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変わらないもの④
パーティーハウスに戻ったけど、疲れはててしまい。私はルームを開けて、早々と休んだ。『神への祈り』を使ってから、魔力がごっそりなくなり、実は結構ヘロヘロになっていた。ただ、あの狼の獣人少年が心配で、気が張っていたんやろうね。パーティーハウスに帰ったら、いきなりどっと来た。
自室のベッドに倒れ込むと、昏倒したように眠ってしまった。
それで次の日。午後からオシリスの鞍を取りにペッリル工房に行く予定だから、午前中はギルドに向かう。昨日の件もあるけど、もともと話の途中だったしね。きっとそれどころじゃないだろうけど。あの子供達が気になってしょうがないから。ギルドが保護してくれるから心配ないだろうけどね。
「ユイさん、体調は?」
部屋を出ると、ホークさんが既に待機していてくれていた。
「大丈夫です、しっかり休みましたから」
「そうですか、良かったです」
ほっとした顔で、しっかり装備しているホークさん。あれ、まさか。
「ホークさん、昨日から休んでますか? 昨日のまんまやないですか?」
「チュアンとミゲルで、交代して休みましたよ。徹夜はしないようにと、コウタさんにも、そう言われましたから」
「そうですか」
ほっ。
『ユイ、魔力が戻ったのですね』
『調子はどう?』
ビアンカとルージュが、廊下から顔を出す。
「大丈夫よ、ありがとう」
そのビアンカとルージュの後ろで、花がわんわん吠えている。
『どくのですか?』
『はいはい』
ビアンカとルージュが身体をずらすと、花がぽちゃぽちゃボディでやってきた。あはははん、かわいか、毎朝これだけど、たまらん。
? え? 花ちゃん、あんた、ビアンカとルージュに道を譲らせたんね? 魔の森の守護者のフォレストガーディアンウルフと、通った後は血の道だと言われるクリムゾンジャガーに?
「くうーん、くうーん」
ぽちゃぽちゃのお腹を出す花。
かわいか、もう、よか。ぽちゃぽちゃ。
それからいつものルーティーン。お地蔵さんに、本日は長めにお祈り。本日はもへじ生活の個包装のお菓子をきもち多めと、リンゴと梨とみかん、野菜ジュースとストレートティーを上げる。
雨の女神様、昨日はありがとうございます。
チュアンさんが一緒に熱心に祈ってくれた。
お言葉はなかったけど、お供えがなくなっていたから届いたと思おう。
母が私を心配したのか、朝ごはんは私の好きなメニューだった。卵とじゃがいもの味噌汁、セレクトショップダリアの御贈答用のシャケ、だし巻卵、レタスとトマト、きゅうり、ハム、じゃこのサラダ。昨日夕御飯食べてなかったから、お腹ペコペコ。頂きます。
あの子供達はご飯受け付けたかな?
ふう、満腹。
片付けは母がやってくれると。エマちゃん、テオ君が残って手伝ってくれる。イシスとオシリス、アリスはおねむのシルフィ達と残ることに。うーん、シルフィ達のお尻がかわいか、ぷりぷりや。
準備して、いざ、ギルドに。
御用聞きの冒険者さんには、時間がかかるからと、お帰り頂いた。
ギルド内は通常運転のようだけど、それは表だけ。
中に通されると、バタバタしていた。そうだよね、ギルドにはたくさんの一般の人も来るから、受け付けの窓口がばたついていたら、不安になるわな。
全員は流石に応接室に行けないから、私と晃太、ホークさんとチュアンさん、ビアンカとルリとクリスで向かう。
忙しい時に来て申し訳ないなあ。でも昨日途中だったし、子供達も心配だし。あ、騎士団への差し入れ、それどころじゃないけど、数日後になんとなく話を切りだそう。パーヴェルさんの強制執行の言葉が大いに助かったからね。
しばらく待たされるが、仕方ない。若い男性職員さんが慣れない手つきでお茶を出してくれた。
『ねぇね、るり、おかし食べたい~』
『くりちゅ、じゅーしゅー』
『私は油淋鶏~』
ルリとクリスはかわいか、だけど、ビアンカさんやあんた、油淋鶏って、おやつなメニューじゃなかよ。
「はいはい、今はちょっと待ってね。帰ってからね」
ここではちょっとダメかな。
『にぃに~』
『にーに~』
『油淋鶏~』
次は晃太にロックオン。晃太は口を尖らせている。
コンコン。
『ミズサワ様、お待たせしました。ラソノでございます』
「あ、はい」
ドアからラソノさんが出てきた。あ、いつものラソノさんだけど、やっぱり顔色が少し悪か気がする。
「ラソノさん、昨日はありがとうございます」
「いいえ、お礼を言うのはこちらですよ。未然に人身売買が防げました」
ふう、と息をつくラソノさん。なんや重くない?
「あのラソノさん、私的には子供達が救えたのは良かったんですが、その、アスラ王国とユリアレーナ王国の関係って悪くなったりしませんかね?」
それが気がかりだった。なにより心配なのは、ジークフリード殿下の正室となるご令嬢の為の花嫁衣装だ。
「その事ですね。多少のごたつきがあるでしょうが、大きなトラブルにはならないでしょう。あの子供達を拘束していたのはあの商会独断ですからね」
昨日自白させましたと、ラソノさんが説明してくれる。
あのズルイ商会、じゃない、ズロー商会はアスラ王国王室御用達として長い歴史のある布問屋。ミッシェル王太后様も王女時代に、そのズロー商会からの布でドレスを仕立てたことがある。今回はやはり、国家間の友好目的もある依頼だった。それに、その正室のご令嬢は、ユリアレーナ王国の侯爵のお姫様だけど、そのお母さんがアスラ王国の由緒正しき侯爵家のお姫様でもあるため、更なる友好を、という思惑もあったと思う。だけど、その布、きっと色んな思惑があったとしても、たくさんの人達の思いが詰まっていたはず。ミッシェル王太后様、仲介した現アスラ王国子夫妻、関わった職人さん達の思いが。
「結婚式でお召しになる花嫁衣装はユリアレーナ王室が既に準備しており、今回のズロー商会が用意したのはその後の披露宴での衣装に使用される予定でした」
「そうなんですか…………その、運ばれていた布は、使われるんですか、衣装に?」
「まさか、使えませんよ」
あ、やっぱり。
「けちが付きましたからね」
やっぱり。
なんや、ちょっと罪悪感が。うーん、どうしたものか。そうや、冷蔵庫ダンジョンから出た、あの布。フェリアレーナ様の花嫁衣装になったあの布。また、出ないかな? 今から帰れないけど、なんとかどうにかして。
「ミズサワ様?」
考え込んだ私に、ラソノさんが不思議そうに聞いてくる。
「あ、すみません。その申し訳ないって思って。ミッシェル王太后様や、色んな人達に」
きっと、ジークフリード王太子殿下の正室となるご令嬢。確か、レティシアって名前だったはず。レティシア嬢だって、楽しみにしていたはず。
「ミズサワ様がそのように思われなくても大丈夫ですよ。何せ違法奴隷を救い、王家に届く前に防げたのですから」
ラソノさん曰く、もし無事に荷がついて、その布のお色直しのドレスが作られて、着用されたら、そっちの方が問題なんだって。一国の国母になる方の結婚式のドレスに、けちのついた布を使ったとなると。お色直しのドレスは、王家がどうにでもするでしょうし、今の王家ならできるでしょう、とラソノさんが締めた。
ラソノさんがそう言うが、私の中ではしこりが残る。あの時は、拘束された子供達が最優先だったから。やっぱりあんまりよくない感じになったなあ。
「それと例のズロー商会ですが」
「あ、はい。どうなります?」
メタボな男性、その他。
「条約がありますので、全員送還されますが、ズロー商会は看板を下ろさなくてはならないでしょう。今回の件に関わった連中は、向こうで厳しい対応をされます。何せ、現在のアスラ王国国王夫妻が関わっていたので」
「えーっと、具体的には?」
聞くのは怖いけど。
「とりあえず、商会の者の聴取。中には掃除婦や、見習いや関与してない者もいましょう。それを調べてからですが」
す、とラソノさんの顔から、感情が一瞬消える。
「生きていくのが辛いと思えるような処罰になるはずです」
「ア、ソウデスカ」
厳しい対応されるだろうと思っていたけど、そうなんだ。
「その被害にあった子供達に近づくことは?」
「有り得ませんね。まともに日の光を浴びることもないでしょう」
「そうですか」
子供達に近づくんやないかと心配やったけど、少し安心。日の光を浴びることもないでしょうって、言葉が不安やけど。
「子供達は?」
メタボ男性達は、お任せ、薄情かも知れないが、同情できないもん。関係のない商会の人達は可哀想だけど、聴取されて解放されると思おう。
「現在、治療院で対応しています。やはり数人は怖がっていますが、キズの具合を見てしばらくは修道院で保護して、ケアを継続していきます」
「ああ、シスター・アモルの。なら、安心ですね」
チュアンさんを大事に育ててくれた修道院だ。心配ない。よし、寄付しよう。寒いから毛布とか、防寒具とか、肌着や靴や。あ、色々要るやん。よし、お買い物や。
「子供達は修道院で経過を見ながら、社会復帰出きるか見定めるはず。時間はかかるでしょうし、無理な子供もいるでしょうが、放り出すことはしませんからね。やる気があれば、ギルドから見習いで受けてくれる場所を探しますので」
「ありがとうございます」
その言葉で、私は心底ほっとした。
表情が消えていたラソノさんが、ふわっ、と微笑む。
「ミズサワ様はお優しいですね。見ず知らずの子供達の行く末をこんなに案じて」
「そんな、昨日あれを見てたら、誰だって心配しますよ」
現場を見ていない母ですら、あん子供達はどうなるん? と聞いてきたくらいだし。
だけど、ラソノさんは微笑んだままだった。
自室のベッドに倒れ込むと、昏倒したように眠ってしまった。
それで次の日。午後からオシリスの鞍を取りにペッリル工房に行く予定だから、午前中はギルドに向かう。昨日の件もあるけど、もともと話の途中だったしね。きっとそれどころじゃないだろうけど。あの子供達が気になってしょうがないから。ギルドが保護してくれるから心配ないだろうけどね。
「ユイさん、体調は?」
部屋を出ると、ホークさんが既に待機していてくれていた。
「大丈夫です、しっかり休みましたから」
「そうですか、良かったです」
ほっとした顔で、しっかり装備しているホークさん。あれ、まさか。
「ホークさん、昨日から休んでますか? 昨日のまんまやないですか?」
「チュアンとミゲルで、交代して休みましたよ。徹夜はしないようにと、コウタさんにも、そう言われましたから」
「そうですか」
ほっ。
『ユイ、魔力が戻ったのですね』
『調子はどう?』
ビアンカとルージュが、廊下から顔を出す。
「大丈夫よ、ありがとう」
そのビアンカとルージュの後ろで、花がわんわん吠えている。
『どくのですか?』
『はいはい』
ビアンカとルージュが身体をずらすと、花がぽちゃぽちゃボディでやってきた。あはははん、かわいか、毎朝これだけど、たまらん。
? え? 花ちゃん、あんた、ビアンカとルージュに道を譲らせたんね? 魔の森の守護者のフォレストガーディアンウルフと、通った後は血の道だと言われるクリムゾンジャガーに?
「くうーん、くうーん」
ぽちゃぽちゃのお腹を出す花。
かわいか、もう、よか。ぽちゃぽちゃ。
それからいつものルーティーン。お地蔵さんに、本日は長めにお祈り。本日はもへじ生活の個包装のお菓子をきもち多めと、リンゴと梨とみかん、野菜ジュースとストレートティーを上げる。
雨の女神様、昨日はありがとうございます。
チュアンさんが一緒に熱心に祈ってくれた。
お言葉はなかったけど、お供えがなくなっていたから届いたと思おう。
母が私を心配したのか、朝ごはんは私の好きなメニューだった。卵とじゃがいもの味噌汁、セレクトショップダリアの御贈答用のシャケ、だし巻卵、レタスとトマト、きゅうり、ハム、じゃこのサラダ。昨日夕御飯食べてなかったから、お腹ペコペコ。頂きます。
あの子供達はご飯受け付けたかな?
ふう、満腹。
片付けは母がやってくれると。エマちゃん、テオ君が残って手伝ってくれる。イシスとオシリス、アリスはおねむのシルフィ達と残ることに。うーん、シルフィ達のお尻がかわいか、ぷりぷりや。
準備して、いざ、ギルドに。
御用聞きの冒険者さんには、時間がかかるからと、お帰り頂いた。
ギルド内は通常運転のようだけど、それは表だけ。
中に通されると、バタバタしていた。そうだよね、ギルドにはたくさんの一般の人も来るから、受け付けの窓口がばたついていたら、不安になるわな。
全員は流石に応接室に行けないから、私と晃太、ホークさんとチュアンさん、ビアンカとルリとクリスで向かう。
忙しい時に来て申し訳ないなあ。でも昨日途中だったし、子供達も心配だし。あ、騎士団への差し入れ、それどころじゃないけど、数日後になんとなく話を切りだそう。パーヴェルさんの強制執行の言葉が大いに助かったからね。
しばらく待たされるが、仕方ない。若い男性職員さんが慣れない手つきでお茶を出してくれた。
『ねぇね、るり、おかし食べたい~』
『くりちゅ、じゅーしゅー』
『私は油淋鶏~』
ルリとクリスはかわいか、だけど、ビアンカさんやあんた、油淋鶏って、おやつなメニューじゃなかよ。
「はいはい、今はちょっと待ってね。帰ってからね」
ここではちょっとダメかな。
『にぃに~』
『にーに~』
『油淋鶏~』
次は晃太にロックオン。晃太は口を尖らせている。
コンコン。
『ミズサワ様、お待たせしました。ラソノでございます』
「あ、はい」
ドアからラソノさんが出てきた。あ、いつものラソノさんだけど、やっぱり顔色が少し悪か気がする。
「ラソノさん、昨日はありがとうございます」
「いいえ、お礼を言うのはこちらですよ。未然に人身売買が防げました」
ふう、と息をつくラソノさん。なんや重くない?
「あのラソノさん、私的には子供達が救えたのは良かったんですが、その、アスラ王国とユリアレーナ王国の関係って悪くなったりしませんかね?」
それが気がかりだった。なにより心配なのは、ジークフリード殿下の正室となるご令嬢の為の花嫁衣装だ。
「その事ですね。多少のごたつきがあるでしょうが、大きなトラブルにはならないでしょう。あの子供達を拘束していたのはあの商会独断ですからね」
昨日自白させましたと、ラソノさんが説明してくれる。
あのズルイ商会、じゃない、ズロー商会はアスラ王国王室御用達として長い歴史のある布問屋。ミッシェル王太后様も王女時代に、そのズロー商会からの布でドレスを仕立てたことがある。今回はやはり、国家間の友好目的もある依頼だった。それに、その正室のご令嬢は、ユリアレーナ王国の侯爵のお姫様だけど、そのお母さんがアスラ王国の由緒正しき侯爵家のお姫様でもあるため、更なる友好を、という思惑もあったと思う。だけど、その布、きっと色んな思惑があったとしても、たくさんの人達の思いが詰まっていたはず。ミッシェル王太后様、仲介した現アスラ王国子夫妻、関わった職人さん達の思いが。
「結婚式でお召しになる花嫁衣装はユリアレーナ王室が既に準備しており、今回のズロー商会が用意したのはその後の披露宴での衣装に使用される予定でした」
「そうなんですか…………その、運ばれていた布は、使われるんですか、衣装に?」
「まさか、使えませんよ」
あ、やっぱり。
「けちが付きましたからね」
やっぱり。
なんや、ちょっと罪悪感が。うーん、どうしたものか。そうや、冷蔵庫ダンジョンから出た、あの布。フェリアレーナ様の花嫁衣装になったあの布。また、出ないかな? 今から帰れないけど、なんとかどうにかして。
「ミズサワ様?」
考え込んだ私に、ラソノさんが不思議そうに聞いてくる。
「あ、すみません。その申し訳ないって思って。ミッシェル王太后様や、色んな人達に」
きっと、ジークフリード王太子殿下の正室となるご令嬢。確か、レティシアって名前だったはず。レティシア嬢だって、楽しみにしていたはず。
「ミズサワ様がそのように思われなくても大丈夫ですよ。何せ違法奴隷を救い、王家に届く前に防げたのですから」
ラソノさん曰く、もし無事に荷がついて、その布のお色直しのドレスが作られて、着用されたら、そっちの方が問題なんだって。一国の国母になる方の結婚式のドレスに、けちのついた布を使ったとなると。お色直しのドレスは、王家がどうにでもするでしょうし、今の王家ならできるでしょう、とラソノさんが締めた。
ラソノさんがそう言うが、私の中ではしこりが残る。あの時は、拘束された子供達が最優先だったから。やっぱりあんまりよくない感じになったなあ。
「それと例のズロー商会ですが」
「あ、はい。どうなります?」
メタボな男性、その他。
「条約がありますので、全員送還されますが、ズロー商会は看板を下ろさなくてはならないでしょう。今回の件に関わった連中は、向こうで厳しい対応をされます。何せ、現在のアスラ王国国王夫妻が関わっていたので」
「えーっと、具体的には?」
聞くのは怖いけど。
「とりあえず、商会の者の聴取。中には掃除婦や、見習いや関与してない者もいましょう。それを調べてからですが」
す、とラソノさんの顔から、感情が一瞬消える。
「生きていくのが辛いと思えるような処罰になるはずです」
「ア、ソウデスカ」
厳しい対応されるだろうと思っていたけど、そうなんだ。
「その被害にあった子供達に近づくことは?」
「有り得ませんね。まともに日の光を浴びることもないでしょう」
「そうですか」
子供達に近づくんやないかと心配やったけど、少し安心。日の光を浴びることもないでしょうって、言葉が不安やけど。
「子供達は?」
メタボ男性達は、お任せ、薄情かも知れないが、同情できないもん。関係のない商会の人達は可哀想だけど、聴取されて解放されると思おう。
「現在、治療院で対応しています。やはり数人は怖がっていますが、キズの具合を見てしばらくは修道院で保護して、ケアを継続していきます」
「ああ、シスター・アモルの。なら、安心ですね」
チュアンさんを大事に育ててくれた修道院だ。心配ない。よし、寄付しよう。寒いから毛布とか、防寒具とか、肌着や靴や。あ、色々要るやん。よし、お買い物や。
「子供達は修道院で経過を見ながら、社会復帰出きるか見定めるはず。時間はかかるでしょうし、無理な子供もいるでしょうが、放り出すことはしませんからね。やる気があれば、ギルドから見習いで受けてくれる場所を探しますので」
「ありがとうございます」
その言葉で、私は心底ほっとした。
表情が消えていたラソノさんが、ふわっ、と微笑む。
「ミズサワ様はお優しいですね。見ず知らずの子供達の行く末をこんなに案じて」
「そんな、昨日あれを見てたら、誰だって心配しますよ」
現場を見ていない母ですら、あん子供達はどうなるん? と聞いてきたくらいだし。
だけど、ラソノさんは微笑んだままだった。
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