推しの速水さん

コハラ

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7話 速水さんとセクシー美女?

《19》

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リビングのテーブルにIHクッキングヒーターを設置して、その上に土鍋を置いてぐつぐつ煮込む事10分。美味しそうな匂いが漂い始める。

煮込んでいる間に速水さんがコブサラダを作ってくれた。具材はレタス、トマト、アボカド、きゅうり、ゆで卵。全部、綺麗な角切りになっている。当然、サラダも速水さんコレクションとして、写真を撮らせて頂いた。

最後にお肉屋さんで買って来た唐揚げをテーブルの上に置いて、今夜の夕飯が全部並ぶ。

どれも美味しそう。

「美樹ちゃん、お酒は飲む? ビールぐらいしかないけど」

キッチンにいる速水さんに聞かれた。

「速水さんが飲むなら飲みます」
「今日はやめておこうかな。いろいろと危なくなりそうだから」
「危なくなる? 何がです?」
「あ、いや、ほら、美樹ちゃんを車で送っていくつもりだから」
「電車で一人で帰れますよ」
「危ないよ。お肉を切っている美樹ちゃんを見て一人で帰せないと思ったよ」
「そんなに私、危ない感じでした?」
「うん。本当、顔、切りそうだったから」
「速水さん、意外と心配症ですね」
「とにかく送っていくから。眼鏡を壊したのは僕だし、責任取らせて下さい」

速水さんが頭を下げる。
まだ眼鏡の事を気にしているんだ。速水さんって誠実な人だな。

「そんなに責任感じないで下さい。スペアの眼鏡があるから大丈夫ですから」
「今度新しい眼鏡を買いに行こう」
「いいのに」
「僕の気が済まない。美樹ちゃん、今度の日曜日は空いてる?」
「日曜日は午後バイトですけど、その前なら」
「じゃあ、午前中にメガネ屋ね」
「本当にいいのに」
「僕は全然よくないから」

速水さんって、ちょっと頑固かも。
でも、日曜日も会えるんだ。嬉しい。
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