東京PMC’s

青空鰹

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紫音と新たな護衛依頼

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 「それじゃあな、紫音。真理亜さん」

 「またいらっしゃってねぇ~!」

 「またの御来店をお待ちしてるっス!」

 神崎さんは僕と真理亜さん達に見送られながら、お店を後にしたのだった。

 「神崎さんって、唯凪さんと仲がよかったんですね」

 「ええそうよぉ~。神崎ちゃぁんと唯凪ちゃぁんは先輩と後輩の関係だったからねぇ~!」

 「そうだったんですか! だからあんなに心配していたんですね」

 「ところで紫音ちゃぁん、今日はもうお仕事上がっていいわよぉ~」

 「えっ!? いいんですか?」

 「紫音ちゃぁんに頼みたいお仕事はもうないからねぇ~。お給料の方も心配しなくてもいいわよぉ~」

 う~ん、確かに僕がやるのはお店に届いたダンボールを開いて渡すか、棚の整理をするしかないしね。

 「真理亜さんのお言葉に甘えて、上がらせて頂きますね」

 「帰りは気を付けてねぇ~」

 「学校でまた会うっスよ」

 「はい、お疲れ様でしたぁ!」

 荷物を持ってお店を出ると帰り道を歩くのであったが、その道中でものスゴイ声が聞こえて来たのでそちらの方に顔を向ける。

 「何あれ?」

 僕の視線の先に昭和に出て来そうな暴走族風の格好をしたおじさんが、車の前で木刀を振っているいた。

 「うぉおおおおおおおおおおおおっ!!? お、俺のぉ! 俺の GTR  NISMO に触れんじゃあねぇええええええええええええっ!!?」

 「社長ぉ! 落ち着くッスよぉ! 誰も社長の車を取ろうとしないッス! って危ないっ!!」

 部下らしき人が社長のメチャクチャな剣撃を避ける。

 「ウルセェエエエエエエエエエエエエッ!!? お、俺は絶対に信じないぞっ!! フェアレディZやフーガちゃん。況してやエクストレイルちゃんの時だって、すぐに壊れたじゃないかぁっ!!」

 フーガちゃん? エクストレイル? ああそうだ!車庫で自分の愛車にキスして僕に威嚇していたおじさんだ! 確かエクストレイルに乗っていた筈なんだけどぉ~・・・・・・乗り換えたのかなぁ?

 「俺のGTRちゃんを奪おうとするヤツは殺す! 八つ裂きにして殺してやるぅううううううううううううっ!!?」

 素振りとは言い難いが部下(?)の人さえも牽制するようにブンブン振り回す。

 「うらぁぁぁああああああああああああっ!? GTRちゃぁぁぁああああああんっ!! キミだけは、キミだけはこの俺が守ってやるからなぁぁぁああああああああああああっっっ!!?」

 「ママァ、またあのおじさんが変な事をしているよぉ」

 「シィ~、見ちゃいけません!」

 母親はそう言うと、息子の腕を引っ張ってどっかへ・・・・・・あれ? デジャブ? この光景どっかで見た事あるような気がする。

 「・・・・・・ハッ!?」

 「ふぇ?」

 何だろう。あのおじさんが僕に敵意を向けている気がする。しかも木刀を構えながらこっちに来ている・・・・・・って呑気な事を語ってる場合じゃないっ!!

 「え、え~っとぉ~・・・・・・何かぁ、僕に用があるんですか?」

 「お前のせいだ」

 「へ?」

 「お前のせいでエクストレイルちゃんがぁぁぁああああああっっっ!!?」

 木刀を振り被った時に部下の人が、身体に抱き付いて止める。

 「そんな訳がないッスよ社長ぉ!」

 「離せぇっ!? 俺には見えるんだぁ! ヤツの身体から俺の愛車達の怨みの念をぉぉぉおおおおおおおおおおおおっ!!?」

 愛車達の怨みの念って何っ!?

 「ここで会ったが100年目ぇっ!! 辻斬りしたるわぁああああああっ!!?」

 「社長、気をしっかり持つッス! その愛車達の何とかっていうのは、社長の気のせいッス!!」

 「絶対にそうだぁっ!! ヤツを、ヤツをこの手でこの手で亡き者にしたるぅううううううっ!!?」

 「な、何か危なそうだから逃げようっ!!」

 おじさんの 待てぇええええええっ!!? とか 逃げるなぁああああああっ!!? とか言う声を無視して事務所へ向かって走るのであった。

 「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・あの人は何だったんだろう?」

 追われていないか確認の為に、来た道を見て確認する。

 ・・・・・・よし、おじさんはいないね。

 追って来てはない事を確認すると事務所へと入って行く。

 「ただいま戻りましたぁ!」

 「今日は早かったねぇ!」

 「はい、今日は比較的に荷物が少なかったので仕事が早く済みましたよ。ところで天野さんとリトアさんは、何処かに出掛けているんですか?」

 「ああ、うん。彼らなら今度の護衛任務の打ち合わせをしに行っているよ」

 「ああ~、今度の日曜日の岡喜会社取締役代表の1日護衛任務の事ですか?」

 3日前の事、会社のポストに代表取締役代表を殺害すると脅迫文が会社に届いたのだ。
 その内容を読んだ岡喜会社の人はこの事を警察に届け出したのだが、その次の日に同一人物と思わしき人物が、代表取締役代表の自宅に詳しい日時が書かれた犯行文をポストに入れた。なので身の危険を感じた代表取締り役の岡喜会長自身自ら、PMCに警護の依頼をしたという訳。

 「でも恐いですよねぇ。知らない人から詳しい犯行分が送られてくるのは」

 「そうだねぇ~、犯人はきっとその人に恨みがあるんだよ。はいお茶」

 「ありがとうございます」

 リュークさんに出して貰った緑茶を飲んで一息付いた。

 「リュークさん、自宅まで犯行文を入れるとなると、取締代表に犯人に心当たりがないんですかねぇ?」

 「う~ん、どうだろう? その辺は天野くん達が聞いて来るんじゃないかなぁ?」

 「そうですかぁ。あっ!」

 「どうしたの、シオンくん?」

 「どうやら天野さん達が帰って来たみたいですよ」

 階段を登って来る足音が聞こえるけど、何かリトアさんが怒っている声が聞こえて来るのは気のせい?

 「ただいま」

 「「おかえり!」」

 いつもの様に面倒くさそうな顔をさせながらソファーに座る天野さんだけど、リトアさんの方は何故か怒っていた。

 「全くもぉ~、信じれないわぁ!!」

 「どうしたんですか、リトアさん?」

 「どうしたもこうしたもないわよ! もうっ!!」

 そう言いながら僕に抱き付いて耳を撫でて来る。これがリトアさんのストレス発散法になっているから困る。

 「ああ~、リトアがこうなった原因はな。話の途中で取締役代表の岡喜代表が、会社の自慢話を始めたからなんだ」

 「え、会社の自慢ですか?」

 「そうよぉ! この会社は昭和から続くだの、今では海外進出がどうたらこうたら長っっったらしく話して来たのよぉ! お陰で25分ぐらい時間がロスしたわ」

 会社の自慢を25分も語り続けるとはぁ、もしかしたら取締役代表は会社に誇りに思っているのかもしれない。

 「それはそうと、その人に犯人に心当たりがないか聞いたのかい?」

 「ああ聞いた。もしかしたらリーマンショックの時に解雇した従業員の犯行かもしれないって言っていた」

 「リーマンショックって言うと、2008年に起きた不景気の切っ掛けになったあれの事だよね?」

 「ああ、岡喜の会社も大打撃を受けて、やむ終えず従業員の一斉解雇に踏み込んだらしいんだ。恐らくはその内の1人が解雇された事に対して怒りを持っていて、今となってその怨みを晴らそうとしてんじゃないか?」

 「10年以上前の事なのに・・・・・・」

 「まぁでも、その可能性薄いと俺は考えている」

 天野さんはそう言うと煙草を口に咥えて窓へと行くと、ライターで火を点けて吸い始めた。

 「怨みがあるんだったら10年も持ちこさねぇよ」

 「じゃあアマノは誰が犯人だと思うのよ?」

 「つい最近解雇された誰かの犯行」

 「ああ~・・・・・・それはあるかもしれないわね」

 納得した顔をさせるリトアさんだけど、いい加減僕の耳をモフモフするの止めて欲しい。

 「そうだね。アマノくんの言う通りかもね」

 「まぁあくまでも俺の予想での話だから、襲撃をして来るヤツを捕まえないとわからない事だ」

 「もしも犯人が現れなかったら?」

 「それはそれで万々歳じゃないか。1発も弾丸を撃たずに仕事が完了するんだからな。それよりも、当日の編成を話すぞ」

 天野さんはそう言い、シュガーポットの中に煙草を入れ僕達がいるソファーに戻って来ると、それぞれの役割りについて話し始めた。
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