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変わらないもの⑪
次の日。
ノワールに騎乗して、私は具材に徹する。
今回のゴブリン、Gの巣はかなり奥地にある。ビアンカやルージュ、アレス、アリス達にがっちり守られて、ノワールは順調に進む。
『ユイ、この先の地面に亀裂があるのです』
『ノワールなら問題なく跳べるわ』
わあ、怖かっ。
「ホークさん、先に亀裂がありますっ」
「はいっ」
「ノワールなら問題ありませんっ」
「はいっ。ユイさん、喋らないようにっ」
「はいっ」
私は口にチャック。
『続くのだっ』
アレスが先頭を走り、加速していく。ひーっ、ノワールとそして並走している仔達も加速している。だ、大丈夫よねっ。
そして、僅かに森の切れ目が見えた瞬間、ノワールが飛ぶ。
亀裂は約2メートル。ノワールは軽く跳躍。幅的には、そうはなくても、深いっ。軽い衝撃が走る。ノワールは無事に着地。ふうっ、怖かっ。心配だった仔達も問題なく飛び越えて来た。
こんな亀裂を越えた先にあるGの巣って、どんな規模何だろう。しかも警戒する兵がいるなんて。
『今日はこの辺りで止めるのです』
昼過ぎになり、ビアンカがストップをかける。
『もっと走りたいのだっ』
『止めなさい。見つかると、厄介よ』
ルージュがまだまだ走りたいアレスを止める。
私はホークさんに抱えられて、ノワールから降りる。ふうっ、何にもしてないけど、疲れた。オシリスとホルスも上空から降りてくる。
「アレス。ルームで我慢して」
『ぶーっ』
私はゴーグルを外して、ルームを開ける。
「ほら、入って」
私はルームに入ると、花がぽちゃぽちゃボディでお出迎えしてくれる。そしてシルフィ達もだ。あははん、かわいか。
従魔の足拭きをタップして、と。
『走り足りないのだっ』
アレスはそのまま中庭に走り出す。仔達も続く。アリスはシルフィ達にお乳を上げている。ホークさんはノワールを厩舎に誘導して、そのまま鞍やレッサードラゴンの装備品をはずしていく。
ビアンカとルージュは水分補給してから、ゴロリ。
「姉ちゃん、どうな?」
「問題はなかよ」
私はぽちゃぽちゃボディを撫で回す。晃太がお茶を持ってきてくれて水分補給して、と。
「実はさっきな、姉ちゃんにお客さん来たんやけど、お袋が断ったよ」
「誰? あ、パーヴェルさん?」
レディ・ロストークの事かな。
「違う。ほら、あの荷物の護衛していた冒険者のリーダー」
「ああ、あの」
無事に釈放されたのかな。
「姉ちゃんにお礼ば言いたかったみたいで、改めて来るって」
「そうな」
あの護衛した冒険者パーティー、気になっていたしね。だって、鷹の目の皆さんみたいに、被害者のように思えたからね。
あの子供達はどうなったんやろう? カルーラに帰ったら聞かんといかんなあ。特にケガが酷かった男の子は、どうなったかなあ? トラウマとかになっていなければ、いいけど。
シスター・アモルとの面会を済ませたチュアンさんも帰って来ていたので、話を聞く。いつ子供達が修道院に移動するかは、教えてもらえなかったが、必要なものは聞いてくれていた。
やはり日用品や薪等だ。後は食費ね。一気に14人も増えるからね。
私には、お金がある。どやっ。ビアンカやルージュ達のお陰なんやけどね。
「チュアンさん、もへじ生活に行くのでお願いできます?」
「お供します」
さ、お買い物だ。
端的に言うと、Gの巣はあっという間に壊滅した。
警戒のGは、走り抜けながら、ビアンカとルージュが鼻息を放って始末していき、巣に到着。
確かにかなり大規模の巣で、今までで最高に大きな巣だった。だったけど、うちの従魔ズにかかれば、あっという間だ。Gは臭いから嫌な顔をするビアンカとルージュに代わり、嬉々として突っ込んだのは、厄災クラスのアレスだ。撃ち漏らしたらいけないから、オシリスとホルス、ルージュが周囲を警戒してくれる。
アレスは奥方面で暴走戦車のように、走り回る。
ビアンカとノワールは中間地点。私達は後方だ。
既に全員の武装は完備、準備運動、晃太の支援もばっちり。チュアンさんとマデリーンさんも、サブ・ドアからこちらに来てくれた。
私はフライパンを握り締める。
少し離れた場所で開けたルームにはシルフィ達を残してきた。今日は両親がいるしね。
『では、行くぞーっ』
と、アレスが弾丸の様に飛び出していく。そして、白い毛並みが美しく輝く。
『戦闘モード 魔狼の牙(ナダジオン)』
あの口上がない、我は、みたいなやつ。
『アレスのレベルなら、すっ飛ばしてもしっかり発動するのです』
ビアンカが納得出来ないって顔で、生き生きとしたノワールと共に続く。
『元気、勝手な事をしないのですよっ』
「わんっ」
大丈夫よね? へっへっと言って尻尾ぷりぷり振る元気。
私達にはアリスも付いてくれる。
奥方面、色んなGが跳んどるー。
「さて、行きますかね」
さすがSランク冒険者のケルンさんが、落ち着いて弓を構えている。ヒェリさんは両手に小型の斧、ツヴァイクさんは盾と大型の斧、エドワルドさんはロングソード。不謹慎かも知れないが、近隣諸国でも最強クラスの冒険者パーティーの戦闘って気になる。晃太の支援は断っていた。私や見習い達に使ってって、格好いい。
ルージュがたくさん光のリンゴを出してくれているから、ある程度は大丈夫かな。
金の虎、山風の皆さんも準備万端。私は鷹の目の皆さんの金魚のふんね。
アレス、ビアンカ、ノワールの突然の突進に、汚い悲鳴を上げて逃げ惑うG。
こちらも初撃は遠近攻撃だ。
初めてSランク冒険者の戦闘を間近に見たけど、まさに圧巻だった。
ケルンさんは矢を3本つがえて放つと、矢はまるで意志があるように軌道をずらして、森に逃げ込もうとするGを次々に射ぬく。しかも貫通して、後ろのGまで巻き込んでいる。どんだけの威力やねん。ヒェリさんは炎の矢を連発、そしてエドワルドさんは、不可視の矢だから、風の矢だね。ツヴァイクさんはなにやらしっかり集中している。
でもって接近戦が凄かった。
ケルンさんは剣を片手にスパスパとGを斬り、突き刺さっていた矢を回収したかと思うと、剣をGに突き立て蹴り倒し弓を引く、次の瞬間には剣を回収しスパスパ。魔法も使い、流れるような動作や。
ヒェリさんはしなやかに動いて、Gを小型の斧で斬りつけ、がっちりとした装具の着いた足で、蹴り跳ばす。蹴られたGは、めきぃっ、音を立て、白目剥いてぶっ飛んでいる。魔法も併用しているから、こちらも全く無駄がない。
ツヴァイクさんは、斧が火を吹いてた。確か、セーシャさんは斧が赤くなっていたけど、こちらはまさしく火を吹いていた。まあ、G達が小枝の様に斬り倒されていく。そして、盾士の戦い。まとめてGが来ても、力強く踏み込み、盾を突き出すと、走って来たGを逆方面に吹き飛ばす。後で聞いたら、盾士特有の技でシールドバッシュって言うんだって。吹き飛ばされたGの顔が物理的に変形したようになってるから、相当な威力なんやろう。
で、ユリアレーナ最強の冒険者と詠われるエドワルドさん。一体いつ足を地面に付けているんやろう。速い、とにかく速い。回りのGがあっという間にバラバラ。あの長身が、戦闘モードのアルスさんでも付いていけなそうな動きでアクロバティックに動く。こっちに向かって来たジェネラルなんて、一撃だよ。エドワルドさんが横を駆け抜けると、スパーンッ、って、上半身と下半身がさよなら。凄かっ。そう言えば、オスヴァルドさんもブラックツナの頭、スパーンッ、だったなあ。
勿論、鷹の目や、山風、金の虎の皆さんだって各個撃破している。仔達だって、なかなか元気とコハクが恐ろしい威力で魔法使っている。三人娘だって負けてないよ。
私はと言うと、フライパン持ったが、全くの出番なし。ルージュの光のリンゴ、アリスが守ってくれたので、突っ立っているだけ。未成年のみんなが頑張っているのに、ああ、情けない。晃太だって、せっせとデバフの為に走り回っているのに。今日に限って、神への祈りも発動しないし。本当に、私、役に立っとらん。
奥方面でアレスがちゅどん、ドカン。
中間地点ではビアンカとノワールがちゅどん、ドカン、バキバキ。
時折、オシリスとホルスが急下降と急上昇して姿が見える。オシリスが捕まえているの、ジェネラルやないよね? そのまま固まっている他のG達に向かって、叩き付けてる。
我ながら、恐ろしい魔物を。止めよう。皆もふもふでかわいかもん。
最後まで私は何の役にも立たずに、ものの数分で、Gの巣は壊滅した。
ノワールに騎乗して、私は具材に徹する。
今回のゴブリン、Gの巣はかなり奥地にある。ビアンカやルージュ、アレス、アリス達にがっちり守られて、ノワールは順調に進む。
『ユイ、この先の地面に亀裂があるのです』
『ノワールなら問題なく跳べるわ』
わあ、怖かっ。
「ホークさん、先に亀裂がありますっ」
「はいっ」
「ノワールなら問題ありませんっ」
「はいっ。ユイさん、喋らないようにっ」
「はいっ」
私は口にチャック。
『続くのだっ』
アレスが先頭を走り、加速していく。ひーっ、ノワールとそして並走している仔達も加速している。だ、大丈夫よねっ。
そして、僅かに森の切れ目が見えた瞬間、ノワールが飛ぶ。
亀裂は約2メートル。ノワールは軽く跳躍。幅的には、そうはなくても、深いっ。軽い衝撃が走る。ノワールは無事に着地。ふうっ、怖かっ。心配だった仔達も問題なく飛び越えて来た。
こんな亀裂を越えた先にあるGの巣って、どんな規模何だろう。しかも警戒する兵がいるなんて。
『今日はこの辺りで止めるのです』
昼過ぎになり、ビアンカがストップをかける。
『もっと走りたいのだっ』
『止めなさい。見つかると、厄介よ』
ルージュがまだまだ走りたいアレスを止める。
私はホークさんに抱えられて、ノワールから降りる。ふうっ、何にもしてないけど、疲れた。オシリスとホルスも上空から降りてくる。
「アレス。ルームで我慢して」
『ぶーっ』
私はゴーグルを外して、ルームを開ける。
「ほら、入って」
私はルームに入ると、花がぽちゃぽちゃボディでお出迎えしてくれる。そしてシルフィ達もだ。あははん、かわいか。
従魔の足拭きをタップして、と。
『走り足りないのだっ』
アレスはそのまま中庭に走り出す。仔達も続く。アリスはシルフィ達にお乳を上げている。ホークさんはノワールを厩舎に誘導して、そのまま鞍やレッサードラゴンの装備品をはずしていく。
ビアンカとルージュは水分補給してから、ゴロリ。
「姉ちゃん、どうな?」
「問題はなかよ」
私はぽちゃぽちゃボディを撫で回す。晃太がお茶を持ってきてくれて水分補給して、と。
「実はさっきな、姉ちゃんにお客さん来たんやけど、お袋が断ったよ」
「誰? あ、パーヴェルさん?」
レディ・ロストークの事かな。
「違う。ほら、あの荷物の護衛していた冒険者のリーダー」
「ああ、あの」
無事に釈放されたのかな。
「姉ちゃんにお礼ば言いたかったみたいで、改めて来るって」
「そうな」
あの護衛した冒険者パーティー、気になっていたしね。だって、鷹の目の皆さんみたいに、被害者のように思えたからね。
あの子供達はどうなったんやろう? カルーラに帰ったら聞かんといかんなあ。特にケガが酷かった男の子は、どうなったかなあ? トラウマとかになっていなければ、いいけど。
シスター・アモルとの面会を済ませたチュアンさんも帰って来ていたので、話を聞く。いつ子供達が修道院に移動するかは、教えてもらえなかったが、必要なものは聞いてくれていた。
やはり日用品や薪等だ。後は食費ね。一気に14人も増えるからね。
私には、お金がある。どやっ。ビアンカやルージュ達のお陰なんやけどね。
「チュアンさん、もへじ生活に行くのでお願いできます?」
「お供します」
さ、お買い物だ。
端的に言うと、Gの巣はあっという間に壊滅した。
警戒のGは、走り抜けながら、ビアンカとルージュが鼻息を放って始末していき、巣に到着。
確かにかなり大規模の巣で、今までで最高に大きな巣だった。だったけど、うちの従魔ズにかかれば、あっという間だ。Gは臭いから嫌な顔をするビアンカとルージュに代わり、嬉々として突っ込んだのは、厄災クラスのアレスだ。撃ち漏らしたらいけないから、オシリスとホルス、ルージュが周囲を警戒してくれる。
アレスは奥方面で暴走戦車のように、走り回る。
ビアンカとノワールは中間地点。私達は後方だ。
既に全員の武装は完備、準備運動、晃太の支援もばっちり。チュアンさんとマデリーンさんも、サブ・ドアからこちらに来てくれた。
私はフライパンを握り締める。
少し離れた場所で開けたルームにはシルフィ達を残してきた。今日は両親がいるしね。
『では、行くぞーっ』
と、アレスが弾丸の様に飛び出していく。そして、白い毛並みが美しく輝く。
『戦闘モード 魔狼の牙(ナダジオン)』
あの口上がない、我は、みたいなやつ。
『アレスのレベルなら、すっ飛ばしてもしっかり発動するのです』
ビアンカが納得出来ないって顔で、生き生きとしたノワールと共に続く。
『元気、勝手な事をしないのですよっ』
「わんっ」
大丈夫よね? へっへっと言って尻尾ぷりぷり振る元気。
私達にはアリスも付いてくれる。
奥方面、色んなGが跳んどるー。
「さて、行きますかね」
さすがSランク冒険者のケルンさんが、落ち着いて弓を構えている。ヒェリさんは両手に小型の斧、ツヴァイクさんは盾と大型の斧、エドワルドさんはロングソード。不謹慎かも知れないが、近隣諸国でも最強クラスの冒険者パーティーの戦闘って気になる。晃太の支援は断っていた。私や見習い達に使ってって、格好いい。
ルージュがたくさん光のリンゴを出してくれているから、ある程度は大丈夫かな。
金の虎、山風の皆さんも準備万端。私は鷹の目の皆さんの金魚のふんね。
アレス、ビアンカ、ノワールの突然の突進に、汚い悲鳴を上げて逃げ惑うG。
こちらも初撃は遠近攻撃だ。
初めてSランク冒険者の戦闘を間近に見たけど、まさに圧巻だった。
ケルンさんは矢を3本つがえて放つと、矢はまるで意志があるように軌道をずらして、森に逃げ込もうとするGを次々に射ぬく。しかも貫通して、後ろのGまで巻き込んでいる。どんだけの威力やねん。ヒェリさんは炎の矢を連発、そしてエドワルドさんは、不可視の矢だから、風の矢だね。ツヴァイクさんはなにやらしっかり集中している。
でもって接近戦が凄かった。
ケルンさんは剣を片手にスパスパとGを斬り、突き刺さっていた矢を回収したかと思うと、剣をGに突き立て蹴り倒し弓を引く、次の瞬間には剣を回収しスパスパ。魔法も使い、流れるような動作や。
ヒェリさんはしなやかに動いて、Gを小型の斧で斬りつけ、がっちりとした装具の着いた足で、蹴り跳ばす。蹴られたGは、めきぃっ、音を立て、白目剥いてぶっ飛んでいる。魔法も併用しているから、こちらも全く無駄がない。
ツヴァイクさんは、斧が火を吹いてた。確か、セーシャさんは斧が赤くなっていたけど、こちらはまさしく火を吹いていた。まあ、G達が小枝の様に斬り倒されていく。そして、盾士の戦い。まとめてGが来ても、力強く踏み込み、盾を突き出すと、走って来たGを逆方面に吹き飛ばす。後で聞いたら、盾士特有の技でシールドバッシュって言うんだって。吹き飛ばされたGの顔が物理的に変形したようになってるから、相当な威力なんやろう。
で、ユリアレーナ最強の冒険者と詠われるエドワルドさん。一体いつ足を地面に付けているんやろう。速い、とにかく速い。回りのGがあっという間にバラバラ。あの長身が、戦闘モードのアルスさんでも付いていけなそうな動きでアクロバティックに動く。こっちに向かって来たジェネラルなんて、一撃だよ。エドワルドさんが横を駆け抜けると、スパーンッ、って、上半身と下半身がさよなら。凄かっ。そう言えば、オスヴァルドさんもブラックツナの頭、スパーンッ、だったなあ。
勿論、鷹の目や、山風、金の虎の皆さんだって各個撃破している。仔達だって、なかなか元気とコハクが恐ろしい威力で魔法使っている。三人娘だって負けてないよ。
私はと言うと、フライパン持ったが、全くの出番なし。ルージュの光のリンゴ、アリスが守ってくれたので、突っ立っているだけ。未成年のみんなが頑張っているのに、ああ、情けない。晃太だって、せっせとデバフの為に走り回っているのに。今日に限って、神への祈りも発動しないし。本当に、私、役に立っとらん。
奥方面でアレスがちゅどん、ドカン。
中間地点ではビアンカとノワールがちゅどん、ドカン、バキバキ。
時折、オシリスとホルスが急下降と急上昇して姿が見える。オシリスが捕まえているの、ジェネラルやないよね? そのまま固まっている他のG達に向かって、叩き付けてる。
我ながら、恐ろしい魔物を。止めよう。皆もふもふでかわいかもん。
最後まで私は何の役にも立たずに、ものの数分で、Gの巣は壊滅した。
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