42 / 150
3話 推しの為にできる事
《2》
しおりを挟む
推しが間違った事をしていると知った時、どうするべきなんだろう。そんな事を考えながら、お母さんと一緒にテレビでタクヤ君の謝罪会見を見た。
ブラックスーツでタクヤ君が会場に現れると、マスコミが一斉に写真を撮る。テレビ画面に映ったマスコミは百人以上いそう。
「この度は私の不適切な行動により、ファンの皆様、スポンサーの皆様を始め関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけした事をお詫びします」
タクヤ君が深々と長いお辞儀をする。
「週刊誌で報じられた北沢麗華さんと不倫関係にあったというのは事実なんですか?」
タクヤ君を囲んでいた女性レポーターの一人がタクヤ君にマイクを向ける。
「はい。事実です。私と北沢さんは不倫関係にありました」
タクヤ君が答えた瞬間、パシャパシャとスゴイ勢いでシャッターを切る音がした。
激しいフラッシュに照らされるタクヤ君の姿が速水さんに見えてくる。まるで速水さんが矢面に立たされて世間から責められているようで、胸が痛くなる。
もしも、速水さんとゆりさんの不倫がゆりさんのご主人にバレたら、速水さんもタクヤ君のようにつるし上げられるんだろうか。
それで、集学館を辞める事になって、編集者の仕事が出来なくなるかも。
ゆりさんのご主人に慰謝料だって請求されて……。
いや……!
速水さんが不幸になる所は絶対に見たくない。
ゆりさんのご主人にバレる前に私が止めなきゃ!
私が速水さんを守る!
それが推しの速水さんの為に私が出来る事。
そう思ったら居ても立っても居られなくなって、家を飛び出した。
ブラックスーツでタクヤ君が会場に現れると、マスコミが一斉に写真を撮る。テレビ画面に映ったマスコミは百人以上いそう。
「この度は私の不適切な行動により、ファンの皆様、スポンサーの皆様を始め関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけした事をお詫びします」
タクヤ君が深々と長いお辞儀をする。
「週刊誌で報じられた北沢麗華さんと不倫関係にあったというのは事実なんですか?」
タクヤ君を囲んでいた女性レポーターの一人がタクヤ君にマイクを向ける。
「はい。事実です。私と北沢さんは不倫関係にありました」
タクヤ君が答えた瞬間、パシャパシャとスゴイ勢いでシャッターを切る音がした。
激しいフラッシュに照らされるタクヤ君の姿が速水さんに見えてくる。まるで速水さんが矢面に立たされて世間から責められているようで、胸が痛くなる。
もしも、速水さんとゆりさんの不倫がゆりさんのご主人にバレたら、速水さんもタクヤ君のようにつるし上げられるんだろうか。
それで、集学館を辞める事になって、編集者の仕事が出来なくなるかも。
ゆりさんのご主人に慰謝料だって請求されて……。
いや……!
速水さんが不幸になる所は絶対に見たくない。
ゆりさんのご主人にバレる前に私が止めなきゃ!
私が速水さんを守る!
それが推しの速水さんの為に私が出来る事。
そう思ったら居ても立っても居られなくなって、家を飛び出した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる