中途半端野郎の妄想

中途半端野郎

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n回目

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勢いよくドアを蹴破る音すら今の自分にはあまり大きな衝撃では無かった、何故だ?思考の波が押し寄せる、波を避ける術を知らないから当然ぶち当たり頭がショートする、何故こんな世界が広がるんだ?
「「ようやく見つけた」」
少しの高めの声と共に意味を持った言葉が僕の胸を後ろから突き刺す、不思議と何処かで聞いた事がある声だった、しかし同時に他の数人の何かに押し倒され拘束される、
「離せ!!!離してくれ!!」
精一杯の声も虚しく鈍い痛みが全身を走ると共に意識が薄れていく。
「「すまない、入れ替わって貰うぞ俺」」
その言葉を聞き取るよりも早く意識が途絶えた


逃げ惑う人々、破壊される建築物、異常に巨大な太陽、数十キロ離れててもわかる位の歪な形をした巨大な物体、大挙して押し寄せて来る謎の生命体。
「この世界はダメだ、もう少しでここも全て潰される、文字通りな、だが俺たちには奴等にない力がある、跳べ、跳んでここに居る俺ら以外の全ての俺たちを救え、それで全てハッピーエンドだ」

「ふざけんな!!お前達を救えなきゃ意味なんてねぇ!!他の全てがぶっ壊れたっていい!お前だけは!!お前らだけは!!たすけ-」
言葉を遮るように轟音が鳴り響く、あいつらが目の前の景色に映る、お前らのせいだ、お前らなんかがあの事故以来全てを壊しながら世界を覆うからこんな事になったんだ、そして一人また一人と圧倒的な巨躯に押しつぶされていく
「ウワァァァァァ!!!やめろぉぉ!!!!」
折れそうになる心を必死に抑える、ここで俺たらせっかく手に入れた力が全て台無しだ、分かって居るのに目の前の圧倒的な絶望にへし折れそうになる。
「跳べぇぇぇぇぇ!!!」
気付いた時男はすでにボタンを思いっきり推し叩いた、まばゆい先行と共にガラス越しの世界が霞む、巨大な何かの口の中に運ばれる仲間たち、悔しさで握りしめた拳からは血が滴る。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
途方も無い血と涙と黒い感情を塗りつけられた白い光はやがてその世界から消失した
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