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連載
ランクアップ⑦
ご指摘ありがとうございます。
「くぅん、くぅん、くぅーん」
花がお帰りの歓迎ローリングを披露する。
「花ちゃんただいまー」
溺愛している晃太がぽちゃぽちゃボディを撫で回す。
地図の件でギルドに行っていた晃太が帰って来た。
「お帰り、どうやったね」
「無事にランク上がったよ。Dランクや」
「良かったやん」
明日からまたルーティのダンジョンに挑む。なので、午後からお休みにしたいが、それをバトルジャンキー達が許してくれない。どっかで、ゆっくり休む日入れんとなあ。ブラック臭プンプンや。
「わい、ちょっと作図ばしたいんやけど」
「よかよ、お茶でも淹れようかね、あ、その前にさ、マジックバッグの中身あんたのアイテムボックスにいれちゃらん? もう、パンパンなんよ」
そう、朝も早くからちゅどんドカンやってるので、手持ちのマジックバッグが結構膨らんでいる。まだ、昨日手に入れたSランクのマジックバッグが空だけど、このペースだといつ満タンになるか。
「分かった」
晃太がサブ・ドアの向こうに。花がギリギリまでサブ・ドア付近まで付いていくが、花はサブ・ドアの向こう、ダンジョンや魔境には絶対に足を踏み入れない。きゅんきゅん鳴いてる。
「花ちゃん、ちょっとまってねー」
晃太がデレデレ。
『あ、にいに、おかえりなさーい』
『にぃにー、おかえりなさーい』
『おかえりなさーい、にーにー』
あ、かわいか三人娘が晃太に群がる。
「ただいまー」
晃太がデレデレ。
さ、お茶の準備ばしようかな。そう言えば、朝一番でアレスが元気、コハク、ホルスの三人衆と、若手達を連れて下層に向かったけど。まだ、帰って来ない。いたら、いたら、で騒がしいが、いなければ、いなければで心配。うーん、なんだか、奇妙な胸騒ぎ。胸騒ぎが起きたが、ボス部屋の階段から賑やかな声が。
『帰って来たのですね』
『みたいね』
近くで休んでいたビアンカとルージュが顔を上げている。そして、どおーんと、とド派手なカーアクション並みに飛び出してきたアレス。一気に騒がしくなる。
『妹よっ、兄だぞっ、寂しくなかったのだっ』
『『はぁ』』
いつものハイテンションアレスにビアンカとルージュがげんなり。元気達や若手達も無事やし、よかね。さっきの胸騒ぎは気にしないでおこう。お茶淹れようかね。ヤカンに水を入れて火にかけていると。
「姉ちゃんっ、姉ちゃんっ」
晃太が慌ててやってくる。
「なんね、ドラゴンでも出たね」
「出たよっ」
「はぁっ?」
慌てて火を止めサブ・ドアの向こうに。レジャーシートの上に整然と並ぶ大きなガラス瓶。中身はちょっとグロいが内臓や血液。絨毯みたいな革は、緑がかった銀色。それと、これは? でっかい象牙色の円錐、みたいな。
「爪?」
『違うのですね』
『牙ね』
いや、ちょっと待ってよ。このサイズの牙って。でかくない? ビアンカやアレスの牙とは比べられないサイズなんですが。花の歯が、つま楊枝サイズなんですが。本職冒険者の皆さんが呆然と見ている。
ちょっと、待ってよ、ダンジョン下層でドラゴンって。たまに、うっかりさんの魔物がダンジョンからこぼれ落ちる。あんまり強くないが、一般人には驚異のために、ダンジョンには警備の方がいるんだけど。そのうっかりさんの中に、数年に一度上位種がこぼれ落ちる。シュタインさんが大怪我した熊ね。
サイズ的にかなりの大型ドラゴンのはず。アレスだから撃破できただけ。こんながこぼれ落ちたら、ルーティ壊滅する。
これは、いかん。
父に鑑定してもらわんと。
マーファの冷蔵庫ダンジョンからこぼれ落ちる魔物は、フィールドを遭遇するものが多い傾向にある。ただ時々ボス部屋に出現する強い魔物が出る。一度心配でボス部屋から出る上位種の魔物、ジャイアントなヘビや口からビームを放つ熊とかこぼれ落ちないか、父に鑑定してもらった。
結果。
厄災クラスのイシスやアレスが開けた際に出る上位種は、こぼれ落ちる事はない。ボス部屋で厄災クラスが開けないとそれ以外では、出現しないって出た。その時はほっした。今日、父は職人ギルドで騎士団と自動補填矢筒の事で話し合いだ。改良した小型番矢筒の使用状況の確認だ。もうじき、正式販売開始になるらしい。
とにかく父が帰って来るのを待とう、その前に。
「コハク、ちょっと」
『なんやねん、ねーちゃん』
いまだに慣れないエセ関西風の喋り方。
「あのドラゴンさ、フィールドにおったと?」
『ボス部屋やねん。アレスのおっちゃんが、びゅんっ、ゆうておらんくなったら、ドラゴンの頭が落っこちてんっ』
あ、一撃ね。恐ろしか。
コハクの話だと、どうやら18階から三回下層に潜った先にボス部屋があり、そのボス部屋にこのドラゴンがいたそうだ。どうやらそこが最下層で、脱出用の魔法陣が出たが、下に続く階段はなかったと。若手筆頭オフィーリアもコハクと同じ内容の話だった。今回ルーティのダンジョンは21階が最下層か。
「みんなに怪我がなかけんよかとするね」
よしよし、とコハクを撫でる。ゴロゴロと気持ち良さそうに咽を鳴らすコハク。
「くうーん」
元気が自分も自分も、と頭を捩じ込んで来たので、よしよし、もふもふ。
ビアンカとルージュにすりすりしているアレスを見てため息。
「なあ、姉ちゃん、宝箱、どうする?」
ずらーっと並んだ大小サイズの宝箱。
「開けんといかんやろ。ものによれば、引き取りやね。ルージュ、解除お願い」
『分かったわ』
「くぅん、くぅん、くぅーん」
花がお帰りの歓迎ローリングを披露する。
「花ちゃんただいまー」
溺愛している晃太がぽちゃぽちゃボディを撫で回す。
地図の件でギルドに行っていた晃太が帰って来た。
「お帰り、どうやったね」
「無事にランク上がったよ。Dランクや」
「良かったやん」
明日からまたルーティのダンジョンに挑む。なので、午後からお休みにしたいが、それをバトルジャンキー達が許してくれない。どっかで、ゆっくり休む日入れんとなあ。ブラック臭プンプンや。
「わい、ちょっと作図ばしたいんやけど」
「よかよ、お茶でも淹れようかね、あ、その前にさ、マジックバッグの中身あんたのアイテムボックスにいれちゃらん? もう、パンパンなんよ」
そう、朝も早くからちゅどんドカンやってるので、手持ちのマジックバッグが結構膨らんでいる。まだ、昨日手に入れたSランクのマジックバッグが空だけど、このペースだといつ満タンになるか。
「分かった」
晃太がサブ・ドアの向こうに。花がギリギリまでサブ・ドア付近まで付いていくが、花はサブ・ドアの向こう、ダンジョンや魔境には絶対に足を踏み入れない。きゅんきゅん鳴いてる。
「花ちゃん、ちょっとまってねー」
晃太がデレデレ。
『あ、にいに、おかえりなさーい』
『にぃにー、おかえりなさーい』
『おかえりなさーい、にーにー』
あ、かわいか三人娘が晃太に群がる。
「ただいまー」
晃太がデレデレ。
さ、お茶の準備ばしようかな。そう言えば、朝一番でアレスが元気、コハク、ホルスの三人衆と、若手達を連れて下層に向かったけど。まだ、帰って来ない。いたら、いたら、で騒がしいが、いなければ、いなければで心配。うーん、なんだか、奇妙な胸騒ぎ。胸騒ぎが起きたが、ボス部屋の階段から賑やかな声が。
『帰って来たのですね』
『みたいね』
近くで休んでいたビアンカとルージュが顔を上げている。そして、どおーんと、とド派手なカーアクション並みに飛び出してきたアレス。一気に騒がしくなる。
『妹よっ、兄だぞっ、寂しくなかったのだっ』
『『はぁ』』
いつものハイテンションアレスにビアンカとルージュがげんなり。元気達や若手達も無事やし、よかね。さっきの胸騒ぎは気にしないでおこう。お茶淹れようかね。ヤカンに水を入れて火にかけていると。
「姉ちゃんっ、姉ちゃんっ」
晃太が慌ててやってくる。
「なんね、ドラゴンでも出たね」
「出たよっ」
「はぁっ?」
慌てて火を止めサブ・ドアの向こうに。レジャーシートの上に整然と並ぶ大きなガラス瓶。中身はちょっとグロいが内臓や血液。絨毯みたいな革は、緑がかった銀色。それと、これは? でっかい象牙色の円錐、みたいな。
「爪?」
『違うのですね』
『牙ね』
いや、ちょっと待ってよ。このサイズの牙って。でかくない? ビアンカやアレスの牙とは比べられないサイズなんですが。花の歯が、つま楊枝サイズなんですが。本職冒険者の皆さんが呆然と見ている。
ちょっと、待ってよ、ダンジョン下層でドラゴンって。たまに、うっかりさんの魔物がダンジョンからこぼれ落ちる。あんまり強くないが、一般人には驚異のために、ダンジョンには警備の方がいるんだけど。そのうっかりさんの中に、数年に一度上位種がこぼれ落ちる。シュタインさんが大怪我した熊ね。
サイズ的にかなりの大型ドラゴンのはず。アレスだから撃破できただけ。こんながこぼれ落ちたら、ルーティ壊滅する。
これは、いかん。
父に鑑定してもらわんと。
マーファの冷蔵庫ダンジョンからこぼれ落ちる魔物は、フィールドを遭遇するものが多い傾向にある。ただ時々ボス部屋に出現する強い魔物が出る。一度心配でボス部屋から出る上位種の魔物、ジャイアントなヘビや口からビームを放つ熊とかこぼれ落ちないか、父に鑑定してもらった。
結果。
厄災クラスのイシスやアレスが開けた際に出る上位種は、こぼれ落ちる事はない。ボス部屋で厄災クラスが開けないとそれ以外では、出現しないって出た。その時はほっした。今日、父は職人ギルドで騎士団と自動補填矢筒の事で話し合いだ。改良した小型番矢筒の使用状況の確認だ。もうじき、正式販売開始になるらしい。
とにかく父が帰って来るのを待とう、その前に。
「コハク、ちょっと」
『なんやねん、ねーちゃん』
いまだに慣れないエセ関西風の喋り方。
「あのドラゴンさ、フィールドにおったと?」
『ボス部屋やねん。アレスのおっちゃんが、びゅんっ、ゆうておらんくなったら、ドラゴンの頭が落っこちてんっ』
あ、一撃ね。恐ろしか。
コハクの話だと、どうやら18階から三回下層に潜った先にボス部屋があり、そのボス部屋にこのドラゴンがいたそうだ。どうやらそこが最下層で、脱出用の魔法陣が出たが、下に続く階段はなかったと。若手筆頭オフィーリアもコハクと同じ内容の話だった。今回ルーティのダンジョンは21階が最下層か。
「みんなに怪我がなかけんよかとするね」
よしよし、とコハクを撫でる。ゴロゴロと気持ち良さそうに咽を鳴らすコハク。
「くうーん」
元気が自分も自分も、と頭を捩じ込んで来たので、よしよし、もふもふ。
ビアンカとルージュにすりすりしているアレスを見てため息。
「なあ、姉ちゃん、宝箱、どうする?」
ずらーっと並んだ大小サイズの宝箱。
「開けんといかんやろ。ものによれば、引き取りやね。ルージュ、解除お願い」
『分かったわ』
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