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4話 速水さんとデート?
《6》
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試写会の会場となっていた映画館を出ると、外はもう暗くなっていた。時間を見ると午後6時10分。
今日はこれで速水さんとはお別れだよね。
ハンカチとお母さんに渡されたバームクーヘンを渡さなきゃ。
そう思った時、くるっと速水さんが私の方を向く。
「卯月先生、お腹すきませんか?」
「えっ……おなか……」
言われてみれば空腹かも。
「何か食べていきませんか?」
これって、夕食のお誘い……!
「はい! お腹すきました!」
手つなぎの失敗を挽回したく、声が大きくなった。
通りを歩く人たちの視線が私に突き刺さる。
やば。声が大きかった。恥ずかしい。
「えーと、目立ってすみません」
速水さんがクスッと笑う。
「大丈夫ですよ。イタリアンはどうです? この近くにいいお店があります」
速水さんが提案してくれるものならなんだって……
「大好きです!」
「良かった。では、行きましょう」
「はい」
夜の繁華街を速水さんと並んで進む。歩き始めてすぐに速水さんがさりげなく車道側を歩いてくれている事に気づいた。
ヒロインを庇って車道側を歩く男性なんて少女漫画に出てくるイケメンだけだと思っていたけど、現実にもいるんだと感動した。
今日も速水さんの素敵ポイントを発見出来て幸せ。
今日はこれで速水さんとはお別れだよね。
ハンカチとお母さんに渡されたバームクーヘンを渡さなきゃ。
そう思った時、くるっと速水さんが私の方を向く。
「卯月先生、お腹すきませんか?」
「えっ……おなか……」
言われてみれば空腹かも。
「何か食べていきませんか?」
これって、夕食のお誘い……!
「はい! お腹すきました!」
手つなぎの失敗を挽回したく、声が大きくなった。
通りを歩く人たちの視線が私に突き刺さる。
やば。声が大きかった。恥ずかしい。
「えーと、目立ってすみません」
速水さんがクスッと笑う。
「大丈夫ですよ。イタリアンはどうです? この近くにいいお店があります」
速水さんが提案してくれるものならなんだって……
「大好きです!」
「良かった。では、行きましょう」
「はい」
夜の繁華街を速水さんと並んで進む。歩き始めてすぐに速水さんがさりげなく車道側を歩いてくれている事に気づいた。
ヒロインを庇って車道側を歩く男性なんて少女漫画に出てくるイケメンだけだと思っていたけど、現実にもいるんだと感動した。
今日も速水さんの素敵ポイントを発見出来て幸せ。
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