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宿に泊まるカイリ達
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誓約書にサインを終えたバルグさんは、笑顔のままサニーさんに渡した。
「これでよろしいんですよね?」
「ええ、誓約書があるとはいえ、出過ぎたことをしないでちょうだいね。下手したらぁ……」
「私も商人です。そういったことに関しては気を付けているので、大丈夫ですよ」
「アナタに言ってるんじゃないわ。カイリに言ってるのよ」
「お、俺ですかぁ?」
サニーさんにそう言ったら、何故かバルグさんと一緒に頷いた。
「理由はどうあれ、本当に人前でその本を開かないようにしてちょうだいね。じゃないと、大変な目に遭うかもしれないから」
大変な目に遭うって……想像出来ないなぁ。
「それに、その腕輪の方も武装化装飾なのですよね?」
「え? バルグさん、何で知っているんですか?」
「偶然にもサシャが腕輪を別のものに変えるところを見掛けたのですよ」
「マジかぁ~……」
多分、昨日の夜に見られたんじゃ……ん? ちょっと待てっ! それだとおかしくないか?
ポーションを作る前にマジック・マグナムの弾を抜いたのだから……。
「どうしたの?」
「あっ、いえ! 何でもありません」
もう過ぎたことだから、気にしないでいよっか。
「さっそくですが、私からアナタに依頼をしたいのですが、よろしいですか?」
「俺は別に構わないんだけど、錬成レベルが1なので出来ることは限られるぞ」
さっきのエリクサーを作って欲しいとか言われたら、無理って言って断るし。
「カイリ様が考えている様な上位のアイテムを作って頂こうと思っておりませんよ。ただポーションを5つほど作って頂ければいいんです」
「ポーションを?」
「はい」
ポーションを5つかぁ……。
「……バルグさん。申し訳ないんだけど、今の俺には5つもポーションを作れないんだ」
「5つも作れない……それはどういうことですか?」
「俺の錬成スキルでポーションを1個作るのに必要なMPは3。俺のMPはマックスで15しかなくて、さっきポーションを1つ作ったからぁ……後4つほどしかつくれないんだ」
「……なるほど。となると、製作するアイテムのランクが高ければ高いほど必要な魔力量が増えていきそうですねぇ」
うん、俺もそれを予想していた。と思っていたら、俺達の会話をつまらなそうに聞いていたサニーが身を乗り出して聞いて来る。
「ちょっ! じゃあ、さっき言ってたエリクサーの素材が集まっても、製作に必要な魔力量が少なくて出来ないって可能性があるのかしら?」
「その可能性はぁ……うん、あるかもしれないな」
てか、MPのことを魔力量って言うんだ。俺もそう言った方がいいかなぁ?
「ハァ~……まぁ今のところアイテムの製作に関しては初歩的なものしか作れないってことね」
「そういうこと!」
だから無理難題なアイテム製作を、俺に押し付けないでくれ!
「……今はその方が安全なのかもしれないけど」
「ん? 何か言いました?」
「何でもないわ! そんなことよりもバルグ。ポーションをいくつ作って欲しいんだっけ?」
サニーさんにそう聞かれたバルグさんは、アゴに手を当てて悩ましそうな顔をさせる。
「……ポーションを3つほど作って頂くことにします」
「3つ。今すぐ作るから、ちょっと待っててくれ」
そう言った後、ポーションを3つ作りバルグさんに手渡そうとしたら、サニーさんに鑑定をしなくちゃダメと言われてしまい、全部取られてしまった。
「……3つとも品質も問題ないわ」
サニーさんはそう言うと、バルグさんにポーションを渡した。
「ありがとうございます。こちらが代金です」
「ありがとうございます!」
手渡された袋を広げて中身の確認をする。
えっとぉ。大銀貨が10枚の金貨が9枚だから、10万レザかぁ……。
「沢山貰えたのか、適正金額なのか分からないけど、ありがとうございます!」
「キャンッ!」
ルルも俺と同じようにバルグさんにお礼を言うが、バルグさんはサニーさんと共に驚いた表情を浮かべる。
「あの、もしかして……料金の基準が分からないの?」
「その通り、全く分かりません!」
自信満々にそう言った瞬間、2人して頭を抱えてしまった。
「常識がない子と思っていたけれど、まさかここまでとはぁ……」
「屋敷にいた時に、教えて差し上げればよかったです」
「えっとぉ……2人共、大丈夫ですか?」
「「大丈夫じゃない!」」
そう言われた後、俺はこの世界のお金のことについて説明を受けた。
「……ということです。なので、錬金術ギルドの近くにある宿屋オーリーに宿泊して下さい」
「あ、はい……分かりました」
もの凄い気迫で説明して来るから、ルルが怯えた表情で俺の後ろに隠れちゃったよ。てか、もぞもぞ動かないでくれ。気になるからさ。
「……まぁアナタの働きに私達は期待しているわ」
「何か困ったことがあれば、我々は力になります」
そう言って来る2人に、胸がジーンとしてしまう。
「あ、ありがとうございます」
「私は彼女と話があるのでここに残ります。カイリ様はどうされますか?」
「俺は、その宿屋に行って予約しようと考えてる」
「そうですか。今日はお付き合いして頂きまして、ありがとうございます」
「いや、俺の方が世話になったよ。ありがとうございました!」
「キャンッ!」
ルルもバルグさんに向かって「バイバイ!」と言いたそうな鳴き声を出した。
「カイリそれにルル、アナタ達に期待してるわね」
「はい、頑張ります!」
2人に手を振りながら、ルルと共に錬金術ギルドを出たのだった。
「さて、錬金術ギルドの近くに宿屋オーリーがあるって聞いたんだけど……」
「キャンッ⁉︎」
ん? 俺にのしかかって来て一体どうしたんだ? また抱っこをして……んん?
ルルがチラチラ錬金術ギルドの反対側を見つめるので、俺もそちらに顔を向けて見る。
「……あった」
何と錬金術ギルドの反対側に、宿屋オーリーがあったのだ。
「キャンッ! キャンッ!」
「褒めて! 褒めて!」と言いたそうな顔で尻尾を振っているルルに対して、ちょっと複雑な気持ちになってしまうが、ちゃんと撫でて褒めてあげる。
「偉いぞルル! しかも宿屋の字を読めるんだな!」
「キャンッ!」
「そうだよぉ!」と誇らしそうな顔に、思わず胸がキュンッとなった。
「まだ昼前で早いかもしれないけど、昼食を取れるのなら取っちゃおうか」
「キャンッ!」
「ごはん!」と嬉しそうな顔をさせながら飛び跳ねているので、宥めてあげる。
「昼食を食べられるのならって話だから、喜ぶのはまだ早いって」
「クゥン?」
よく分かってなさそうな顔で首を傾げる姿を見て、またも可愛いと思ってしまった。
「とりあえず宿屋にい行って聞いてみないと分からないから、行こうルル」
「キャンッ!」
楽しそうな顔をしているルルと共に向かいの宿屋オーリーへと入って行くと、カウンター越しに目付きの悪いエルフの男性と目が合った。
「いらっしゃいませ……お客さんは泊まりですか?」
「あ、はい」
「1人ですか? それとも他にもお客さんがいますか?」
何だろう……睨まれている気がしてならない。
「俺と従魔のこの子なんですけど、部屋空いていますか?」
「ああ~……ウチは従魔を入れても大丈夫だ。ただ、ゴーレムとか重くて部屋に入り切らないサイズはお断りだ」
ですよねぇ~。
「じゃあ、この子と一緒に眠りたいので、一部屋お借りします!」
「1人部屋。従魔はウルフ種だから無料、10日で4000レザ。食事付きで6000レザになる。風呂はないから近くの銭湯を使うことになるが……いいか?」
「大丈夫です! 食事付きでお願い致します!」
「分かった。先払いになるから払ってくれ。もしも、途中キャンセルした場合は、残りの日数と差し引きした金を返すから、俺やカミさんに言ってくれ」
「分かりました!」
そう言ってから、エルフの男性にお金を渡すと鍵を手渡された。
「お前の部屋は、2階の1番奥だ。迷うことはないだろう」
「あ、はい。ありがとうございます」
何とも言えない気持ちのまま、2階へと上がるのだった。
「これでよろしいんですよね?」
「ええ、誓約書があるとはいえ、出過ぎたことをしないでちょうだいね。下手したらぁ……」
「私も商人です。そういったことに関しては気を付けているので、大丈夫ですよ」
「アナタに言ってるんじゃないわ。カイリに言ってるのよ」
「お、俺ですかぁ?」
サニーさんにそう言ったら、何故かバルグさんと一緒に頷いた。
「理由はどうあれ、本当に人前でその本を開かないようにしてちょうだいね。じゃないと、大変な目に遭うかもしれないから」
大変な目に遭うって……想像出来ないなぁ。
「それに、その腕輪の方も武装化装飾なのですよね?」
「え? バルグさん、何で知っているんですか?」
「偶然にもサシャが腕輪を別のものに変えるところを見掛けたのですよ」
「マジかぁ~……」
多分、昨日の夜に見られたんじゃ……ん? ちょっと待てっ! それだとおかしくないか?
ポーションを作る前にマジック・マグナムの弾を抜いたのだから……。
「どうしたの?」
「あっ、いえ! 何でもありません」
もう過ぎたことだから、気にしないでいよっか。
「さっそくですが、私からアナタに依頼をしたいのですが、よろしいですか?」
「俺は別に構わないんだけど、錬成レベルが1なので出来ることは限られるぞ」
さっきのエリクサーを作って欲しいとか言われたら、無理って言って断るし。
「カイリ様が考えている様な上位のアイテムを作って頂こうと思っておりませんよ。ただポーションを5つほど作って頂ければいいんです」
「ポーションを?」
「はい」
ポーションを5つかぁ……。
「……バルグさん。申し訳ないんだけど、今の俺には5つもポーションを作れないんだ」
「5つも作れない……それはどういうことですか?」
「俺の錬成スキルでポーションを1個作るのに必要なMPは3。俺のMPはマックスで15しかなくて、さっきポーションを1つ作ったからぁ……後4つほどしかつくれないんだ」
「……なるほど。となると、製作するアイテムのランクが高ければ高いほど必要な魔力量が増えていきそうですねぇ」
うん、俺もそれを予想していた。と思っていたら、俺達の会話をつまらなそうに聞いていたサニーが身を乗り出して聞いて来る。
「ちょっ! じゃあ、さっき言ってたエリクサーの素材が集まっても、製作に必要な魔力量が少なくて出来ないって可能性があるのかしら?」
「その可能性はぁ……うん、あるかもしれないな」
てか、MPのことを魔力量って言うんだ。俺もそう言った方がいいかなぁ?
「ハァ~……まぁ今のところアイテムの製作に関しては初歩的なものしか作れないってことね」
「そういうこと!」
だから無理難題なアイテム製作を、俺に押し付けないでくれ!
「……今はその方が安全なのかもしれないけど」
「ん? 何か言いました?」
「何でもないわ! そんなことよりもバルグ。ポーションをいくつ作って欲しいんだっけ?」
サニーさんにそう聞かれたバルグさんは、アゴに手を当てて悩ましそうな顔をさせる。
「……ポーションを3つほど作って頂くことにします」
「3つ。今すぐ作るから、ちょっと待っててくれ」
そう言った後、ポーションを3つ作りバルグさんに手渡そうとしたら、サニーさんに鑑定をしなくちゃダメと言われてしまい、全部取られてしまった。
「……3つとも品質も問題ないわ」
サニーさんはそう言うと、バルグさんにポーションを渡した。
「ありがとうございます。こちらが代金です」
「ありがとうございます!」
手渡された袋を広げて中身の確認をする。
えっとぉ。大銀貨が10枚の金貨が9枚だから、10万レザかぁ……。
「沢山貰えたのか、適正金額なのか分からないけど、ありがとうございます!」
「キャンッ!」
ルルも俺と同じようにバルグさんにお礼を言うが、バルグさんはサニーさんと共に驚いた表情を浮かべる。
「あの、もしかして……料金の基準が分からないの?」
「その通り、全く分かりません!」
自信満々にそう言った瞬間、2人して頭を抱えてしまった。
「常識がない子と思っていたけれど、まさかここまでとはぁ……」
「屋敷にいた時に、教えて差し上げればよかったです」
「えっとぉ……2人共、大丈夫ですか?」
「「大丈夫じゃない!」」
そう言われた後、俺はこの世界のお金のことについて説明を受けた。
「……ということです。なので、錬金術ギルドの近くにある宿屋オーリーに宿泊して下さい」
「あ、はい……分かりました」
もの凄い気迫で説明して来るから、ルルが怯えた表情で俺の後ろに隠れちゃったよ。てか、もぞもぞ動かないでくれ。気になるからさ。
「……まぁアナタの働きに私達は期待しているわ」
「何か困ったことがあれば、我々は力になります」
そう言って来る2人に、胸がジーンとしてしまう。
「あ、ありがとうございます」
「私は彼女と話があるのでここに残ります。カイリ様はどうされますか?」
「俺は、その宿屋に行って予約しようと考えてる」
「そうですか。今日はお付き合いして頂きまして、ありがとうございます」
「いや、俺の方が世話になったよ。ありがとうございました!」
「キャンッ!」
ルルもバルグさんに向かって「バイバイ!」と言いたそうな鳴き声を出した。
「カイリそれにルル、アナタ達に期待してるわね」
「はい、頑張ります!」
2人に手を振りながら、ルルと共に錬金術ギルドを出たのだった。
「さて、錬金術ギルドの近くに宿屋オーリーがあるって聞いたんだけど……」
「キャンッ⁉︎」
ん? 俺にのしかかって来て一体どうしたんだ? また抱っこをして……んん?
ルルがチラチラ錬金術ギルドの反対側を見つめるので、俺もそちらに顔を向けて見る。
「……あった」
何と錬金術ギルドの反対側に、宿屋オーリーがあったのだ。
「キャンッ! キャンッ!」
「褒めて! 褒めて!」と言いたそうな顔で尻尾を振っているルルに対して、ちょっと複雑な気持ちになってしまうが、ちゃんと撫でて褒めてあげる。
「偉いぞルル! しかも宿屋の字を読めるんだな!」
「キャンッ!」
「そうだよぉ!」と誇らしそうな顔に、思わず胸がキュンッとなった。
「まだ昼前で早いかもしれないけど、昼食を取れるのなら取っちゃおうか」
「キャンッ!」
「ごはん!」と嬉しそうな顔をさせながら飛び跳ねているので、宥めてあげる。
「昼食を食べられるのならって話だから、喜ぶのはまだ早いって」
「クゥン?」
よく分かってなさそうな顔で首を傾げる姿を見て、またも可愛いと思ってしまった。
「とりあえず宿屋にい行って聞いてみないと分からないから、行こうルル」
「キャンッ!」
楽しそうな顔をしているルルと共に向かいの宿屋オーリーへと入って行くと、カウンター越しに目付きの悪いエルフの男性と目が合った。
「いらっしゃいませ……お客さんは泊まりですか?」
「あ、はい」
「1人ですか? それとも他にもお客さんがいますか?」
何だろう……睨まれている気がしてならない。
「俺と従魔のこの子なんですけど、部屋空いていますか?」
「ああ~……ウチは従魔を入れても大丈夫だ。ただ、ゴーレムとか重くて部屋に入り切らないサイズはお断りだ」
ですよねぇ~。
「じゃあ、この子と一緒に眠りたいので、一部屋お借りします!」
「1人部屋。従魔はウルフ種だから無料、10日で4000レザ。食事付きで6000レザになる。風呂はないから近くの銭湯を使うことになるが……いいか?」
「大丈夫です! 食事付きでお願い致します!」
「分かった。先払いになるから払ってくれ。もしも、途中キャンセルした場合は、残りの日数と差し引きした金を返すから、俺やカミさんに言ってくれ」
「分かりました!」
そう言ってから、エルフの男性にお金を渡すと鍵を手渡された。
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