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連載
ランクアップ⑫
20階と21階を繋ぐ階段は長い。ただ、途中でセーフティゾーンがあったので、一旦休憩だ。石の壁に一面に這うように蔦が覆い、白い実を着けている。よく見ると、無花果みたい。
これ、なんやろ? 下手に触らんどこう。後でケルンさんから教えてもらう。これは常闇の無花果と呼ばれ、暗所にしか生えない果物。栄養価値が高く、中級ポーションとまでは言わないが、体力と魔力の回復効果がある。生で食べるのが一番だけど、日持ちしないので、ドライフルーツに加工してから持ち歩くんだって。効果は2割減だけど、市場では出回らず、とても貴重な果物だ。生で見たことがあるのは最年長のケルンさんだけ。ドライフルーツ状態で見たことがある人がちらほら。
それを聞いて後、皆で回収した。
「お疲れ様ホークさん、オシリス。イシスもありがとう」
私は適当な出っ張りに触れてサブ・ドアを登録する。
「さ、入って」
誘導誘導、と。
「姉ちゃん、お疲れ」
晃太が鰹のようにのたうち回る花を抱っこしている。よしよし花ちゃん。ちゅー、と。
「はい、ユイさんお茶ですっ」
「ありがとうエマちゃん」
エマちゃんが調度いい温度になったお茶を出してくれる。頂きます。ホークさんはテオ君からもらっている。
イシスとオシリスも水分補給している。その間に冒険者の皆さんは、常闇の無花果の回収だ。
『主よ、主よ、早く行くのだ』
「ちょっと待ってよ」
アレスがデカイ鼻面を押し付けてくる。君はまぐろか何かね?
私とホークさんを乗せたオシリスは、一旦休憩。ノワールの出番だ。
アレスは当然、ビアンカ、ルージュ、イシス、仔達。若手はジェミニ、キャンサー、リオン、サジタリウス、カプリコーンで向かう。ここは草原フィールドだが、なだらかではない。しかし、ノワールであればかなり早い時点で到着する。
再びぶひひん特急ノワールが登場。
先頭はアレス、その後ろイシスとルージュ。そしてノワール。その左右を仔達と若手が固める。最後尾はビアンカ。
スピードを上げていくと、はい、出てきました、虫ーっ。
あのフォルムはムカデやーっ。のたうち回る姿は、まさに、ひーっ、と気持ち悪いっ。
『ふんっ』
アレスが雷連発すると、くたあ、となるムカデ、はいドロップ品へ。次に来たのは、はい、サイズのおかしか蛾、ぜったい蝶やないっ。しかも集団やっ。
お馴染みの光のリンゴ達が縦横無尽に飛び回り、仔達と若手達もも次々に魔法を放つ。
蛾の次は、でっかい、これまたでっかい猪。口から、ふしゅー、だって。
やっぱり怖かーっ。
『我には勝てないのだっ』
正面衝突。
アレスの数倍は大きいのに、ドカーンッ、と吹っ飛ぶ。どっちが? 猪がだよっ。
猪はその後遭遇はしなかったが、次に来たのはずんぐりむっくりした、筋肉質な鹿?が来たが、うちの従魔ズにかてっこない。
あー、やっと到着した。小さな古墳のような壁に木製のドア。近くにセーフティゾーンがあり、湧水があり、焚き火をする場所もある。うんうん、いつものセーフティゾーン。こちらには普通よく見る無花果、青リンゴ、オレンジの木がある。
「ぶひひんっ」
私とホークさんを下ろしたノワールが青リンゴを豪快にそのまま食べている。
『ボス部屋なのだー』
ルンルンで行きそうになるアレスのバンダナを掴む。
「ダメよ。お父さんに見てもらってからね」
『ぶーなのだー』
仔達はビアンカとイシスが止めている。ルージュはボス部屋の扉の隙間から、黒い霞を滑り込ませている。中のボス部屋の魔物を調べてくれているんやね。えーっと、あそこにしよっと。サブ・ドア登録。
よし、いいかな。
「お父さん、お願い」
「はいはい」
スタンバっていた父が靴を持ち、ダンジョン内に入る。
『じいじ、ヒスイ心配だから、ついてってあげるっ』
『ルリも心配だから、着いてくっ』
『クリスも心配っ、じーじ、一緒に行こうねっ』
「おぉよしよし」
父が唇を尖らせてかわいか三人娘をよしよし。
すっかり大きくなった三人娘に囲まれて、父はボス部屋の前に。もちろんビアンカも着いてますよ。すぐに終わったようや。
「どうやった?」
「うん、プラントドラゴンが零れ落ちることはないよ。
そもそもが出る予定のやつないみたいや。やけど今回ダンジョン改修して間もない事と、レベルの高いアレスがボス部屋を開けたから出ただけやね。ほら、マーファの冷蔵庫ダンジョンで、あれ以来玄武が出らんのと一緒や」
「ああ、初回特典みたいな?」
「そうそう」
「なら、もう出ん?」
「いや、一週間以内やな。やけどアレスかイシスが開けるのが条件や。それでも確率は一割以下や」
「そうな。プラントドラゴンが零れ落ちんことがわかっただけでもよかね」
マーファの冷蔵庫ダンジョン。最高階の24階で出た玄武は、調査のために入った時以来出ない。厄災クラスのイシスやアレスが開けても、ビアンカやルージュが開けてもフレアタートルだ。
ダンジョンとは生きた魔物。冷蔵庫ダンジョンにしても、ルーティのダンジョンにしても、まかさ厄災クラスのイシスとアレス、それに魔境のエリアボスクラスのビアンカやルージュが、改修そうそうやって来るとは考えなかったんやないかな? 厄災クラスのレベルは700、この大陸では数体しかいないらしいし。以前、アレスの痩せ具合を鑑定した時に出た情報。そこら辺を気軽に歩いていたら、恐ろしい存在。ダンジョン的にびっくりして排除しようと玄武やプラントドラゴンを出したが、慣れが出て出さなくなったと。
「おそらく、玄武やプラントドラゴンを繰り返し出すと、ダンジョン事態が疲労するんや。それも活動停止に追い込まれる程にな。そうならないように、なんとか順応して、イシスやアレスの厄災クラスを受け入れたんやろうな」
ダンジョンが活動停止って、由々しき事態や。ルーティのこの賑わいは、このダンジョンに繋がっている部分が多いはず。活動停止は避けたい。
しかし、父の話を聴きながら実感。あからさまに過剰な攻撃力を有しているんやけど。
『主よ、ボス部屋ボス部屋』
きゅるん。
『主ヨ、私モソロソロ思イッキリ戦イタゾ。ワイバーンデハ物足ン』
ぎゅるん。
はあ。
私はため息。
「お父さん、すぐに活動停止になる?」
「いや、そこまではないよ」
「ならよかよ。夕御飯までには終わらせてね」
『わかったのだっ』
『馬鹿者、私ノ番ダ』
私は父と競い合うようにボス部屋に向かう厄災クラスを見送った。
これ、なんやろ? 下手に触らんどこう。後でケルンさんから教えてもらう。これは常闇の無花果と呼ばれ、暗所にしか生えない果物。栄養価値が高く、中級ポーションとまでは言わないが、体力と魔力の回復効果がある。生で食べるのが一番だけど、日持ちしないので、ドライフルーツに加工してから持ち歩くんだって。効果は2割減だけど、市場では出回らず、とても貴重な果物だ。生で見たことがあるのは最年長のケルンさんだけ。ドライフルーツ状態で見たことがある人がちらほら。
それを聞いて後、皆で回収した。
「お疲れ様ホークさん、オシリス。イシスもありがとう」
私は適当な出っ張りに触れてサブ・ドアを登録する。
「さ、入って」
誘導誘導、と。
「姉ちゃん、お疲れ」
晃太が鰹のようにのたうち回る花を抱っこしている。よしよし花ちゃん。ちゅー、と。
「はい、ユイさんお茶ですっ」
「ありがとうエマちゃん」
エマちゃんが調度いい温度になったお茶を出してくれる。頂きます。ホークさんはテオ君からもらっている。
イシスとオシリスも水分補給している。その間に冒険者の皆さんは、常闇の無花果の回収だ。
『主よ、主よ、早く行くのだ』
「ちょっと待ってよ」
アレスがデカイ鼻面を押し付けてくる。君はまぐろか何かね?
私とホークさんを乗せたオシリスは、一旦休憩。ノワールの出番だ。
アレスは当然、ビアンカ、ルージュ、イシス、仔達。若手はジェミニ、キャンサー、リオン、サジタリウス、カプリコーンで向かう。ここは草原フィールドだが、なだらかではない。しかし、ノワールであればかなり早い時点で到着する。
再びぶひひん特急ノワールが登場。
先頭はアレス、その後ろイシスとルージュ。そしてノワール。その左右を仔達と若手が固める。最後尾はビアンカ。
スピードを上げていくと、はい、出てきました、虫ーっ。
あのフォルムはムカデやーっ。のたうち回る姿は、まさに、ひーっ、と気持ち悪いっ。
『ふんっ』
アレスが雷連発すると、くたあ、となるムカデ、はいドロップ品へ。次に来たのは、はい、サイズのおかしか蛾、ぜったい蝶やないっ。しかも集団やっ。
お馴染みの光のリンゴ達が縦横無尽に飛び回り、仔達と若手達もも次々に魔法を放つ。
蛾の次は、でっかい、これまたでっかい猪。口から、ふしゅー、だって。
やっぱり怖かーっ。
『我には勝てないのだっ』
正面衝突。
アレスの数倍は大きいのに、ドカーンッ、と吹っ飛ぶ。どっちが? 猪がだよっ。
猪はその後遭遇はしなかったが、次に来たのはずんぐりむっくりした、筋肉質な鹿?が来たが、うちの従魔ズにかてっこない。
あー、やっと到着した。小さな古墳のような壁に木製のドア。近くにセーフティゾーンがあり、湧水があり、焚き火をする場所もある。うんうん、いつものセーフティゾーン。こちらには普通よく見る無花果、青リンゴ、オレンジの木がある。
「ぶひひんっ」
私とホークさんを下ろしたノワールが青リンゴを豪快にそのまま食べている。
『ボス部屋なのだー』
ルンルンで行きそうになるアレスのバンダナを掴む。
「ダメよ。お父さんに見てもらってからね」
『ぶーなのだー』
仔達はビアンカとイシスが止めている。ルージュはボス部屋の扉の隙間から、黒い霞を滑り込ませている。中のボス部屋の魔物を調べてくれているんやね。えーっと、あそこにしよっと。サブ・ドア登録。
よし、いいかな。
「お父さん、お願い」
「はいはい」
スタンバっていた父が靴を持ち、ダンジョン内に入る。
『じいじ、ヒスイ心配だから、ついてってあげるっ』
『ルリも心配だから、着いてくっ』
『クリスも心配っ、じーじ、一緒に行こうねっ』
「おぉよしよし」
父が唇を尖らせてかわいか三人娘をよしよし。
すっかり大きくなった三人娘に囲まれて、父はボス部屋の前に。もちろんビアンカも着いてますよ。すぐに終わったようや。
「どうやった?」
「うん、プラントドラゴンが零れ落ちることはないよ。
そもそもが出る予定のやつないみたいや。やけど今回ダンジョン改修して間もない事と、レベルの高いアレスがボス部屋を開けたから出ただけやね。ほら、マーファの冷蔵庫ダンジョンで、あれ以来玄武が出らんのと一緒や」
「ああ、初回特典みたいな?」
「そうそう」
「なら、もう出ん?」
「いや、一週間以内やな。やけどアレスかイシスが開けるのが条件や。それでも確率は一割以下や」
「そうな。プラントドラゴンが零れ落ちんことがわかっただけでもよかね」
マーファの冷蔵庫ダンジョン。最高階の24階で出た玄武は、調査のために入った時以来出ない。厄災クラスのイシスやアレスが開けても、ビアンカやルージュが開けてもフレアタートルだ。
ダンジョンとは生きた魔物。冷蔵庫ダンジョンにしても、ルーティのダンジョンにしても、まかさ厄災クラスのイシスとアレス、それに魔境のエリアボスクラスのビアンカやルージュが、改修そうそうやって来るとは考えなかったんやないかな? 厄災クラスのレベルは700、この大陸では数体しかいないらしいし。以前、アレスの痩せ具合を鑑定した時に出た情報。そこら辺を気軽に歩いていたら、恐ろしい存在。ダンジョン的にびっくりして排除しようと玄武やプラントドラゴンを出したが、慣れが出て出さなくなったと。
「おそらく、玄武やプラントドラゴンを繰り返し出すと、ダンジョン事態が疲労するんや。それも活動停止に追い込まれる程にな。そうならないように、なんとか順応して、イシスやアレスの厄災クラスを受け入れたんやろうな」
ダンジョンが活動停止って、由々しき事態や。ルーティのこの賑わいは、このダンジョンに繋がっている部分が多いはず。活動停止は避けたい。
しかし、父の話を聴きながら実感。あからさまに過剰な攻撃力を有しているんやけど。
『主よ、ボス部屋ボス部屋』
きゅるん。
『主ヨ、私モソロソロ思イッキリ戦イタゾ。ワイバーンデハ物足ン』
ぎゅるん。
はあ。
私はため息。
「お父さん、すぐに活動停止になる?」
「いや、そこまではないよ」
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※小説家になろう様にも投稿しています※