あなたと私のウソ

コハラ

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ウソのはじまり

《11》

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「俺たちには半年しかない。それでもいいか?」

真剣な表情を浮かべた秋川が言った。

いいかって何? 秋川、彼氏になってくれるの?

「彼氏になってくれるんですか?」

秋川が穏やかな顔で微笑む。

「余命半年なんて言われたら、人生最期の恋をしたいって、佐々木の年なら思うだろ? まだ18だもんな」

私が余命半年だって、本気で思っているんだ。
しかも可哀そうだと思って彼氏になってくれるんだ。秋川、優しい。

「相手が30のオッサンってのも、ちょっと釣り合わない気もするが、佐々木が寂しくならないようにするから。何かあったらいつでも連絡して来い。どこかに出かけたかったらつき合うし、行きたい所があったら言え。とりあえず連絡先交換するか」

嬉しい……。
秋川の言葉が胸の深い所に刺さる。

「佐々木、いや、理桜りお、よろしくな」

スマホを取り出して連絡先を交換し終わると、秋川が言った。
初めて下の名前で呼ばれた。

なんか彼女みたいでにやける。
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