東京PMC’s

青空鰹

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土竜との待ち合わせ場所に向かう紫音

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 次の日の朝7時00分。フル装備の状態で荷物を入れたバックを背負い、玄関から外へと出る。

 「紫音、忘れ物はないか?」

 「大丈夫です」

 先ほども確認してみたけど、忘れ物はなさそう。

 「でも天野さん。食糧とか水って必要と思えませんが」

 「ああ、いざという時の為に必要になるからな。リトアも言っていただろう?」

 「まぁ、確かにそうですけどぉ・・・・・・」

 タオルと応急キット以外は必要になる場面があるとは思えないんだよなぁ。

 「それよりも、指定された場所に向かうぞ」

 「あ、はい!」

 そう返事をした後にピックアップトラックの助手席に乗った瞬間に天野さんは出発させた。シートベルトまだ付けてないのに。

 「なぁ紫音」

 「何ですか天野さん?」

 「もしも危険区域の中でお前の身に何かがあったら、必ず近くにいるPMCが駆け付けるようになっているから、危険と判断したらそのスマートウォッチで本部と連絡を取れよ」

 「わかりました」

 僕の事を心配してくれているんだ。ちょっと嬉しい。

 「お前はトロいところがあるし、暴走する事もある馬鹿だからな。危ないと感じたらちゃんと連絡をしろよ」

 「馬鹿にしないで下さいよ!」

 「そうか? 話に聞いたところ、担任に怒ったそうじゃないか? しかも2回も」

 「うっ!?」

 バツの悪そうな顔をチラッと見た天野さんは、 フンッ と鼻で笑って馬鹿にして来た。

 「あれは筒城先生がPMCを辞めなさいって言って来たから、そのぉ~、カッとなって・・・・・・」

 「俺だったら 申しわけありませんが俺はこの仕事を続けるつもりです。 って言ってその場を立ち去るぞ」

 「僕だってそうしようとしました。でも引き止められたんです」

 「それでも、丁寧かつ親切に話さないとダメだ。学校側も理解してくれたからいいものの、事と場合によってはお前は生徒指導室へ連行される可能性があったんだぞ」

 えっ!? 僕が生徒指導室に?

 「だから今後はのらりくらりと上手くやり過ごす方法を考えて発言しろよ」

 「ムゥ~・・・・・・学生時代の天野さんは不良だった説」

 「一応言うが、俺が高校に通っていた時は学年で学年末テストで10位以内に入っていたからな。お前の頭と一緒にするなよ」

 天野さんはそう言うと、僕の頭をガシガシとなでて来た。

 「そろそろ着くぞ・・・・・・ん?」

 「あ!」

 指定された場所付近まで来たら、フード被った小柄な人が僕達に向かって手を振っていたのだ。

 「相変わらず早いなアイツら」

 「あの人と知り合いですか?」

 「知り合いも何も、アイツも土竜の1人だ」

 あの子が土竜の1人?

 そう思っていたら、天野さんがその人の横に車をつけてサイドウィンドウを下げた。

 「紫音を連れて来たぞ」

 「いやぁ~、助かるのですよぉ! 助手席にいるのが大園 紫音さん?」

 声からして女性なのはわかるが、顔を隠しているせいで表情が窺えない。

 「はじめまして、大園 紫音です。今車からおります」

 「はいはぁ~い!」

 ピックアップトラックから降りて彼女の目の前に行くと、手を取ってブンブン縦に振って来た。

 「あっしは土竜の225ですよぉ! 以後お見知り置きを!」

 188さんと言い、何かフレンドリーな人だなぁ。土竜の人達はみんなこうなのかな?

 「紫音、仕事が終わったら連絡をくれ。迎えに来てやるから」

 「わかりました」

 迎えはリュークさんにやらせるつもりだろうなぁ。 と思いつつ、天野さんを見送った。

 「さぁ大園くん。あっし達もお店に向かいますよぉ!」

 「えっ!? お店? 何処のお店に行くのですか?」

 「え? ああ、あっしの勤めている土竜のお店。一旦そこの行ってから説明と装備を整えてから向かおうと思っているんですよぉ!
 事前にその事を話していたんですがぁ・・・・・・話聞いてませんかぁ?」

 天野さんめぇ~、何が学年末テスト10位以内ですか! 僕に伝えて忘れてるじゃないですかぁっ!!

 「そ、それよりも。危険区域の中に入るんですよね?」

 「ええ、そうですよぉ! それがどうしたのですかぁ?」

 「どうやって危険区域に入るんですか?」

 危険区域を隔てる壁を登るなんて不可能としか思えない。でも抜け道があるって言っていたから、何処かにあるのかな?

 「心配要りませんよぉ! こっちに来て下さいよぉ!」

 そう言って手招きする225さんだが、閉鎖区域とは真逆にある貸し倉庫へ向かって行く。

 本当に大丈夫?

紫音の不安を余所に225は、その1つを開き入って行く。

 「大園くん、入って下さい!」

 「あ、はい」

 225さんの言われた通り、中に入ると225さんは扉を閉じて鍵を閉めた。

 「もしかしてここがお店ですか?」

 隅っこの棚に日用雑貨やダンボールが積まれていた

 「違いますよぉ! ここは商品の仕入れに使っている通路ですよぉ。通路はこっちですよぉ!」

 225さんはそう言うと、下水道の蓋を開けた。

 「この中を通って行くんですかぁっ!?」

 「そうですよぉ」

 整理的に無理です!

 「あ! 大園くんはもしかして、下水道を通って行くと思っていますか?」

 「どう見ても下水道に続く道じゃないですか」

 「大園くん。覗いて見て下さいよぉ」

 「えっ!?」

 顔をしかめていると、 まぁまぁまぁ。 と言って背中を押して僕を穴に近づける。

 「ちょっ、まっ!? ・・・・・・あれ? 穴から変な臭いがしない」

 恐る恐る近づいて穴に近づいて覗いて見ると、何とそこには整備された道があったのだった。

 「本当に下水道じゃない!」

 「言ったでしょ。下水じゃないですよぉって。さぁ、ここを通って行きますよぉ!」

 「あ、はい!」

 僕は225さんの後に付いて行くようにしてハシゴを降りて行ってから、通路を通って行く。

 ・・・・・・結構歩いている気がする。

 「あのぉ、この通路って何処に繋がっているんですか?」

 「閉鎖区域に繋がっているのですよぉ」

 「いや、そう聞いているんじゃないんです。この通路が何処に続いているのか聞いています」

 「ああ~、東京メトロの東京駅まで繋がっているんですよぉ」

 東京駅まで繋がっているだってぇっ!?

 「歩くには遠過ぎますよっ!」

 「まぁ、そこまでいかないので安心していいですよぉ。ほら、ここを右に曲がりますよぉ」

 「えっ!? 曲がる?」

 どう言う事何だろう?

 「あっし達が向かう場所は京急蒲田駅なので、そんなに遠くないですよぉ。もしかして東京まで行くと思っていましたか?」

 「あ、はい。仰る通りです」

 「流石に東京駅まで行のでしたら、地上に出て車に乗り換えますよぉ。それか現地集合ですよぉ」

 呆れた顔をさせながら僕を見つめるので、 アハハハハ・・・・・・。 と苦笑いをした。

 「ここが京急蒲田駅ですよぉ。登りますよぉ」

 「あ、はい」

 登りますよぉ。 と225さんが言ったのだが、一向に登ろうとしない。

 「・・・・・・あの、登らないのですか?」

 「大園さん、先に行って下さい」

 「えっ!? 何でですか?」

 「あっしはスカートなんですよぉ! あっしが先に行ったらスカートの中が丸見えになるのが、わからないんですかぁっ!?」

 あ、そういう事ですかっ!?

 「すみません! 先に行きます!」

 「わかればいいのですよぉ」

 上に登っている途中で225さんがブツブツ何か言っていたけど、気にしないように振る舞っていた。

 ん? ここは・・・・・・。

 地上に出て辺りを見渡して見ると、何処かの事務所のオフィスらしき場所に出た。

 「ここはパチンコ屋さんの管理室ですよぉ。今鍵を開けるので待っていて下さいよぉ」

 「あ、はい」

 そう言ってドアを開き管理室を出ると、パチンコ台がズラーっと並んでいる場所に出た。

 「わぁ~、パチンコ屋さんだ」

 「でしょ~」

 「でも、長年使われてなさそうですね」

 台に近づいて見ると台にホコリが溜まっていて、更にはガラスを拭いていないせいなのか曇っていた。それに何台かガラスが破られたり、現金投入口付近が壊されているのだ。

 「閉鎖騒動の後に誰かがここに来て、お金を取ろうとしたんだろう。この様子だと相当苦労してこじ開けた感じがあるなぁ」

 む、この声は!

 「188さん!」

 「また会ったね。紫音くん」

 そう、188さんが嬉しそうな声で話し掛けて来たのだ。
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