してもらう。
「バカやない? 無理やない」
「むっ」
「あの山、富士山より高いんよ。オシリスが一気に上昇したら、Gとかで、姉ちゃん意識飛ぶばい」
「あ、やっぱり」
そうやろうなって思っていたけど。
「でもなあ、それしかなくない? あの山、下から行けんとばい」
「そうやろうけどさ…………」
「ユイさん、何を言っているんですか? 俺がいるんですよ、そんな恐ろしいこと、させられませんよ。俺が抱えていきますから」
と、ホークさんまで。
「やけど、流石のホークさんでもオシリスに乗るのは無理やないですか?」
そもそも、オシリスが人を乗せるとは限らないし。
「それでも、ユイさんを縛り付けるよりは安全です」
「デスヨネ~」
やっぱり。
そんな会話に入って来たのは、フェリクスさんだ。
「失礼。彼の口振りからして、グリフォンに乗るようですが、オススメしませんよ」
「デスヨネ~」
「いや、俺なら乗れるはずです」
と、ホークさんが言い返す。
「君の騎乗能力の高さは昨日よく分かりましたが、その騎乗訓練が成されていないグリフォンに乗るのは自殺行為ですよ。地上と空中では訳が違う」
言われて、確かにそうやなって思う。ノワールは元々馬車を牽く魔法馬として、人と接して、身体に馬具を着ける毎日を送っていた。だけど、オシリスは違う。私達と出会うまで、人と接したことすらない。フェリクスさんは心配してくれているんやな。
「それでも『俺なら』乗れるはずです」
珍しいな、ホークさんがここまで言うなんて。
フェリクスさんは目を細める。
「そこまで言うなら何かしらの秘策でも? 君自身分かっていると思いますが、彼女に何かあればどうなるか自覚は?」
「あります。しかし、ユイさんをオシリスに縛り付けるより確実に飛べる」
「その根拠は?」
穏やかなイメージのあるフェリクスさんが、今までにないほど鋭い。う、怖か、これがSランクなのかな。
ホークさんは息を吸う。後ろで、チュアンさんとマデリーンさんが心配そうに見ている。
「俺には称号があります」
称号。私は行き遅れ。これは後発の称号だ。真面目に生きていたら、称号が覚醒する。例えば、ずっと剣士一筋なら、称号に剣士が覚醒すると、剣を使用した戦闘では自然ブーストがかかる。稀に、生まれつきある。有名なのは『聖女』や『神子』とかね。だけど、これはちゃんと訓練してないと、そのうち自然消滅するんだって。ほとんどが称号に気がつかずに人生を終える。
フェリクスさんが目を細める。う、怖か。騒ぎが聞こえたのか、荷物を運んでいた面々が、こちらを見ている。
それでも、ホークさんは怯まない。Sランク冒険者を前に、怯まなくてもいい称号なんやろうか? ホークさんが称号持ってるって知らなかった。なんや、寂しい。
「俺には称号があります、『天馬騎士(ペガサスナイト)』の称号が」
ファンタジーなの来た。
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