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連載
依頼の品⑧
バリバリィィィィッ
アレスの雷がコラーゲン部屋に直撃する。
残念だったけど、ご褒美部屋は出なかった。確率低いしね。今回のご褒美部屋は、試練の扉がある25階のボス部屋で出たしね。宝箱から出たのは多種多様なシルクの生地と下級エリクサーが10本。そして、武器一式。シルクの生地は母とパーカーさんに見て貰う事に。下級エリクサーは3本ギルドに卸すことにした。武器一式は父の鑑定待ちだ。盾があるので、これはロッシュさんに渡る予定。だって、ロッシュさんの盾、修繕してあるけど、あんまり長く戦うと持たなそう。
しかし今回はいつもより宝箱やドロップ品が凄まじい。やはりレベルの高いアレスが開けると、出てくるボスの数は多いし、それに伴いドロップ品も増える。しかもビアンカやルージュが開けた時とは違い、更に上位種が出るからね。レベル700厄災クラスやね。
晃太がリストをチェック。
「よかよ」
「分かった。さ、皆さん帰りましょう。アレス」
最後のセリフは、トーンを落とす。
『わ、分かっているのだっ』
あの、むにぃっ、からアレスは私の顔色を見るようになった。だけど、あの体躯でうるうるされたら、結構私の勝率は悪い。
明日からの予定は、オダリスさんからの連絡待ちだ。ノワールの事があるからね。武器類の鑑定が終わったら、パーティーハウスで山風の皆さんと集合して配布だ。
「くうっ」
シルフィ達はバギーだ。全員が脱出用魔法陣に乗ったのを確認して、オシリスが魔力を流した。
ふわっ、と景色が変わる。
2週間ぶりの外や。
とりあえずは、アリスとシルフィ達をパーティーハウスに、と。
「姉ちゃん、姉ちゃん」
晃太がちょいちょいする。
だいたい分かってますよ。
「お帰りなさいませっ、ミズサワ様っ」
リティアさんが華麗にすっ飛んできた。
私はリティアさんに断り、まずアレスとアリスとシルフィ達、ノワールをパーティーハウスに戻す。ギルドには晃太とチュアンさん、オシリスが向かう。エドワルドさんと山風はロッシュさんとラーヴさんがギルドでもろもろ手続き。
「お帰り」
母がパーティーハウスで出迎えてくれる。
「くうんっ、くうんっ」
花が歓迎のはみはみ、それからローリングを披露。あははん、もふもふ。
ルームにノワール達を誘導して、開けっ放しにして、アイテムボックスから貝柱やお肉、チーズ類を出す。果物はマジックバッグにいれてあるので、バッグごと母に渡す。それから私はホークさんとギルドに向かった。
ギルドに着くと、ルーティーンの様に応接室に誘導される。応接室ではエドワルドさんとロッシュさんが書類にサインをしていた。タージェルさんは熱心に宝飾品を見てくれている。ご挨拶を済ませる。リティアさんがニコニコしながら、着席を促してくれる。その腕には、書類の束。え、あれ、全部依頼? まあ、たくさん依頼があるって聞いていたし、私はベルトコンベアの様にサインと魔力を流す。途中で晃太がチュアンさんと共に応接室に。
ふう、サインと魔力、終わった。
出して貰ったお茶がいい温度になってる。頂きます。
「ミズサワ様、今回は初見のドロップ品がございますので、査定に数日頂けないでしょうか」
リティアさんが申し訳なさそうに言ってきた。あ、あれね、でっかい蛇、違う牛の角とかね。
「はい、大丈夫ですよ。しばらくは大人しく、多分、してます」
私はぼかす。バトルジャンキー達がいますからね。それにホークさんがノワールと共に、騎士団の所に行っちゃうし。依頼料だけでも億越え。残りのドロップ品の査定は後日。宝飾品も結構な数の為にこちらも後日。こっそりルーティの宝箱のも混ぜてあるし、楽器類もあるしね。
それから下級エリクサーを卸したことに、感謝された。今回のダンジョンアタックで、結構出たからね。アレスが開けると宝箱に必ずエリクサーかマジックアイテムのどちらかが入っている。マジックバックや、アレスが魔力を感じるという指輪やピアスなどは父の鑑定待ちや。
晃太は乳製品やお肉があるので、定期的にギルドに通うことになる。
木札を受け取り、挨拶して私達はギルドを出る。
「ロッシュさん。終わりましたら、伝言板にメッセージ残しますね」
「はい」
失礼します、ユイさん。と、ロッシュさんとラーヴさんが帰って行く。
父は今日ファベルさんの工房だから、鑑定に時間がかかると思う。
とにかく、帰ろ、うう、寒かっ。
ふわっ、と芳しい匂いが鼻をくすぐる。
「あ、お帰り」
母がルームのダイニングキッチンで作業している。エマちゃんとテオ君はお手伝い。ミゲル君とツヴァイクさんはブラッシング。マデリーンさんはノワールの装備品を洗っている。
花の歓迎はみはみ。花ちゃん、さっき会ったやん。かわいかね。もふもふ。花は順番にはみはみ、はみはみ、ローリングだ。ぽちゃぽちゃ。
私は嗽、手洗い、着替えを済ませ母の手伝いに入る。
「貝柱の酒蒸しば作って」
「分かった」
私は早速作業に入る。貝柱をいいサイズにカット。後はキノコ類。テオ君が出してくれた3つのホットプレートに並べて準備よし。オーブンからもいい匂いが漂う。グラタンだね。こちらはパン食が多いから、バケット準備する。貝柱の酒蒸しは残りのだしで焼きそばにしよう。キャベツとモヤシ、人参、たまねぎ、麺もあらかじめ揃える。晃太が海老もいれて、と言うので追加。海老を見るとルージュを思い出す。大丈夫かな? まあ、ルージュは強いから心配ないだろうけど、やっぱりどこか不安。
母は21階のお肉でオイスター炒めを作成。皿にどーん、と盛る。取り皿やフォーク類、コップもいいね。
うん。豪華。
あ、父が帰って来た。花が出迎えに短い足で走っていく。
「お帰りー」
「あ、優衣も帰っとったん? お帰り」
アレス達にご飯を先に出して、やっと我々だ。本日アルコール解禁。私はチューハイ、両親とホークさん、ミゲル君、エドワルドさんとツヴァイクさんはビール。晃太とチュアンさんはN県のちょっと辛口大吟醸。マデリーンさんは白ワイン。エマちゃんとテオ君はお茶ね。
「皆さん、お疲れ様でした。頂きます」
「「「「「「頂きまーす」」」」」」
ぐびっ。ふう、缶チューハイ冷えてる。
「あああぁぁぁぁぁぁぁっ」
「くうっ、キンキンに冷えたエールは最高じゃあっ」
景気よくビールを傾けるミゲル君とツヴァイクさん。
私は早速、貝柱の酒蒸しをぱくり。うーん、貝柱の旨さが広がるー。グラタンも熱々だし、いくらでも入る。アレスとオシリスが無言で皿を咥えて待っているので追加分を作成。賑やかな食事の〆の貝柱の出汁で作った海鮮塩焼きそばも大好評だった。
アレスの雷がコラーゲン部屋に直撃する。
残念だったけど、ご褒美部屋は出なかった。確率低いしね。今回のご褒美部屋は、試練の扉がある25階のボス部屋で出たしね。宝箱から出たのは多種多様なシルクの生地と下級エリクサーが10本。そして、武器一式。シルクの生地は母とパーカーさんに見て貰う事に。下級エリクサーは3本ギルドに卸すことにした。武器一式は父の鑑定待ちだ。盾があるので、これはロッシュさんに渡る予定。だって、ロッシュさんの盾、修繕してあるけど、あんまり長く戦うと持たなそう。
しかし今回はいつもより宝箱やドロップ品が凄まじい。やはりレベルの高いアレスが開けると、出てくるボスの数は多いし、それに伴いドロップ品も増える。しかもビアンカやルージュが開けた時とは違い、更に上位種が出るからね。レベル700厄災クラスやね。
晃太がリストをチェック。
「よかよ」
「分かった。さ、皆さん帰りましょう。アレス」
最後のセリフは、トーンを落とす。
『わ、分かっているのだっ』
あの、むにぃっ、からアレスは私の顔色を見るようになった。だけど、あの体躯でうるうるされたら、結構私の勝率は悪い。
明日からの予定は、オダリスさんからの連絡待ちだ。ノワールの事があるからね。武器類の鑑定が終わったら、パーティーハウスで山風の皆さんと集合して配布だ。
「くうっ」
シルフィ達はバギーだ。全員が脱出用魔法陣に乗ったのを確認して、オシリスが魔力を流した。
ふわっ、と景色が変わる。
2週間ぶりの外や。
とりあえずは、アリスとシルフィ達をパーティーハウスに、と。
「姉ちゃん、姉ちゃん」
晃太がちょいちょいする。
だいたい分かってますよ。
「お帰りなさいませっ、ミズサワ様っ」
リティアさんが華麗にすっ飛んできた。
私はリティアさんに断り、まずアレスとアリスとシルフィ達、ノワールをパーティーハウスに戻す。ギルドには晃太とチュアンさん、オシリスが向かう。エドワルドさんと山風はロッシュさんとラーヴさんがギルドでもろもろ手続き。
「お帰り」
母がパーティーハウスで出迎えてくれる。
「くうんっ、くうんっ」
花が歓迎のはみはみ、それからローリングを披露。あははん、もふもふ。
ルームにノワール達を誘導して、開けっ放しにして、アイテムボックスから貝柱やお肉、チーズ類を出す。果物はマジックバッグにいれてあるので、バッグごと母に渡す。それから私はホークさんとギルドに向かった。
ギルドに着くと、ルーティーンの様に応接室に誘導される。応接室ではエドワルドさんとロッシュさんが書類にサインをしていた。タージェルさんは熱心に宝飾品を見てくれている。ご挨拶を済ませる。リティアさんがニコニコしながら、着席を促してくれる。その腕には、書類の束。え、あれ、全部依頼? まあ、たくさん依頼があるって聞いていたし、私はベルトコンベアの様にサインと魔力を流す。途中で晃太がチュアンさんと共に応接室に。
ふう、サインと魔力、終わった。
出して貰ったお茶がいい温度になってる。頂きます。
「ミズサワ様、今回は初見のドロップ品がございますので、査定に数日頂けないでしょうか」
リティアさんが申し訳なさそうに言ってきた。あ、あれね、でっかい蛇、違う牛の角とかね。
「はい、大丈夫ですよ。しばらくは大人しく、多分、してます」
私はぼかす。バトルジャンキー達がいますからね。それにホークさんがノワールと共に、騎士団の所に行っちゃうし。依頼料だけでも億越え。残りのドロップ品の査定は後日。宝飾品も結構な数の為にこちらも後日。こっそりルーティの宝箱のも混ぜてあるし、楽器類もあるしね。
それから下級エリクサーを卸したことに、感謝された。今回のダンジョンアタックで、結構出たからね。アレスが開けると宝箱に必ずエリクサーかマジックアイテムのどちらかが入っている。マジックバックや、アレスが魔力を感じるという指輪やピアスなどは父の鑑定待ちや。
晃太は乳製品やお肉があるので、定期的にギルドに通うことになる。
木札を受け取り、挨拶して私達はギルドを出る。
「ロッシュさん。終わりましたら、伝言板にメッセージ残しますね」
「はい」
失礼します、ユイさん。と、ロッシュさんとラーヴさんが帰って行く。
父は今日ファベルさんの工房だから、鑑定に時間がかかると思う。
とにかく、帰ろ、うう、寒かっ。
ふわっ、と芳しい匂いが鼻をくすぐる。
「あ、お帰り」
母がルームのダイニングキッチンで作業している。エマちゃんとテオ君はお手伝い。ミゲル君とツヴァイクさんはブラッシング。マデリーンさんはノワールの装備品を洗っている。
花の歓迎はみはみ。花ちゃん、さっき会ったやん。かわいかね。もふもふ。花は順番にはみはみ、はみはみ、ローリングだ。ぽちゃぽちゃ。
私は嗽、手洗い、着替えを済ませ母の手伝いに入る。
「貝柱の酒蒸しば作って」
「分かった」
私は早速作業に入る。貝柱をいいサイズにカット。後はキノコ類。テオ君が出してくれた3つのホットプレートに並べて準備よし。オーブンからもいい匂いが漂う。グラタンだね。こちらはパン食が多いから、バケット準備する。貝柱の酒蒸しは残りのだしで焼きそばにしよう。キャベツとモヤシ、人参、たまねぎ、麺もあらかじめ揃える。晃太が海老もいれて、と言うので追加。海老を見るとルージュを思い出す。大丈夫かな? まあ、ルージュは強いから心配ないだろうけど、やっぱりどこか不安。
母は21階のお肉でオイスター炒めを作成。皿にどーん、と盛る。取り皿やフォーク類、コップもいいね。
うん。豪華。
あ、父が帰って来た。花が出迎えに短い足で走っていく。
「お帰りー」
「あ、優衣も帰っとったん? お帰り」
アレス達にご飯を先に出して、やっと我々だ。本日アルコール解禁。私はチューハイ、両親とホークさん、ミゲル君、エドワルドさんとツヴァイクさんはビール。晃太とチュアンさんはN県のちょっと辛口大吟醸。マデリーンさんは白ワイン。エマちゃんとテオ君はお茶ね。
「皆さん、お疲れ様でした。頂きます」
「「「「「「頂きまーす」」」」」」
ぐびっ。ふう、缶チューハイ冷えてる。
「あああぁぁぁぁぁぁぁっ」
「くうっ、キンキンに冷えたエールは最高じゃあっ」
景気よくビールを傾けるミゲル君とツヴァイクさん。
私は早速、貝柱の酒蒸しをぱくり。うーん、貝柱の旨さが広がるー。グラタンも熱々だし、いくらでも入る。アレスとオシリスが無言で皿を咥えて待っているので追加分を作成。賑やかな食事の〆の貝柱の出汁で作った海鮮塩焼きそばも大好評だった。
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